【連載】早稲田フューチャーズ直前特集『学生が運営!?国際大会の裏側へ』 最終回 坂井勇仁×小林雅哉×島袋将

庭球男子

 最終回に登場するのは、三菱電機・早稲田大学フューチャーズ国際トーナメント(早稲田フューチャーズ)に選手として出場予定の坂井勇仁(スポ2=大阪・清風)、小林雅哉(スポ1=千葉・東京学館浦安)、島袋将(スポ1=三重・四日市工)だ。先日までインドネシアのフューチャーズに挑んでいた三人は、部としても初めての大規模海外遠征から何を得たのか。そして、ホームコートで迎えるフューチャーズにどのような抱負で臨むのか。世界を見据えるプレーヤーの声を聞いた。

※この取材は3月2日に行われたものです。

「もっと自信を持ってやっていきたい」(島袋)

インドネシアフューチャーズで好成績を収めた島袋

――つい先日までインドネシアフューチャーズに出場されていましたが、疲れはありますか

坂井 僕は帰ってきて2日間しっかり休んだので、そんなに疲れてはないです。むしろ向こうの方が暑かったので、こっちの方が涼しくて動きやすい感じですね。

島袋 僕もしっかり休めたので、疲れというのはあまりないのですが・・・。寒いなというのと、花粉が。結構やばいですね。

小林雅 僕はインドネシアからの帰りの飛行機の中で熱が出てしまったのですが、たぶん疲れだと思うので。

――インドネシアフューチャーズにはどのような目標を持って臨んでいましたか

坂井 部としては、2020年の東京五輪に向けた一つの取り組みとして、今回はこの三人プラス渡邉ヘッドコーチ(隼、平19スポ卒=静岡・庵原)で行ってきました。全員の目標としては(ATP)ポイントを取ることでしたが、それぞれ目標は違ったとは思います。僕は3週連続で1回戦負けしてしまったのですが、最後の週に島袋がシングルスでベスト4に入って、ダブルスでも島袋が準優勝、小林がベスト4に2回入ったので、全体的には良かったのではないかなと。僕自身は日本のフューチャーズが始まるので、そっちに向けて頑張っていきたいと思います。

島袋 ITFで海外でプレーするのは初めてだったので、まず多く試合数をこなして、少しでも多く勝てるように頑張ろうと大会に入りました。1週目2週目は1回戦負けということで悔しい思いをして、3週目でシングルスベスト4と、ダブルスはOBの片山さん(翔、平24スポ卒=現・伊予銀行)と組んで頂いて準優勝という結果を出せたのは良かったです。

小林雅 (現在保持しているATPポイントは)早稲田フューチャーズのポイントしかなくて、インドネシアで取れないと次ランキングが下がってしまう可能性があるので、インドネシアでシングルス、ダブルスともにポイントが取れるといいなと思って臨んでいました。

――3週ありましたが、それぞれを振り返っていかがでしたか

坂井 僕はポイントを持っていなかったので3週全部シングルス予選からだったのですが、正直行く前は予選で負ける週があってもおかしくないなと思っていて。でも3週連続で本戦に上がれたのは少し収穫があったのではないかなと思います。全部本戦1回戦で負けてしまったのはやはり悔しいのですが、3回チャレンジしているので次は本戦1回戦を絶対勝ち抜けるように準備していきたいと思います。

島袋 僕は3週目で結果を出せたということで、1、2週目でもう少し成績を残したかったなという部分もありますし、逆に初めての海外でベスト4という結果を残せたのは良かったかなと。このフューチャーズは結構自信につながるような大会だったなと思います。

小林雅 1週目でシングルスはまず1回戦勝ったことと、ダブルスで第2シードと当たってしまったのですが、OBの松崎さん(スポ4=神奈川・湘南工大付)と組ませていただいて、もう楽しくやればいいよみたいな感じだったので、そしたら意外と勝てちゃって。ダブルスの面では松崎さんにいろいろ指摘を受けてすごく勉強になったなと思っています。

――松崎さんからは具体的にどのようなことを言われたのですか

小林雅 相手がツーボレーに来たときに僕はすぐロブを打ってしまってスマッシュを打たれるパターンが多かったのですが、逃げずにしっかりついていこうということを言われて、それからはポイントを取れることも多かったです。

