女子部が真の強さを福岡の地で証明した!ついに最終決戦の時を迎えた全日本大学対抗選手権(インカレ)。準々決勝の日体大で、木村理沙(スポ3=徳島・脇町)が気迫のこもった速球を打ち込み二次戦を勝ち切ると、勢いそのままに準決勝の神戸松蔭女子大も3-0の全勝で撃破する。決勝の関大戦では接戦にもつれる場面もあったが、個々が仲間を思う強い絆で勝利。早大軟式庭球部女子部の目標であるインカレ連覇を達成し、歓喜の輪が広がった。
ついに大学ソフトテニス界の女王の座に就くまであと一勝。決勝戦で立ちはだかったのは、西の古豪・関大だ。早大の先陣を切るのは木村理・平久保安純(社3=和歌山信愛)組。後衛の西岡真里華(関大)を左右に揺さぶりプレッシャーをかけるが、西岡の粘りのテニスを前に立て続けに失ポイント。ゲームカウント1-3と追い込まれた。しかし、初日は天理大戦で黒星を喫し悔しさを味わった二人。だからこそ、この決戦に懸ける思いも強かった。第4ゲーム目、木村理は一球一球打ち返すごとに声を張り上げ、気迫を前面に押し出す。四面楚歌の戦況ながら攻撃の姿勢を崩さず好機をつくり出すと、浮いたボールを前衛にたたき込み第5ゲーム目を死守。二人の気迫に押されたか、相手前衛のミスが目立ち始め、ついにファイナルゲームへと突入。ファイナルゲームでも木村理・平久保組の猛攻は止まらず、早大の歓声がコートに響く。しかし、準々決勝での一次戦、二次戦、そして準決勝と戦い続けてきた疲労が春先にケガを負った木村理の脚を苦しめ、試合は一時中断に。「ここまで来たらやるしかない」(木村理)。背中にかけられる声援を力に変え、再びラケットを握った。平久保が短くコースを突かれるボールを必死につなぐと、木村理が好機をうかがい速球を打ち込む。最後は前に飛び出した木村理がハイボレーをコートに打ち込みゲームセット。逆境にひるむことなく1番の役割を全うした二人は大きな拍手で仲間たちに迎えられた。
主将としてチームを1年率いてきた永井
続く第2試合も波乱の展開となった。2番に登場したのは永井里佳女子主将(スポ4=東京・文化学園大杉並)・上原由佳(社2=群馬・高崎健康福祉大高崎)組。団体戦メンバーの中で唯一の下級生・上原に最終決戦のプレッシャーが重くのし掛かったか、ネットタッチといったらしからぬミスが目立つ。早大、関大どちらも追いつ追われつのシーソーゲームを展開し、1番と同じくファイナルゲームにもつれ込んだ。しかし最終ゲームでは1ポイント目から前衛の脇を抜くパッシングでポイントすると、迷いを捨てトップの打点から次々とシュートボールを打ち込む永井。「木村がケガをしている中頑張ってくれたのに二次戦に回すことはできない、最後は上原と二人で笑顔で終わりたい」(永井)。大接戦の中、永井を突き動かしたのは、チームメートへの感謝の気持ち、そして今まで早大軟式庭球部をけん引してきた主将としての意地だった。激烈なクロスラリーの展開を永井が制し、大きな意味を持つ2勝目。早大の優勝に主将自らが王手をかけた。
勝利を決めて抱き合う杉脇・佐々木組
「苦しいファイナルを勝ち切って2-0で回してくれた。あとは自分たちがやるだけ」(佐々木)。早大の優勝を決めるべく、大将ペア、杉脇麻侑子(スポ3=東京・文化学園大杉並)・佐々木聖花(スポ3=東京・文化学園大杉並)組がついに出陣。「応援してくれるみんなのためにもどんな形でも構わないからポイントを取り切ろう」と相手前衛に捕えられても決してあきらめず打球を繋ぐ杉脇に佐々木が答え、続くラリーを次々と仕留める。1ポイントを重ねるごとに動きが良くなる二人にもはや関大はなす術なし。最後は佐々木が勢いよく飛び出しボレーを鋭角に突き刺す。きょう一番の歓声がコートに響き渡り、杉脇・佐々木が両手を天に高く突き上げる。早大軟式庭球部が見事女王の座に就いた瞬間だった。
