学生の力を見せつけろ!2回戦を終え快進撃も

庭球男子

 全日本大学対抗王座決定試合(王座)を終え、絶対王者・早大としてのプレッシャーから解き放たれた選手たちが躍動している。三菱全日本選手権(全日本)では、3日間をかけて2回戦と未消化だった1回戦の試合が行われた。シングルスでは、古田伊蕗(スポ2=静岡・浜松市立)がシード選手を倒して16強入り。ダブルスでは男女3組が2回戦を突破した。

★19歳対決は相手に軍配

昨年16強入りした小林雅は1回戦で姿を消した

 未消化だった男子シングルス1回戦が、24日に行われた。小林雅哉(スポ1=千葉・東京学館浦安)の相手は山﨑純平(日清紡ホールディングス)。優勝を飾った昨年の全日本ジュニアでは、準決勝で下している選手だ。ファーストセットは「思い切ってやれれば良かったが、弱気になってしまった」と4-4から2ゲーム連取されて落としてしまう。セカンドセットでは中盤から持ち直し6-3で奪い返すも、ファイナルセットは流れを引き寄せられない。「(相手が)前よりミスが少なくなったのに対し、自分が対応できなかった」。焦りから攻め急いだ小林雅にミスが目立ち、19歳対決は相手に軍配が上がった。

(記事、写真 熊木玲佳)

★古田がシード選手を撃破!

第10シードを倒した古田。次戦もシード選手に挑む

 快進撃が止まらない。1回戦で総体王者を下した古田が、第10シードの菊池玄吾(福井県体育協会)をストレートで破った。「しっかり後ろでラリーをしながら、前に入れるときだけ入ることを意識した」と、ストローク戦でポイントを奪っていく。ファーストセットを6-3で制した古田は、セカンドセットでも自らのプレーを貫いた。球を打ち分けて返す古田に対し、焦りから相手がミスを重ねる。4-5とされたものの最後は3ゲームを連取。「本当にノープレッシャーでどんどん中に入ってやれたので良かった」。王座の重圧を経験した学生が、シード選手を撃破して3回戦へ駒を進めた。

(記事、写真 熊木玲佳)

★坂井は2回戦敗退

コロシアムでプレーする坂井

 シングルス2回戦に登場した坂井勇仁(スポ2=大阪・清風)は江原弘泰(日清紡ホールディングス)と対戦。立ち上がりから4ゲームを連取され思うようなプレーができずにいたが、終盤で追い上げを見せる。しかし反撃もむなしくこのセットは4-6で落としてしまった。迎えた第2セットでは形勢が逆転。サーブから良い流れをつくり、次々にポイントを決める。ファイナルセットに望みをつなげたが、そこでプロの意地を見せつけられた。なかなかサービスゲームをキープすることができなかった坂井。ミスを誘われ、最終的に0-6という結果に終わった。

(記事、写真 田中佑茉)

★島袋は高橋悠介に敗れる

同年代のプロ選手に挑んだ島袋

 予選、1回戦を順調に勝ち上がり、2回戦に挑んだ島袋将(スポ1=三重・四日市工)。対戦したのは、「ずっとずっと雲の上の存在だった」と語る同年代の高橋悠介(プロ・フリー)だ。相手のリズムを崩すことができないまま0-6でファーストセットを終え、気持ちを切り替えて臨んだセカンドセット。3-3まで食らいつき、逆転のチャンスをうかがう。しかし流れを引き寄せることはできなかった。「自分の武器であるサーブが全然生かせていなかった」(島袋)。強みを出せないまま一気に突き放された島袋はここで敗退。「完敗でした」と悔しさをあらわにした。

(記事、写真 田中佑茉)