――島袋選手が片山さんと組むことになった経緯を教えてください

島袋 僕自身ダブルスのポイントがなくて、ダブルスは本戦からしかないのでどうしてもランキングが高い順に入っていくことになって、ノーランキングは出るチャンスがめったにないので。片山さんが結構多くポイントを持っていてランキングも持っているので、片山さんとだったら出られるということで、渡邉ヘッドコーチを通して片山さんに言ってもらって組んで頂いたという感じです。

――その片山さんとはシングルスでの対戦もありましたが、今回に限らずダブルスのペアと試合をするのはどのような気持ちなのでしょうか

坂井 うーん。あんま良くないよな。

島袋 そうですね、あんまり良くはないですね(笑)。

坂井 俺らはインカレインドア(全日本学生室内選手権)で当たったけどさ(○島袋6-4、7-6(10)坂井)。あんまり良くはないよな。そういうこと多いですけど。

島袋 そこで変に気を使っちゃうと負けちゃったりするので、気にしないようにしました。

――ITFの大会ということで学生大会やJOPとはまた違うと思いますが、どのような点で違いを感じますか

坂井 僕が感じるのは、学生よりプロの方がみんなリターンがうまいなと。あとは生活が懸かっているので、学生だったら負けたら監督に怒られるとか思いながらやってる人も多いとは思いますが、プロは負けたらあしたご飯が食えないとかそういうことになってくるので、また違う重みを感じました。すごく伸び盛りの若手選手だとか、フューチャーズ2週連続優勝した選手もいたのですが、そういう選手は人が見てなくても自己管理能力が高いなと思いました。

島袋 僕も坂井さんが言ったように、(プロ選手は)生活が懸かっているので、1ポイント1ポイントすごく大切にしたり、勝負どころでしっかりコートの中で勝負したりと、学生とは勝負強さという面で全然違うなという風に感じました。あとは強い選手がたくさんいる中で、2週優勝した選手は、他の選手とは違って試合が終わった後も1人でジム行ってトレーニングやストレッチをして、という自己管理をしっかりやっていて。

坂井 全部一人でやってたよな。

島袋 強い選手はそこまでするんだなと改めて感じました。

小林雅 僕が感じたことは、予選の外国人選手は意外とあきらめてくれることが多いなと。ファーストセットとかで競って競って取られたときにセカンドセットで集中できないのか捨ててくれる人もいたので。そこは日本人とは違うというか。こっちとしてはラッキーなのですが(笑)。日本人はあきらめる人は少ないと思います。

――逆に海外でも通用すると感じた点は

小林雅 外国人選手はパワーテニスというイメージがあって、サーブがすごくてストロークももっと速いイメージだったのですが、意外とサーブを何とか返せればチャンスがあるのかなと思いました。僕はどちらかというとストロークメインなので、リターン返した後はチャンスがあるんだなと感じました。

島袋 自分はサーブとオフェンスのプレーがいいので、そのいいところが今回の大会でも通じたというのは改めて感じて。サービスゲームだったり大事な場面で積極的にいってポイントを取ったりというプレーは海外でも通じました。あとはリターンを通すという部分では海外の人たちの方が丁寧というか、しつこかったのでそこはまだまだ上だなと思います。

坂井 僕は外国人の選手とやった時に、上にいけばいくほどサーブが良くなるというよりかはリターン力が上がるという感覚があって。僕も自分の中で3週間で結構リターンは良くなった気はして、サービスゲームをしっかりキープする力をもっとつければもっと戦えるなという感じです。

――課題と収穫は

小林雅 課題は、遠征に行って自分のプレーをすることがまず大事だなというのがあって。2週目の相手は優勝した選手で、3週目は2週目準優勝だった選手と当たってしまったのですが、その2週目3週目のシングルスは正直あまりチャンスがないのかなと思ってしまっていて。ポイントを落としても思い切ってやる、何とかゲームを取ろうという感じでしかやっていなかったので、まずはどんなに強い相手でも勝つという気持ちをもってやれれば良かったのかなと思っています。

