力及ばず、厳しい戦い続く

庭球男子

 雨や雪などの影響で、大きく日程がずれ込んでいる関東学生新進選手権。この日は主に各種目の2回戦が行われた。今大会は規定により、関東学生ランキング上位20名以内の選手には出場資格が与えられていない。早大から出場した選手もフレッシュな顔ぶれがそろった。それぞれの躍進が期待されたが、勝利したのは男子シングルスの小堀良太(スポ1=東京・大成)のみ。本格的なシーズン開幕の前に、苦しいカベにぶちあたっている。

★残るは1組に

タッチを交わす辻(右)・早野組

 本戦初日、女子シングルスにエントリーする全選手が敗退した女子部。ダブルスでの戦いに全てを懸けていた。2回戦に進出したのは2ペア。そのうち辻恵子(教1=東京・早実)・早野夏希(教1=東京・早実)組が、山学大でレギュラーとして活躍する本郷未生・寺見かりん組に挑んだ。速いラリーや鋭いボレーを展開する相手に対し、初めの3ゲームを献上。2-6でファーストセットを落とす。セカンドセットもその流れを断ち切ることはできずに1-4。ロブなどを使って一時4-4まで追い上げたものの、ミスが先行し5-7。悔しい敗戦となった。この結果により、女子部で勝ち残っているのは日比沙織(スポ2=神奈川・湘南工大付)・馬場早莉(スポ1=鹿児島・池田)組のみとなる。王者・早大の意地を見せられるか。

(記事、写真 松下優)

★調子は良好、実力を確認

危なげなく勝利を飾った小堀

 1年生ながら今年度多くの試合を経験してきた小堀良太(スポ1=東京・大成)は抜かりのない確かな実力を発揮した。ストレートとクロスを使い分けることで左右に振り回し、相手に余裕を与えない。試合の流れをつかみ、6-1で第1セットを得る。しかし第2セットでは、2ゲーム連続の先取を相手に許してしまう。「声も雰囲気も切り替えてプレーしました」と即座に気持ちを引き締め、自身のプレースタイルを見直した小堀。すると3ゲーム目で力強さの増したリターンや相手の隙を突いたロブを披露。パワーとテクニックを兼ね備えたショットで主導権を奪い返し、6-3で第2セットを取得した。シングルスに向けて冬場に磨いたという体力とフットワークを生かし、どこまで勝ち進むことができるか。

(記事 扇山友彰、写真 芦沢仁美)

★粘り切れず2回戦敗退

あと一歩届かなかった岸田(左)・松崎勇組

 男子ダブルス2回戦に、岸田海(社1=東京・早実)・松崎勇太郎(スポ1=神奈川・湘南工大付)組が登場。第1セットは互いに譲らずキープし合い、ゲームカウント4-4となる。しかし勝負どころで決め手に欠け、相手にブレークを許す。そのまま4-6で第1セットを終えた。後がない第2セットは「強気で攻めるのではなく入れにいってしまった」(岸田)という言葉の通り、勝ちたいという思いがうまくプレーにつながらない。レシーブなど簡単なミスが目立ち、粘ることができないまま1-6で敗北。今後の課題としては「気持ちのコントロール」(松崎勇)を挙げた。昨季以上に試合の出場機会を増やすため、今季はより一層の気合を入れてチャンスを狙っていく。

(記事 細川香衣、写真 芦沢仁美)

結果

▽女子ダブルス

2回戦
●辻恵子・早野夏希(2-6、5-7)本郷未生・寺見かりん(ともに山学大)

▽男子シングルス

2回戦
○小堀良太(6-1、6-3)関谷颯汰(青学大)

▽男子ダブルス

1回戦
●西田昇吾・高原和功(1-6、2-6)秋山和潤・白井卓也(ともに亜大)
2回戦
●岸田海・松崎勇太郎(4-6、1-6)今諒哉・切詰魁(ともに明大)

コメント

◇女子部

辻恵子(教1=東京・早実)

――きょうの試合を振り返って

良いラリーが続いても、最後自分たちのミスで終わってしまうことが多くありました。セカンドセットでは自分たちがリードできそうなところもありましたが、そこも最後は自分たちのミスで落としてしまいました。相手よりも先にミスをしてしまったなと思います。

――緊張はありましたか

最初は緊張していませんでしたが、競った場面、攻めなきゃいけない場面で消極的になってしまいました。

――試合中はどのようなことを意識していましたか

相手はテンポの速いラリーが好きで、ボレーに出られないようにロブを打つなどをしていました。いま思えばストレートが少し少なかったかなと思います。

――今後の課題としては

相手がたくさんボレーに出てきたのに対して自分たちはボレーに出ることが少なかったので、ボレーに出られるようにしたいです。

早野夏希(教1=東京・早実)

――きょうの試合の振り返りをお願いします

出だしが0-3になってしまって、相手の流れになったままファーストセット落としてしまいました。セカンドセットも最初はその流れになってしまいました。そこから挽回できた部分は、自分たちで考えて自分たちのかたちで決めることができたと思います。しかし4-4になった後からは決めきるところでミスが出てしまって、取り切れずに負けてしまいました。

