レギュラーの中では唯一の2、3年生のペアが小山舞(スポ2=和歌山信愛)・上原由佳(社3=群馬・高崎健康福祉大高崎)だ。言葉の一つ一つに、先輩たちを勝たせてあげたいという後輩としての思いの強さと同時に、次世代を担う存在になるという強い意志が垣間見えた。
※この取材は7月29日に行われたものです。
春リーグが二人のターニングポイント
頼もしいテニスを今季幾度となく披露した小山
――まず今季の振り返りをします、ご自身で今季特に印象に残った試合はありますか
上原 春リーグ(関東学生春季リーグ戦)と王座(全日本大学王座決定戦)ですね。王座は苦しい状況の中で勝てた試合、春リーグは苦しい中で負けた試合で、それぞれ対照的で印象にはかなり残っています。
――やはり春リーグは今振り返っても多くの課題ができた試合だったのですね
上原 精神面ではその時のインタビューでも言ったと思うのですが、たくさんの課題がありました。技術面では自分たちも対策不足というのもありましたし、できないことをできないままにして試合に臨んでしまいました。そこで勝負しなくてはならなくなった時に、精度が低くてミスをしてしまったり、そこを意識しすぎて得意なプレーまでも決まらなくなったりしてしまいました。
小山 その時は試合に集中し切ることができず、周りから与えられる外的要因に苦しみ、自分のテニスが発揮できなかったですね。相手校の応援に勢いがありましたし。勝たなくてはならないという思いが強すぎるあまりに空回りしてしまって、相手の雰囲気に飲まれて最後までふわふわしたまま終わってしまいました。
――王座ではその課題が解決された印象がありました、改めて振り返っていかがですか
上原 春リーグでは苦しい時に一歩引いて試合に臨んでしまいました。だからこそ、たくさん外に見えるものが多くなってしまいました。振り返ってみればあまり集中できていなかったのだと思います。反対に王座では引かずに取り組めました。前に前にという気持ちでやれたので、相手の応援も春リーグの時のように気になることはなかったのですが、ワセダの応援はすごくクリアに聞こえて背中を押されましたね。相手のプレーにも驚かずにできたと思います。
小山 春リーグでも当たった日体大とは王座でも当たりました。春リーグの時の自分の戦い方を振り返ってみると、相手は結局何もしてこないのに、自分の中で感情がコントロールできずに自分のテニスを見失っていました。自分のテニスをするという意識を強く持つことで、相手がどうとかではなく目の前の一本一本に集中しました。これが王座で勝ち切れた理由かなと思います。
――その次の大会の東日本学生大学対抗競技大会(東インカレ)について振り返っていかがですか
上原 東インカレは昨年雨で、殲滅(せんめつ)戦から点取りにその場で変更になりました。その前の私が1年生の時はワセダの強さが本当に圧倒的だったので、全ての試合に3-0で勝っていて、殲滅なのに実質点取りみたいな形でした。なのであまり殲滅のイメージができていなかったのですが、初めて東インカレが殲滅だということを実感しました。自分たちは1番に出たのですが、あんなに一日で試合数をこなしたことはなかったです。自分たちの試合が終わったらケアをしつつも、次の試合に向けて準備しなくてはならないという形で、疲れも出て最後の決勝ではそれが結果にも表れて負けてしまいました。プレーに関しては課題ももちろんあったのですが、殲滅に慣れていない分、自分たちで自分たちを体力的に苦しくしてしまったかなという感じです。
――最後の方は確かに体力的にきつそうな場面もありました
上原 その前に合宿や試合が連続してあったりもしたので、その蓄積もありましたね。
小山 私もやっぱり疲れはありましたね。でも初めての殲滅戦でした。1番に出たので、自分たちが負けることで後ろに負担をかけたくないという気持ちが大きくありました。その気持ちが良い方向に働いた試合だったかなと振り返って思います。
――試合を経るにつれて精神的に頼もしくなっていった印象があります