島袋 課題としては、やはり3週ある中で1、2週目で成績を残すことができなくて、原因としては1週目で負けても2、3週目で結果を残せばいいやという甘さが少しあったのかなという気もしますし、逆に3週目だけ勝っても1、2週目で勝てるチャンスを逃したというのは本当にもったいなかったなと。1週目からしっかり勝っていけるように、環境や雰囲気に慣れるのももっと早い段階でできるようにしていきたいなと思います。収穫としては、さっき言ったように自分のサービスゲームだったりオフェンスのプレーだったりは世界でも通用すると感じたのでもっと自信を持ってやっていきたいなと感じましたし、リターン力をもっと上げないとなというところかなと。

坂井 収穫は3週連続で予選から本戦に上がれたこと。あとは僕は初めての海外遠征だったのですが、その中で大きく体調を崩すこともなくできたのは良かったのではないかなと思います。課題はさっきもあったサービスゲームのキープ力と、リターンゲームの戦い方とで。そんなに悪いわけではないので悲観的にならずに、またあさってから始まる亜細亜フューチャーズ(亜細亜大学国際オープン)に向けて頑張りたいと思います。

「オッケー」(小林雅)

笑顔で言葉を探す小林雅

――インドネシアでは観光できましたか

坂井 いや、治安的に観光は危ないらしくて。交通面でも、まず信号が全くないんですよ。

島袋 常に渋滞ですよね。

坂井 車線が3本から急に1本になったりして詰まるんですよね。だから移動するのにも、すぐそこにあるビルに車を使って30分かかるとか。あとは観光する場所がない・・・。

――ではホテルとコートの往復というかたちだったのですか

坂井 そうですね。ただOBの曽我部さんという方がずっと面倒をみてくださっていたので、そういう面では困ることはほぼなかったです。ジャカルタで生活している方で。

――日本人選手も多く出場していましたが、交流はありましたか

坂井 今井さん(慎太郎、平28スポ卒=現・東通産業)が1週目、2週目いらっしゃって、僕は久しぶりに再会を果たしたので。1週目は僕も小林も今井さんに負けちゃったので、次当たったら勝てるように頑張ります。

――面白かったことなどをお聞きしてもあまり出てこないでしょうか

坂井 あまりよろしくはないかもしれないのですが、常に下痢状態というか・・・。な。

島袋 分かります。

坂井 水道水は飲んだら一発アウトなんですが、生野菜を食べるのもあまり良くなくて、傷んでたりして下しちゃうらしくて。それで始めの方はビビって野菜とか食べられなくて、パンとかの炭水化物しか食ってないんで。な?お腹がずっとグルルルル・・・って。小林くんとかも部屋のトイレで下痢しながら歌ってるんですよ、15分くらい。

一同 (笑)

小林雅 いやでも、やることないじゃないですか・・・。

坂井 しかもまじくさいよな、あのトイレ。換気扇がなくて、こもる。においが。あった?換気扇。

島袋 なかった(笑)。

坂井 あれつらかったよな、結構。

小林雅 僕らの部屋がくさかったです。

島袋 ああ、たしかにそれはあります。

小林雅 まじでくさいんです。部屋自体がくさいです。島袋の部屋くさくないですもん。

――島袋選手の部屋はトイレもくさくはなかったのですか

島袋 トイレはくさかったですけど。でも松崎さんがにおいとかも結構こだわってて。本当几帳面で。

――松崎さんがきれい好きというのはよくお聞きする話ですが

坂井 例えば僕が「松崎さんこんにちはー!」ってベッドにボーンって座ったら「マジでキレる」って。

島袋 洗濯物とかもしっかり畳んで。

坂井 ホテル着いた瞬間に、机の上にパソコンとケータイと・・・。

島袋 全部そろえますね。

――部屋は2人部屋ですか

坂井 僕と小林で、島袋が松崎さんとで。

――小林雅選手の面白かったことは

小林雅 面白かったというか、楽しかった話なんですけど。夜10時半くらいですかね。インスタで今ライブ配信できるじゃないですか。その時は坂井さんと松崎さんがいて、3人でライブ配信をやっていたんですけど。曲を流しながらずっとみんなで歌っていて。

