今季初黒星で首位から陥落

ア式蹴球女子

 関東女子リーグ戦(関東リーグ)第6節、2位との勝ち点差1で首位を維持するワセダは日テレ・メニーナ(メニーナ)と対戦。試合は立ち上がりの好機を決め切ることができず、流れは徐々にメニーナへ。ミスから前半終了間際に失点すると、流れを変えられないまま後半に2失点。0-3の完敗となり、勝ち点を落としたワセダは首位から陥落した。

豊富な運動量で好機を演出する大島瑞

 関東リーグ前半戦も残り2節。今節はワセダが苦手とするメニーナとの対戦となった。「前からいけてチャンスがつくれていた」(高木)という言葉通り、立ち上がりから激しいプレスを掛けボールを奪うと、豊富な運動量からゴールに迫る。3分にはDF小野田莉子主将(スポ4=宮城・常盤木学園)からのロングパスに反応したDF大島瑞稀(社3=宮城・常盤木学園)がゴール左隅を狙うが、惜しくも相手GKにキャッチされてしまう。その後も得意のサイド攻撃から好機が生まれるも、課題となっていた決定力不足から先制点を奪えない。すると足元の技術に長けるメニーナがボールをキープし始め、ワセダはセカンドボールを奪えず攻め手を欠く展開に。試合が動いたのは29分、自陣でパスカットされるとメニーナのカウンター攻撃からミドルを打たれ、失点。その後も相手ゴールを割ることができず、1点ビハインドで試合を折り返す。

 まずは1点を返したい後半は、開始早々好機が訪れる。MF大島茉莉花(スポ4=鹿児島・神村学園)の中央突破からボールを受けた大島瑞がセンタリングを上げ、MF正野可菜子(社3=兵庫・日ノ本学園)ら数枚が詰めていたが、ラインぎりぎりで相手GKに奪われゴールとはならず。ここからファインセーブに勢いづいたメニーナの猛攻が始まる。「万全な準備をしてきたわけではなかった」というDFラインを抜かれると、幾度となくGKとの1対1に持ち込まれる。最後の砦であるGK三田一紗代副将(社4=京都精華女子)の好セーブでピンチを乗り切るも、集中力を切らさないメニーナの攻撃が続く。74分には、中盤を崩され打たれた技ありのループが三田の手をすり抜けゴールネットを揺らす。さらに自陣右を崩されると立て続けに3失点目。一矢報いたいワセダは、試合終了間際に絶好のチャンスが訪れる。CKから身長のあるFW一原梓(スポ4=宮城・常盤木学園)が頭で合わせるも、ボールはクロスバーを直撃。1点を奪えないまま試合は終了し、今季初の黒星を喫した。

ワセダは今季初の敗戦となった

 試合を振り返り小野田は「自分たちのやりたいこともできなかったし、相手に思うようにやられてしまった」と一言。決定力不足に加え、中盤でパスを奪われカウンター攻撃を浴びるなど、攻守両面において課題が露呈する結果となった。しかし関東リーグも前期は残り1節。敗戦に落ち込んでいる暇はない。次節は首位を奪われた浦和レッズレディースユースとの対戦となる。「1位で前期を折り返したい。何としても負けられない戦い」と小野田が語った通り、首位奪還に向け再び前を向きたいところである。

(記事 芦川葉子、写真 栗田麻里奈)

スターティングメンバ―

関東大学リーグ戦第6節
早大 0-1
0-2
日テレ・メニーナ
【得点者】(早)、(メ)28長谷川、74鳥海、85籾木
早大メンバー
ポジション 背番号 名前 前所属 学部学年
GK 三田一紗代 京都精華女子 社4
DF 大島茉莉花 鹿児島・神村学園 スポ4
DF ◎4 小野田莉子 宮城・常盤木学園 スポ4
DF 12 大島瑞稀 宮城・常盤木学園 社3
MF 29 福井菜月 宮城・常盤木学園 スポ2
DF 23 奥川千沙 静岡・藤枝順心 スポ1
MF 10 正野可菜子 兵庫・日ノ本学園 社3
MF 13 山本摩也 スフィーダ世田谷 スポ3
MF →77分 高須咲帆 福井工大附属福井 スポ4
MF 21 中井仁美 兵庫・日ノ本学園 スポ1
MF 高木ひかり 静岡・常葉学園橘 スポ3
FW →56分 平國瑞希 宮城・常盤木学園 スポ1
FW 14 一原梓 宮城・常盤木学園 スポ4
◎はゲームキャプテン
監督は福島廣樹(昭45教卒)
コメント

