4年生が大活躍!王座への出場権を手にする

軟式庭球

 

関東学生春季リーグ戦が白子町テニスコートで開催された。1部リーグ上位2校が6月に行われる全日本大学王座決定戦への出場権を手にすることができる。王座4連覇を目指す早大はまずこのリーグを勝たなければならない。結果として3位の明大と僅差で、早大は2位になり、王座への切符を手にすることが出来た。

チームの5番を支えた長尾

初日は法大、中大、國學院大の2番まで試合を行った。1試合目の法大戦、1番の山根稔平(社2=奈良・高田商)・岩本修汰(社4=大阪・上宮)ペアはコンビネーションを生かして勝利。2番に登場した主将ペアである内本隆文主将(スポ4=大阪・上宮)・上松俊貴(スポ3=岡山理大付)は相手前衛に苦しめられ、なかなか攻めきれずゲームカウント2-5で敗北する。次のシングルスは初のリーグ戦となる1年生ルーキー水木瑠(スポ1=宮城・東北)が登場。序盤、緊張からか身体が硬かったが、試合が進むごとにフィジカルを生かした元気あるプレーを見せ、早大に一勝を届けた。その後、2ペアも順調に勝利し、まず1勝をあげた。次の中大戦も全勝し勢いに乗る早大だったが、ここで今回のダークホースである國學院大学が立ちはだかった。今回の春季リーグで日体大、明大を破っている國學院大との戦いに緊張が走る。1番の山根・岩本ペアは相手の勢いを止められず敗北、ここで流れを変える試合を見せたのが内本・上松ペア。圧倒的な戦いぶりで5-0のストレート勝ちを果たす。次の水木は相手に左右に振られ、思うように試合が出来ず、粘るが黒星となった。ここで日没となり結果は明日に持ち越された。

大活躍であった山根・奥村ペア

2日目は初日と打って変わって風が強い日となった。國學院大戦1-2で回ってきた絶体絶命のピンチを救ったのは因・内田ペア。ゲームカウント4-2で勝利目前にして相手の攻めを緩めない姿勢に押され、あっという間に2ゲームとられてしまいファイナルにもつれこむ。一進一退でポイント5-5だったが4年生因がここでみせる。6、7ポイント両方ともファーストサーブで決め、最後まで攻める姿勢を貫き勝利を挙げた。「最後のマッチも打ち合わせで内田が出るから、僕がセンターにサーブ狙って打つ」と因がそのときの作戦を振り返るように、狙い通りの試合展開となった。5番勝負を託された長尾景陽(社4=岡山理大付)・松本倫旺(スポ4=熊本・済々黌)ペアは落ち着いたゲームを見せ、ゲームカウント5-2で白星を挙げた。國學院大に勝って勢いに乗る早大の次の相手は宿敵明大。1番に登場したのは山根・奥村健太郎(基理4=茨城・竜ケ崎第一)ペア。奥村はリーグ戦初出場であったが、素晴らしい戦いぶりを見せた。奥村は積極的に攻め、ボレーを何度も決める。山根もコート全体を把握した落ち着いたプレーを見せ二人で1勝を届けた。その後も両者共一歩も譲らない戦いを繰り広げ、結果は最後の5番勝負に託された。長尾・松本ペアはプレッシャーを背負いながら、2人で1本のテニスを見せるが一歩相手に及ばず敗北。宿敵明大に勝ち切ることが出来ず、悔しい結果となった。

最後の日体大戦では全ペア全勝し、なんとか王座への切符を手に入れることができた。

内本主将は今のチームの課題として「昨年インカレベスト8という結果を踏まえて本当は向かっていかないといけない立場」という自覚を各々が持つことをあげた。絶対王者である早大の歴史は昨年途切れたのだ。今年からはチャレンジャー精神を忘れずに挑んでいかなければならない。インカレ奪還に向け早大軟式庭球部の歩みは始まったばかりだ。まずは王座4連覇に期待をかけたい。

(記事・写真 山浦菜緒)

結果

▽男子部

準優勝


コメント

内本隆文主将(スポ4=大阪・上宮)

――優勝狙っていたと思いますが、2位という結果となりました。率直な気持ちお願いします

 今は王座いけるのでホッとした気持ちでいっぱいなんですけど、実際2位ですし、これから自分たちに厳しくやっていかないといけないなという気持ちもありますね。

――全体的に試合を振り返っていかがですか

 自分が1本とらないといけないという力みがあって、自分のプレーが出来なかった場面がたくさんあったので、そこはしっかり反省点として捉えて、これから自分の狙った大会で勝てるようにやっていきたいです。

――現状、チームの課題はどこだと思いますか

 昨日今日で試合して早稲田には向かってこられる場面が多かったのですが、去年僕たちインカレベスト8という結果で本当は向かっていかないといけない立場なので、(相手に)向かっていけるような練習をしないといけないです。例えば練習では、ボール拾いや声出しに力を入れて、勢いに繋げられることをしっかりこれからもやっていき、チーム力をあげていきたいと思います。

――王座への意気込みをお願いします

 今回2位という結果で終わったので、王座日本一をとれるように皆で頑張っていきたいと思います。

山根稔平(社2=奈良・高田商)・奥村健太郎(基理4=茨城・竜ケ崎第一)