★松崎・河野組が綿貫兄弟と激突

このペアでの最後の試合となった

 松崎勇太郎(スポ4=神奈川・湘南工大付)・河野優平(スポ3=福岡・柳川)組は綿貫裕介(橋本総業)・陽介(グローバルプロテニスアカデミー)組と対戦。「すごく楽しみ」(松崎)、「思い切りやるだけ」(河野)と、昨年度の優勝ペアに挑んだ。ファーストセットは勢いで攻めて5-2まで相手を追いつめるが、「気持ちの揺らぎがあった」(松崎)と勝利を意識してしまい、タイブレークの末に奪われる。セカンドセットでは相手のストローク力に苦しめられ、「同じパターンで取られ続けて修正するべきところに気づけなかった」(河野)と流れを取り戻すことはできずに2-6で試合を終えた。二人で組むのはこの大会が最後。「最後の試合としては楽しかった」(松崎)。個人戦、団体戦を戦ってきたダブルスに幕を下ろした。

(記事、写真 熊木玲佳)

★齋藤・髙村組が昨年度ファイナリストを下す

事前の対策が功を奏した齋藤・髙村組

 関東大学リーグや王座で確実に勝利をもぎ取っていたダブルスが、全日本の舞台でも輝きを放った。齋藤聖真(スポ2=神奈川・湘南工大付)・髙村佑樹(スポ1=千葉・東京学館浦安)組の相手は佐野紘一(伊予銀行)・小ノ澤新(イカイ)組。昨年、この大会で2位の成績を収めた強敵だ。相手の特徴を踏まえ、二人でしっかり話し合って臨んだ。ファーストセットでは齋藤のサービスキープに苦戦したものの、「本当に紙一重だったが、最後の最後で取れた」(髙村)と7-5で先取する。セカンドセットでは「(こちらのサービスゲームで)どう相手を崩すかをすごく考えた」(齋藤)といい流れでのキープに成功すると、リターンゲームでも強気に攻めていった早大ペア。このセットも6-3で取り、3回戦進出を決めた。

(記事、写真 熊木玲佳)

★坂井・島袋組が3回戦へ

次戦は第1シードに挑む

 初戦を難なく突破した坂井・島袋組は、2回戦で上杉海斗(慶大)・仁木拓人(三菱電機)組と対戦。ファーストセットは「実力を見せつけられた」(島袋)とサービスゲームを1つずつ落とし、2-6で奪われる。しかしセカンドセットでは、ストロークでチャンスをつくってポイントを重ねていった。流れを引き寄せたところで雨による中断があったものの、翌日の再開後もペースを崩さずにプレー。ファイナルセットはマッチポイントをしのがれる場面もあったが、「僕は前で、島袋は後ろでできることをしっかりやれた」(坂井)と6-4で取り切った。次戦は第1シードの今井慎太郎(平28スポ卒=現・東通産業)・内山靖祟(北日本物産)組と当たることになる。「僕らもノンプレッシャーなので、できることを精いっぱい出してやるだけ」(島袋)。プロを相手に、学生の力を証明したい。

(記事 熊木玲佳、写真 佐藤亜利紗)

★細沼・大矢組、笑顔で2回戦突破

初戦で第1シードを下した勢いは止まらなかった

 女子ダブルス2回戦に登場した細沼千紗(スポ3=東京・富士見丘)・大矢希(スポ2=愛知・名古屋経大高蔵)組。ファーストセットの9ゲーム目では、6度に及ぶジュースを制す。「気持ちで負けないようにしていた」(大矢)。気迫の込もったプレーでこのセットをものにすると、続くセカンドセットでも開始早々にブレーク。これで流れに乗ったかに見えたが、中盤からは相手ペースに。勝負の行方はファイナルセットに委ねられた。するとここから早大ペアが躍動する。「声を出したのがよかった」(細沼)。見る見るうちにポイントを重ね、終わってみれば6-0と、相手を圧倒した。今大会、プロ選手を相手に自分たちらしいプレーを披露している二人。この勢いがどこまで続くのか、注目が集まる。

(記事、写真 田中佑茉)

結果

▽男子シングルス1回戦

●小林雅哉(4-6、6-3、3-6)山﨑純平(日清紡ホールディングス)