上原 やはり最初の春リーグで失敗したのが大きいと思います。それでも先輩方が自分たちを出させてくださるので、その期待には応えないといけないなと常に感じています。同時に同期や後輩たちにも4年生ではない自分たちのプレーする姿を見せることで、「次は自分たちがやるんだ」という風に思ってもらいたいし、先輩たちにも「自分たちだけでも大丈夫だ」と示せたら一番良いですね。もちろんインカレが目標ではあるんですけど、そろそろその後のことも考えていかなきゃいけないので。そのために先輩方は自分たちを出してくれている面もあると思います。一つ上の先輩方もその先輩からそのようにして経験を積ませてもらっていたのだと思いますし、その前の先輩も、とずっと続いてきたものなんじゃないでしょうか。そうやって経験させてもらえた分の恩返しと、それを未来の自分たちに還元できるように、という思いが今につながっていると思います。
――昨年小山選手は前のペアの草野選手(絵美菜、教4=群馬・高崎健康福祉大高崎)にネガティブなところがあると言われていましたが、変化があったのではないでしょうか
小山 絵美菜さんとペアを離れてみて、色々自分のことを見てくれていたのだなと感じることがあります。春リーグでは自分が出て、絵美菜さんは出られず、自分が負けてしまった時に申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。そこからはこのままではいけないと思い、4年生の皆さんとこのチームで優勝したいという思い、気持ちを入れ替えました。
――上原選手は昨年までずっと先輩と組まれてきて、後輩と組まれることになりました。東インカレまでの試合を終えて、改めてどのようなお気持ちでしょうか
上原 最初はあまり後輩と組んだことが無かったので、自分がしっかりしなきゃ、ちゃんとしようという思いが先走ってしまっていたのですが、自分にできることも限られているので自分のことをまずはしっかりやろうと思いました。コートに入れば学年は関係ないと思っているので、ペアが先輩だから引っ張ってもらおう、後輩だから引っ張ってあげようという思いではなく、小山は中学高校とその世代をトップとして引っ張ってきた選手なのでしっかり信頼して任せるところは任せて、自分は昨年の経験があるので、そういう面では支えていきたいと考えています。結局は前衛と後衛の一つのペアですし、自分が気負いすぎる必要はないのかなというのは東インカレなどを通して感じたことですね。
――昨年キャプテンと組んでいた経験で今に生かされていることはありますか
上原 里佳さん(永井、平29スポ卒=東京・文化学園大杉並)と組んでいて、緊張はしていたのかもしれませんが周りには全く見せずに常に堂々とプレーしていた姿が印象的です。4年生の時の自分は想像できませんが、あの時点でキャプテンという重圧を背負いながらもあのプレーができているのはさすがだと感じますし、だからこそ里佳さんが率いたチームで優勝できたし、里佳さんのそういう部分にみんながついてきたのだと思います。らいねん自分が同じ立場になった時にあのようにできるかはわかりませんが、今まで見てきた小泉さん(友梨恵、平28社卒=和歌山信愛)や、里佳さん、今の杉脇さん(麻侑子、スポ4=東京・文化学園大杉並)もそれぞれ違うキャプテンですが、共通するのは堂々とプレーをすることです。それがワセダを率いるキャプテンの姿なんだなあと思わされましたし、たとえキャプテンではなくとも、試合に出るにあたって見習わなくてはいけないと感じました。
――昨年小山選手はルーキーという立場でしたが、ことしは2年生になりました、変わったことなどはありますか
小山 2年生になってから少し余裕は出てきました。ことし入ってきた1年生の姿を見ると自分たちレギュラーのためにすごく一生懸命頑張ってくれていますし、勝つためにサポートしてくれます。そんな後輩がいるので弱気な姿は見せたくないと思っています。常に強気でいることを意識するようになりましたね。
――人数も少なく仕事はやはり忙しいのですね
小山 やはり1年生が二人しかいないので、自分の同期も仕事をしています。すごく一生懸命仕事をしながらさらに応援もしてくれるので、自分が弱気になって負けるのだけはしちゃいけないと強く思うようになりました。もちろん勝ちに行くのですが、たとえ負けでもやり切って終わりたいです。応援してくれる人のためにも頑張りたいと思います。
粘り、負けにくいペアに
小山・上原組はらいねんもチームの中核を担うだろう
――ペアを組んでみてお互いの印象を紹介していただけますか、あとはお二人が組んだ経緯などあれば
上原 小山は変な人ですよ(笑)。
小山 ええ、変じゃないですよ(笑)!
