雨中のドロー決着。連勝はストップ

ア式蹴球女子
第25回関東女子リーグ戦
早大 1-0
0-1
浦和レッズレディースユース
【得点】
(早大)10’廣澤真穂
(浦和レッズレディースユース)59’島田芽依

 前節首位攻防戦で勝利を収め、単独首位に浮上したア式蹴球部女子(ア女)。関東女子リーグ戦(関東リーグ)後期第3節では、4位に付けて上位進出をうかがう浦和レッズレディースユースと対戦した。雨の悪条件下でア女は10分にセットプレーから最後はFW廣澤真穂(スポ1=ノジマステラ神奈川相模原ドゥーエ)が決めて先制したが、以降は浦和レッズレディースユースにペースを握られる。我慢の時間が続いたが、59分には裏のスペースを突かれ、同点ゴールを献上。その後は両チームとも守備陣が決定機をシャットアウトし、1-1のドロー決着となった。

 先手を取ったのはア女だった。10分、MF中條結衣副将(スポ4=JFAアカデミー福島)のFKをDF小林菜々子(スポ4=ジェフユナイテッド市原・千葉レディース)が頭で落とし、廣澤がボレーシュートをゴール左下に沈める。しかし先制後は浦和レッズレディースユースの素早いプレスにパスの出しどころを封じられ、好機をつくり出せない。20分にはパスをカットされ、23分には自陣右サイドの裏を取られたものの、ディフェンス陣が集中力を切らさずに得点は与えなかった。40分を過ぎたあたりからは、MF並木千夏(スポ2=静岡・藤枝順心)のパスからMF阪本未周(スポ3=大阪・大商学園)が、MF高橋雛(社1=兵庫・日ノ本学園)のパスから廣澤がゴールに迫るが、得点には結びつかなかった。

先制に成功し、喜ぶ選手たち

 雨足が強まる中始まった後半。54分に廣澤と並木のワンツーから廣澤がミドルシュートを放つ。その1分後には「攻撃の時にもっと裏へ抜ける人を増やして、攻撃に厚みを持たせよう」(MF高瀬はな主将、スポ4=ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU18)とハーフタイムに確認したように、DF中田有紀(スポ4=兵庫・日ノ本学園)がオーバーラップで抜け出し、MF田中実夏(スポ4=セレッソ大阪堺レディース)にパスを通すが、相手ディフェンスにブロックされる。すると59分、後半から背後のスペースを狙ってきた相手に対応することができず、1本の縦パスでMF井戸ケイトに裏を取られ、ゴール前に走り込んだFW島田芽依に痛恨の同点弾を許した。69分の中條のFKはクロスバーに嫌われ、70分には田中の折り返しに並木が反応したものの、GK福田史織の飛び出しに防がれる。勝ち越し点を奪えないでいると、79分に絶体絶命の危機を迎える。GK川端涼朱(スポ3=東京・十文字)がボールを奪われてシュートを打たれてしまう。だが、ここはDF船木和夏(スポ1=日テレ・メニーナ)がゴールライン手前でなんとかクリアした。81分には、MF蔵田あかり(スポ2=東京・十文字)がパスカットし、廣澤のリターンを受けシュートを放つも、うまくミートすることができない。89分には田中のスルーパスから廣澤が福田と1対1になるが、福田の好判断で逆転ゴールとはならず。1-1で勝ち点1を分け合った。

けがから復活した蔵田。サイドで躍動した

 「勝ち切るという部分でまだまだ力が足りないと実感する試合内容だった」(高瀬)。後期は2試合連続で5得点を奪うなど好調を維持していたア女。今節も早い時間帯に先制したが、相手の柔軟な戦い方に苦戦を強いられた。首位をキープしたものの、「もっと試合の流れを読んで自分たちのプレーを変えるということもできるようになっていきたい」と高瀬はさらなる成長を誓う。ア女は金曜日に、いよいよ早慶女子定期戦(早慶戦)を迎える。「いつも以上に気持ちの強さが大事になってくる試合。絶対に勝ちたいですし、イベントとしても成功させて、応援してくれる方々に感謝を表現できれば」と高瀬は意気込む。早慶戦ではいまだ慶大に敗れたことがなく、現在3連覇中のア女。宿敵を撃破し、関東リーグ後期第4節へ向けて弾みをつけていきたいところだ。

