小倉が悲願の初タイトル獲得!

庭球男子

 関東学生新進選手権もいよいよ最終日を迎え、残すところ決勝戦のみとなった。会場にも緊張感が漂うなか、早大からは小倉孝介(スポ2=神奈川・湘南工大付)が頂点の座をかけて登場した。小倉にとって、学生の大会では自身初となる決勝の舞台。第1セットを0-6で落とすも、第2セットの中盤以降は試合の主導権を握った。ファイナルセットでも勝負強さが光り、うれしい初優勝を飾った。

 準決勝までの試合で「出だしが課題」としていた小倉。この日もファーストセットはラブゲームでキープすることができない。第3ゲームは0-40からサーブで巻き返し、先にアドバンテージを握る。だが、あと一歩が届かずまたもブレークを許してしまう。鋭く勢いのあるサーブを持ち味とする相手にサーブで崩され、なかなかポイントを奪うことができない。勢いづいた相手を止めることができず、準決勝と同じく0-6でファーストセットを先取されてしまう。

強気なプレーで挽回した小倉

 後がなくなったセカンドセットでは、「気持ちもギアも上げて声を出していくことを意識した」(小倉)と気持ちを切り替えて臨んだ。ボレーやスマッシュといった前での攻撃を生かし、ポイントを重ねていく。セットの入りで相手のペースとなってしまうことが多かった小倉だが、「(入りという点では)今大会の中でも良かった」とラブゲームでキープし、幸先の良いスタートを切った。その後は両者がキープし合い、拮抗(きっこう)した展開となる。緊迫したゲームが続くなか、先に均衡を破ったのは小倉だった。チームメイトの声援を一身に受け、コースを突いた強気なプレーでギアを上げていく。第7ゲームでしっかりとキープすると、続く第8ゲームではブレーク。サーブから流れをつくり、6-3でセットオールに持ち込んだ。

 相手のサービスゲームからファイナルセットが始まった。深いところを突いたラリーで攻撃に転じ、ラブゲームでブレーク。セカンドセットからの勢いそのままに、多彩なショットを仕掛けていく。軽快なフットワークを生かし、ストレートとクロスを使い分け、リードを広げていった。最後は相手のリターンミスを誘い、試合終了。勝利が決まった瞬間、ガッツポーズで喜びを爆発させた。ファイナルセットを6-0で締めくくったことについては「内容的にはどっちに転んでもおかしくなかった」としながらも、「要所での強気なプレーがこういう結果を生んだのかな」と勝負所での強さを勝因に挙げた。本戦ワイルドカードでの出場となった今大会。2度にわたる同士討ちを制し、幾度にもわたる逆転でついにチャンピオンの座を射止めた。

チームメイトも応援に駆け付けた

 「うれしい気持ちでいっぱい」と試合後には笑顔も見られた。学生の大会で初となる栄冠を手にした小倉にとって、自信につながる経験となったはずだ。しかし、喜んでばかりもいられない。主力として活躍していた4年生が抜け、春からは新戦力が加わるため、レギュラー争いはより一層激しさを増すだろう。「全日本学生選手権での優勝に向けてのスタートラインだと思って、すぐに切り替えて練習に励んでいきたい」と小倉の目はその先を見据えていた。結果に甘んじることなく、必ずやレギュラーの座を勝ち取って見せる。

(記事 佐藤亜利紗、写真 新津利征)

結果

▽男子シングルス

決勝
○小倉孝介(0-6、6-3、6-0)太田悠介(法大)

チャンピオンスピーチ

小倉 まずはじめに、今大会を開催してくださった関東学生テニス連盟の皆さま、株式会社ダンロップスポーツマーケティング様、各スポンサーの皆さま、本当にありがとうございました。また今回の結果は、コーチ陣の皆様、部員の皆様の応援があったからこその勝利だと思っています。これに満足することなく、またあしたから関東学生トーナメントに向けて精進していきたいと思います。ありがとうございました。

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コメント

小倉孝介(スポ2=神奈川・湘南工大付)

――優勝おめでとうございます。いまの率直な気持ちをお聞かせください

うれしい気持ちでいっぱいです。きょうも皆さんが応援に駆けつけてくださって、その力がこういう結果につながったなと思います。これをインカレ(全日本学生選手権)での優勝に向けてのスタートラインだと思って、すぐに切り替えて練習に励んでいきたいと思っています。

――決勝戦ということで緊張はありましたか

緊張は特になかったのですが、やはり出だしが課題だなという思いはありました。

――ファーストセットは0-6でしたが

きのうと同じスタートとなったなかで、どうすれば良いかなというのはありました。徐々に相手のボールにも慣れてきて、こちらにも勢いが出てきたので、余裕が出てきました。そこからは自分のプレーができていたかなと思います。

――相手のサーブに崩されるという場面もありましたが

サーブが良い相手で、勢いがありました。ラリー戦に持ち込むのはなかなか厳しくて返すのが精一杯で、その次で決められてしまうというパターンでした。少しポジションを下げてしっかりリターンするという基本的なところまで戻って、というのを強いられる戦いだったので、強い相手だったと思います。

――セカンドセットはラブゲームでキープという入りでしたが

セカンドセットはもう後がない状況なので、気持ちもギアも上げて声を出してということを意識してやっていました。セカンドセットは入りという点では今大会のなかでも良かったのかなと思うので、ここは継続していきたいです。

――徐々に調子を上げて、強気なプレーも増えていったように見られました

きのうと同じ入りだったので、ルーティーンじゃないですけど良かったときを思い出して、良いところを出そうと思ってやっていました。

――ファイナルセットは6-0でしたが

正直、終わった後で6-0だと気づくぐらいで。内容的にもどっちに転んでもおかしくない状態だったので、要所要所の強気なプレーがこういう結果を生んだのかなという感じですね。

――ご自身のプレーの強みは何だと思われますか

フォアの鋭角なクロスからの、ボレーへの展開です。今大会これが非常に効いたかなと思います。

――改めて、優勝という結果はどのように受け止めていますか

本当に優勝自体が久しぶりでした。なかなかこういう経験はないので、これを自信にしていきたいです。春関(関東学生トーナメント)でもシード選手として出場することができると思うので、課題を見つめ直して頑張っていきたいと思います。

――今大会の総括をお願いします

大会前に体調を崩していたのですが、1回戦と3回戦で同士討ちがあって、レギュラー争いが激しいなか(同士討ちで)勝てたのは、優勝ももちろんですがそういった経験も自信になりました。さまざまな相手を倒せたということで、自分のプレーが正しかったのかなと思います。またあしたからしっかり練習に励んでいきたいと思います。

――ことし一年間の抱負をお聞かせください

今まで予選で負けていたんですが、本戦で戦ってみて、自分のプレーが通用するというのが分かりました。春関でインカレへの切符をつかんで、インカレの本戦で各地方の選手にも勝って、できればことしのインカレで優勝したいなと思っています。