上原 一緒にやってみて、言葉で伝えるのが苦手なのかなと思います。思うこと感じることとかはたくさん本人もあると思うんですけど、それをあえて言葉にしないのか、することができないのか…(笑)。言葉にするよりは、テニスで示すような人が小山ですね。
小山 自分が1年生の時は(上原は)レギュラーだったし、あまり話す機会がありませんでした。でもU20の合宿で一緒になって、ワセダの選手が二人だけだったのでしゃべるようになって、たくさん知ることができたんですよ。それで新進大会を迎えて、二人で組んで優勝したんですよね。しゃべったら意外と面白くって意外に優しいので、ペアとしてやりやすいな、と(笑)。よく上原さん「ご飯おごるよ」とか「アイス買ってあげるよ」とかいってくださるんですよね?
上原 そうそう(笑)。こういうおいしそうなのあるよとか言って、小山に見せるんですよ。
小山 で、私が「え、めちゃめちゃ行きたいです!」って言うと…
上原 「まあ小山とはいかないや!」って言います(笑)。
小山 行ってくれないんですよね~。こないだもかき氷すごい食べたくて、ここ行きませんかって言ったんですけど。「小山と行ってもな~!」ってなるんです!!行こう行こう詐欺ですよ本当に(笑)。でも普段こんななんですけど、たま~におごってくださります(笑)。そういう時に上原さんの愛を感じますね。
上原 いやおごってあげようとは常に思ってるんですけど、自分があまり外に出ない派なので。休みの日は遊んだりせずに家にいることが多いです。対照的に小山はどこでもフットワーク軽く行くよね、それでお金無計画に使っちゃうよね(笑)。 でも試合後とかは結構ご飯行きますよ。最初急造ペアみたいにJOC杯で組まされたんですけど、その時個人個人でプレーして全然合わなかったのが最初だったような気がする。
――プレー面での互いの印象は
上原 今まで杉脇さんや永井さんなど強い後衛の方と組ませていただいてきて、共通して小山も球出しとかを練習でしてもらう時に、いつもボールがすごく正確なんです。それってこのワセダの中では当たり前とされることかもしれませんが、自分は中高の時もテニスをしてきましたが、なかなかここまで正確なことはなかったように思います。練習はミスが多く出るのは仕方ないと思うのですが、常に一定のところにボールが返ってきますし、やっぱり基本を積み重ねてきた人なんだなと。精度が高いワセダの後衛なんだなと普段の練習から感じますね。
小山 練習で色々なことに常にチャレンジしていますね。できないことをそのままにせず、とことん取り組んでいます。人一倍熱心に練習をしている印象です。コート外とコート内での印象のギャップが大きいですね。コートに入れば(笑)、真面目です。そのギャップがまた面白い(笑)。
――試合や合宿などが多くあり忙しいと思いますが、リフレッシュはできていますか
上原 自分は本当に外に出ないので、ひたすら寝てますね。あまり息抜きの方法とかもわかってないというのもありますけど(笑)。部屋の掃除したり、バイトしたりですね。
――バイトして学校に行って部活もというのは大変ですよね
上原 そうですね、できることならしたくないのですが(笑)。やはりお金のこともありますし、バイト先では不定期なシフトでいつも迷惑をかけているので、働ける時に働くようにしています。
小山 一番キツかったのは、そのアンダーの6月にあった合宿でしたね(笑)。とにかく走らされて走らされて。でもそこで自分たちはペアでいられたというのは大きかったです。その経験が東インカレに生かされましたね。まあ自分は途中参加だったんですけどね(笑)。
上原 残り2日とかの時に小山が来たんですよ。ちょうどそこが陸上競技場でのトレーニングのキツい時で(笑)。でもそれ以前にも体幹トレーニングとか腹筋とかしていて、筋肉痛がひどかったですね。かなり走らされたのは覚えていますね…休みの日はもうとにかくこの疲れを寝たりして取るという感じです。
小山 私はさっきも話に出ましたけど、今だったらかき氷食べに行ったりとか外に遊びに行くのが好きです(笑)!岩盤浴とか温泉とかでゆったりするのも良い息抜きになっています。その後のコーヒー牛乳。最高ですね(笑)。あとは服のショッピングですね。こういう息抜きしないとやってられなくないですか?