▽男子シングルス2回戦

○古田伊蕗(6-3、7-5)菊池玄吾(福井県体育協会)

●坂井勇仁(4-6、6-1、0-6)江原弘泰(日清紡ホールディングス)

●島袋将(0-6、3-6)高橋悠介(プロ・フリー)


▽男子ダブルス1回戦

●松崎勇太郎・河野優平(6-7(5)、2-6)綿貫裕介(橋本総業)・綿貫陽介(グローバルプロテニスアカデミー)


▽男子ダブルス2回戦

○坂井・島袋(2-6、6-1、6-4)上杉海斗(慶大)・仁木拓人(三菱電機)

○齋藤聖真・髙村佑樹(7-5、6-3)佐野紘一(伊予銀行)・小ノ澤新(イカイ)

●小堀良太・江原弘泰(日清紡ホールディングス)(6-7(6)、3-6)奥大賢・長尾克己(ともにエキスパートパワーシズオカ)

▽女子ダブルス2回戦

○細沼千紗・大矢希(6-3、3-6、6-0)入江真子・水沼茉子(ともにリコー)

コメント

※24日終了時

松崎勇太郎(スポ4=神奈川・湘南工大付)、河野優平(スポ3=福岡・柳川)

――きょうのダブルスは綿貫裕介(橋本総業)・陽介(グローバスプロテニスアカデミー)兄弟との一戦でしたが、どのような意気込みで臨まれましたか

河野 僕自身はあまり見たことがなかったのですが、話題の選手なので、やるのを楽しみにしていました。本当に思い切りやるだけで、特に作戦とかはなしに、とにかく自分のベストなプレーを追い求めていく感じでした。

松崎 きのうスーパージュニア(世界スーパージュニア選手権)で優勝して、去年(の三菱全日本選手権、全日本)も二人で優勝していて、初戦で当たるとなったときに、すごく楽しみな反面倒すなら1回戦かなと思っていたので、そう思いながら試合に入りました。

――ファーストセットはどう振り返りますか

河野 取らないといけない試合ですし、学生大会でこんなのやったら本当に・・・。悔しいですけど、自分の実力ではなかったので、ファーストの出だしというのは。そこに関しては勝ちを意識したときに自分の実力が出たのかなと思います。

松崎 5-2アップまでは本当に何してもいける感じがあって、そこで我に返ってしまったのが良くなかったかな。ちょっと先を見た部分もありましたし、5-2になって取れるかもしれないという気持ちの揺らぎがあって、それが良くなかった部分ではあります。ファーストセットに関しては絶対に取らなくてはいけなかったと。

――セカンドはいかがでしょうか

河野 いつも苦戦している僕サーブではなくて松崎さんサーブで2回ブレークされて、相手がストロークできたのに対して同じパターンで取られ続けたというのは、やはり修正するべきところに気づけない僕ら学生とプロの違いを感じました。

松崎 最初のサービスゲームがキーポイントだったかなと思います。あれだけリードして取れなかったということで、気持ちが落ちていたわけではないのですが、少し焦りがあって。そこをもう一度気持ちを切り替えて、ファーストゲームをもっと落ち着いてやっていればセカンドセットの流れも少し変わっていた部分もあります。また、河野が言っていたように、そこに気づいて違う陣形をとったりやり方を考えたりするくらい余裕がないとだめだなと思います。

――相手ペアの嫌だったところ、上手だったところは

河野 普段学生はボールをコートに入れることを意識しているプレースタイルなので、アレー付近をケアするパターンがすごく少なくて。普段どんどんパワーで勝負してくるかたちを経験していた中で、ショートクロスとかコースを隠してとか、今までにないポイントの取り方をされた部分があったので、そこに関しては学生大会との違いもありましたし、差があったかなと思います。