(記事 石井尚紀、写真 永池隼人)

スターティングイレブン

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早大メンバー
ポジション 背番号 名前 学部学年 前所属
GK 16 川端 涼朱 スポ3 東京・十文字
DF 中田 有紀 スポ4 兵庫・日ノ本学園
DF 小林 菜々子 スポ4 ジェフユナイテッド市原・千葉レディース
DF 35 船木 和夏 スポ1 日テレ・メニーナ
DF 36 ブラフ シャーン スポ1 スフィーダ世田谷FCユース
→87分 源関 清花 スポ4 ちふれASエルフェン埼玉
MF 中條 結衣 スポ4 JFAアカデミー福島
MF ◎8 高瀬 はな スポ4 ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU18
MF 12 並木 千夏 スポ2 静岡・藤枝順心
→73分 13 蔵田 あかり スポ2 東京・十文字
MF 17 阪本 未周 スポ3 大阪・大商学園
→46分 14 田中 実夏 スポ4 セレッソ大阪堺レディース
MF 32 高橋 雛 社1 兵庫・日ノ本学園
FW 34 廣澤 真穂 スポ1 ノジマステラ神奈川相模原ドゥーエ
リザーブ:DF27黒柳美裕(スポ2)、MF19桝田花蓮(スポ2)、MF20秋山由奈(スポ4)、FW9山田仁衣奈(スポ4)、FW18荻原優花(スポ3)、FW30土居明日香(スポ4)
◎=ゲームキャプテン
監督:川上嘉郎(昭51商卒=神奈川・横浜緑ケ丘)

コメント

MF高瀬はな主将(スポ4=ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU18)

――きょうの試合を振り返って

後期はここ2試合いい試合運びができていて、今回もいい時間帯で先制点を取れたのはよかったですが、勝ち切るという部分でまだまだ力が足りないなと実感する試合内容だったと思います。

――きょうのゲームプランは

前期の試合で奪いどころがはっきりさせられなかったので、練習では守備面での狙いを明確にさせることを徹底しました。前半は狙い通りの守備ができた部分も多かったですが、後半相手が戦い方を修正してきた中で、自分たちも戦術に変化をつけなければいけなかったと思います。

――雨の中の試合でしたが、ピッチの状態はいかがでしたか。またプレーへの影響は

天然芝という面でもあまり慣れていなかったですが、条件は相手もほとんど同じなのでそんなには気にならなかったです。ただ、少しのパスのズレが大きなミスやピンチを招いてしまった場面もあって、雨の中でも安定した技術を出していけるようにしないといけないなと感じました。

――前半を振り返って

先程も言った通り、立ち上がりは勢いを持って守備をすることができましたし、先制点を取ってから押される時間帯があっても集中を切らさず戦えていたと思います。

――ハーフタイムで話したことは

攻撃の時にもっと裏へ抜ける人を増やして、攻撃に厚みを持たせようという話をしていましたが、後半は追加点をなかなか取ることができませんでした。

――相手は後半より裏抜けを狙ってきた印象です

自分たちの狙いが前半うまくいった分、修正して縦に早くボールを入れてくるようになりました。それに対しての対応を変えることが試合中にできなかったのが、失点につながってしまったと思います。

――失点シーンを振り返って

前半のように奪いどころが決まらず、コースを限定できないまま縦パスを出されてしまって、全て後追いになってしまいました。もっと試合の流れを読んで自分たちのプレーを変えるということもできるようになっていきたいです。

――相手のプレスが試合を通じて早かった印象です

早いプレスの中でももっと正確なプレーをしなきゃいけなかったですし、そのためには日頃の練習で自分たちがそれ以上の早さを基準としてプレーしていく必要があると思います。

――相手に押し込まれる時間が多い中、なんとか引き分けに持ち込みました。この結果については

押し込まれる時間も多かったですが自分たちのチャンスもあって、勝ち切れなかったことがすごく悔しいです。今回出た課題としっかり向き合って、さらにチームとして成長していきたいと思います。

――早慶戦への意気込みをお願いします

普段の公式戦とはまた違う雰囲気ですが、いつも以上に気持ちの強さが大事になってくる試合だと思います。絶対に勝ちたいですし、イベントとしても成功させて、応援してくれる方々に感謝を表現できればと思います。