DF小野田莉子主将(スポ4=宮城・常盤木学園)

――0-3での完敗となりました。試合を終えて率直な感想をお願いします

0-3という結果通り、自分たちのやりたいこともできなかったし、相手に思うようにやられてしまったなと思います。

――今季初の黒星となってしまいました

前節(△0―0関東学園大)もあまり内容が良くなくて、きょうやってきて試合の中での雰囲気をもっと盛り上げなければいけないし、ただの負けではなくこれからに生かせる負けにしたいかなと思います。

――「やりたいようにできなかった」という原因は

私たちの攻撃が、縦パス1本入って落としてサイドを使っていくっていう流れなんですけど、縦パスの段階で相手に狙われてしまっていたり、パターンを読まれてしまっているという状況でした。その中でも崩していける個の能力をもっと高めていかないと、これから先全日本大学選手権や皇后杯全日本女子選手権での優勝という目標は達成できないんじゃないかなという風に感じました。

――前節からセカンドボールを奪えないという課題が挙げられていました

ファーストを競れてもセカンドで相手の方が良い位置に居たり、セカンドを拾えないとファーストを競っても結局相手のボールにしてしまうので。もっと全体としての守備の位置が悪いから拾えないということがあったので、全体としての狙いどころというのをつくって、守備できればなと思います。

――ケガ人も多くDFラインのメンバーもなかなか安定しない中での今節でした

人数も少なくて紅白戦もできない状態なので、DFの中で声を掛け合って1週間万全な準備をしてきたっていうわけじゃないんですけど、もっとゲームの中で修正したり、もっとカバーしたりという部分を3人でやっていけたらと思います。

――日テレ・メニーナはワセダが苦手としてきた相手ですが、今節の印象は

みんな小さいんですけど個の技術がすごく高くて、そういう部分で一人一人のディフェンスが剥がされてしまっているというのがありました。私たちはもっと一人がつぶす守備というのをしていかないといけないというのは思います。

――日テレ・メニーナのカウンター攻撃から失点する場面もありました

まず奪われどころが悪いというのと、枚数が掛かっているところで自分たちのミスから奪われてしまうということであったり、あとは攻撃しているときのリスクマネージメントというか中盤のバランスやDFの準備だったりがまだ足りてないのかなという風に感じました。

――攻撃に関しては、2節連続無得点となりました

きょうも後半の最初の方であったりチャンスはあったし、自分たちのやりたいサイド攻撃からクロスが入るところまではできているのですが、最後の質が本当に悪くて、前節も今節も決め切ることができていたら楽な試合展開というか、最終的な結果ももっと違ったものになっていたんじゃないかなというのはあります。

――攻撃面での課題は決定力といったところでしょうか

決定力というのもそうですけど、やっぱりもう少し個で打開できる能力というのがなければパターンが読まれたときに相手の守備組織を切りくずしていけることはできないんじゃないかなと思います、

――今節の結果で首位を浦和レッズレディースユースに明け渡してしいましたが、次節はその相手との対戦となります。意気込みをお願いします

やっぱり1位で前期を折り返したいので、何としても負けられない戦いなので、全員で準備して絶対に勝ちにいきたいと思っています。

FW一原梓(スポ4=宮城・常盤木学園)

――0―3という結果で終わりましたが、いまの感想をお聞かせください

情けないなという一言だけです。

――負けた要因は何ですか

決めるところで決められなかったことが第1だと思います。

――2戦連続無得点でしたが、攻撃に欠けているものは何ですか

流れが悪いときに、中で自分たちがいかに修正するかという部分が、やっぱり欠けていると思います。

――相手の印象はいかがでしたか

印象というよりは、もともとつないでくる相手だと分かっていたのですが、中での受け渡しという部分が悪くて、ずれてああいった失点のかたちになったのだと思います。

――決定的チャンスもありましたが、個人的に振り返って課題は何ですか

後半の運動量は自分なりに課題だと思っているのですが、今回も後半に動きが少なくなってしまったので、しっかりと今後改善していきたいとおもいます。

――チームのいまの状況はいかがですか

先週も引き分けで今週も負けてしまい、少し下がり気味ですが、こういうことを経験してどう生かすかだと思うので、練習で1からやり直したいと思います。

――次節は前期最終節となりますが、意気込みをお願いします

今回のような思いはしたくないので、必ず点を決めるという高い意識をもって、次に向けて頑張りたいです。

MF高木ひかり(スポ3=静岡・常葉学園橘)