坂井 ずっと音楽かけて恋ダンスを踊っていて。

――踊れるのですか

島袋 完璧です、完璧。

小林雅 松崎さんと。

坂井 雅哉は小柄なんで踊っていてもそんなに違和感はないんですけど。・・・松崎さん・・・。ねえ、みたいな(笑)。

一同 (爆笑)

坂井 松崎さんも踊っちゃったんで。

小林雅 あれは結構楽しかったです。

坂井 あとさ、お前がYouTubeとかで見てたやつが徐々に俺に伝染してったよな。1週目バイオハザードのグロい動画ずっと(小林雅選手が)見てて、僕は「キモッ!」とか言ってたんですよ。そしたら2週目僕がバイオハザードの動画見てて。その次アニメ見始めたよな、お前。そしたら次俺が見始めて。

小林雅 夜は本当に暇で、しゃべんないんですよ。布団でずっとYouTube見てて。

坂井 たまにどっちかが「・・・フッ(笑)」って言ったりして。

一同 (爆笑)

坂井 あれ気持ち悪いよな。

小林雅 僕は大体NARUTOを見てたんですよ。バイオハザード見終わった後NARUTOとか見てて。

坂井 俺ははじめしゃちょー見てた、ずっと。

小林雅 そしたら今度また(坂井選手が)NARUTO見て、みたいな。ずっと真似してるんですよ。

坂井 真似はしてない、ちょっと変えてる。お前NARUTO全部見てたやろ、普通に。俺名場面集しか見てないから。

小林雅 いや、僕はナルトとヒナタが結婚するところです。

島袋 どっちでもいいじゃないですか(笑)。

一同 (笑)

小林雅 でもたまに面白そうな動画見てたら僕見にいきましたよ。3週目とか、もう試合負けちゃって、次の日ダブルスもNBが午後とかで。何時まで起きてましたっけ、2時とか?

坂井 その時僕はバイオハザードの動画見てたんですよ。僕めっちゃ眠かったんで、もう寝ようと思いながら見てたんですけど、そしたら雅哉がうれしそうに(ベッドに)乗ってきて。「俺寝たいけどまあいっか、見よう」と思って、雅哉は見てるんですけど目がもうこんなんで(白目をむく)。

一同 (笑)

坂井 俺1回寝てたやろ?ケータイ落としかけたよな。

小林雅 あーこれ絶対寝る、と思って申し訳ないなと思ったんですけど。

坂井 ケータイが3回くらいピクってなってるのに気付いてくれへんかった。

小林雅 1回だけパッって落ちそうになったのは気付いてて、「あ、これやばい」とは思ったんですけど。

坂井 「見たい」の方が勝った?

小林雅 あとちょっとで終わると思ったので、飛ばしてもいいからって感じで。

――試合時間は遅くなることが多かったのですか

坂井 2週目まではほぼ毎日雨降ってたので、夜の9時とか、雅哉の時は10時とかもあったけ。ぎりぎりまで。

島袋 天候の関係で、結構大変でしたね。

坂井 ストレスはたまったな。

――ではホテルで待機して動画を見て試合して、と

坂井 そうですね。あと僕結構英語しゃべれることに気付きました。難しいんですけど、ね。結構話せるやろ?意外に。

小林雅 話が合ってるかは分からないので、僕も。たぶん会話してるはずです。

坂井 単語は合ってるか分からないですけど・・・。僕英語しゃべれます。島袋はしゃべれないですけど。サンキューしか言わんやろ?

島袋 (ダブルス)準優勝ということで、表彰式があって。片山さんと(賞状等を)もらうときに「これスピーチないですよね?」って話したら「ないないない、大丈夫。準優勝だし、最悪1人で大丈夫っしょ」みたいな。で、(スピーチが)あったんですよ。最初片山さんが話して、「まあ1人って言ってたし大丈夫か」って感じで見てて、次優勝者のところいくんかなと思ったら、こうやって(促されて)。「Sorry, I can’t speak English. Thank you.」みたいな。本当3秒ですね。

坂井 その後16歳のジャカルタ人の男の子がペラッペラの英語でしゃべってたんですよ。

島袋 もう僕ショック受けましたね、本当に(笑)。爆笑されてましたから、隣で。

一同 (笑)

――スポーツ科学部の成績発表は

坂井 あしたです。結構チキってるよな?

