【連載】 インカレ直前特集 『覇者の誓い』 第1回  小山舞×草野絵美菜 (7/30)

軟式庭球

 ことし女子部には高校で3冠を達成した大型ルーキー、小山舞(スポ1=和歌山信愛)が入部した。ペアを組むのは昨年の優勝に貢献した草野絵美菜(教3=群馬・高崎健康福祉大高崎)だ。仲の良さが伝わってくるペアの終始笑顔が絶えない対談となったが、2人が時々覗かせる勝ちにこだわる強い気持ちから、インカレに懸ける思いの強さが伺えた。

※この取材は7月24日に行われたものです。

姉妹のような関係

昨年インカレ優勝の立役者となった草野

――昨年は加瀬祐香(平28スポ卒=東京・文化学園大杉並)選手と組んでいましたが後輩と組むのはワセダに入ってから初めてですか

草野 はい、初めてでした。でも中高では小山と同じ2つ年の離れた妹とペアを組んでいたので、あまり違和感とかはないですね。先輩と組んでいて今までは引っ張ってもらっていたのに、今度は自分が引っ張って行く立場になるというのは最初はプレッシャーに感じることもありましたけど…小山は妹みたいな感じなんです(笑)。

一同 (笑)

――お2人は仲良しなのが伝わりますが一緒に遊びに行ったりしますか

草野 1回ご飯行ったね。

小山 一緒に行きました。

――加瀬選手と小山選手のプレースタイルの印象は異なりましたか

草野 いや、あまり変わらないですね。似てると思います。後衛がボールを繋いでくれて、その中で私が動いて決めるという2人で1本という形なので、同じようにのびのび出来ていると思います。私はゆっくりなテンポから先に動いていくのが好きなので、最初から組みやすいなって思いました。

――小山選手は1年生から六大学リーグで団体戦のメンバーに選ばれましたが、やはり緊張されましたか

小山 はい。

草野 ちゃんと喋りなよ(笑)!

一同 (笑)

小山 高校生の時からワセダにはすごく憧れがあって、自分がそんな学校の名前を背負ったゼッケンをつけて試合に出るのはとても緊張しました。

――アンダーのチームでペアを組んだりしてみた経験はありましたか

草野 無いね。

小山 大学入ってから初めてです。

――組んでみて草野選手の印象はいかがでしたか

小山 自分が展開を作っていく中で、しっかり前で駆け引きをしてくれて、取って欲しい時に取ってくれるのでとても頼りになる前衛です。

――コート外でのお互いの印象はいかがですか

草野 普通の練習が終わってからも一緒に自主練したりご飯食べたりするので、コミュニケーションはうまく取れています。歳は2個離れていますけど、仲良くやってますね。私がお姉ちゃんで(小山が)妹です(笑)。

小山 普段からそうやって仲良くしてかわいがって頂いているので、コートの中でもその関係が活きていると思います。

――試合前に先輩の立場から声をかけたりはしますか

草野 試合前も試合中もどうやったら楽にいつも通りできるかなって考えながら、たくさん話すようには心がけています。

――言われた言葉で印象に残っているものはありますか

草野 絶対無いでしょ(笑)!

小山 いやいや(笑)。結構私は試合になるとネガティブになってしまうことがあるので、絵美菜さんの一言で勇気づけられたりすることが多いです。おかげで大学に入ってからは自信を持ってテニスすることができるようになりました!

勝ちへのこだわり

ルーキーの小山に懸かる期待は大きい

――2人で出た初めての団体戦、春季六大学リーグ振り返って

草野 ことしは団体戦に出れるか出れないかっていうギリギリのところにいると思うので、小山も入ったばかりでしたし、最初の団体戦に出れたということは自分たちにとって良い経験になりました。結果としても勝てたので、今後団体戦に出る時に糧になっていくだろうし、良かったなと振り返ってみて思います。

小山 あの時はまだ団体戦の形式すらまともに分かっていなくて…高校での試合の印象と大分違うなと思いました。まあまずはテニスのプレーもそうなんですけど、たくさん頭を使って考えることがあって大変でした。その中でも声を出して元気よくやることだけは心がけました。

――具体的に高校生のテニスと大学生のテニスはどのようなところが異なりましたか

小山 高校では勢いで結構行けちゃうんですけど、大学ではやっぱり考えてプレーしないと簡単には取らせてくれないですね。

――個人戦ではコンスタントに好成績を残してきました、ペアとして完成されてきた手応えはありますか

草野 もともと初めて組んだ時からやりやすくて、試合を終える度にひとつひとつ反省して、もっとここをこうしたら良くなるんじゃないか、というのを話し合って次に臨むことが良かったのかなと思います。いつも試合前はこれなら優勝できるんじゃないかなと思って私はいくんですけど、やっぱり優勝は難しくて。でもだからこそ、もっとこうしようというのが話しながらお互いに出てくるので、常に向上心持ってやれていますね。

