決勝進出ならず

庭球男子

 前回大会、女子シングルス・女子ダブルスの2冠を達成した早大。ことしもその力を発揮するために、練習に練習を重ねてきた。きょうは決勝進出を懸けた試合が行われたが、他大レギュラー陣を前に敗北。早大の選手が決勝の舞台に立つことはできなくなった。

★無念の敗退

勝負どころで決めきることができなかった日比(右)・馬場組

 何としても優勝を手にしたい女子ダブルス。ここまで順調に勝ち進んできた日比沙織(スポ2=神奈川・湘南工大付)・馬場早莉(スポ1=鹿児島・池田)組だったが、筑波大の菅村恵里香・古川鈴夏組を前に涙をのむこととなった。試合序盤、積極的にボレーを決める相手の勢いに押された日比・馬場組は、攻めに転じきることができずに第1セットを1-6で落とす。しかし続く第2セット、深いストロークと鋭いボレーで着実にポイントを重ね、相手のミスも誘って6-0で奪った。試合はそのままスーパータイブレークに突入。両者一歩も引かぬポイント争いを繰り返す中、先に勝利に王手をかけたのは筑波大だった。日比・馬場組は冷静な判断でこれをしのぎ一時はマッチポイントをつかんだが、ここぞという場面で精彩を欠き12-14。惜しくも決勝進出とはならなかった。

(記事、写真 山本葵)

★全力尽くすも敗戦

気迫を見せた小堀

 早大の3選手がベスト8に残った男子シングルス。まずは西田昇吾(社3=福岡・柳川)と村松勇紀(社1=青森山田)が準々決勝に挑んだ。相手はそれぞれ1年ながら明大と日大のレギュラーを務めた実力者。どちらの試合もハイレベルな戦いとなった。西田は諱五貴(明大)の強打に押されスコアを離されてしまう。村松も堀切啓貴(日大)に食らいつくものの、逆転することはできなかった。ベスト4に名を連ねたのは小堀良太(スポ1=東京・大成)のみ。準決勝で慶大の谷本真人と対戦した。序盤から一進一退の攻防が続いたが、タイブレークに突入すると相手のサーブにタイミングが合わずに0-4。後がなくなった小堀は2-6から粘りのラリーでポイントを奪うも、一本を取りきれずにファーストセットを落とした。セカンドセットは谷本のミスが目立ち6-1。勝負はファイナルセットへと持ち込まれた。流れが相手に傾いたのは第7ゲーム。ここでブレークを許すと、その後も威力を増す相手のサーブやリターンに苦戦。「あと一歩勝ち取れなかった」と悔しさをにじませた。しかし今大会を終え、「守備力が上がったと思う」と成長した部分も実感。これから本格的なシーズンが始まるが、今後の活躍に期待がかかる。

(記事、写真 松下優)

結果

▽女子ダブルス

準決勝
●日比沙織・馬場早莉(1-6、6-0、12-14)菅村恵里香・古川鈴夏(ともに筑波大)

▽男子シングルス

準々決勝
●西田昇吾(1-6、1-6)諱五貴(明大)
●村松勇紀(5-7、2-6)堀切啓貴(日大)
準決勝
●小堀良太(6(5)-7、6-1、4-6)谷本真人(慶大)

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コメント

◇女子部

日比沙織(スポ2=神奈川・湘南工大付)

――きょうの試合を振り返って

1セット目は相手に先に攻められてしまって。こちらからも攻められるように工夫はしたんですけど、相手の勢いに押されてしまって1-6というかたちになってしまいました。2セット目は馬場(早莉、スポ1=鹿児島・池田)とも話して、ボールを深く打つことや先にボレーに出ることを意識するようにして。そうしたら相手にもブレが出てきたので6-0で取ることができました。スーパータイブレークは本当に1ポイントずつ競り合うかたちになって、相手のマッチポイントも何回かしのいだんですけど。ここぞという時に決めきることができなかったのが、勝敗を分けるカギとなったのだと思います。