――今季初黒星となってしまいましたが、振り返っていかがですか

前半立ち上がりから、結構前からガンガンいけていて、チャンスがつくれていたのですが、そこで決め切れずに苦しい展開になってしまいました。自分たちのミスというか自分のミスから失点につながってしまったというのはすごく悔しい気持ちでいっぱいです。また、後半も立ち上がりは良くてゴールにつながりそうなシーンが多く見られたのですが、そこで決め切れなかったというのがやはりきょうの敗戦につながったと思います。相手は連敗中ですが結構Lリーグで活躍するような人たちが出てきていたので、そういう相手に動きでもサッカーの質でも負けてしまったというのはすごい残念なことです。自分たちの質も上げていかなければ勝っていけないなと感じました。

――前半において高木選手ご自身、2本のシュートシーンがありましたね

前節はシュートを1本も打てずに守備に追われるというか、攻撃には関わるのですがパスで終わるということが多かったので、自分自身も得点したいなという気持ちがすごく強くありました。シュートを打って、前からの姿勢を見せたかったなという思いで打ちました。

――先ほどもおっしゃっていましたが、1失点目はご自身のところからパスカットされて生まれてしまいました

サイドに瑞稀(DF大島瑞稀、社3=宮城・常盤木学園)がいて、そこに自分が寄っていくのが遅かったというのもありますが、苦しい中でのパスでボールが弱くなってしまって、自分がそのボールに寄っていくというのがあまりできませんでした。そこでカットされてしまったのですが、そういう苦しい場面でどれだけ一本落とせるかというのがこれから重要になってくると思いますし、監督にもハーフタイム中にミスすることはあるけど、どこでミスするかによって失点につながってしまうかのリスクをもう少し考えようと言われたので。そういう自分のところで失点に結びつかないように気をつけてプレーしたいなと思いました。

――前節から無得点が続いていますが、攻撃面での課題はありますか

ゴール前というよりか、フェア付近ではパスを回せるのですが、そこからスピードの乗った攻撃ができていないというのもあります。チャンスはあってもそこで決め切れずに残念、みたいな感じで終わってしまっているのでそういうところをもっと力を込めてシュートを打って1点取るみたいな気持ちを出せていければいいのですが。今シーズン得点力不足というか、チャンスがあっても決め切れないというのが課題に挙がっているのでそういうのをもっと改善できたらなと思います。

――きょうで首位を明け渡すことになった浦和レッズレディースと次節対戦しますが、意気込みをお聞かせ下さい

きょう当たったメニーナに競り勝っていますし、個々の技術で言ってもきょうと同じくらいのレベルでプレーしてくる相手だと思います。やれないことはないと思うので、しっかりと自分たちのサッカーをしてその得点力不足というのを解消できるように、たくさん点が取れればいいなと思います。

MF中井仁美(スポ1=兵庫・日ノ本学園)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

勝たなきゃいけない試合だったので負けてしまって悔しいです。

――対戦した日テレ・メニーナの印象は

身長は自分たちのほうが大きくてフィジカル面では勝っていたのですが、相手は最後まで走ってきたし、個人技や1人1人の足元がしっかりしていて、相手が来たらダイレクトではたいて、来なかったらちゃんと前に出て来て、としっかりしているな、と思いました。

――今回、初スタメンとなりましたがお気持ちはいかがですか

負けてしまったので、やっぱり勝ちたかったです。

――試合後半にかけて、疲労が溜まる中、前線でよくボールを追っていましたが

負けていて、自分たちが点を取りに行かなくてはならなかったので、前から掛けていこうと思いました。

――今回の試合で、2試合連続無得点で終えてしまいましたが

自分も前の選手なので、チームに申し訳ないと思っています。

――次節は浦和レッズレディースとの試合です。意気込みをお願いします。

もう負けられないので、首位になるために勝って連勝を続けられるようにしたいです。