上原 やってますよ(笑)。
――女子部の中での流行などはあるのですか
上原 猫カフェとか前に流れありましたね。どうだろう。でも何だろう、基本家にいるからあまり分かってないや(笑)。みんな仲良いんですけど、やはり本キャンと所キャンでは練習とかが分かれてしまうので、全体でということは少ないのかあ。
――小山・上原組を一言で表すとどのようなペアでしょうか
上原 粘り?ん~違うか。
小山 でも由佳さんのスマッシュが私たちにはあるから…
上原 やめてよ(笑)。何だろうな。難しいですけど、負けにくいペアというのが二人の理想というか最終形態ですかね。今はどの大学も戦力が拮抗(きっこう)していて、もちろん実業団の選手とかもすごく強くて、そういう相手でも簡単に負けないということが私たちの理想だと思います。一撃必殺の何かを持っている訳ではないので、一点一点積み重ねてそこに向かっていければと思います。
「どこを見てもワセダが劣っていると感じる面は一つもない」(上原)
様々な思いを持ちインカレに臨む上原
――インカレに向けての質問に移ります、今は何を意識して練習されていますか
上原 もう今週末でインカレ前に全体でここでやる練習は最後ですが、(インカレ開催地・石川にて事前合宿があるため)まだ挑戦を止める段階ではないのかなと思いますね。まだやっておきたいことというか、もう一つくらい何かを身に着けられたら向こうでも後悔せずやれるのではないかと。まだまだ伸ばせるところ、改善できるところもあるなとは思っています。具体的に、というと難しいですけど、それこそ春リーグの時にやりたかったけれど苦手意識がありできなかったプレーだったり、王座で追い込まれて苦しくなる前にあそこのポイントを取れていたらと思うプレーだったりを改めて見直して詰めていきたいです。あとは事前合宿の期間も含めて他の人のプレーから自分がこれをできたら楽だろうなと思うプレーなどを直前まで吸収できたらと思います。
小山 自分は考えすぎると空回りしてしまうタイプなので、今はこだわり過ぎず意識し過ぎずにいようという気持ちです。他にはさっき練習で4年生のレギュラーの方々と話した時に「インカレ、頑張ろうね」と声をかけられて、しっかり気持ちをつくって臨もうと思います。
――その4年生が最後全てをかける大会がインカレです、4年生に向けて何か思いはありますか
上原 自分が入った時からずっと今の4年生の姿を見てきて、やはりあの学年は強いのでいつもチームの中心として戦ってきて、その上の先輩たちが苦しい時にもワセダを救ってきた方たちです。もちろん自分たちが入る前もずっとワセダを支えてきた先輩なので勝たせてあげたいという気持ちはとても強いです。同時に一緒にプレーできる時間も残り少なくて、一緒に同じ目標に向かってコートで共に努力できるのはインカレまでなので、高い意識の中でワセダを共に背負って戦えるのはこれで最後です。その時間を大切にしたいですし、今のうちに学べるところは学んでいきたいです。
小山 前にインタビューしていただいた時にも言ったのですが、高校が同じでその時は日本一にさせてあげられなかった先輩の安純さんを、大学に入って今度こそ日本一にしてあげたいという思いがあります。その思いは今も変わっていません。それは高校が同じだった自分にしかできないことなので、勝って恩返しがしたいです。
――4年生を勝たせたいという思いの中で、自分たちの役割はどのようにお考えですか
上原 先輩たちからはあまり重く捉えすぎないようにとは言われています。自分たちは1番らしく元気よく思い切りプレーしたいと思います。
――他の点ではインカレではどのようにチームに貢献したいですか
上原 1番難しいことだとは思うのですが、とにかく持っているものを全て出し切りたいです。終わった時に自分が後悔したくないし、4年生や試合に出ていない人にも後悔してもらいたくないです。どうしてあのペアが代表として出ているのにあんなプレーしかできなかったのかなと思われないように、出てもらってよかったなと思ってもらえるように全力でプレーしたいです。この間の東インカレでは、長い時間戦っていたので、暑い中ですし応援する方も疲れを感じているのがすごくよく分かりましたし、応援に支えられている分を自分たちはプレーで返すことが必要だと思います。疲れている中でも大きな声を出してもらえるようなプレーをして、中にいる人が外にいる人を支えて、外にいる人が中にいる人を支えてというように、少ない人数でもチームで戦って勝てるのがワセダだと思うので、全員高め合って最後までいけたらと思います。
