2戦連続の5得点! 首位攻防戦を制し単独首位に浮上

ア式蹴球女子
第25回関東女子リーグ戦
早大 1-1
4-1
群馬FCホワイトスター
【得点】
(早大)3’、80’、90’高橋雛、62’廣澤真穂、71’田中実夏
(群馬FCホワイトスター)24’牧井毬音、79’佐藤亜実

 関東女子リーグ戦(関東リーグ)後期2試合目、ア式蹴球部女子(ア女)は2カ月前に白星を献上している群馬FCホワイトスター(ホワイトスター)との一戦に臨んだ。前節終了時点で勝ち点17を積み上げていた両チームの首位攻防戦は、互いに1点を奪って折り返す。迎えた後半、ア女は62分に生まれたFW廣澤真穂(スポ1=ノジマステラ神奈川相模原ドゥーエ)のゴールを皮切りに4点を重ねて、5-2で完勝。2試合連続で5得点のゴールラッシュを演じ、単独首位に浮上した。

 3分、左サイドで廣澤の浮き玉のパスを受けたMF高橋雛(社1=兵庫・日ノ本学園)が右隅に決めて先制したア女。前回対戦時に攻めあぐねたホワイトスターの3-4-3に対して、今節採用した4-1-4-1が功を奏し、序盤からペースをつかむ。1トップの廣澤が動き回ってボールを収め、両翼の高橋とMF阪本未周(スポ3=大阪・大商学園)、サイドバックのDF中田有紀(スポ4=兵庫・日ノ本学園)とDFブラフシャーン(スポ1=スフィーダ世田谷FCユース)が3バック脇のスペースに走り込んで攻勢を強める。13分にはGK鈴木佐和子(スポ3=浦和レッズレディースユース)が負傷交代するアクシデントに見舞われたが、GK川端涼朱(スポ3=東京・十文字)がCKのハイボールを難なくキャッチした。しかし24分、右サイドのFKが左サイドに流れたところをFW牧井毬音に詰められて同点とされてしまう。それでも31分、阪本が裏抜けからシュートを放ち、その1分後には高橋の左サイドのクロスから廣澤が決定機を迎えるなど、一貫してスペースを突いていく。39分にはMF高瀬はな主将(スポ4=ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU18)のCKをシャーンがヘディングで合わせ、42分にはMF中條結衣副将(スポ4=JFAアカデミー福島)がロングシュートを放つが、惜しくも得点にはつながらず、1-1で前半を終えた。

ハットトリックを達成した高橋

 後半の立ち上がりはホワイトスターが主導権を握る。ア女はオフサイドトラップにかかり、59分のDF小林菜々子(スポ4=ジェフユナイテッド市原・千葉レディース)から廣澤へのスルーパスも副審の旗が上がる。直後のプレーではホワイトスターにシュートまで持ち込まれるが、DF船木和夏(スポ1=日テレ・メニーナ)が体を投げ出してブロックして窮地を脱する。ここでア女は打開を図るべく2枚目の交代カードで、高瀬に代えてMF田中実夏(スポ4=セレッソ大阪堺レディース)を投入。すると62分、「試合に入った時に中盤で相手が一回ミスをしていたので狙おうと思っていた」と振り返った田中が、ホワイトスターのスローイングのリスタートをカットし、前線の廣澤へパスを通す。これを廣澤が相手を振り切りゴール右下に突き刺して、勝ち越しに成功した。その後も田中が二列目から飛び出していき、ゴールを脅かす。そして71分、MF並木千夏(スポ2=静岡・藤枝順心)の縦パスに反応した中田が左サイドを駆け上がってクロス。こぼれ球を拾った田中がペナルティエリア外から放ったボールは、GKが一歩も動けずにゴールネットに吸い込まれた。79分にパスミスから中央を崩されてFW佐藤亜実に1点を返されるが、高橋が80分にループシュート、90分には1対1を冷静に沈めてハットトリックを達成。このまま試合は終了し、5-2で前期の雪辱を果たした。

勝ち越しに成功し、笑顔を見せる選手たち

 「相手のラインが高い分多く(オフサイドトラップに)引っかかってしまったのですが、それをやめずにできたことが得点につながった」と高瀬が振り返るように、裏への意識をチーム全体で共有できたことで、前期に苦戦を強いられたホワイトスターの布陣を攻略した。ユニバーシアード日本代表でMF村上真帆(スポ3=東京・十文字)とMF松本茉奈加(スポ3=東京・十文字)が不在であったものの、ア女の底力を存分に発揮した格好だ。ただ、後期は無失点を掲げている中で、セットプレーとパスミスから失点を喫してしまったこともまた事実。首位に立った今、もう一度足元を見つめ直し、連勝街道を歩んでいきたい。

(記事 石井尚紀、写真 永池隼人、齊藤里和、手代木慶、中嶋勇人)

スターティングイレブン

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早大メンバー
ポジション 背番号 名前 学部学年 前所属
GK 鈴木 佐和子 スポ3 浦和レッズレディースユース
→13分 16 川端 涼朱 スポ3 東京・十文字
DF 中田 有紀 スポ4 兵庫・日ノ本学園
DF 小林 菜々子 スポ4 ジェフユナイテッド市原・千葉レディース
DF 35 船木 和夏 スポ1 日テレ・メニーナ
DF 36 ブラフ シャーン スポ1 スフィーダ世田谷FCユース
MF 中條 結衣 スポ4 JFAアカデミー福島
MF ◎8 高瀬 はな スポ4 ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU18
→61分 14 田中 実夏 スポ4 セレッソ大阪堺レディース
MF 12 並木 千夏 スポ2 静岡・藤枝順心
MF 17 阪本 未周 スポ3 大阪・大商学園
MF 32 高橋 雛 社1 兵庫・日ノ本学園
FW 34 廣澤 真穂 スポ1 ノジマステラ神奈川相模原ドゥーエ
→86分 30 土居 明日香 スポ4 ちふれASエルフェン埼玉
リザーブ:DF5源関清花(スポ4)、DF27黒柳美裕(スポ2)、DF37吉野真央(スポ1)、MF19桝田花蓮(スポ2)、MF20秋山由奈(スポ4)、FW18荻原優花(スポ3)
◎=ゲームキャプテン
監督:川上嘉郎(昭51商卒=神奈川・横浜緑ケ丘)

