2日目も9戦全勝で終える

庭球男子

 時折小雨が降る中行われた関東大学リーグ(リーグ戦)2戦目は、中大との戦い。第一戦で慶大から3つの白星を奪った油断ならない相手であったが、終わってみれば9-0で快勝。早大にとっては2戦連続の全勝で、今後の戦いに弾みをつける結果となった。

息の合ったプレーを見せた今井主将・河野(手前)

 ダブルスから順調な滑り出しを切った。雨天により試合開始が遅れたものの、早大の戦いぶりに変化はない。ダブルス1の今井慎太郎主将(スポ4=神奈川・湘南工大付)・河野優平(スポ2=福岡・柳川)組は圧巻の強さで第1セットを6-0とする。続く第2セットでも積極的な攻めで相手のミスを誘い、1勝目を挙げた。栗林聡真副将(スポ4=大阪・清風)・坂井勇仁(スポ1=大阪・清風)組も要所でポイントを奪い、ストレートで相手を下す。ダブルス3の松崎勇太郎(スポ3=神奈川・湘南工大付)・小堀良太(スポ3=東京・大成)組は徐々に勢いをつけた中大ペアに苦戦。第2セットはタイブレークまでもつれ込んだ。しかし、競った展開の中で松崎勇のサービスエースなどが光り、6-0、7-6(5)で勝利。見事チームの声援に応えてみせた。

5勝目を挙げた巽

 シングルス5にはダブルスに引き続きルーキーの坂井が出場した。相手のミスに助けられつつ第1セットを6-0で奪う。その後は調子を上げてきた相手に押される場面も見られたが、リーグ戦独特の雰囲気にのまれることなくストレートで勝負を決めた。次に白星を挙げたのは、シングルス6の巽寛人(スポ3=福岡・柳川)。ことしの対抗戦で2回対戦したという選手と、ベースライン上でのラリー戦を繰り広げる。長い打ち合いが続いたが、「フォアサイドが穴なのでしっかりフォアを狙って、決めるところは決める」(巽)という作戦を貫いた巽が一歩リード。着実にポイントを積み重ね、チームの勝利を確定する5勝目をつかんだ。相手の追い上げにより接戦となったシングルス6の村松勇紀(社3=青森山田)、シングルス3の松崎勇も気持ちの強さで押し切り、セットをものにした。

 中大を撃破しリーグ戦2勝目を飾った早大。しかし、次戦以降は強力な選手がそろう法大、明大、慶大との対戦が待ち受けている。チーム全員の気持ちをどこまで勝利に向けることができるかがカギとなる団体戦。「チーム一丸となって、全員で全力でぶつかっていきたい」(今井)。リーグ戦制覇に向け、気持ちをひとつにワセダは歩み続ける。

(記事 吉原もとこ、山本葵、写真 山本葵)

結果

▽男子1部

○早大9-0中大

ダブルス1

○今井慎太郎・河野優平(6-0、6-4)大和田秀俊・山佐輝

ダブルス2

○栗林聡真・坂井勇仁(6-3、6-4)小坂絢太・杉浦勝貴

ダブルス3

○松崎勇太郎・小堀良太(6-0、7-6(5))松浦優太・古田海人

シングルス1

○今井慎太郎(6-1、6-1)大和田秀俊

シングルス2

○栗林聡真(6-1、6-2)杉浦勝貴

シングルス3

○松崎勇太郎(6-4、7-6(3))古田海人

シングルス4

○巽寛人(6-4、6-4)斎藤和哉

シングルス5

○坂井勇仁(6-0、6-4)武内直人

シングルス6

○村松勇紀(6-1、4-6、7-5)田中凛

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コメント

今井慎太郎主将(スポ4=神奈川・湘南工大付)

――きょうの中大戦は初戦に続く9戦全勝で勝利されました。この結果についてはどのようにお考えですか

とても良い結果だったと思います。リーグ戦(関東大学リーグ)の中でも特にこの2校には9-0で勝つくらいでないと、次の法大からの対戦には臨めないと思っていたので、いい出だしだったなと思います。もちろん競った試合もいくつかあって、一人一人課題はあると思いますが、結果としては良い方向につなげられるものだったと思います。

――シングルス5に1年生の坂井選手(勇仁、スポ1=大阪・清風)を起用されましたが、どういった意図がありましたか

坂井はインカレ(全日本学生選手権)でもベスト8に入っていますし、僕から見ても能力のある選手だと思います。前まではプレーの中で荒い部分もあったのですが、最近はどんどん良くなっていて結果も出しているので、彼はひとつの戦力として使える選手だと思っていて。きょうは中大戦ということでシングルスにも出場という運びになりました。実際の試合でもいいプレーをしていたので、今後のリーグでどうなるかはまだ分かりませんが、ひとつの武器になるのではないかと思います。

