関東大学リーグ(リーグ戦)第4戦の相手は慶大。早慶対抗試合(早慶戦)という絶対に負けられない一戦。ダブルスで苦戦したもののシングルスで相手を圧倒し8―1で勝利。早慶戦の連勝数を32に伸ばした。
ダブルス1、3が接戦を制していく中、苦境に立たされたのはダブルス2の古田陸人(スポ3=愛知・名古屋)・今井慎太郎(スポ2=神奈川・湘南工大付)組。第1セット、相手の弱点を攻め5―2とリードするも、直後に3ゲームを連取され5―5に。しかし何とか相手の猛追を振り切り、7―5でこのセットを取った。続く第2セットでは、攻めてくる相手に対し古田と今井は消極的になってしまい、なかなか差をつけることができない。そしてだんだんと波に乗ってきた相手に揺さぶられミスが出始める。その結果、第10ゲームでブレークされ、4―6で最終セットへ。「やるしかない」(古田)、「自分たちの良さを出そう」(今井)と気持ちを新たに臨んだ最終セット。ここで二人は第2セットでの消極的な姿とは対照的に、序盤から果敢に攻めていく。その積極的な姿勢が功を奏し、最終セットを6―2で奪取。接戦を制し、ダブルスを3―0で終えた。
作戦を練る古田(左)・今井組
シングルスでは松崎勇太郎(スポ1=神奈川・湘南工大付)がリーグ戦初出場。相手の高田航輝は高校の同級生、「自分のプレーをすれば勝てる」と松崎勇は感じていた。しかし初めての団体戦、そして初めての早慶戦。松崎勇にかかったプレッシャーは大きかった。第1セットは競った展開だったが、第8ゲームでブレークされると、そのまま相手のサービスもキープされ3―6でセットを落とす。その後もどうにか挽回しようと攻めるも、高田の安定したストロークを崩せず逆にミスを連発。結局、第2セットは1ゲームしか取らせてもらえず、ストレートで敗北。初出場というプレッシャーの中戦い抜いた松崎勇。「団体戦という雰囲気の中で勝ちを確立できるようにしたい」と気持ちを新たにした。なお、残りのシングルスはすべてストレートで勝利を収めた。中でも田川翔太(教4=神奈川・湘南工大付)は、春の早慶戦で敗れた志賀正人に6―0、6―1と快勝。前回の雪辱を晴らした。
いよいよ2日後には最終戦である法大戦が控えている。法大は今大会、慶大や明大と好勝負を繰り広げており、選手の実力も充分。ワセダの全勝優勝に向け、まだまだ油断はできない。
リーグ戦初出場となった松崎勇
(記事 渡辺早貴、写真 松下優)
結果
○早大8-1慶大
D1○田川・遠藤豪主将(スポ4=三重・四日市工)組6-4、7-5志賀・近藤大基組
D2○今井・古田組7-5、4-6、6-2矢野隆志・高田組
D3○大城光(スポ3=埼玉・秀明英光)・小堀良太(スポ1=東京・大成)組7-5、6-1井上善文・谷本真人組
S1○田川6-0、6-1志賀
S2○遠藤豪主将6-1、6-3近藤
S3●松崎勇3-6、1-6高田
S4○大城6-0、6-0矢野
S5○今井6-2、6-0谷本
S6○古田6-2、6-3権大亮
コメント
遠藤豪主将(スポ4=三重・四日市工)
――チームの結果を振り返って
ダブルスでスコアは関係なしに全ペアしっかり勝ちきってくれて、3―0でリードできたのがきょうの勝因だと思います。それによってシングルス全員がリラックスして挑めたのかなと思います。
――ダブルスは全ペア接戦でしたが、慶大のダブルスの印象は
弱い相手ではないですし、警戒はしていました。接戦ではありましたけど、しっかり勝ちきれたことに意味はあったのかなと思います。
――シングルス3には松崎勇選手が起用されましたが
慶大のシングルス3は高田かなと予想していて。松崎の高校の同期で、前にシングルスで勝っていたということもあって、高田もそうですけど松崎も意地を見せてくれるかなと思って。結果的に負けてしまって、勝てれば良かったんですけど、元気を出して頑張っていましたし。本人も負けて悔しいという気持ちを出していたので、次に出ることがあればそこでしっかり勝ってくれれば良いかなと思います。
