関東学生トーナメント(春関)も大会最終日を迎え、多くのギャラリーが見守る中行われた決勝戦。数々の同士打ちを制してきた島袋将(スポ2=三重・四日市工)が、表彰台の頂点を目指して大和田秀俊(中大)との一戦に臨んだ。
やはりこの男は強かった。「出だしから思い切り自分のテニスで押し切れた」(島袋)と語るように、試合開始早々2本のサービスエースを決め流れに乗る。3ゲーム目こそファーストサーブの成功率が低かったものの、3度にわたるジュースをしっかりと制した。5ゲーム目をキープしてからはさらにギアを上げ、自分の持ち味を存分に発揮する。ここぞという大事な場面でも冷静にボールをコントロールし、完全に主導権を握った島袋。立て続けにブレークし、第1セットを危なげなく終えた。
武器であるサーブでポイントを重ねた島袋
続く第2セットも、その勢いは止まらない。2ゲーム目でいきなりブレークすると、その後も得意のフォアハンドが炸裂(さくれつ)する。ラリー戦になった時にも、相手の動きを読みながら左右に正確なショットを放った。そんな中、7ゲーム目にこの日初めてのブレークチャンスを握られる。しかし、きょうの島袋に付け入る隙はなかった。好調のサーブで3連続ポイントを奪い、危機を回避。その表情には、余裕さえ感じられた。ゲームカウント5-3で迎えた島袋のサービスゲーム。見る見るうちに得点を重ね、最後は狙いすました強烈なフォアハンドに、相手の足も追いつくことができなかった。終わってみれば6-2、6-3と、圧倒的な強さを見せつけた島袋。「練習でうまくいかない分、自分にプレッシャーをかけて1ポイント1ポイント集中してできた」(島袋)。強さの秘訣はそこにあるのだろう。
優勝を決めた瞬間大きなガッツポーズを見せた
全試合を通して1セットも落とすことなく優勝を飾った島袋。手にした大きな自信を武器に、さらなる飛躍を誓う。一方、今大会は思うような結果を出せなかった選手も多い。それぞれの思いを胸に、来週に控えた早慶対抗戦ではチーム一丸となって勝利をつかみ取りにいく。
(記事 田中佑茉、写真 熊木玲佳)
昨年の関東学生選手権に続き関東を制した島袋
結果
▽男子シングルス決勝
○島袋6-2、6-3大和田(中大)
チャンピオンスピーチ
島袋 まず始めに、今大会を運営してくださった関東学生テニス連盟の皆さま、並びにコートを提供してくださいました有明テニスの森公園の皆さま、今大会協賛してくださいましたスポンサー各社の皆さま、ありがとうございました。また、土橋さんを始めとしたコーチ陣の皆さま、大会初日から熱く応援、サポートしてくださった早稲田大学庭球部員の皆さま、ありがとうございました。今大会はとても欲しいタイトルの1つで、このようにタイトルを取れてうれしく思います。この結果に満足せずに、来週の早慶戦やその先のインカレ、リーグ、王座、またフューチャーズ等で結果を残せるよう頑張っていきたいと思います。ありがとうございました。
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コメント
島袋将(スポ2=三重・四日市工)
――優勝おめでとうございます!率直なお気持ちは
2年生になって初めての大会で、それも春関(関東学生トーナメント)という大きな大会で優勝できたのでうれしいです。
――きのうまでの試合に関してはいかがですか
今回は同士打ちが結構多くてやりにくいというのもあったのですが、逆に普段一緒に練習をしていていろいろ分かってるので、やる前に自分なりにプランを考えて、それをしっかりとプレーで表現できたのがよかったなと思います。
――決勝では三好健太副将(スポ4=埼玉・秀明英光)や坂井勇仁選手(スポ3=大阪・清風)を破った相手と当たりましたが、作戦などはありましたか
作戦というよりは、思い切りやるだけかなと思っていました。坂井さんとか三好さんといった強い選手に勝って乗っている選手だということは分かっていたので、あまり引かないようにしようと気をつけていて、出だしから思い切り自分のテニスで押し切れたのがよかったです。
――サーブやフォアハンドなども決まっていましたが、ご自身の持ち味は出せましたか
そうですね。十分出せました。
――100点と捉えてよろしいでしょうか
まあ100点ではなくて70点ぐらいですかね(笑)。
――残りの30点分の課題は
重要な場面でミスがあったり、サーブに関しては確率であったり、まだまだ課題はあると思うので、そこをしっかりと補っていきたいと思います。
――練習から好調だったのですか
いや、僕練習はあまり好調なタイプではなくて。練習試合とかも含めて思うようにできないんですけど、本番は思い切りできるんですよね。
――本番に強いタイプなのですね
そうですね、言い方を変えると(笑)。でも練習でうまくいかない分、自分にプレッシャーをかけて1ポイント1ポイント集中して今大会はできたんじゃないかなと思います。
――ご自身にとってどのような大会になりましたか
全試合を通して1セットも落とさず勝てたことはとても自信になりましたし、来週早慶戦もありますけど、ケイオー側にも少しはプレッシャーをかけられたんじゃないかなと思います。
――最後に、早慶戦も含めた今後に向けて意気込みをお聞かせください
まずは来週の早慶戦で、どのポジションで出るかは分からないのですが、少しでもチームに貢献できるように頑張りたいです。その先はインカレ(全日本学生選手権)だったりリーグ(関東大学リーグ)、王座(全日本大学対抗王座決定試合)でも、この調子のままいきたいと思います。