――草野選手はシングルスでも好成績を残してきました

草野 あんまりシングルス好きではないんですけどね(笑)。コートに1人は寂しいので。でも上原(由佳、社2=群馬・高崎健康福祉大高崎)と佐々木(聖花、スポ3=群馬・高崎健康福祉大高崎)と同じチームで臨む国体に向けてシングルスをやっていこうかなと思っています。そこの2人がダブルス頑張ってくれるなら私もシングルスにも力入れていこうかな、とは思いますね。東インカレも国体のためにシングルス頑張っていこうかな~と思ってたら、勝てました(笑)。

――六大学リーグ以降は出場機会がありませんでしたが、どのような気持ちでそれ以降の団体戦をご覧になっていましたか

草野 メンバーは出ても負けない人たちだし、それは見ていても安心していられます。いつ行くかは分からないから準備しておいてね、負けたら代えるからと言われるのですが、みんな負けないじゃないですか(笑)。試合には出たいなと思うのですが、応援も一生懸命しなくてはいけないし…難しい立場ですね。もちろん勝ったら嬉しいんですけど、自分が出たいという気持ちもあるので、難しいです。

小山 私も同じ気持ちですね。

草野 でも出たら勝てるなっていうのはいつも思ってます!

小山 …はい(苦笑)。

草野 ちょっと!この子もやればできる子なんです(笑)。

――残り1枠を争う現状ですが、そこに入るための自身の課題はありますか

草野 最近意識しているのは、ラリーになった時に
は2人で1本取れるのですが、そうじゃない時に1人でも点を取りに行けるプレーをしたいと考えています。小山にもそれが出来るようになってほしいとは言っています。どうしても1点が欲しい時に2人で1点だと、まずは繋がないと展開も作れないし、早い段階で1人で点が取れるテニスを要所でできたらもっと楽に勝てるようになるかなとは思います。

小山 後衛が展開を作って前衛に得点してもらうのが自分たちのテニスのパターンになっているのですが、欲しい時に点の取れる後衛になりたいと思っています。

――ワセダということで向かってこられることも多いかと思いますがそういった相手に対する時も課題になってきますか

草野 私たち自身はそんな相手とはあまり当たらないのですが、他の試合でそういう相手とやって負けてしまうことも何度も見てきているので、そういう相手に対してどうやって先に仕掛けていけるかというのを考えて自分たちのテニスをするというのを意識はしています。

小山 向かってくる相手にはそれに対応することを考えるのではなくて、自分たちのテニスをできるように心がけています。

――草野選手は上級生になったことで心境に変化はありましたか

草野  部活終わった後などに行うミーティングなどで自分から発言する場面を増やしていこうと意識はしています。3年生で試合にも出させてもらう機会もある立場で、アンダーにも入っているので、プレーはもちろんそれ以外のことでも責任感を持っていろいろみんなに伝えなくてはいけないなと思います。自分の感覚としては下級生の頃と比べて言う言葉の内容が変化してきたなという実感はあります。あ~上になってきたんだなって思ったりもしますね(笑)。

――メンバーは3年生が主体です

草野  主力の中もそうなんですけど、チーム全体を見ても3年生は22人中9人もいます。だから3年生の雰囲気がチーム全体の雰囲気に影響するなというのは入った時からずっとそう感じていて、同期の中でもそういう話はよくしたりします。ここを意識してやっていかないと、今は良くても自分たちの代になった時に厳しい状況になってしまうと思うので、今はみんなでそういう話をしながら意識高くやって行こうとしています。

――3年生は仲が良さそうな印象を受けます

草野  仲いいですね。ほぼ毎回練習終わったあとご飯行こうー!ってなります。

――4年生はチームにおいてどのような存在ですか

小山  チームを引っ張っていく上で大きな存在で、テニスでもそれ以外の面でもすごいなと尊敬できる部分がたくさんあります。だからワセダは強いんだなと納得できますね。常にチームのことを考えていて、悪いことがあったらすぐ伝えてくれるし、本当にすごい存在です。

草野  小山も言っていたように、ことしのこのチームで勝ちたいという気持ちが4年生からは伝わってきます。3年生が1番長く接してきている分、1人1人全然違うタイプではあるのですがみんながまとまりが出来てきて、この代で勝つという強い気持ちを徐々に感じ取ります。だからその気持ちを受け取って自分たちも頑張りたいと思います。

――現在のチームはどのような雰囲気ですか

草野 オンとオフの切り替えでケジメをつけることを意識してやってきています。たまにゆるくなってしまうときは、お互いに気づいて言い合って、明日から気をつけようとか、午前の雰囲気が悪かったら午後からは気を引き締めてやっています。すぐ反省して改善できるところがいいと思います。その点がしっかりしてるから、雰囲気がすごく良いんだと思います。

小山 インカレが近づいてくるのにつれて、練習中でも隙がなくなってきて、声も出てきているし、頑張ろうという気持ちが言葉がなくても伝わってきています。

草野 全員がテニスに対して一生懸命だし、技術面でも学年の上下関係なく言い合って意見交換できるのがいいんだと思います。良いチームだと思います。

――小山選手はワセダが憧れだとおっしゃっていましたが、他にワセダ入学を決めたきっかけはありますか

小山 高校の先輩である平久保さん(安純、社3=和歌山信愛)がワセダにいて、同じチームとしてもう1回やりたかったからです。高校のときも同じチームだったのですが、自分が試合に負けてしまって、勝たせることができなかったので、もう一度同じチームで戦いたいと思いました。

――やはり憧れの先輩である平久保選手のいる環境に身を置くことで、気が引き締まったりするのでしょうか

草野 絶対そんなこと思ってない(笑)!