小山 インカレの試合の最初のプレーボールを想像すると緊張してしまうことは分かっていますが、自分の感情で負けたくはないという気持ちがあるので、自分の持っているものを出し切って一人じゃないんだという意識を持って、みんなの思いを背負って戦えたらと思います。
――杉脇主将の印象はいかがですか
上原 テニスに対しての意識が高い人ですし、勝ちたいという気持ちは人一倍強いと思います。今までは引っ張ってもらっていた立場だけれど、ことしは自分が引っ張るんだという意識を強く感じますね。3年生とか2年生の時は考えすぎて一歩引いている部分があったように思うのですが、ことしは自分がやらなくてはと頑張っているなとは後輩から見ても分かります。試合などでは自分たちが1番にいて、杉脇組は3番にいるのですが、試合の前にも「準備しておくから思い切りやってきていいよ、回していいからね」と言ってくださって、その言葉だけでみんながいることが分かるし、自分たちを最高の状態で送り出してくれます。
小山 練習とかでも口で色々言うタイプではないと思うのですが、練習に取り組む姿勢だとかテニスに対する態度だとかを見ていると、すごく手本になる人だと思います。背中で見せる主将だと感じています。
――昨年女王としてのプレッシャーを気にしないようにしても周囲から3連敗を意識させられることは多いと思いますがいかがですか
上原 良く言えばその気持ちを味わうことができるのはワセダだけですが、やはり連覇がかかっているというのはとても重たいことだと思います。でもことしに関してはそれに対して挑戦させてもらえる立場に選んでくれた4年生たち、そして自分と戦ってきてくれた小山、試合に出ていないけれど私たちをサポートしてくれるみんなのおかげでこういう立場にいられるのでしっかり感謝して取り組みたいです。近づいてきたらまた緊張はしてくるとは思うのですが。
――小山選手は初めてのインカレ出場になりますね
小山 自分は高校の時に3連覇がかかっている場面があったのですが、あまり緊張することなどはありませんでした。むしろ期待してもらえていると捉えて、「連覇がかかっているなんて良いだろ~!」と周りに自慢したいくらいの気持ちでした(笑)。またインカレは違うのかもしれないですけど。
――他の2ペアの印象を聞かせてください
上原 木村(理沙、スポ4=徳島・脇町)・平久保組は、昨年もこの対談で誰も想像しないプレーをすると里佳さんが言っていました。それはことしも変わっていないと思いますが、ことしは4年生としてより日本一への思いが強いのが伝わってくるなと思います。練習からも試合からも分かります。昨年は気持ちの面で迷いがあるところも見えたんですけど、ことしはそこからの踏ん張りがあるというか。
小山 何かやってくれるだろうという思いがありますね。
上原 杉脇・佐々木(聖花、スポ4=東京・文化学園大杉並)組は、本当の大将という感じです。負けるなとあまり思いません。最後まで何とかしてくれるのではないかなと思います。追い詰められる場面もあるのですが、その追い詰められてからのプレーが印象的です。そんな風にぎりぎりのところでもラケットを振り抜くし、サーブもしっかり打つし。自分の芯が個々にあって、同時に二人としてのスタイルも確立しているので、3番にいることにすごく安心感があります。ワセダの大将です。
――昨年小山選手が組んでいた草野選手は木村主務(日奈、社4=群馬・高崎健康福祉大高崎)と組まれて東インカレの個人戦で優勝されました、そのことに関してはどのような思いがありましたか
小山 嬉しさの半面悔しさの方が大きかったですね。やっぱりレギュラーとして出させてもらってるのに、自分が結果を残せなくて。頑張らなくてはと思わされました。
――女子部のことしの強さはどこから来ているでしょうか
上原 ことしは4年生が多いチームなので、やはり安心感がありますね。もちろん信頼もしている先輩方なので、その9人で考えた答えが間違っていることはないと思いますし。昨年里佳さんは後輩とコミュニケーションを取るように改めて意識したということを言っていたと思いますが、今の代は元々下とよく関わってくれて、積極的に意見を取り入れようとしてくれるので、そういうところもあると思いますね。どう?