――遠藤選手自身の試合についてお聞きします。ダブルスは第2セットで競った展開になりましたが、接戦を制することができた理由は
自分たちから守りにいきすぎて、そこから逆転されるという場面がいつもあって。なので、どんどん攻めて積極的なプレーを意識しました。結果、大事なところでそのプレーが効いたので良かったです。
――シングルスは第2セット序盤でブレークの応酬となりましたが
第2セットは足をつりそうになってしまって、サービスゲームは「取れたらラッキーかな」という気持ちでやって、逆にリターンゲームは集中してやりました。サービスゲームを取れていたら良かったんですけど、「だめだった」と考えずに特に気にしてはいませんでした。
――最後に法大戦への意気込みを
最後まで全員で勝ちきって、リーグで全勝して王座に向かえられるようにしたいと思います。
田川翔太(教4=神奈川・湘南工大付)
――ダブルスの試合を振り返っていかがでしたか
最初リードすることができて、その後少し追い付かれてしまったんですけど、最初に集中して入れたことが良かったと思います。僕自身結構調子が良かったので、どんどんポイントに絡んでいけるようにという感じでやっていきました。
――シングルスの試合を振り返っていかがでしたか
(春の)早慶戦で負けていたので、ボコボコにしてやろうと思っていました。集中していました。
――大差をつけての勝利となりましたが、作戦などはありましたか
前回の反省を生かしつつ自分のプレーをしようと思っていました。自分のプレーをすれば負ける相手ではないと思っていたので、しっかりやりました。
――志賀正人選手のバックハンドに集中して攻めていましたが意識はされていましたか
志賀はバックハンド上手いんですけど、僕の攻めはバックハンド側中心に攻めるので、そういう風になったのかなと思います。
――9日の法大との最終戦に向けて意気込みをお願いします
リーグは4年間まだ負けていないので、勝って終われるように頑張りたいと思います。
大城光(スポ3=埼玉・秀明英光)
――きょうの試合を振り返っていかがですか
ダブルスは先にブレークできたのにすぐにブレークバックされる苦しい展開になったのですけど、3-5まで追い詰められた中でもここで1セットを取ったら大きなという気持ちがあって。最後までセットを取るつもりで頑張った結果7―5で1セットを取れて、そこから落ち着いてプレーできたので、ダブルスに関しては本当によかったなと思います。シングルスに関しては練習試合で矢野とはやったことがあって、その時も自分の展開に持っていけることが多かったので、今日も終始落ち着いてプレーできたかなと思います。
――ダブルスの第1セットは3-1から4ゲーム連取されてしまいました
きょうの試合は本当に勝てるかどうかわからないというプレッシャーがあって。その中でリードして、そのリードを保たなければならないというプレッシャーから少しこちらのプレーが固くなってしまったというのがありますし、相手も自分たちが決めたプレーを貫き通しているように見受けられたので。そういった意味でもこちらが緊張してしまったのだとと思います。
――その後4ゲーム連取し1セットを取ることができた理由は
1回追い込まれたことで自分たちの中で取られてもともとのセットだったと思えたというか、やるしかないという気持ちになれて吹っ切れたというのがあります。
――第2セットは6-1と大差をつけて取ることができましたが
1セットの中でこうやったらポイントを取れるという展開が僕たちとしては見えてきたので。均衡した場面だとなかなか強気で攻めていけなかったりということで1セットは相手に隙を突かれてしまったのですけど、1セット取っているということで先に自分たちがリードする展開に持っていけるよう意識しました。
――シングルスでは相手に差をつけて勝つことができました
リードした後も油断することなく最後まで自分のプレーができたので押し切れたのだと思います。
――今回の試合は早慶戦となりましたが
