王座の出場権逃し、悔しさ残る大会に

軟式庭球

 代々の先輩たちがつなげてきた全日本大学王座決定戦(王座)7連覇という記録。今年は8連覇達成を成し遂げるべく、王座の出場条件である関東学生春季リーグ戦の上位通過を目指して大会に臨んだが、結果は5位。なんとか一部残留を決めたが優勝を目指していただけに、悔しさが残る大会となった。

 大会1日目初戦、対するは東女体大。1番に登場したのは3年生、1年生ペア小山舞(スポ3=和歌山信愛)・川村真帆(スポ1=東京・文化学園大杉並)組だ。川村は積極的に前に詰めてボールを触りに行くが、なかなか得点につなげることができない。小山がラリーで駆け引きを試みるも、相手前衛にボレーを決められてしまい自分たちのリズムを作り出すことができず敗戦。続くシングルス、ダブルスでも反撃することはできずインカレ女王を前に完敗となった。明大戦、再び一番に登場したのは、小山・川村組。「後半に一本いい当たりをしたスマッシュがあって、そこから吹っ切れた」と振り返る川村。ゲームカウント2−2で迎えた5ゲーム目から川村が得点を量産。相手の攻撃も二人で粘り強く交わし、ピンチをチャンスに変えて先勝を上げた。続く、シングルスに登場したのは団体戦初出場となる1年生の吉田優奈(社1=北海道・札幌龍谷)だ。「良かった印象よりは反省の方が大きいです」と本人は振り返るが、シングルスで上位に食い込む上田理央(明大)に前後の揺さぶりをかけて翻弄(ほんろう)し1ゲームを奪取する健闘を見せた。試合の行方は3番勝負に持ち込まれたが、最終組も勝利を挙げることができない。日体大戦では3組とも黒星となり、全敗で1日目を終えた。

ボレーを決める川村

 2日目は立大戦からのスタート。1番の小山・上原由佳女子主将(社4=群馬・高崎健康福祉大高崎)組が勝利し、シングルスの吉田が惜しくも敗戦。一部残留のためにもなんとか勝っておきたい3番勝負の場面で1年生ペア、須田葵衣(社1=群馬・高崎商)・川村組が奮闘を見せる。「プレーに思い切りがあった」と須田。一年生らしく、自分のプレーをすることに徹底して相手を打ち崩し5−3で勝利。チームとして今大会初勝利を挙げ、残る東経大戦に向けての追い風となった。このいい流れのまま東経大戦でも勝利を収めたいところであったが守りに入るプレーが増えてしまい負けを喫し、1勝4敗で大会を終えた。

重要な局面で勝負強さを見せた須田

 結果は5位で、王座の出場権を逃してしまい思うような結果を残せなかった女子部。しかし、悲観することばかりではなく新入生たちが頼もしい活躍を見せるなど今後に期待できる場面を多く見られた。「団体戦は団体戦で借りを返したい」とリベンジを誓った上原。プレーにさらに磨きをかけて最高の状態で東日本学生大学対抗競技大会(東インカレ)に臨む。

(記事 栗林桜子 写真 中澤紅里)

結果

5位

第1戦
●早大 0-3 東女体大
●小山・川村 2-5 高井・小松
●花園優帆 2-4 島津佳那
●村上・長内 1-5高崎・菊地

第2戦
●早大 1-2 明大
◯小山・川村 5-2 笠井・鈴木
●花園優帆 1-4 上田理央
●山本・上原 1-5 高橋・西永

第3戦
●早大 0-3 日体大
●小山・川村 2-5 黒田・久保
●吉田優奈0-4 尾上胡桃
●山本・上原 3-5 笠井・桑名

第4戦
〇早大 2-1 立大
〇小山・上原 5-0 松永・土井
●吉田優奈 1-4 森本彩鼓
〇須田・川村 5-3 加藤・中田

第5戦
●早大 1-2 東経大
〇小山・上原 5-3 前田・内潟
●村上紗莉奈 1-4 清水彩
●須田・川村 1-5 大滝・上田

コメント

▽1日目

吉田優奈(社1=北海道・札幌龍谷)