「ワセダの強さとは負けそうであっても負けないチームであること」(佐々木)。昨年に引き続き女王の座に君臨したと言えども、早大が楽に勝利を手にした試合など無かった。むしろ女王・早大相手に捨て身でぶつかってくる相手に対して苦戦を強いられる方が多かったほどだ。しかしそれでも早大が勝ち切れた理由、それは一人一人がチームを思う気持ちの強さがどこの大学よりも勝っていたからだ。「永井先輩のために」(杉脇)。「4年生の有終の美を飾るため」(佐々木)。「後輩たちと一緒に勝ちたい」(永井)。自分のためでなく、チームのためを思う気持ちが、窮地に追い込まれた時に力をくれる。福岡の地に落とされた歓喜の涙が、22人、一人もかけることなくただひとえに頂点を目指し続けてきた女子部の結束力の証明だ。
悲願のインカレ連覇を達成し笑顔の女子部
(記事 三佐川唯、写真 吉田安祐香、吉澤奈生)
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結果
二回戦
早稲田大学 2-0 筑波大
一次戦
木村(理)・平久保 4-0 射場・三好
永井・上原 4-0 肥後・高杉
杉脇・佐々木 -
三回戦
早稲田大学 3-1 天理大
一次戦
木村(理)・平久保 1-4 久木・井用
永井・上原 4-2 中平・片山
杉脇・佐々木 4-3 米田・坂本
二次戦
永井・上原 4-1 久木・井用
◇準々決勝
早稲田大学 3-1 日体大
一次戦
木村(理)・平久保 4-0 笠井・尾上
永井・上原 3-4 植津・奥村
杉脇・佐々木 4-1 中野・北野
二次戦
木村(理)・平久保 4-1 植津・奥村
準決勝
早稲田大学 3-0 神戸松蔭女子大
一次戦
木村(理)・平久保 4-2 生田・塚川
永井・上原 4-2 濱谷・山根
杉脇・佐々木 4-3 志牟田・地中
決勝
早稲田大学 3-0 関大
一次戦
木村(理)・平久保 4-3 西岡・賀川
永井・上原 4-3 田中・中崎
杉脇・佐々木 4-0 佐々木・岡田
コメント
小野寺剛監督(平元教卒=東京・巣鴨学園)
――男女アベック優勝、男子は5連覇を決められたいまの思いを聞かせて下さい
星野慎平(スポ2=奈良・高田商)のこととか本当に色々あって苦しかったです。腹をくくってというか負けてもしょうがないじゃないですけれど、後衛は日本代表の二人と去年団体戦の優勝を決めた安藤優作(社2=岐阜・中京)がしっかりやってくれると思っていました。一方で前衛の加藤顕成(スポ4=広島翔洋)と松本倫旺(スポ1=熊本・済々黌)は初出場ですごく不安だったのですが、よくやってくれました。毎年うれしいですし毎年価値のある優勝なのですが、ことしは本当に監督としても選手たちは良くやってくれたなと思います。
――春先はチームのまとまりという部分を不安視されていましたが、このインカレはいかがでしたか
毎年仕上がりが早い遅いがあるのですが、ことしは春の段階でバラバラしているなという印象がありました。ですが、こっちに来て事前合宿が始まってから良くなってきて、きのうときょうに関しては例年通りまたはそれ以上の試合をしてくれたなと思います。
――このチームを率いてきた安藤圭祐主将(スポ4=岐阜・中京)はどのような主将でしたか
去年の船水雄太(平27スポ卒=宮城・東北)のようにグイグイ引っ張るタイプではありませんでしたが、落ち着いて引っ張ってくれるタイプのキャプテンでした。僕は頼りないと思ったことは一度もなくて。プレー面では去年のインカレのダブルスでも優勝しているように信頼していたのでちょっと途中ガタガタ来ましたけど勝ち切ったので、よくやってくれたと思います。
――星野さんの欠場の影響に関してはいかがですか
ずっとミーティングからしょうがないことだ、スクランブル態勢にはなると、けれど慎平がいないから負けたという言い訳は辞めよう、出ている人間がワセダのレギュラーだと言って励ましてきました。実際にその通り加藤や松本が良くやってくれたので、思ったよりも彼らが頼もしかったです。