――ご自身の試合を振り返っていかがでしたか

ダブルスではセカンドセットで少し競ってしまった場面があったのですが、課題は明確になっているので次につなげていこうと思っています。シングルスの方も相手がかなりガツガツ打ってくる選手だったのに対し耐えるとことは耐える、攻めるところは攻めるということができたかなと思います。かなり攻守がはっきりとしたプレーになりましたが、自分のプレーを突き通すことができてよかったなと思います。ただ、少し引き気味になってしまった部分もあったので、法大戦以降はその点を改善していきたいです。

――次の法大戦に向け、意気込みをお願いします

ここからは技術的な面はもちろんですが、気持ちの勝負になります。法大もいい選手がそろっているので、こちらも法大に引けを取らないように自分たちのプレーで押し切って、勝ちたいと思います。選手もそうですが、チーム一丸となって全員で全力でぶつかっていきたいです。

巽寛人(スポ3=福岡・柳川)

――昨年に続くリーグ戦出場ですが、ここまでの2戦を終えた感想をお願いします

昨年もリーグに2戦出場したのですが、その時には中大戦で負けてしまっていて。僕自身、特にきょうの中大戦には気合いを入れていました。対戦相手は違っていたのですがことしは勝つことができたので、そういった意味では前回よりも成長したというか、自分が設定した目標をクリアすることができていると思います。

――対戦相手である斎藤選手(和哉、法大)に対して、どのように攻めていこうという戦略はありましたか

斎藤とは対抗戦でもことしに入って2回戦っていて、どういうプレースタイルかというのは知っていました。(斎藤選手は)ざっくり言ってしまうとフォアサイドが穴なのでしっかりフォアを狙って、決めるところは決めるという作戦を立てていました。

――かなりテンポの速いラリー戦となりましたね

そうですね。テンポの速いラリーというのは僕の持ち味でもあるので、それも加味してフォアを狙って勝てたという感じです。結果として斎藤には対抗戦も含め3戦3勝することができたので、その点はよかったなと思います。

――次戦の法大戦に向け、意気込みをお願いします

リーグで最後まで出場できるかは分かりませんが、昨年より試合の出場数も多いですし、中二日空いているということなのでしっかり体力を回復して、自分の力を出し切れるようにしたいです。

坂井勇仁(スポ1=大阪・清風)

――初めてのリーグ戦になりますが、大会の雰囲気などはどう感じていますか

僕は昨年の(リーグ戦の)雰囲気などは見たことがなくて全然知らなかったのですが、僕たち1年生はまだ一人一人が完璧に動けているわけではないので、向上心を持って今後のリーグに臨んでいきたいです。

――高校の頃の団体戦と違いを感じるのはどういった点でしょうか

ベンチコーチに4年生の梶さん(修登、政経4=東京・早実)に入っていただいているのですが、先輩方に熱く応援していただけるというのは高校の頃とは違うなと思います。3面でシングルスを一気に展開するというのも僕は経験したことがなくて、隣の試合の流れも良くできるように自分もいいプレーをしようと心掛けていました。

――ダブルスでは、ここまでの2戦とも栗林選手(聡真副将、スポ4=大阪・清風)とペアを組み出場されています

栗林さんはテニスクラブの先輩で、出身校も同じで。僕が1年生の時に(栗林選手が)卒業してしまったので代は重なっていないのですが、とても優しくしていただいています。アドバイスなどもしてくださいますし、僕がのびのびとプレーできる環境をつくってくださっていて。先輩なので組みにくいとかはなくて、とてもプレーしやすいです。

――きょうのシングルスでは、セカンドセットで競る場面もありましたがストレート勝ちを収めました。振り返っていかがですか

ファーストセットは相手のミスに助けられた部分があって取れたのですが、セカンドセットに入って相手も少しずつ慣れてきたというか、自分のプレーを出せてきた部分があって。序盤で僕が先にブレークしたのですが、相手のミスを期待しすぎてしまってブレークバックされてしまったので、そこでもたついてしまったなと思います。

――今後のリーグ戦に向け、意気込みをお願いします

僕自身、試合に出たいという気持ちがあるのですが、それ以上に監督、コーチ、先輩方は僕を信じて試合に出場させてくださっていると思うので、勝つことで恩返ししたいと思っています。4年生のためにも、もし今後も出場させていただけるなら、出場した試合はすべて勝ちたいです。