コメント

MF高瀬はな主将(スポ4=ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU18)

――きょうの試合を振り返って

けっこう厳しい時間も続いたんですけど、最後こういったかたちで勝ち切れたことは大きかったと思います。

――前期負けている相手との対戦でしたが、ゲームプランは

前回は4-4-2で挑んだんですけど、4-1-4-1にシステムを変えてかなり守備がはめやすくなりました。自分たちもやり慣れない部分はあったんですけど、うまく適応できたかなとは思います。

――早い時間に先制しましたが

点は早い時間帯で欲しかったんですけど、こんなに早く取れちゃうんだというか逆に不安になりました。この後気を引き締めなきゃいけない時間帯が続いて、結局前半のうちに失点してしまったので、点を取った後もっと修正できればよかったなと思いました。

――後半は押し込まれる時間帯が続きましたが

クリアをしっかりするとか球際を強くいくとかシンプルなことを声を掛け合ってやるということしか今回はできなかったですけど、そういうところが一番大事になってくると思います。厳しい時間帯も含めて全員で声を出せたというのは大きかったと思います。

――その中で4得点を追加しました

相手の守備が3バックということで、自分たちはアーリークロスを練習してきました。それが結果にも繋がったので、スカウティングもうまくいってよかったと思います。

――きょうは試合を通してオフサイドが多かった印象です

きょうはアーリークロスを狙っていたので裏への意識が強かったです。相手のラインか高い分多く引っかかってしまったのですが、それをやめずにできたことが得点に繋がったと思うので、悪い印象はないです。

――きょうの勝利で見事首位に浮上しました

勝ち切らないといけない試合と自分たちも思っていて。立ち上がりはみんな緊張していたんですけど、結果的にこのようなかたちになったので、今回勝ち切れたことはよかったです。でもこれからの試合が重要になってくると思うので、引き続き頑張っていきたいと思います。

――きょうの課題点は

失点したセットプレーの部分です。キーパーが変わって、キーパーはそれぞれ守り方が違うということはあるんですけど、そういう部分(守り方)をチームに伝え切れていなかったというのが失点に繋がったと思うので、臨機応変に対応できるようなチームワークというか声掛けをしていきたいなと思います。

MF田中実夏(スポ4=セレッソ大阪堺レディース)

――試合を振り返って

負けたら絶対自力優勝が無いというところで勝ててほっとしているのが一番です。

――きょうのプレーで意識していたことは

出たら点を取るというところと、ちょっと押されていた時もあったので声を出していくというところです。声でもチームを引っ張っれるようにしようと思って入りました。

――二列目からの飛び出しが目立ちました

試合を外から見ていて、二列目からの飛び出しがもっとあったらいいなと思っていて。自分の良さでもあるのでそこは出していこうと思いました。

――アシストシーンを振り返って

試合に入った時に中盤で相手が一回ミスをしていたので狙おうと思っていて。(相手のミスを拾った後)そこでヒロ(FW廣澤真穂、スポ1=ノジマステラ神奈川相模原ドゥーエ)が見えてうまく出せたので、あとはヒロが突破してくれて自然にアシストになったという感じです。

――得点を振り返って

良いところにこぼれてきて、フリーだったのでちょっと緊張しましたけど、思ったところに打ててよかったです。

――次節への意気込みは

きょう勝って首位になれましたけど、残りの試合ホワイトスターは勝ってくるので、リーグ優勝の前に目の前の一戦一戦を考えてやれればいいかなと思います。

FW廣澤真穂(スポ1=ノジマステラ神奈川相模原ドゥーエ)

――きょうの試合を振り返って

前期負けている相手で、自分たちが自力優勝するには負けられない戦いだったので、みんな気合いが入っていました。勝ててよかったです。

――きょうはポストプレーが目立ちました

きょうは4-1-4-1で自分が収めないと味方が上がってこれないと思っていたので、収めることを意識して頑張りました。

――得点シーンを振り返って

それまでチャンスはあったんですけどなかなか足を振れなかったので、思い切って足を振りました。

――次節への意気込みは

負けたら自力優勝はなくなると思うので、しっかり勝ちにこだわって点も取れるように頑張っていきたいと思います。

MF高橋雛(社1=兵庫・日ノ本学園)

――試合を振り返って

最初先制点が取れて有利な状態になっていたんですけど、失点があって苦しい中でまた取り返して、最終的には5対2で試合ができたのでよかったです。

――前期負けていた相手との対戦でしたが

みんながリベンジ、絶対勝つという気持ちが強かったので、出ている人だけじゃなくて出てない人も練習からチームのために動いてくれたので、それが結果につながったと思います。

――先制シーンを振り返って

時間帯も結構早かったので常にゴールを意識していたんですけど、廣澤がいいボールをくれたのでそれをもう振り切るだけでした。

――ダメ押しゴールを2つ決めましたが

自分的には最後苦しい時間帯だったんですけど、チャンスがあればゴールも狙っていて、いいボールがたまたま来ました。決め切れてよかったです。

――次節への意気込みは

失点がきょうもあったんですけど、そこをチームでもう一度修正して無失点でかつ決め切って、強い気持ちで勝ちに行きたいと思います。