――加藤さんは明大戦のファイナルに象徴されるように思い切ったテニスをしていましたね
そうですね。彼はもともとムードメーカーだったのですが、不安定な部分があって3年生まではインカレの団体戦に出ていませんでした。きょうは非常に伸び伸びとプレーしてくれて良くやったと思います。
――2番は急造ペアとなりましたが危なげのないプレーでした
後衛が日本代表の船水ですし日本一の後衛だと思っていますので、松本にはそれに気後れするなよとだけ言って自信もっていけ、バタバタするなと言いました。僕が思う理想のテニスを松本がしてくれたなと思います。安藤優が苦しいところで踏ん張って一番頑張ったかなと思いますが、松本も優勝の立役者だと言えると思います。
――理想のテニスとはどのようなテニスですか
後衛主体のテニスであまりバタバタしないということです。後衛が強いので松本の方に逃げてくるボールをしっかりと抑えて、その出ないという雰囲気を作ってから時々勝負をかけるということを良い割合でやってくれました。星野だと得点能力がありますからどんどん行くんですよね。そうすると抜かれた時にガタが来ますが、船水の方も松本の方が動く時にボールが来るから落ち着いてできましたと言っていて、それは船水星野に戻った時に参考にして欲しいですね。
――安藤・安藤組は去年に引き続き大活躍でした
3番に安藤安藤がいるからこそ1、2番が落ち着いてできるということで、大将の後衛は船水だと思いますが、ダブルスのペアとして考えると大将は安藤安藤だと思っていたので、3番でどっしり構えてくれていたので感謝しています。
――女子部は連覇ということですがいかがですか
女子部はことしは強いと思っていました。ですが思ったよりもできが悪くてきのうも木村理沙(スポ3=徳島・脇町)・平久保安純(社3=和歌山信愛)組が負けたりしていたので苦戦はしましたが、最後は4年生の永井里佳女子主将(スポ4=東京・文化学園大杉並)が意地で決めてくれました。大将格は杉脇麻侑子(スポ3=東京・文化学園大杉並)・佐々木聖花(スポ3=東京・文化学園大杉並)組でしたけど、男子と同じで杉脇佐々木が3番にいたからこそ永井を含めて1、2番が思い切って動けていましたよね。苦戦はしましたが女子の方が間違いなく勝つだろうなと思っていたので見事でした。
――女子部は来年も主力の多くが残りますよね
来年も女子はかなり強いと思います。
――一方で男子は来年誰がカギとなってきますか
予定ですけど良い選手が入ってくる予定です。とはいえ後衛はそのまま残りますから、船水星野、安藤優、内本が中心ですかね。ここにすごい前衛が入ってくる予定なので来年も非常に楽しみなメンバーになりそうな予感がしています。
――では最後に来年のインカレに向けて一言お願いします
インカレは想定外のことが起こるものです。ですが、それが起こってもバタバタしないでできるようにと考えていますし、コンディショニングの重要性をことしはより強く感じた。戦力はあると思いますので奢ることなく地道にワセダらしく戦えるチームを作っていって欲しいなと思います。
永井里佳女子主将(スポ4=東京・文化学園大杉並)
――優勝おめでとうございました!今の率直なお気持ちは
さっき早稲田の栄光の後に安藤(圭祐男子主将、スポ4=岐阜・中京)も言っていたのですが、優勝という結果はとても嬉しいですが、それ以上に肩の荷が下りたという感じでした。今までの大会ではキャプテンとしてチームに自分が緊張しているところを見せて、不安を感じさせてはいけないと思って気を張っていた部分がありました。やっとその不安や緊張から解放されて、ほっとしました。同時に今まで逃げずにやってきて本当に良かったと感じました。
――やはり相当早大の主将としてのプレッシャーはありましたか