松崎 ダブルス的にはストローク力がすごくあってリターンも確実に通してくるし、変なミスは全くしなくて。学生っぽくないプレースタイルというか、正面で勝負してくるよりは常に僕らを動かして隙を見つけて確実に突いてくるというストロークで。ツーアップ対二人が後ろというパターンが多くなっていたと思いますが、そこが彼らの得意としている部分であって、ボレー力ではたぶん勝っていたと思うのですが、ストロークを止めるまでの僕らの実力がありませんでした。あと、彼らがセンターよりは外で勝負してきていたので、そこを止めきれなかったのは実力の差なのかなと思います。

――お二人で組む最後のダブルスでしたが、終えてみて楽しめましたか

河野 負けはしましたが、いいプレーがいくつかあって、インカレ(全日本学生選手権)とかでできなかった自分たちの求めたプレーも最後かみあってできた部分があって、テンションが上がったりはしたのですが。ぶっちゃけ言うと実力ではない。求めているプレーというのが実力以上のプレーを求めていて、それがノープレッシャーのときにできるだけだったので、まあプレッシャーがないというわけではないですが、チャレンジャーの大会で楽しめるというのは普通のことだと思いますし、逆の立場になったときに相手が楽しんでくるかたちで僕らは受け止めてしっかり勝ち切らないといけなくて。きょうの綿貫ペアのように、しっかり勝ちにつなげることが必要になってくると思いました。

松崎 僕は正直楽しかったですけど。インカレでも最後僕たちが求めていた結果がでなくて、少しペアとして落ちた部分もありますし、王座(全日本大学対抗王座決定試合)でも組まずにペアを解消してやって、久しぶりに組んで。やはり河野も言っているように、5-2までは自分たちの実力ではないけれど二人がしっかり噛み合った上でできていたプレーだと思うので。そこから何ができるかといったときに自分たちの実力に戻ってしまいましたが、楽しんでいるからこそあれだけリラックスできてやれていたと思うので、僕は最後の試合としては普通に楽しかったかなと思います。

――お二人のダブルスで今までに印象に残っている試合は

河野 一番印象に残っているのは、人生で初めてファイナルでタイブレークをせずに2ゲーム差がつくまでやった早慶戦(春の早慶対抗試合)ですね。ずっとキープキープで。来年も早慶戦がありますが、あれは経験することはないのではないかなと思って。みんな見てくれていますし、全員が僕たちのことを応援してくれている中、コーチ陣もどんどんベンチ変わっていって。あのときはプレッシャーでしたが、相手もインカレ優勝ペアで、そこを倒しているというのはいい思い出だなと思います。

松崎 一緒の試合です。あんなに長くダブルスをやったのも初めてですし、どちらが勝つか本当に分からなかった中で、二人で乗り越えられてチームの流れもつくれたという意味では二人で勝ちにいっていた試合でした。彼も言っていますが来年以降も早慶戦はあるので、あれを経験として頑張ってほしいです。

河野 山梨のフューチャーズ(甲府国際オープン)の2回戦が今までいいベストプレーだったので、それも印象的でした。

松崎 片山(翔、伊予銀行)・井藤(祐一、ライフ・エヌ・ピー)とやったフューチャーズ2回戦です。僕がもう1つ迷ったのは、甲府の準決勝の後悔している試合で。そちらもチャンスがあって、マッチポイントまでいっていたのですが、ベスト4まで残りながらも決勝までは一度も結局行けずに、その試合も後悔しているという意味では印象に残っています。

――松崎選手はきのうのシングルスを振り返っていかがでしょうか

松崎 仕方がないと思うしかないかなと。僕の中でも最後のシングルスというか、学生として戦うのは最後だったので、相手が西脇(一樹、明大)で意識することはありましたが、予選一発目からいろいろ思いを抱いていて、負けはしましたが自分の結果などを見ていた中ではそれなりにちゃんと自分が思っているようにできていたし、変にいろいろ背負っていたものが下りたのかなというのは予選から感じていて。久しぶりにテニスを楽しみながら試合できて、負けはしましたけど良かったなとは思っています。