チームとしても個人としても早慶戦では負けたくないという気持ちはやっぱりあって。それまでの試合ももちろん負けたくないという気持ちはあったんですけど、他大学と対戦する時とはまた違う緊張感はありました。
――最終戦は法大との対決となりますが
ここまで全勝でくることができていて、自分個人としても最終的な目標は全勝することなので、あさっても気を引き締めて勝ちを取りにいきたいと思います。
古田陸人(スポ3=愛知・名古屋)
――試合を終えての感想を
ダブルスの相手は春の早慶戦のときにも当たっていて、そのときはファイナルセットまでもつれてどうにか勝てました。第1セットが終わってそのことがよぎって、第2セットを取られてしまいました。最終的には勝つことはできましたが、まだまだ課題があるなと感じました。
――きょうは早慶戦でしたが
独特な雰囲気があって。自分が上級生になっているということもあって、去年よりも責任感やプレッシャーがありました。
――ダブルスは春の早慶戦で競った相手でしたが、今回試合をするにあたって何かプランはありましたか
矢野と高田だと矢野の方が少し実力が下なので、矢野をひたすら狙おうとしていました。ただ、第2セットでは矢野も波に乗ってきて押されてしまったんですけど、最後はしっかり締めることができたので良かったです。
――ダブルスの試合についてお聞きします。第1セットでは5―2とリードしていたところから5―5まで追いつかれてしまいましたが、その原因は
「出だしが大事」と言われていて、最初はうまくいって良かったんですけど、そこですこし油断してしまって。それと、僕らのサービスゲームのときの相手リターンも良くなったことも追いつかれた理由だと思います。
――第2セットを落としてしまった要因は
相手から攻めてこられて、こちらが消極的になってしまったというのが原因だと思います。
――最終セットに向けて気持ちの切り換えなどはどうしましたか
トイレットブレークのときに二人で「やるしかない」という風になって。そこからは積極的にガンガン攻めていきました。
――シングルスの結果についてはどのように考えていますか
もっと抑えられたとは思うんですけど、結果的には勝てたので満足しています。
――最後に法大戦に向けての意気込みを
インカレで負けてしまった竹内選手がいる学校で総合的にも強い選手が多いので、シングルスは下の方で出ると思うんですけど、油断せずに頑張りたいと思います。
今井慎太郎(スポ2=神奈川・湘南工大付)
――きょうの試合を単複振り返っていかがでしたか
ダブルスの方はちょっともつれてしまったんですけど、出だしが良かったというのは試合の流れとしてもとても必要なことですし、それは評価してもいいと思います。でも締めるところ、(ファーストセット)5-2から5-5になったりだとか、それでセカンドセットはその流れで悪循環で0-2なったり。途中で集中を切らしているわけではないんですけど、集中力を上げていかないといけないところを、相手も色々考えてくるわけですから、そういった対応をもっとしっかりしていかなくてはいけないなと感じました。シングルスの方は最初から集中していきました。夏関(関東学生選手権)のときに苦しんだ相手だったので。最初から集中して、自分のプレーで自分の雰囲気で、自分の流れでやっていこうという一心で戦った結果がすごい良かったのかなと思います。
――ダブルスの試合でセカンドセットを落としてから、ファイナルにどのように向かいましたか
相手を好きなようにさせてしまったというのが(セカンドセットを落とした)原因だったと思うので、もっと自分たちから攻めて展開していかなきゃいけないなと思っていました。前の人は自分たちから積極的に動くとか、そういった自分から仕掛けるということを意識して。あとはちょっと引き気味になっていたので、サーブを強く打つとか、そういったところから、基本的なことですけど、自分たちの良さを出すっていうのを意識した結果、ファイナルセットが取れたんじゃないかなと思います。