島袋 やばいですね。

坂井 でも僕GPA結構高いです。

小林雅 フル単ですか?

坂井 フル単。

小林雅 それがいいよね。

一同 (笑)

坂井 3週間も一緒にいたら誰も敬語使ってくれなくなった。

一同 (笑)

坂井 こいつ(島袋)とか、エレベーター乗った時僕がわざとドア閉めようとしたんですよ。そしたら開けてきて「馬鹿野郎!」って。

一同 (爆笑)

坂井 びっくりしたわ。

島袋 ノリですよ、ノリ(笑)。さすがに。

――松崎さんにはちゃんと敬語を使っていましたか

島袋 それは使ってます(笑)。

小林雅 嘘や、絶対嘘。

坂井 「おい勇太郎」とか言ってたんやろ。

島袋 言わないっすね。

坂井 小林くんももう使わないですね。「ウケる~」とかって。

インドネシアでの思い出話が尽きず、にぎやかな対談となった

――お互いの印象を伺いたいのですが、小林雅選手と島袋選手は以前お聞きしたので(王座直前特集『全てはこの日のために』)、今回は坂井選手の印象を1年生お二人に答えて頂きます

坂井 これ感動するやつやな。

小林雅 しないです。

一同 (笑)

小林雅 僕はジュニアの時に2回くらい試合やってるんですよ。ITFの埼玉の予選でやってるんですけど、すっごい怖い印象があって。しゃべったことはあんまりなかったので正直どういう性格なのかも分からなかったのですが、怖い印象がありましたね。試合中の態度なのか分からないんですけど・・・。

一同 (笑)

小林雅 怖そうなイメージはありましたね。でも入ってからはむしろ面白い人だなと思って・・・。怒る時は怒るんですけど。

坂井 怒るっけ?

小林雅 まあ、ほどよく。怒る時はありますけど、でも全然・・・。オッケーって感じです。

坂井・島袋 オッケー(笑)。

小林雅 何て言えばいいのか分からなかった(笑)。

坂井 「ほどよく怒ってくるんですけどまあ全然オッケー」ってお前(笑)。

一同 (爆笑)

小林雅 オッケーしか出てこない。いい人です!

――島袋選手は入学前に面識はありましたか

島袋 大会ではありました。ぱっと見は大阪出身で怖いなというのはありましたね。大阪人て僕、怖い印象から入るんですよ。でも実際は・・・(坂井選手が島袋選手の)教育係についていただいて。

坂井 後悔してます。

島袋 お世話になって、とても優しい先輩でした。あと面白いですよね、話すと。話し出すと止まらないんですけど(笑)。楽しいですね。あとはダブルスも組んでくださって、全日本(三菱全日本選手権)ベスト8に入れたり、インカレインドアは・・・。

坂井 あれちょっとやらかしたな。

島袋 ・・・惜しいところまでいったりして。ダブルス中でもきつく怒ったりしなくて、普通の先輩だったら「しっかりやれ」みたいなあると思うのですが、そういうのはあまりなくて。僕的にはそっちの方がやりやすいので。

――教育係はどのように決めるのですか

坂井 とりあえず全員あみだくじで決めました。僕は島袋か髙村(佑樹、スポ1=千葉・東京学館浦安)で、齋藤(聖真、スポ2=神奈川・湘南工大付)と僕であみだくじをして僕が島袋、齋藤が髙村になりました。寝坊したときとかは罰として掃除をしなくてはいけないのですが、3月から3カ月くらいは年下が寝坊などしたとき教育係がやんなきゃいけないんですよ。

島袋 僕寝坊はしてないんですよ。欠席連絡のミスで。

坂井 同じミスを2回して(笑)、しかも2回目は僕が教育係が外れたと思っていた時期で。僕が電話して「お前だっさ」とか言ってたら、上の人に「お前もやれよ」って言われて。

島袋 一緒にやりました(笑)。

坂井 僕は歩さん(岩崎、スポ3=神奈川・湘南工大付)だったのですが、僕は入ってきたその日に午後3時の練習に寝坊していったんですよ。しかもそこ(コート脇の建物)で寝てて、そこ(コート)の集合に遅刻しました。

――ちなみに小林雅選手の教育係は

小林雅 町田さん(亮、スポ2=福岡・柳川)です。

――1年生のお二人も次の新入生の教育係になるのですね

坂井 もう決まった?