――全日本は楽しい大会として終われたのですね

松崎 そうですね。自分の中では最後のつもりでやっているので、楽しむだけ楽しんで終わろうと思っていたので。オッケーです。

――松崎選手は、ご卒業後テニスは続けられますか

松崎 まだ考え中です。一度全部が終わってやっと時間ができたので、自分がテニスに向き合えるかどうかをゆっくり考えた上で決断したいと思います。

――河野選手は、次の大きな学生大会としては全日本学生室内選手権(インカレインドア)が控えています

河野 個人戦でシングルスもあるので(笑)。そこに向けてJOP(一般)の大会にも1つ出ます。ずっとダブルスしかやっていないのですが、ダブルスは結果を求められると思うのでそこは頑張りつつ、シングルスはラストイヤーの一発目にいい流れができたらなと思っています。

――最後に、お互いに一言お願いできますか

河野 ごちそうさまでした。

松崎 終わり(笑)?ひどいね。

河野 おごってもらいすぎて(笑)。全然結果が出ていないのですが、楽しくやっている時間帯が本当に長かったかなと。松崎さんがもともと試合によく出る選手で、一緒に行かせてもらったりして。松崎さんのおかげで、部内に留まらずプロの人とかとも交流できたり、ここにも来られていますし、テニスに対する興味の幅が広がりました。正直テニスって僕の中で単純に、自分の人生を良くするために結果を出すものみたいな感じで思っていて。でも考え方が変わって、もちろんそれもありますが、テニスはいろいろな人とコミュニケーションがとれて楽しくて、楽しいからこそ新しい目標ができるものだと改めて感じさせてもらうことができて。それは松崎さんと組むことで経験できたのかなと思います。

松崎 いろいろ助けられた部分もすごくありました。去年の彼を見ていてすごく苦しんでいる姿も見ていましたし、何か出し切れていないところもあったので。彼と組むとなったときに、ダブルスの実力も彼の方が上ですし、助けられてばっかりで。感謝する部分はすごく多いですし、本当に一緒にフューチャーズに行ったり、団体戦でも何回か組んだりしていて、部員の中でも時間の共有が1番長いのは河野なんだろうなと思っていて、最後の1年は特に。見た目は頑張らない風なんですけど、意外とちゃんと頑張るし、自分がやりたいこともちゃんと明確に持っているし、意外と負けず嫌いな部分もあって。組んでいてすごく面白いし、インカレインドアとか春関(関東学生トーナメント)とか準優勝続きで、あまり話はしませんでしたが本当にインカレを取りたいと二人とも思っていたのにベスト8で負けて、フューチャーズでもベスト4に何度か入って。結果は目立つものは出せませんでしたが、楽しくダブルスができて良かったし、テニスだけではなくてそれ以外の部分でも長く過ごしたので。あまり先輩後輩という関係でもなくて、こいつがあまり先輩だと思ってないですし、そういうのを越えた関係性だと思うので。本当に楽しい1年間でした。彼はあと1年あるので、それを少しでも違うかたちでバックアップできればいいかなと。残り1年は応援していきたいなと思います。

齋藤聖真(スポ2=神奈川・湘南工大付)

――きょうのダブルスにはどのように臨まれましたか

きょうの相手は去年のファイナリストということで、結構気合いを入れなくてはいけなくて。去年の試合も見ていて、髙村(佑樹、スポ1=千葉・東京学館浦安)としっかり話し合った上でのプレーがすごく良くできていたので、終始いいプレーができていたのではないかなと思います。

――試合内容を振り返っていかがでしたか

ファーストセットでは僕のサービスゲームで苦戦するところがあったので、そこでどう相手を崩すかっていうのをすごく考えてやって、結果的にサービスゲームを楽にキープすることができたので、相手のリターンゲームを強気にいって、結果的に取れたポイントがこうなったのかなと。