――2試合戦ってみて、緊張しましたか

1回戦の最初の方は緊張しました。きょうは緊張しなかったんですけど、久しぶりの試合ということで競った場面で硬くなってしまったかなというのはあります。

――課題として挙がった点は何ですか

ファーストセットではストロークでつなげる段階でのミスが多かったので、課題の1つは後ろでつなげられるようにすることです。もう1つは、セカンドセットで決めきれない場面が多かったので、最後の1本を決めきるということですね。

◇男子部

小堀良太(スポ1=東京・大成)

――きょうの試合を振り返っていかがでしたか

相手のサーブとフォアハンドが強かったためそれを必死に返す場面が多かったのですが、しっかり守り切って勝利することができました。実力が上がっていることを実感できました。

――6-1、6-3というスコアでしたが

自分のテニスをするという目標で試合に挑みました。0-30や0-40などヒヤヒヤする場面が多かったので、次の試合からは序盤から集中したいと思います。

――第2セットは3ゲーム目から盛り返しましたね

このゲームを取られたら第2セットは持っていかれると考えていたので、喝を入れて声も雰囲気も切り替えてプレーしました。相手のフォアハンドを警戒していたのでどんなボールでも走って取ってやろうという一心でゲームを進めました。

――冬場の練習は何を意識していましたか

主に体力とフットワークの強化を自分なりにやっていました。夏はダブルスの試合が多かったのであまりシングルス関連の能力を磨くことができませんでした。その分冬の期間は、走りこみを多めに行いました。

――次戦以降にむけて一言お願いします

自分のやるべきことをしっかりやって、いけるところまで勝ち進みたいと思います。

岸田海(社1=東京・早実)

――きょうの試合を振り返って

ファーストセットはブレークチャンスもあったのですが、序盤から硬くなってしまいました。(ゲームカウント)3―3の向こうのサーブで0―40という場面があって、そこを取っていれば勢いに乗れていたと思います。そこを落としてしまって、次のゲームもブレークされてしまったので、そのゲームがキーでした。ファーストセットを取られて二人共テンションが下がってしまって、セカンドセットも1―6で。気持ちを切り替えて挽回することができませんでした。そこは反省する点だと思います。

――調子はいかがでしたか

調子自体は大会を通じてそんなに悪くはないと思うんですけれど、どうしても勝ちたいという気持ちが強くて、強気で攻めるのではなく入れにいってしまった結果、甘く入ってしまったりミスにつながったりしてしまいました。

――冬の期間で強化してきた点はどこですか

自分はストローカーでボレーとかはあんまりうまくないので、ダブルスでも勝てるようにしたいというのがありました。早大は王座(全日本大学対抗王座決定試合)前からダブルス強化をやっています。新進(関東学生新進選手権)では上にいきたかったですし、僕のこれから先の将来のテニスとしても冬はダブルスの練習を意識してきました。

――今後の課題はありますか

今回は単複共に上位進出を狙っていたのですがこういう結果に終わってしまって、改めていまの実力を知りました。これで新進は終わってしまいましたが、あしたから春関(関東学生トーナメント)と早慶戦に向けてやっていきたいです。きょねんは出場できなかった大会もことしはチャンスがあると思うので、まずは春関で結果を残して、早慶戦、リーグ(関東大学リーグ戦)、王座と出場できるように頑張っていきたいです。

松崎勇太郎(スポ1=神奈川・湘南工大付)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

相手どうこうというより、自分のテニスを信じてプレーできてない自分がいました。自信を持ってプレーすることができていなかった試合だったのかなと思います。

――新進という大会全体を振り返っていかがですか

自分としてはきちんと準備をして臨んだつもりだったのですが、このような結果は自分の普段の練習や私生活の甘さが出た結果なので、受け止めるしかありません。それをしっかり受け止めて、春関に向けて一からやっていかないと次は無いかなと感じています。全体的には、自分の中ではひどい大会になってしまったなという評価です。それが全てだと思います。

――冬場のトレーニングで意識したことはありますか

冬場は重量を上げて、ウエイトトレーニングで筋トレを多く取り入れていました。体が重い状態でダッシュをする、厳しい中でも自分の力を出す、そういうトレーニングが多かったので、冬場が終わって身体的にはすごく出来上がってきているし、良い状態できていると思います。でも体だけベストでも仕方がないし、心も体も全てが一つにならないと良いプレーができないと思うので、技術的や精神的なコントロールの部分で実戦に向けての準備不足を感じました。

――春関に向けての目標や課題を教えてください

個人的な課題としては、気持ちのコントロールですね。技術というよりは自分の気持ちをどう持っていくか、試合中にどうコントロールするか、どういうふうに自分が勝ちにつなげていくのかというのをはっきりさせたいです。体力や技術ももう一度準備するのはもちろんですが、自分が何のためにやっていて、何に向かってやっているのかを明確にする、という気持ちの部分を大切にして、もう一度準備をしていこうと思います。