創部100周年を迎えた早大相撲部。記念すべき一年の激闘を終え、年を改めて、盛大な祝賀会が行われた。会場には現役部員やチーム関係者はもちろん、OBや他大の関係者も列席。さらに、相撲部の特別参与を務めるデーモン閣下(社卒)、やくみつる氏(商卒)によるトークショーもあり、祝いの場を大いに盛り上げた。
乾杯の後、会場ではこの日のために用意されたVTR『100周年を振り返る』が流れた。相撲部草創期や、昭和の早大黄金期、先人たちの数々の偉業が紹介された後、映像は両国国技館へ。記憶に新しい、昨年6月の東日本学生選手権の記録だった。同点決勝を制し、9年ぶりのベスト8、1部昇格を決めた劇的瞬間の映像が流れると、会場は拍手に包まれた。また、橋本侑京(スポ2=東京・足立新田)の全国学生個人体重別選手権での優勝や、全国学生選手権(インカレ)での熱戦の舞台裏の映像も流された。続けて、舞台はデーモン閣下とやくみつる氏によるトークショーへ。列席者は、好角家として知られる2名の、母校の相撲部への思いに耳を傾けた。
会場を盛り上げたトークショー
デーモン閣下が『救世主』と表現した5人ーーー。鬼谷智之主将(スポ4=愛知・愛工大名電)をはじめ、今年で卒業となる現在の4年生のことである。5人の入部前、早大相撲部は存続の危機に瀕していた。選手が2人しかおらず、試合への出場がままならない時期も。このままでは、目前に迫る100周年を迎えられないかもしれない。危機感を持った室伏渉監督(平7人卒=東京・明大中野)は、特別参与に迎えたデーモン閣下とともに、新入部員の獲得に尽力。苦難の末、5人の『救世主』がやってきたのである。4年間で積み上げた努力が実り、早大相撲部は年間を通して1部で戦うレベルに成長した。また、彼らの後を追うように、後輩たちも実力を発揮。さらなる躍進へ、期待が高まっている。式典では、監督による現役部員紹介も行われ、4年生については卒業後の進路も紹介された。100年の長い歴史の中にあって、最大の危機を救った5人。今回の祝賀会は、そんな彼らの、晴れの舞台にもなったのだ。
室伏監督による、現役部員の紹介
「早稲田大学相撲部は、100年で終わりじゃない」。鬼谷主将は、そう語っていた。100周年を迎えられたとしても、すぐに『次の100年』が始まっていく。若林魁新主将(スポ3=岐阜農林)を中心とした新たなチーム。その船出の時は、目前に迫っているのだ。稽古場の土俵には、栄光の歴史、苦闘の時代、さまざまな先人たちの思いが染み込んでいる。これからも、『ワセダの相撲道』が脈々と受け継がれていくことを願う。
(記事 元田蒼、写真 吉岡拓哉)