小山 原動力としては…ご飯?ですかね(笑)。その時の試合のこととか今後のこととかを話しながら優勝した後などにご飯を食べることがあって。
上原 そういう場面でも意見交換は活発に行われていて、上もアドバイスをいろいろしてくださいますし、私たち下の代にも求めてくださいます。
――インカレではやはり相手は向かってくると思います
上原 そうですね、昨年とかもすごかったですし。でも、勝ちたいという気持ちはどの大学よりも大きいです。それにどの側面を見てもワセダが劣っていると感じるところは本当に一つもないと思っています。練習量は体育大などに比べればもちろん少ないですが、それに見合うだけの質の高い練習ができていると思いますし、選手間で切磋琢磨(せっさたくま)して高め合うこともしっかりできていると思っています。もちろん挑戦する気持ちも必要というのは分かってはいますが、自分たちが出るのも初めてですし、昨年出場して思ったのはやはり4年生が強いということです。もちろんコートに入れば関係ないとは思うのですが、自分も同じようなモチベーションを持って挑戦する気持ちをもちながらも、「やれるもんならやってみろ」、「簡単には負けないぞ」という気持ちを持ちながら。挑戦の気持ちの方がもちろん大きいですが、自分たちのやってきたことには自信があるので、そこは引かずに臨みたいと思います。
――小山選手は昨年の優勝をコートの外から見ていましたが振り返って
小山 やっている方からしたらもちろんしんどかったとは思うのですが、一緒にやってきた自分としては圧倒的にワセダが勝てると確信していました。でもその時は自分も出たいという気持ちがありましたけどね(笑)。
――ライバル視している相手などはいますか
上原 自分は特にないですね。結果勝てたら、と。やってきたことは間違っていないので。同士討ちに関しては時の運です。4年生たちとやって向こうが勝ってくれたらそれはそれでうれしいし、自分が勝ったらそれ以上に頑張らなくてはいけないし。ワセダと当たるまでは負けられないと思います。
小山 自分はやはり毎回言いますが…(笑)。総体で負けた同じ和歌山信愛の笠井(日体大)、鈴木(明大)には絶対に負けたくないですね。でも同時に今こうやって頑張れているのもこの二人のおかげでもあるので、ありがたい存在で切磋琢磨し合っています。
――個人団体共にインカレの目標をお願いします
上原 もちろん団体は優勝です。昨年の団体決勝はあまり良くない内容だったので、優勝だけではなく満足のいくプレーもできるように。勝つのはもちろんですが、それに伴った試合ができたらと思います。自分たちが勝つことは、チームの勝ちにつながるだけではなく、来年もまだまだ私たちがいるんだよと他の大学に示すことができるので、引っ張ってもらうだけではなく、余裕があれば(笑)そこも意識していきたいです。個人戦に関して昨年は団体で力尽きてしまい満足いかない内容だったので、やることをしっかりやりたいと思います。
小山 団体優勝、個人優勝です!勝ち続けます!!
――最後に意気込みをお願いします
二人 とにかく粘って、簡単には負けません!
――ありがとうございました!
(取材・編集 吉澤奈生)
2、3年ペアがインカレでも存在感を見せつける
◆小山舞(こやま・まい)(※写真左)
1998年(平6)3月12日生まれ。身長157センチ。和歌山信愛高出身。スポーツ科学部2年。常に笑顔で話してくれた小山選手。先輩の皆さんからもとても可愛がられているのが伝わってきました!初めてのインカレにも並々ならぬやる気を持っていることが感じられました。休みの日もアクティブという小山選手はインカレが終わった後も、ご褒美に何か甘いものを食べに行くのでしょうか?
◆上原由佳(うえはら・ゆか)(※写真右)
1996年(平8)10月5日生まれ。身長162センチ。群馬・高崎健康福祉大高崎高出身。社会科学部3年。チームのことだけではなくしっかりと未来をも見据えている上原選手の言葉は必見です!昨年からさらに成長を見せた上原選手はどのようにインカレの舞台で輝くのか、期待が高まります!