――初団体戦でしたが、どのような意気込みで臨みましたか

勝ち負けではなく楽しむことを意識してやりました。その中でも、自分だけやりたい放題やってチームに悪い流れを持っていくのではなく、得点を取った時には喜び笑顔でプレーしてチームにいい流れを持っていくことを意識しました。

――明大戦では2ゲーム目で相手を翻弄(ほんろう)しました

プレーでは3、4、5ゲーム目で続けて流れを持っていければ良かったのですが、相手に流れを再び渡してしまいました。良かった印象よりは反省の方が大きいです。緊張して手足が動かなくて、諦めるボールが多かったです。

――日体大戦を振り返っていかがですか

格上の相手だったので思い切ってやることを意識しました。一生懸命追いかけて、球を厳しいところに入れようとしてミスが出てしまうといったことが多かったのでもっと入れるところと責めるところを分けてやれれば良かったです。

――あすの意気込みをお願いします

今日で多分緊張感にも慣れて、言い訳にできないし、みんなのために一試合一試合一点一点大事にしたいです。元気にやることはもちろんなのですが、自分のプレーをしっかり本番で出していけたらなと思います。

川村真帆(スポ1=東京・文化学園大杉並)

――今大会に臨むに会ったっての意気込みなどありましたか

今大会は8連覇のかかった王座の出場権がかかっていて前回の東京六大学春季リーグ戦とは違って、全員がかけている大会でもあったので出られない選手がいる分、出させてもらっている試合はしっかりと頑張ろうと思いました。

――1日目の試合を振り返っていかがですか

後衛が舞さん(小山、スポ3=和歌山信愛)でとてもいい後衛の方なので、何も自分は背負うものがないのでしっかり向かっていって自分のプレーをしようという気持ちでいました。けれど、緊張はあまりしなかったのですが、いつも通りのプレーがなかなかできなくて最初の東女体大戦の時も触るのにボールが思うところに飛んでいかないというのがありました。明大戦の時もそれは続いていたのですが、後半に一本いい当たりをしたスマッシュがあって、スマッシュして、フォローが返ってきて、次のボールを決めることができた時に何か吹っ切れるものがあってそこから、ちょっといい風にいけたかなと思います。明大戦はそこから勝つことができました。

――明日の意気込みをお願いします

日体大と東女体大には負けてしまいましたが、簡単には勝てる相手ではないけど絶対に勝てない相手でもないと思います。あの一本が決まっていれば、というのが何本も何本もあります。そういった一本を少しずつなくして、明日も試合に出られるかはわからないのですが、1部に残るためにも自分にできることをしっかりやってチームに貢献したいです。

▽2日目

上原由佳女子主将(社4=群馬・高崎健康福祉大高崎)

――今大会前のチームの状態はいかがでしたか

ゴールデンウィーク中は授業もなかったので練習を結構していました。連日練習をしていたので疲労とかも結構ありながらも反応とかよかったし、春リーグに向けて調子も上向きだったかなって思ったんですけど、詰めきれないところもあったかなと思います。

――大会一日目は小山舞(スポ3=和歌山信愛)さんとペアをばらして試合に臨んでいましたが、その意図は

これまで東京六大学リーグ戦だとか、関東学生秋季リーグ戦とかでなかなか思うように結果が出ない部分が多くて、新入生も入ってきたということで、心機一転というわけではないんですけど、まあそういう可能性(新しいペアで結果が出せる可能性)もあるのかなということを視野に入れてゴールデンウィークに(ペアをばらして)練習をやったという感じでしたね。

――大会二日目、上原さん自身は全勝となりましたが、試合を振り返ってみていかがでしたか

きょうは昨日よりも相手が順位的に落ちていたんですけど、練習通り普段からできていることはできていたし、技術がないことはできなかったので、まだまだ足りないことが多かったのかなという感じです。

――二日目の試合では新入生の奮闘も目立ちましたが、ご覧になっていかがでしたか

もう本当に「やりたいようにやっていいよ」と声をかけて、元気にやってくれたので、緊張もあったと思うんですけど、チームのために一生懸命やってくれていたので、こっちも見ていて力になるというか、よかったと思います。