主将は過去の自分が思っていた以上に、インカレでチーム全員を勝たせたいという気持ちが大きかった分、途中くじけそうになったこともあったのですが、それ以上に今回のインカレでは後輩たち、特に木村(理沙、スポ3=徳島・脇町)がケガをしていたので回したくないと強く思っていました。結果的にインカレは3-0でしっかり勝ちきれたので良かったです。
――ワセダで過ごした四年間振り返って
下級生の時は試合に出たくて悔しいという思いが大きかったのですが、その分練習を重ね他の人より努力すると決めていたので、その時の経験がその後につながったと思います。4年になってからは、昨年の3年の時優勝できた経験が大きく影響しているとは思います。
――その経験を踏まえ、後輩に残したいメッセージなどはありますか
ほかの関東リーグとか東インカレなどは順調に行くと思うのですが、やはりインカレは何が起こるか分からないし、7ゲームだし、あとは相手もワセダに対して向かってくる分、自分たちにとっては苦しく、キツい場面も多いだろうと思います。それでも絶対に逃げずに自分たちでしっかりやり切って、攻める気持ちを忘れずにやっていってほしいです。
――特に主将として過ごされた1年はどのような期間でしたか
他のみんなには緊張などの弱い部分を見せないようにはしていたのですが、やはり自分の中ではずっと1年間インカレという舞台しか見ていなかったです。そのほかの大会もありましたが、昨年のインカレが終わった直後からインカレに対する緊張や不安はあって。でもそれを後輩やチームに対して見せてはいけないと思っていたので、本番で力を発揮できるように、普段の練習からしっかり努力して主将としての姿を見せることができました。努力で不安をかき消してきたので、1年間自分で成長できたと思います。
――準々決勝を振り返っていかがでしたか
日体大には絶対に逃げずにやっていこうと思っていて、自分たちが先にミスをしてしまったり、相手が良いボールを打ってきたのもあり負けてしまったのですが、次の神戸松陰女子大や次の関西大との試合にそこでの逃げない姿勢がつながり、結果として優勝することができたのだと思います。
――決勝ではファイナルで主将の気迫を感じました、集大成という思いが大きかったのでしょうか
はい、自分の集大成のインカレで勝つという強い気持ちはありました。それにこんなところで負けてなんかいられないという気持ちがありました。それに木村が怪我している時に回してしまうことはできないし、最後だから上原と2人で笑顔で終わりたいという思いでした。それらの思いを力にして発揮できたので、今回の結果があると思います。
――インカレのレギュラー陣についてそれぞれメッセージなどはありますか
主将はまだ誰になるかは分かりませんが、杉脇とかがもしキャプテンになったとしても、重圧に負けることなくやっていってほしいです。そして佐々木と一緒にプレーでもチームを引っ張って言って欲しいです。上原は今回初めてのインカレ団体戦でしたが、これからはこの経験を生かして上原らしく頑張っていってほしいです。木村、平久保(安純、社3=和歌山信愛)に関しては、きょうもキツイ場面もあり、初日の天理大戦ではあまりうまくいかない部分もあったのですが、自分たち4年生はふたりを信じると決めたので、来年もこのペアでやるなら応援にもしっかり2人をそれぞれ信じてやっていってもらえたらと思います。
――永井キャプテンを勝たせたいという気持ちが女子部の選手たちから聞かれました
早スポさんの記事を読んだ時にすごく嬉しかったです。あまり前から後輩と話すタイプではなかったので、そのように思ってくれる後輩ができたということが単純に嬉しかったです。あとは3年生までは自分が気を張っていた部分もあり、後輩には絶対に負けたくないという気持ちがあったのですが、ことしはそのような気持ちもなく、後輩たちと一緒に勝ちたいと思い同じ立場に立ってコミュニケーションを取るよう意識してきたことで、チーム一丸となって、みんながそう思ってくれたのかなと思います。
――特にペアの上原由佳選手に対してこの1年やってきていかがでしたか