島袋 まだです。

――どんな新入生がいいですか

島袋 まじめなやつがいいです。

坂井 お前もまじめやと思ってたのにな。顔だけやったわ。

「ポイントは意識せず、自分のプレーを」(坂井)

真剣な表情で次の試合に向けて意気込みを語る坂井

――早稲田フューチャーズが始まります。具体的な目標はありますか

坂井 僕はシングルスは予選には入れているのですが、一戦一戦勝ち上がって。今回インドネシアではポイントを取ることを意識しすぎて緊張してしまっていたので、ATPポイントは意識せずに自分のプレーをしっかりしていけば結果はついてくるのではないかなと思います。目指すは優勝ですが、一つずつ勝てるように頑張ります。

島袋 インドネシア3週目でいい成績を残して、今は調子自体もいいので、この勢いを早稲田フューチャーズにぶつけて。出られるか分からないですが、出られたら単複ともに優勝目指して頑張りたいと思います。

小林雅 僕も出られれば単複ともに一つずつ勝っていけるように頑張りたいと思います。

――昨年の大会を振り返っていかがですか

坂井 僕は去年シングルス1回戦、ダブルス2回戦で負けたのですが、去年はこういうレベルの試合に出るのがほぼ初めてで。その時は緊張していて、1回戦で関口さん(周一、Team REC)と当たって負けてしまったのですが(●3-6、1-6)、強い選手とやることが楽しい、やりたいと思うようになったきっかけの大会でした。

島袋 僕は昨年初めてATPポイントを取ったのが早稲田フューチャーズで。まだ入学もしていなくて今より全然弱かったのですが、ホームコートということで周りに力をいただいて勝てたので。すごくうれしかった部分はありますね。ダブルスは小林と出たのですが、そのチャンスを生かせず負けて悔しかったという印象です。・・・何笑ってんねん。

小林雅 ダブルスやばいなと思って。

坂井 ダブルスひどかったな、あれ。

小林雅 まだ高校生だったというのと、フューチャーズという大会やATPポイントがよく分かっていなくて。相手もいきなりシードの選手で、プレッシャーも感じずに思い切ってできていたのかなと思います。本当に去年の早稲田フューチャーズはすごく調子が良かったので、その調子を持ってこられればいいかなと。ダブルスは本当に申し訳なかったんですけど・・・(笑)。

島袋 お互いな。

小林雅 忘れます(笑)。

――今回はホームコートでの試合となりますが、やはり安心感などはありますか

坂井 家がそこなので過ごしやすいですし、いつも練習しているコートなので。普通の選手なら来てコートに慣れて、というところがありますが、そうする必要もなくてただただ思い切りいくだけなので。

――自分の大学でフューチャーズを運営することのメリットなどは感じますか

坂井 自分の大学で行うことで強い選手とやるチャンスも増えますし、開催するということで予選も本戦もワイルドカードで早大の選手が出場できて、日本の上位で活躍している選手や海外から来た選手と試合できるので。後は国際交流ですね。トーナメントデスクがメインになるとは思いますが、大会を学生だけで運営することで、外国人の選手とコミュニケーションを取ることが語学力の発展にもつながるのではないかなと。収穫しかないかなと思います

――選手も運営の役職に就くと伺いましたが、皆さんは何を担当されるのですか

坂井 僕らは駐車場警備とヒッティングですね。選手として試合が終わってから、要望があればヒッティングしたり、そこにとめないでくださいと言ったりします。

――運営側として、早稲田フューチャーズの魅力は

坂井 早大以外でもそうなのですが、学生が主体となって運営しています。後は東伏見のお店の料理もここで食べることができますし、あとはワセクラの子どもたちが観戦に来てくれたりだとか。いつも決勝、準決勝に向けてビラを配るのですが、住宅が多いので観客を集めやすいのではないかなと思います。来てくれる方は・・・去年は結構多かったよな?ことしも錦織選手の活躍もあってデ杯も満席と聞いたので、見にきてくれる人が増えるのではないかなと思います。