――明治戦振り返っていかがですか

奥村 最初すごく緊張したんですけど、その中でも稔平がしっかり打ってくれたんで、自分がやることをしっかり整理してやれたのがよかったのかなと思います。(相手とは)以前、六大学の個人戦で試合やっていたので、そのときの反省も生かして相手の打ってきそうな場所を自分なりに予想はしていました。

山根 奥村さんが相手の後衛の持ってくるボールを序盤に止めてくれてちゃんと動いてくれた結果、相手のミスを誘発して、最後までずっと奥村さんが止めてくれてたので安心してプレーできました。

――日体大戦を振り返って、ファイナルをとりきれた勝因はなんだと思いますか

奥村 試合中何回もマッチとられたんですけど、二人で耐えようって励ましあって最後まであきらめない姿勢を貫けたので勝てたのかなと思います。あと、1番の勝利でチーム全体にいい雰囲気を与えられたのかなとも思いました。

山根 ゲームカウント2-4でリードされてて、けっこう僕の中で何をしたらいいかわからなくなってました。でも、奥村さんがけっこう冷静に対応して頑張ってくれてて。チェンジサイドのときにベンチの人とかにアドバイスもらって、けっこう頭の中を整理して一回ごとにリセットしてやり直せたのでよかったです。

――試合中、話してる場面が多く感じました

奥村 思うようにいかない部分が多くあったので、そのポイントポイントで次どうするかっていう対応策を話し合ってました。

――奥村選手は初のリーグ戦でしたが、緊張などありましたか

奥村 すごい緊張しました(笑)。緊張は最初からすると思ってたんですけど、そもそも試合に出れるかもわからなくて、いろいろな人からチャンスはあるって聞いてたので、ここに来る前からイメージトレーニングしてきました。試合も緊張はしてましたけど、自分が準備してたことをやるだけだったんで、それをやっていくうちに緊張はほぐれていきました。

――今年度の目標をお願いします

奥村 僕はもう最後の年でなかなか出れる試合も限られてはきますが、最後のインカレ優勝に向けてチーム全体がいい方向にいくように雰囲気づくりを頑張っていきたいなと思います。

山根 去年一年生のときは全然結果を残せなかったので、今年は出来るだけ結果を残せるようにがんばります。

因京将(スポ4=石川・能登)・内田理久(社3=三重)

――1日目の法大戦、中大戦を振り返っていかがですか

 1日目の法大戦は内本・上松ペアが負けてしまったんですけど、水木(瑠、スポ1=宮城・東北)が(シングルスを)頑張ってくれて2-1でまわってきて、1試合目から5番勝負にはしたくないなと思っていたので。結果的に自分の力が出せて、いい試合が出来たので、3-1で勝ちを決めれてよかったです。中大戦は3-0でまわってきたので落ち着いてプレー出来ました。

内田 法大戦で内本・上松ペアが負けてしまって、僕らが負けて5番にまわしてしまったら雰囲気的にもまずいかなと思ったので向かっていく気持ちで試合をしました。中大戦は3-0でまわってきたので気持ち的にもやりやすかったです。

――2日目の國學院戦について、厳しい戦いでしたが、ファイナルでは最後、因選手のファーストサーブで勝利を決めました。勝ち切れた要因はどこだと思いますか

 昨日(1日目)の夜からすごい意識して準備していたんですけど、正直ビビりまくっていて(笑)。朝起きた瞬間から怖くて、負けたら本当にやばい状態だったので緊張はしてました。試合の入りは意外とよかったんですけど、相手のプレーもよくてファイナルまでいってしまって…。ファイナルまでいってどうしようもなくなっちゃったんですけど内田が前に出てくれて。最後のマッチも打ち合わせで内田が出るから、僕がセンターにサーブ狙って打つってことだったんですけど、結果的に形にはまったのでほんとに感謝しかないです。本当に勝ててよかったです。

内田 さっきも因さんがいってくれたように、ファイナル5-5から思い切って因さんがファーストいれてくれたんで勝負にいけたっていうのが結果に5番にまわすことにつながったので攻める姿勢がよかったかなと思います。

――明大戦はあっさり負けてしまった敗因はなんでしょうか

 相手のレベルが一気に上がって今までとは違って向かってくるってわけではなかったり、相手の後衛の配球でやられてしまったっていうのがあったのでそこが敗因だと思います。インカレでは勝たなきゃいけない相手なのでしっかり練習し直して、上手な前衛にあたったときも内田もうまく使えるように、僕が先に捕まらないように攻めるテニスをがんばりたいです。

内田 明大戦は先に相手にしかけられて、僕たちの攻めるテニスがあんまりできなくて、そのまま途中で切り替えること出来ずにずるずるといってしまいました。僕自身が積極的に相手の後衛を捕まえて流れを変えることができなかったので、そこが敗因かなと思います。

――王座への意気込みをお願いします

 もちろん目標は団体で優勝することが目標なんですけど、まだ本当に誰が出るかわからないので僕もどうなるかわからないです。まずはメンバーとして(試合に出て)貢献できるようにしたいです。インドアということもあって多少条件は変わってはきますが、自分の弱点であるフットワークや球の配球を克服して、少しでもいい状態で王座挑めるようにしたいです。

内田 王座は去年優勝することができたんですけど、昨年のインカレは明治に優勝を譲ってしまったので、チャレンジャー精神で向かっていく姿勢を忘れずに4連覇目指していきたいと思います。