上原は試合とかで調子悪くても試合には強いので、試合になったらこれからも堂々と構えて自身持ってやってほしいです。今回の連覇という結果に気負うことなく上原らしいテニスをしてほしいと思います。
――ことしは『貫輝』(かんき)というスローガンを掲げておりましたが実践できましたか
最後まで自分たちのプレーを貫けたし、支えて下さる人に歓喜をもたらすというのもインカレ連覇という形で達成できました。
――個人戦の意気込み
私は上原と出られるのはこのインカレが最後なので、負けても勝っても楽しめたらと思います。
木村理沙(スポ3=徳島・脇町)
―― 優勝おめでとうございます。今のお気持ちは
純粋に嬉しいのとホッとしています。
――2日目初戦の日体大戦から一気にプレーに勢いが出たように感じました
やはり1日目の2試合目で負けてしまったので、とにかく無心にやっていました。あと2つ強いペアが残っているので自分たちがどれだけ勢いづけられるかというのを意識してやっていました。
――ボールが木村さんに集中する場面が多く見られました
「やるしかない」という感じでした。余計なことを考えていたらプレーにもそれが出てしまうと思うので、もう「これをやる」と決めたらしっかり貫き通そうと思っていました。
――以前は自分にボールが集まることをプレッシャーに感じるとおっしゃっていました。今回はいかがでしたか
きょうはプレッシャーとかそんなものは無く、本当にのびのびと自分たちの良い形が出せたかなと思います。
――決勝ではファイナルまでもつれ込みましたが、ファイナルゲームでは大差で勝利しました
1回タイムを取ったんですが、それまでがすごく良い流れでファイナルに追いついたので、それでも集中を切らさずに相手に隙を与えること無くやっていこうという感じでした。
――インカレを通しての収穫はありますか
1日目も自分の意識の中では緊張とか不安とかを考えずにやろうと思っていましたが、結果的に負けてしまってやはりそういうのが頭のどこかに残っていたと思うので、いかに自分たちのボールを打ち込んで無心でプレーするかっていうのがすごく大事だなと、自分で試合をしていて思いました。
――この代で活動するのもあと残りわずかですが、永井女子主将の印象を教えていただけますか
永井さんはプレーとかテニスしているところを見ると、冷静だったりクールという感じなんですが、実生活の方では…そんなことないと言ったら失礼ですけれど(笑)、本当に楽しくい方です。キャプテンとしてチームをよくまとめてくださって、本当にこの代でインカレを獲りたいという気持ちにさせてくれるようなチーム作りをしてくださったので、本当に頼り甲斐のある主将ですね。
――4年生の代はどんな印象ですか
とにかく上と下のコミュニケーションというのが活発に行われていて、やはりそれがあったからこそ、自分たちも先輩に言いたいことが言えるし、先輩から後輩に向けて言い合えるし、すごくいい関係を作るのにいい働きをしてくださったなと思います。
――来年はご自身としてはどんな役割を果たしていきたいですか
やはり今回の経験がすごく大きいと思うので、自分に出来ること、自分らしさっていうのをコートの中で発揮するというのがすごく大事で、それをやることで自分自身も楽になるというのを感じたので、来年もしっかりワセダのチームの勢いを作れるようにやっていきたいと思います。
――あすから個人戦が始まりますが、意気込みをお願いします
とりあえずは団体に全力を注ぐと決めていて、個人戦は結構先が長いですけれど、1つずつペアと2人で頑張っていけたらいいなと思います。
佐々木聖花(スポ3=東京・文化学園大杉並)
――全日本大学対抗選手権(インカレ)を優勝された率直な気持ちを聞かせて下さい
押しつぶされそうなくらいすごく緊張しましたが、準決勝までより決勝の方が思い切ってプレーすることができました。今までであればミスしていたこともしっかりと気持ちが入ってプレーできたので良かったと思います。
