早大勢は決勝リーグ進出ならず、悔しい1年のスタート

軟式庭球

  東京インドア全日本大会(東京インドア)は昨年度好成績を残した選手が男女各8ペア選抜されて頂点を競う。会場である東京体育館には多くのソフトテニスファンが詰めかけた。開会式では1ペアづつ入場し、カメラに向かってポーズをするなどのファンサービスが見られた。アイドルのライブや抽選会が開催されるなど賑やかな雰囲気の大会となり、大きな盛り上がりを見せた。ワセダからは3ペアが試合に臨んだが、怖いもの知らずの高校生や百戦錬磨の社会人相手に思うようなプレーができない。3ペアとも惜しくも予選リーグで姿を消すこととなった。

★大阪の舞台でリベンジ誓う

インドアのサーフェスに苦戦した杉脇(左)・佐々木組

 昨年日本代表に選ばれた杉脇麻侑子(スポ3=東京・文化学園大杉並)、佐々木聖花(スポ3=東京・文化学園大杉並)組は、高校生から実業団まで実力者たちが集った今大会でも活躍が期待されていた。1試合目の相手は早大勢が過去の大会でも苦しめられてきた高橋乃綾・半谷美咲(どんぐり北広島)組。相手の独特なフォームから繰り出すカットサーブに苦しめられ、なかなか攻撃を仕掛けることができない。決めにいったショットも相手後衛の厚い守りに阻まれてしまう。中盤には杉脇・佐々木組の持ち味である連携のとれたプレーで2ゲームを連取するが、流れを引き寄せることができずゲームカウント2-4で敗れる。迎えた2試合目、決勝リーグに駒を進めるために勝利は必須だ。杉脇が懸命にラリーをつなげ、チャンスをつくった。それを佐々木が積極的にポーチにでて得点を重ねた。粘りを見せゲームカウント2-2とするが、相手の早い動きに反応できず2ゲームを一気に奪取されて敗退。続く3試合目も相手のパワーと精密なショットに為す術なく予選リーグでの敗退が決定した。杉脇・佐々木組は全日本インドア選手権(全日本インドア)にも出場予定だ。今回の課題を修正し大阪で勝利の姿を見せて欲しい。

(記事 栗林桜子、写真 吉澤奈生)

★惜しくも決勝リーグ進出を逃す

内本はショートにリターンを上手く返球した

 開会式での選手入場では、『恋ダンス』のポーズで会場を沸かせるなど、和やかな雰囲気で今年最初の大会に乗り込んだ内本隆文(スポ1=大阪・上宮)・丸山海斗(明大)組だったが、試合では本領発揮することなく、逃げ場のない苦しい試合を強いられた。1戦目の桂拓也・塩嵜弘騎(和歌山県庁)組戦は、内本・丸山両者共に安定性に欠けた。内本は、ストレートへのロビングが横に流れてしまう。丸山もスマッシュボールやほぼ正面にきたチャンスボールを決めきれない。試合中、何度も首を傾げた。ほとんど何もできず、ゲームカウント0-4で完敗。2戦目は、普段は丸山のチームメイトでもある立木雅也・平裕之(明大)組と対戦。相手のミスに助けられての勝利だった。特に第4・5ゲームは、デュースにもつれ込む接戦の中、ダブルフォルトやレシーブミス、スマッシュを決め損ねるという場面もあった。しかし相手も本調子ではなく、不安が残るまま4-1で試合を終える。負ければ予選敗退となる3戦目は、水澤悠太・長江光一(NTT西日本広島)組と対戦。相手のカットサービスからの攻撃的なテニスに苦戦する展開となる。それでも中盤には後衛の内本も前に詰めてプレーする姿を見せ、インドアで有利なダブルフォワード相手に立ち向かった。レシーブゲームの第6ゲームでは、要所で良いコースへのリターンも見られ、ファイナルゲームに持ち込む。内本・丸山組の粘り勝ちかと思われる追い返しぶりだったが、ファイナルゲームは4点を先取され、流れを取り戻せずに敗退した。

(記事 吉岡篤史、写真 吉澤奈生)

★まさかの予選敗退

悔しそうな表情を浮かべる船水(左)・星野組

 船水颯人(スポ2=宮城・東北)・星野慎平(スポ2=奈良・高田商)組はいきなり今波に乗っている高校生ペア、本倉健太郎・上松俊貴(岡山理大付高)組と対戦。多くの観客が注目するカードとなったが、序盤から相手のテンポ良い攻めに後手に回ってしまう。ラリーを展開する前に船水に珍しいミスが見られる。デュースに持ち込むも、要所でポイントできずにストレート負けを喫した。続く第2戦にはファイナルの末何とか勝利したものの、決勝リーグ進出を懸けた第3戦。インドアの名手・篠原秀典(日体桜友会)・小林幸司(ミズノ)組が相手だ。お互いにサービスゲームを落とさずに、ファイナルへと突入した。先にマッチポイントを握るも、星野が飛び出したボレーがアウトになったことを皮切りに、3連続ポイントを許し敗退した。2週間後に控える全日本インドアでは連覇が懸かる。切り替えて大阪の舞台へ臨む。

(記事、写真 吉澤奈生)

コメント

内本隆文(スポ1=大阪・上宮)

――オフはどのように過ごされましたか

オフはちょっと満喫していたので、あまり練習できなかったんですよ(笑)。帰省して遊んでいました(笑)。

――きょうの3試合全体を振り返っていかがですか

やっぱり体が動いていなかったので、フィジカル面を強化しないといけないなと思いました。瞬発力とパワーをもっとつけていきたいですね。

――それはオフで少しのブランクが出てしまって落ちていたからですか、それともオフ以前からですか

両方あると思います(笑)。

――インドアでの試合の難しさはありましたか

難しいですね。外だったら、勢い良く打てば試合になると思います。でも、インドアだと強く打っても打球が止まるので、前衛に取られやすいですし、後衛に攻めても、球が止まって相手が打ち負けるということはないので。だから、ボールの速さよりもコースが大事になってくるというところが難しいです。ダブルフォワードのカットサービスも有効になってくるので、そのレシーブの対策をもっとしていかないといけないなと思いました。

――試合前には丸山選手と何か打ち合わせはされましたか

特に話すことはないんですけど、「とにかく向かっていこう」ということで臨みました。いつも通りという感じです。

――丸山選手のミスが続く場面がありましたが、その時はどんなことを考えてプレーされていましたか

無理に攻めてもしょうがないんですけれど、丸山の調子が良くなかったので、「自分が攻めて点を取らないと」と思っていました。

――ことしの目標を教えて下さい

大学生の大会で全然結果を残せていないので、インカレで三冠を狙うことです。一般の大会では、一番大きい大会である天皇杯(天皇賜杯全日本選手権)で優勝できるように頑張ります。