――積極的に声が出ているように感じましたが

馬場はとてもパワフルで、ポイントに入る前やポイントを取ったときのテンションも常に高く保つ選手で。私もそこのテンションは高く持っていくタイプなので、二人で始終良いテンションで協力してプレーすることができたと思います。

――対戦相手の菅村恵里香・古川鈴夏組(筑波大)にはどのような印象を抱きましたか

菅村さんはシングルスでも活躍されている選手でストロークにも伸びがあるし、古川さんもきょうは特にボレーが良くて。以前古川さんとダブルスで対戦したときよりもボレーのミスが減っていたし、ストロークもコンスタントに打ち込んできて、攻撃性と精神的な強さを合わせ持った選手だという印象を受けました。

――今大会で得た課題や収穫はありますか

3回戦まではかなり離したスコアで勝つことができていて。勝負の分かれ目でしっかりポイントを取って、スコアを離した中でセットを取りきることが以前よりできるようになりました。また、プレーとしては五分五分だったきょうの試合で、最後まで強気でセットを取りきることができなくて。以前からの課題であった自分の心の弱さを改めて痛感したので、それが今後の課題です。

馬場早莉(スポ1=鹿児島・池田)

――きょうの試合を振り返って

1セット目は相手が積極的にボレーをしてきてこちらが受け身になってしまう場面が多くて、相手の流れに押されて簡単なスコアで落としてしまいました。2セット目は日比さん(沙織、スポ2=神奈川・湘南工大付)と話し合って、こちらから攻めてポイントを取ることができました。最後のスーパータイブレークはずっと競っていたんですけど、序盤でリードした時に私が簡単なミスを連発してしまって。相手のマッチポイントをしのいでこちらにもマッチポイントがきたんですけど、その場面でもダブルフォルトしてしまいました。そういう大事な場面での簡単なミスが敗因になったのだと思います。

――積極的に声が出ているように感じましたが

日比さんも私も自分のやる気を前面に押し出してプレーするタイプで、大事なポイントでしっかり声を出して一緒にやってくださるので、常に高いモチベーションでプレーすることができました。

――対戦相手の菅村・古川組にはどのような印象を抱きましたか

きのうまでの対戦相手より1段レベルが上で、少しでも隙があるとボレーやストレートを積極的に打って向こうから攻撃してきました。静かでしたけどアグレッシブなプレーヤーだという印象を受けました。

――今大会で得た課題や収穫はありますか

1回戦からきのうまでの試合はスコア的には簡単だったんですけど、リードしてからゲームを落としてしまいそうな場面が何度もあって、そういったゲームを二人で取りきれたのは良かったと思います。課題は、大事な場面で受け身にならずに自分から一歩入ってボレーなどを打っていくことだと思います。

◇男子部

小堀良太(スポ1=東京・大成)

――試合を振り返って

ファーストセットは(タイブレークで)2-6から5-6まで持っていったんですけど、あと一歩のところで。まあこの試合通してあと一歩勝ち取れなかったと言うことができますね。セカンドセットは谷本さんの自滅という感じで、僕が何をしたということでもないです。ファイナルセットはブレークブレークが続いたので、あそこで1本サーブがあればという気がします。頑張ろうという気持ちでやっていたんですけど、谷本さんが一回落ちても持ち直してきたので、そこが谷本さんの強みだなと思いました。

――今大会で得たものはありますか

今大会は結構スイングスピードの速い選手と当たって、守備力はかなりレベルアップしたと思いました。でも攻め方の部分で、ボレーに出ることも1つあるんですけど、ストロークからでも攻める必要があるのかなと思いました。攻めるときには攻めて、守るときは守ってという強弱があれば、もっと上のレベルにいけるのではないかなと思います。

――ベスト4という結果についてはどう受け止めていますか

最初ドローを見た時にもしかしたらベスト4にいけるなと思って、ベスト4で満足してしまったっていうのはあるかもしれないですね。僕のジュニアのときからの課題です。

――次の大会は関東学生トーナメント(春関)となりますが

春関ではシングルスはもちろん、ダブルスの方でも頑張りたいと思います。