――次戦への意気込みをお聞かせください

まだ相手が決まっていないのですが、去年の優勝ペアもしくはインカレ(全日本学生選手権)で負けた逸崎(凱人)・畠山(成冴)組(ともに慶大)なので、どちらにしてもチャレンジという気持ちでやっていきたいなと思います。

古田伊蕗(スポ2=静岡・浜松市立)※記者会見より抜粋

――試合を振り返っていかがですか

先ほどの試合は、きのうから考えていたのですが、格上の相手だったので、自分にできることを精一杯やりながら勝ちに結びつけれたらいいなという思いでやっていました。

――自分にできることとは具体的にはどのようなことになりますか

自分にはパワーのあるショットや、ボレーなどのテクニックのあるショットはあまりないので、しっかり後ろでラリーをしながら前に入れる時だけ入っていっていうことだけを意識して、それだけをやりました。

――きょうはストローク戦になったら自分のペースだと感じていましたか

はい。ストローク戦になった時のポイントはたぶん僕がほとんど取っていたと思うので、ストロークは自信を持ってやっていいんだなと試合中に思いながらやってました。

――1年間でプレースタイルを変えたのがこうして結果に結びついているのでしょうか

そうですね。まあプレッシャーがないのが一番だと思うんですけど(笑)。王座(全日本大学対抗王座決定試合)終わった後なので正直何も緊張してなくて、相手も自分より格上の人ばっかなので、本当にノープレッシャーでどんどん中に入ってやれたのでよかったです。

――体力には自信がありますか

昔から体力だけは自信があるので、王座とかもそうだったんですけど、相手の体力切れだったので、いかに相手を疲れさせるかは考えています。

――きょうの相手選手を見て、疲れているな、焦っているなとは感じましたか

自分は格下の相手ですごくガッツが出てたのでやりづらかったと思うんですけど、ちょっといつもより触れてなかったのかなっていう印象はありました。付け入る隙があったとしたら、菊池さん(玄吾、福井県体育協会)がいらいらしたり触れなくなったりしたら、もうそこしかないのかなと思っていたのでよかったです。

小林雅哉(スポ1=千葉・東京学館浦安)

――三菱全日本選手権(全日本)へはどのような目標を持って臨まれましたか

去年ベスト16という結果だったのでそれより上はいきたかったのですが、自分のプレーを出せなかったので、正直悔しい気持ちしかないですね。でも仕方がないので、気にせずに次の試合に向けて頑張ればいいかなと思います。

――去年の全日本ジュニアで対戦した山﨑純平選手(日清紡ホールディングス)が相手でした

あまりバックが打てないイメージがあったので、そこを突いてからしっかりやれればいいかなと思ったのですが、前よりはミスが少なくなっていました。それに対して自分が対応できなかったというか、焦ってしまって攻め急いだミスがすごく多かったなと思います。

――今おっしゃったように、決め切れないミスが多かった印象でした

少し緊張をしていた部分もあって、やはり打ち切れなかった部分がありました。課題がすごく見えた試合でした。

――課題を具体的に挙げると

ファーストサーブの質や確率であったり、フォアでもしっかり攻めてからのネットプレーであったり、自分が攻めるときにもう少し自信を持ってできれば良かったのかなと。

――ファーストセットは振り返っていかがでしたか

初めはキープキープから自分がブレークされてしまって、またブレークし返してキープキープにはなったのですが、そこで何とか思い切っていければ良かったのに自分が弱気になってしまったのかなと思います。そこから4-5になって簡単にキープされてしまって、そこでもう少し自分のプレーを思い切ってできれば良かったかなと思います。

――セカンドセットは中盤から持ち直しました

セカンドでは途中から球も深く打てるようになってきて、自分から攻めることもうまくできたと思うのですが、サーブの確率がまだあまり良くなかったので、ファイナルではそこを良くしようと思ったのですが、ファイナルでも変わらずという感じで。サーブが影響してきたのもあって、簡単にブレークされてしまうことが多かったです。ブレークされてもブレークし返せていたのですが、ブレークし返すのも0-40とか15-40とかからまくってまくってだったので、もう少し簡単にブレークしていれば簡単にキープもできたのかなと思っています。