――事前合宿からの仕上がりはいかがですか
事前合宿はあまり調子が良くなくて、結構負けたりしていました。あまり良くないなと思っていたのですが、苦しいところが多かった中で勝ち切れたのはワセダの強さかなと思います。
――ワセダの強さとは具体的にどういった部分でしょうか
負けそうで負けないチームです。勝てそうで負けてしまうチームはあるじゃないですか。でも、自分たちはきょねんも優勝していて絶対に毎回勝つだろうと思われているけれど、苦しい試合の方が多かったです。その中でもどんなに負けそうになっても次につなげるという思いが一人一人にあったからどんなに苦しい試合でも勝ち続けられたのだなと思いました。
――準決勝はファイナルまでもつれました
初めてやる相手で、打ち方が他の人と比べて独特だったのでそれに対応できなくて、遅れてチップとかになってしまいました。嫌だなと思いましたが、ファイナルの二本目でポーチに出たりと強気に行けたからこそ勝てたかなと思います。
――決勝では1番と2番が勝ってつないでくれましたがどのような思いでコートに立ちましたか
後はやるだけだなと思いました。苦しいファイナルを勝ち切って2-0で回してくれたということで緊張はしましたが、楽に自分たちの目の前の試合に集中しようと思って臨めました。
――2ゲーム目からボレーが決まり始めましたね
はい。ここに来ると思って実際にボールが来たのでそれだけ集中できていたのかなと思います。
――ペアリングに関しても一年間の成果が出たように思いましたがいかがですか
この一年間を振り返ってもいまの試合は技術も少しは成長しましたが気持ちが一番成長したかなと思います。関東学生春季リーグ戦(関東リーグ)とかは受け身だったのですが最後に自分たちから攻めていけたので良かったと思います。
――最後にポイントを決めて杉脇さん(麻侑子、スポ3=東京・文化学園大杉並)と喜びを分かち合った瞬間はどのような思いでしたか
きょねんはホッとしたというか肩の荷が下りた感じでした。でも、ことしはホッとした気持ちもありましたがそれ以上に嬉しくて、このチームで勝てて良かったなと思います。
――きょねんは勝って涙を流していましたが、ことしは笑顔ということでその違いというのも印象的でした
やはり4年生がすごく頑張ってチームを引っ張ってくれていたので絶対に勝ちたいと思っていました。最後に有終の美を飾らせてあげられて本当に良かったです。
――一年間チームを率いてきた永井里佳女子主将(スポ4=東京・文化学園大杉並)への思いをお願いします
本当に感謝の気持ちしかありません。厳しくも優しくしてくれた先輩に感謝したいです。
――ことしのチームを一言で表すとどんなチームでしたか
思いは一つだと思います。
――それはミーティングを繰り返す中で生まれたものですよね
何回もぶつかり合いました。けれど、何回もぶつかり合った理由はこの日の為だったと思います。なので、思いは一つだと感じられています。
――来年はいよいよ最終学年ですが、どのような4年生になりたいですか
信頼される4年生ですね。いまの4年生がすごく良いお手本となっているのでいまの4年生をお手本にしつつ自分たちならではの雰囲気とかを織り交ぜてチーム一丸となってやっていきたいです。
――あすから個人戦が始まりますが、個人戦への意気込みをお願いします。
きょねんは団体戦が遅くまであって疲れて、点滴を打つようなかたちでボロボロだったのですが、ことしはそんなこともなく個人戦を迎えられそうなので優勝を目指して頑張りたいと思います。
杉脇麻侑子(スポ3=東京・文化学園大杉並)
――まず、優勝の感想と今日の総括をお願いします
優勝は素直に嬉しいんですけど、それより4年生の足を引っ張らなかったというか、4年生が最後優勝して終われて良かったと思います。
――昨日と今日の間に反省したことや修正したことがあれば教えてください