――2年目の早慶戦でしたが、早慶戦の雰囲気はいかがでしたか
春の早慶戦とはリーグの中ですし違う感じですけど、雰囲気に飲まれずにやれたと思います。1年生のときは結構飲まれてしまった部分もあったんですけど、そういうのに慣れてきたというか、そういった中でも自分の力を出せるようになってきたんじゃないかなと思います。それは日頃の練習から追い込んで追い込んで、自分に自信をつけれているからだと思います。
――9日の法大戦に向けて意気込みをお願いします
最終戦ですけども、法大は慶大のことも追い込んでいましたし、やっぱり慶大も明大も法大もどこが勝つかもわからないぐらいの接戦だったと思うので、しっかり気持ちを切らさずに、きょうみたいに集中してやっていこうと思います。
小堀良太(スポ1=東京・大成)
――きょうの試合を振り返って
第1セットはかなり緊張していてなかなかいいプレーができなかったのですけど、緊張した中でも1セットを取って、第2セットでいい状態に繋げることができたのはすごくよかったと思います。
――第1セットは3-1から4ゲーム連取された後に4ゲーム取り返す展開となりましたが
正直かなり集中していて、1ポイント1ポイントを大切にと思いながらプレーしていました。先をあまり気にしすぎずに1ポイントずつ集中してプレーできたことで結果的に1セット目が取れたのだと思います。
――第2セットは6-1と大差をつけて取ることができましたが
第2セットは戦い方を変えて、慶大の谷本選手が緊張してプレーが乱れてきていたので、そこを徹底的に狙った結果、6-1で取れたのかなと思っています。
――今回の試合は早慶戦となりましたが
僕はまだ1年生でリーグ戦は初で、まだ3戦目なので慣れっていうのは正直全くなくて。慶大戦だからといって特別視するのではなく、大事な一戦として試合に臨みました。
――最終戦は法大との対決となりますが
ここまできたら最後まで力を出しきってしっかり勝ち切りたいと思います。ダブルス3は無敗で初のリーグ戦は抑えたいと思います。
松崎勇太郎(スポ1=神奈川・湘南工大付)
――いまの心境からお願いします
今回が団体戦初出場だったんですけど、早慶戦ということもあってすごく緊張感があって。それが諸に出てしまった試合ないようだったのかなと思います。
――相手の高田選手は高校の同級生でした
同期ということもあって何回か試合もやっていて。そんなに負けたことはなくて、自分のプレーをすれば勝てるし、良いかたちに持っていけるだろうと思っていました。ただ、きょうの結果は相手どうこうというより、色んなプレッシャーだったり、ワセダを背負うというプレッシャーがあって、その中で自分に自分でプレッシャーをかけてしまってああいう内容になってしまったというのが正直なところです。
――きょうの結果についてはどのように考えていますか
自分のプレーをしよう、自分を応援してくれる人のためにしっかり頑張って元気を出していこうというのはもちろんありました。初出場だからというのを理由にはしたくないんですけど、団体戦の緊張感などを味わうことができたので、良い意味で良い経験をしたのかなと思います。だけど、敗戦というかたちで終わってしまったので、そこは次に生かさなきゃいけないなと思います。
――団体戦初出場でしたが何か収穫はありましたか
試合をするだけじゃなくて、色々なものを背負って戦うのが団体戦で。そういった中でしっかり勝ちを確立していかないといけないという新たな気持ちが芽生えました。この悔しさを忘れずに、またこのメンバーの中でも出ることができるように一から頑張っていきたいと思います。
――最後に法大戦への意気込みを
ワセダは4連勝できていて、それで迎える法大戦なんですけど、どのチームも本当に力があって何が起きるかわからないと思います。もしもう1回出るチャンスがあるなら、自分のすべてを出して全力でやって、チームも勝って優勝で終われればと思います。