――次の大きな学生大会としては全日本学生室内選手権になりますが、意気込みをお聞かせください

この大会はもう終わってしまったのですが、課題が見つかったので、まずはそこまでしっかり練習して、そこに目標を向けていければなと思います。

島袋将(スポ1=三重・四日市工)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

結果的に大差で負けてしまってとても悔しいです。1回しか自分のサービスゲームをキープできなかったっていうのが大きな課題でもありますし、ストローク戦でも全然といっていいほどポイントが取れてなかったので、そこも強化していかないといけないなと思いました。完敗でした。

――どのようにきょう見つかった課題を克服していきたいですか

まずはサービスゲームですね。今回の試合は自分の武器であるサーブが全然生かせていなかったので、自分のサーブからどんどんポイントを取っていってしっかりとキープできるようにしていかないといけないと思いました。ファーストサーブの確率だったり、ダブルフォルトの数だったりと、サーブはきょうの試合だけじゃなく、王座だったりリーグだったり他の試合でも課題だったので、もう一度見直してしっかりとサーブで攻めていけるようなテニスを目指して頑張りたいです。

――ダブルスに向けて意気込みをお願いします

坂井さんも(きょうの試合で)負けてしまったんですけど、ダブルスが残っているので、シングルのリベンジということで、ダブルスでは自分たちができることを精一杯やって、結果はどうであれ思いっきり楽しみたいなと思います。

細沼千紗(スポ3=東京・富士見丘)・大矢希(スポ2=愛知・名古屋経大高蔵)

――第1セットについて振り返っていただきたいと思います。最後の9ゲーム目はジュースが続きました

細沼 私のサービスゲームが一番取りたいゲームだったんですけど、逆にそこで意識してしまって、ちょっと縮こまってしまいました。きょうの試合はあんまり思い切ったプレーがファーストセット、セカンドセットでできませんでした。

大矢 第9ゲームは5-3で次が相手サーブということもあって、すごく取りたいゲームでした。もうずっと相手のアドバンテージだったので、心の中で焦ってたんですけど、それでも前でアグレッシブなプレーも何本かできましたし、ここは絶対取るって気持ちで負けないようにしていました。

――第2セットは途中から相手のペースになってしまいました

細沼 第1セット、第2セット思いっきりできなくて、特に第2セットは相手のペースになってしまって、全然思い切ったプレーもできなかったので、相手の流れになってしまいましたね。

大矢 二人ともサービスゲームはけっこう得意としているんですけれども、第2セットは1回もキープすることができなくて、そこでゲームを取れなかったのが、流れに乗れなかった原因なのかなと思います。

――第2セットとファイナルセットの間ではどのようなお話をされましたか

細沼 とりあえずトイレに行って落ち着いて、向こう側で私のゲームから始まったので、それはファーストセットの始まりと同じだったので、同じだからここから行こうという話をしました。

大矢 ボレーは任せたというふうに言われて、細沼さんはストローク頑張るからっていうふうにおっしゃってくれて、私はもう前でしっかりとポイントを取ることを意識しようと思って。あとは声も出してよくポイントが取れてたと思います。

――ファイナルセットで流れを引き寄せられた理由は何だったと思いますか

細沼 やっぱり声出したんですよね。もう引けないので、ファイナルセットになったら。一番声出したっていうのがよかったっていうのと、あとはリターンダッシュっていうのを最近やってるんですけど、それをファーストセット、セカンドセットは忘れていて、3セット目で思い出せたので、「あ、これもいけるじゃん」って感じでけっこう積極的にできたので、それがよかったんじゃないかなと思います。

大矢 やっぱり声かなって思いますね。団体戦とかでもずっと組んでて、元気よくやるっていうのが二人のイメージというか、そのイメージが強いと思うんですけど、第1セット、第2セットはファイナルセットよりもあんまり声が出てなくて、でもそこから声を出して流れを引き寄せられたのかなって思います。