1人テニスでガンガンやってしまって、自分の前衛をあまり活かせなかったので、そこをいいイメージで修正して今日に臨みました。
――日体大戦は4-1でしたが、思ったような試合はできたのでしょうか
全試合ともあまりよくなかったです。
――どういうところが具体的にうまくいかなかったですか
気持ちは全然負ける気がしなかったのですが、体と心が比例していなくて、心は冷静だけど、体は攻めに行ってしまうという感じで、体が空回りしてしまいました。
――2試合目はファイナルまでもつれましたが、ファイナルはお得意ですか
はい。3-2で逆にこのセットをファイナルにしていこうという感じに自分は思っていました。見ている方は絶対ファイナルにしないで欲しいと思っていたと思うのですが、私たちはファイナルにしようという感じでしたね。
――そちらの方が気持ちを持って行きやすいですか
そうですね。
――決勝戦はストレート勝ちでしたが、決勝戦の振り返りと優勝を決めた時の気持ちを教えてください
優勝を決める前に自分がアウトになってしまったり、あまりいい決まり方ではなかったのですが、どんな形であれ、ポイントを取ったら応援してくれるみんながいたので、そのみんなのためにもうどんな形でもいいから取り切ろうという気持ちでした。取りきった後はずっと肩が重かったんですけど、すっと軽くなりました。
――今回試合に出られていたメンバーの中で4年生は永井さんお1人だけでしたが、永井さんの印象や永井さんに向けてのメッセージをお願いします
絶対1人は不安だし、プレッシャーもあるし、負けちゃいけないと思っていると私たちは感じていました。里佳さんのために勝とうというような言葉は3年生の中ではかけてはいませんでしたが、みんな1人1人が永井先輩のためにという気持ちでやることができました。
――この代も早関戦で終わりですが、この代の印象をお願いします
3月の合宿で部の中でぶつかり合いがあり、それから変わったと思います。
平久保安純(社3=和歌山信愛)
――前日とは打って変わって全体的に勢いのある試合でしたが、どのように気持ちを切り替えていきましたか
昨日からではなくその前の東日本学生対抗競技大会(東インカレ)からもずっと流れが良くなかったので、今日は本当に自分たちがもし負けても後の2組が必ず勝ってくれると信じて、思いきってやるだけやろうという気持ちで開き直ったのがよかったのかなと思います。
ーー東インカレの前は2人ではあまり練習出来ていなかったと言っていましたが、全日本大学選手権(インカレ)に向けては準備万端でしたか
直前の合宿で2人で話し合えたり、練習も結構出来たのでよかったです。
ーー一番勢いのある試合は日体大戦だと思うのですが、日体大戦を振り返っていかがですか
東インカレの時は負けていたので、リベンジの気持ちも兼ねて勢いだけでいきました。
ーー木村さん(理沙、スポ3=徳島・脇町)にボールが集中する中、すべて完璧に返して得点に繋げていましたが、平久保さんはどのような気持ちでいましたか
自分もボールが飛んでこないわけではないので、ボールがきた時にしっかりと相手が嫌なところに返そうと思っていました。
ーー3試合目は関大戦でファイナルまでいきましたが、相手のどのようなところに1番苦しめられましたか
相手の後衛がしっかりと打ってきていて自分たちが返すだけになってしまっていたので、やはりゲームカウント1ー3とリードされてからは自分からしっかり攻めていこうと思えたのが勝ちに繋がったかなと思います。
ーー木村さんのケガが途中あったと思うのですが、そのへんはいかがですか
結構焦りました。けれど、ファイナルの4ー1だったので思い切りやるしかなく、木村本人もテーピングしたら動けると言っていたので、そんなに気にしてはなかったです。
――関大に1番手で勝ち、次に繋げましたがその後応援している時はどのような心境でしたか