――どんな人に来てもらいたいですか

坂井 東伏見の人たちに特に見にきてほしいなと思います。紺碧寮の寮長とかにも言ってポスターを寮内に貼りだしているので学校の友達も見にきてくれるのではないかなと思います。あとはよく行く店の人とかが見に来てくれればいいなと思います。

島袋 世界の選手や日本のトップレベルの選手が集まるので、テニスに興味がある方たちだったり、自分の知り合いだったり友達だったり、普段お世話になっている人だったり。そういう人たちに、自分がプレーしている姿や強い選手を見ていただいて、少しでも頑張ってるな、すごいなという気持ちになってくれたらうれしいなと思います。

小林雅 自分の知り合いとかが見に来てくださって、自分が試合していたらすごく応援してくれると思うので。遠いところからは呼ばないですけど、近場の知り合いとかを誘ってみて来れるようであれば、できたら応援してみたいな感じで。頼みます(笑)。

――ご自身のプレー面でのアピールポイントを教えてください

坂井 僕は左利きを生かしたキレのある粘り強いテニスをしたいと思います。

島袋 積極的なプレーであったり、たくさんエースを取れるサーブであったりに注目してもらいたいです。

小林雅 自分はあまりそういう武器は持っていないので、コート上を走り回ることだけです。

――最後に、この記事を見ている人にメッセージをお願いします

坂井 記事を見ている皆さん。

島袋 そんなこと言うんすか(笑)。

坂井 記事を見ている皆さんこんにちは。早稲田フューチャーズ、ぜひ見にきてください。

島袋 少しでも興味があったり、見てみたいなと思う方はぜひ足を運んでください。よろしくお願いします。

小林雅 テニスが好きであれば見に来てください。・・・以上です(笑)。

坂井 あ、あとグッズ!学生がたくさん考えたグッズがたくさん売っているので、記念に買ってくださるとうれしいです。

――ありがとうございました!

(取材・編集 熊木玲佳、松澤勇人)

早稲田フューチャーズに向けての意気込みを書いていただきました!

◆坂井勇仁(さかい・ゆうと)(※写真左)

1996年(平8)8月12日生まれ。身長175センチ、体重65キロ。大阪・清風高出身。スポーツ科学部2年。昨季の主な成績は、全日本学生選手権男子シングルスベスト16、男子ダブルス2位。全日本学生ランキングシングルス15位、ダブルス1位(2016年10月付)、ATP世界ランキングダブルス1438位(2017年2月27日付)。松崎さんの部屋に遊びにいった時は、帰り際に綺麗に整った机の上を乱して帰るという坂井選手。お茶目な一面が見えました

◆小林雅哉(こばやし・まさや)(※写真中央)

1997年(平9)9月22日生まれ。身長170センチ、体重65キロ。千葉・東京学館浦安高出身。スポーツ科学部1年。昨季の主な実績は、全日本学生選手権男子シングルス優勝、関東学生選手権男子ダブルスベスト4。全日本学生ランキングシングルス6位、ダブルス26位(2016年10月付)、ATP世界ランキングシングルス1124位、ダブルス1523位(2017年2月27日付)。夜の空き時間には部屋で動画を見ていたという選手たち。小林雅選手は、大音量で動画を見ていた坂井選手に対抗して無言で音量合戦を仕掛けていたそうです

◆島袋将(しまぶくろ・しょう)

1997年(平9)7月30日生まれ。身長183センチ、体重75キロ。三重・四日市高出身。スポーツ科学部1年。昨季の主な実績は、関東学生選手権男子シングルス優勝、男子ダブルスベスト4。全日本学生ランキングシングルス11位、ダブルス10位(2016年10月付)、ATP世界ランキングシングルス1375位(2017年2月27日付)。坂井選手に「滑舌が悪い」といじられていた島袋選手。早稲田フューチャーズでのチャンピオンスピーチに期待です!


※ATPポイントは2月27日時点でインドネシアフューチャーズF2まで反映。