――次の試合に向けて意気込みをお願いします

細沼 おととし古田さん(陸人、平27スポ卒=愛知・名古屋)と今井さん(慎太郎、平28スポ卒=現・東通産業)がベスト4まで勝ち上がっているので、私たちもそこまでいけるように頑張ります。

大矢 おとといの取材でも言ったんですけど、先を見すぎず、一戦一戦自分たちのプレーをして勝ち上がっていきたいと思います。


※26日終了時

坂井勇仁(スポ2=大阪・清風)・島袋将(スポ1=三重・四日市工)

――雨天での中断を経ましたが、きょうはどのように臨まれましたか

坂井 2-6、4-1で、正直中断になってどうかなと思ったのですが、二人ともいい感じの気持ちできょうにつなげられたので。出だしも少しサーブのスピードを落としてきたところをうまくたたけたのかなと思うのと、島袋選手がいいサーブを放ってくれたので、それが良かったなと思います。

島袋 坂井さんと同じなのですが、ファーストはきのう2-6ですんなり取られて、セカンド4-1でいい流れで中断してしまって、どうなるのだろうと思っていたのですが、出だしがうまいこといって、ファイナルもブレークして。僕たちの流れで、きょうも進めることができてよかったなと思います。あと前衛で坂井さんがうまいこと動いてくれたので、僕としてすごくやりやすくて助かります。

――ファーストセットは1つずつサービスゲームを落としました

坂井 相手もすごく、仁木さん(拓人、三菱電機)は特にこの大会で優勝したりする実力のある人なので、サーブだったり一つ一つのショットの技術は高かったのですが、リードされながらも、ダブルスは絶対僕たちの方が練習はしていると思っていたので。何とか食らい付いていければと思いながらセカンドに入って、1ポイントずつやっていたのが良かったと思います。

島袋 ファーストセットは実力を見せつけられたというか、ダブルスの実力もトップレベルの二人との対戦だったので、向こうが何枚か上手で。セカンドからは若手の明るさというか、そういうのを前面に出して、1ポイント1ポイント全力で取りにいきました。その結果、いい感じでセカンドセットも取れたので良かったです。

――ストロークからも展開している印象でした

坂井 きのう上杉さん(海斗、慶大)がすごく前で動いてきていたのですが、後ろから動きを見ながらやるということが島袋も僕もきょうはできていたので、それに前で対抗しようとするよりはそちらの方が僕はいいのではないかと思ってツーバックを使ったりはしていました。

――ファイナルセットを振り返っていただけますか

島袋 出だしでいきなり相手のサービスゲームをブレークして、向こうはたぶん出だしで集中していたと思うのですが、そこをうまいことブレークできたので、流れを一気にこちらに引き寄せることができて。途中ブレークバックされたのですが、その後すぐブレークバックしたり、二人の持ち味が全面に出せていい試合だったと思います。

坂井 5-3でマッチポイントがあって、サービスエースで切り抜けられて。それで流れがいってしまいそうなところを、次のゲームでは僕は前でできることをしっかりやって、島袋は後ろでできることをしっかりやってくれたので、キープできたのかなと思います。15-30になって、そこから嫌な流れになっていたらまたずるずるいかれていたかもしれないのですが、しっかり終わらせられて良かったです。

――次は第1シードの今井慎太郎(平28スポ卒=現・東通産業)・内山靖祟(北日本物産)組との対戦になります

坂井 今井さんとは1年間部活でお世話になったので、しっかり食らい付いて。内山さんも、僕は去年小堀さん(良太、スポ4=東京・大成)と組んで1回戦で当たったのですが、少しはイメージがあるので、そのイメージを生かしながら、どこまでできるか楽しみです。

島袋 向こうは第1シードということで、僕らもノンプレッシャーなので、できることを精いっぱい出してやるだけです。