2試合目の永井里佳女子主将(スポ4=東京・文化学園大杉並)・上原由佳(社2=群馬・高崎健康福祉大高崎)組の時の試合は次に出番があるかもしれないので準備していたのですが、最後の杉脇麻侑子(スポ3=東京・文化学園大杉並)・佐々木聖花(スポ3=東京・文化学園大杉並)組がだいぶリードしていたのでアップとかはせずに応援に専念していました。
ーー優勝が決まった時はどうでしたか
みんなで助け合いながら勝ち取った優勝だなとすごい実感しましたね。
ーー最後は永井さんの涙も見られましたが、永井さんへはどのような気持ちがありますか
やはり4年生のレギュラー1人だったのですごい大変だっただろうなと思っていました。3年生が一番多かったので、3年生でしっかり上と下のコミュニケーションをとってチームを盛り上げていかなくてはと感じていたので、その役割を果たせてよかったなと思っています。
ーー今年の代は早関戦で終わると思うのですが、今年の代はいかがでしたか
試合をしていても楽しいと思えたし、応援をしていてもすごい楽しかったです。コート外でも上と下のコミュニケーションがすごく取れていたので、総合的に楽しかったという感じです。
上原由佳(社2=群馬・高崎健康福祉大学高崎)
―― 優勝おめでとうございます!今の気持ちを聞かせてください
1番は、4年生を勝たせられて嬉しいってことなんですけど、その気持ち半分、納得する試合ができなかったので、まだまだ課題があり、悔しいなっていう気持ち半分です。
――きょねんとは違い、2年生として、なおかつチームの中核として大会に参加されましたが、どんな気持ちでコートに入ったのですか
やっぱり早稲田の軟式庭球部は4年生のチームなので、自分がどうこうっていうよりも、最後は4年生が勝てるような雰囲気作りだったりとかで自分が役に立てればいいなと思ってやってました。
――準々決勝で惜しくも試合を落としてしまいましたが、そのあとに準決勝に向けて永井主将とどんな話をされたんですか
殲滅戦というかたちなんで、自分たちが負けてもあとの人たちが勝ってくれるので、とにかく切り替えて、次しっかり勝とうということを声かけしてもらいました。
――主要な大会で永井さんと一緒に戦う団体戦は、実質最後だったと思いますが
あんまり最後って感じがしなくて、インカレなんだなとはあまり思わなかったです。いつも通りみんなで団体戦をして、いつも通り優勝して、いつも通り喜べたらなっていうぐらいにしか思わなかったので、今思うと最後だったなという感じがしてます。
――1年間永井主将とペアを組む中で、刺激を受けたことや学んだことはありますか
やっぱり里佳さんはキャプテンで、私たちには分からないようなプレッシャーを感じて、いろいろなことを抱えていると思いますが、団体戦というチームで戦う試合になると持っている力以上のものを出せる選手だと思うので、やっぱり自分もそういう人になりたいなと思ったし、自分も同じようにチームの中心として活躍していかなければと思いました。
――来年度の新しいチームでは、上原さん自身どんな存在でありたいですか
来年は、いまの4年生が抜けると人数も少なくなるし、団体戦に関して言えば、自分の代と1つ下の代のメンバーがまだ他に出てないので、やっぱり自分が経験した分、同期や1つ下の代に思いとか雰囲気とかを伝えていければいいなと思いますし、自分も1つ学年が上がるので、自分がチームの中心として試合に出る人たちを引っ張っていかないとなと思います。
―― 明日以降も大会は続きますが、意気込みをお願いします
団体戦は優勝したんですけど、他のチームが早稲田に向かってくると思うので、自分は今回チームが優勝したけど、負けも経験できたし、うまくいかなかった試合も経験できたので、自分ができるようになったなと思うこともありましたし、逆にうまくいなかった点もありました。調整をしながら、自分がしっかりと力を出し切って、最後は里佳さんと一緒に満足する結果を出せればいいなと思います。