――今大会の反省点を次の大会までにどのように調整していきたいですか

次は全日本大学王座決定戦がないので、東インカレになるんですけど、次はダブルス3本なので、しっかりきちんと勝てるようにしたいです。殲滅(せんめつ)戦なんですけど、最後できっちり勝てるようにしないといけないので。そこをしっかり切磋琢磨(せっさたくま)しないといけないし、逆に私たちは大将として一敗も許されないので、そこは個人的な部分としてできることを増やしていかないといけないし、精度も上げていかないといけないと思います。キャプテンとしても今回はチーム作りというか、なかなかうまくいっていなかったんだなというのを実感したので、気を配ってできたらいいかなと思っています。

――東インカレに向けての意気込みをお願いします

団体戦の借りっていうのは団体戦でしか返せないと思うので。もちろん明日からの個人戦も「チームワセダとして戦おう」という話はしているんですけど、でもやっぱり団体戦は団体戦で借りを返したいので、きょうの死ぬほど悔しいなっていう思いをしっかり継続させて忘れないようにしたいです。東インカレの目標はもちろん優勝なんですけど、自分たちが満足する試合ができるような準備がきちんとできたらいいかなと思います。

須田葵衣(社1=群馬・高崎商)

――立大戦では勝利まであとがない状況でしたが、気持ちの面ではいかがでしたか

自分たちは一年生なので、思い切ったプレーをやろうというのを心がけていて、先輩たちからも自分のできるプレーができればいいと言われました。3番でチームの勝利のカギを握っているというよりかは、自分たちのプレーをやりきろうというのを思っていました。

――実際に立大戦を振り返ってみていかがでしたか

この大会の初めて出た試合で、それが3番勝負だったので、緊張する場面ではあったんですけど、ペアにも助けてもらって、一年生同士で楽しく支えてもらったりして。先輩が言ってくれたように思いっきりできたなというのが一番にあります。

――勝てた要因というのはなんでしょうか

それはやっぱりプレーに思い切りがあったかどうかというのがあります。気持ちの面がプレーにつながると思うので、ソフトテニスって気持ちがボールに出るスポーツなんですけど、それが立大に勝てた要因でもあって、第5戦の東経大戦で負けた原因ではあると思います。

――東経大戦で流れを引き寄せられなかった要因というのは

チャンスポールは前衛がしっかりものにして決めきってくれたというのはあったと思うんですけど、自分から打つサーブであったり、レシーブとか基本的な部分で普通のミスがあったので、それでリズムが崩れてしまった要因であるかなと思います。

――大会二日目からの出場となりましたが、どのような経緯で出場することになったのですか

一日目は出る雰囲気とかもなくて。でも、「全員出られるように準備はしといて」と先輩には言われていたので、その準備はしていました。(出場することになったのは一日目の夜に言われて)突然でした。

――川村真帆(スポ1=東京・文化学園大杉並)さんとは六大学リーグでもペアを組んでいましたが、息などは合ってきましたか

自分たちは早大に入学して初めてペアを組んだわけではなくて、高校の時に一回組んだことがあったんですけど、その時に結構自分的には意気投合してるなというのがあって。それが大学に入っても組ませていただけました。高校の時にもともと組んでたペアの子とタイプが(川村選手が)似ているので、組み合わせがいいなっていうのはあるので、とても助けられています。

――東インカレまでに個人的に強化したいことは

自分がミスしても立て直せる精神面と、相手に攻められたときに打ち返せるボールだったり、安定させた技術であったり、いろいろ伸ばさないといけない面があるので、技術的にも精神的にも練習が必要だと思います。

――東インカレへの意気込みをお願いします

団体戦で出させていただくというのは嬉しくて、それに出れない先輩方の想いも背負っているので、やっぱり勝って先輩たちに勝利をプレゼントしたいなと思います。元気に楽しくできるように、そうすることで勝ちにつながると思うので、重いっきたプレーで次も頑張りたいです。