一同 (笑)

小山 ちゃんと思ってます(笑)!ワセダには強い選手が沢山いるし、その中でプレーできるのは幸せだと思います。

――小山選手は高校時代でも素晴らしい成績を残されていますが、高校時代の仲間と同じ学校に入ろうと思ったりはしなかったのですか。

小山 ずっとライバルとしてやってきたので、そこまでは思いませんでした。でも会場で会ったりしたときは話します。会えて嬉しいです。

草野 でも試合とかではめっちゃ意識するんですよ。

小山 やりづらいです。

――草野選手は高校時代の仲間と対戦するのはいかがですか。

草野 嬉しいです。この前も東インカレのときに対戦して楽しくて(笑)。その上仲が良かった子だったので、もうジャンケンから勝負でした。

小山  私はやっぱりやりにくいです。でも負けたくないですね。特に同期の笠井(佑樹、日体大)は高校のときからずっとライバルでした。最後に負けてしまったので、大学でやり返したいです。

――ワセダにも和歌山信愛の同期である山本沙奈選手(スポ1=和歌山信愛)もいます

小山 たまたま大学が同じでした。一緒に入学しようと考えていたわけではないですね。

――高校のときと今のワセダでは、練習の雰囲気が違うと思われるのですが、ワセダの練習はいかがですか

小山 高校のときは毎日練習に先生がいて、指示されたようにボールを打って、怒られたりすることもありました。大学では、自分でどうしたらいいのか考えてやらないと、レベルが落ちていくだけなので、そこが違うと思いました。

草野 監督とかに縛られていない分、自分の弱点が練習できるから、その点は良いと思います。

――監督が常にいる訳ではない環境の中、どのようにモチベーションを保ち続けていますか

草野 指導してくれる第三者の目がないことは難しいと思います。自分が何をすべきなのかがわかるので、指導される方が楽だとは思います。でも今は、正解か不正解なのかわからない中で取り組んでみて、試合で初めて自分がやってきたことが正しかったのかどうかがわかる状況です。練習に取り組んでいる過程の中で正解がわからないのは難しいところだと思いますが、お互いに話し合ってヒントを与えながらできる環境はワセダならではだと思います。体育大系はやはり先生がずっとついているとよく聞きますし。

小山 今まで怒られていたことが怒られなくなったので、今まで怒られていた部分でミスしたりすると、今の絶対怒られてるだろうな、とか思ったりします。なのでそういったことを思い出しながら気をつけてやっています。

――1年生が3人しかいなくて仕事が大変などはやはり大変ですか

小山 はい。でも2年生の皆さんが手伝ってくださいます。オンのときは厳しいですけど、オフになったら優しく話しかけてくれます。

――草野選手は教育学部で学んでいますが、将来子どもにテニスを教えたいという希望があるのですか

草野 はい。将来は国語の先生になりたくて。最初に先生になりたいと思ったのは、テニスを教えたいと思ったからです。テニスはもちろんですが、部活の指導もやりたいです。スポーツをやっている人って、人生の指導とかできるじゃないですか。その点を生かして色々な子供たちを育てたいなと思っています。

――小山選手は勉強との両立はいかがですか

小山 な、なんとか…(苦笑)

一同 (笑)

――永井主将の代になってから、ミーティングでは学年隔りなく意見を言うようになり、雰囲気が良いとおっしゃっていましたが、昨年と比べていかがですか。

草野 私が一年生のときは、なかなか上の学年の人に意見を言いにくい雰囲気がありました。でも去年の代から「意見をどんどん言って」と四年生の方が言ってくださったことがきっかけで、学年で一人意見を言う機会ができるようになりました。その習慣はすごく良いなと思います。ディテールが聞けるし、意思疎通ができるから。普通は上が言ったことを下が聞くだけなんですが、上も下が思っていることを言ってもらえること、下の意見が上に聞いてもらえることは信頼関係を築くことにつながります。

「本当にインカレが楽しみ」(草野)

2人の笑いあう姿からは日頃の仲の良さが伺えた

――改めて、インカレが近づくにつれて今どのようなお気持ちで、練習に臨んでいますか

草野 私が1年のとき負けて、昨年勝ったんですけど、昨年の勝てて嬉しかった思い出の方が強くて、だから強く勝ちたいと思います。今年も、このチームなら勝てるんじゃないかって思うし、このチームで勝ちたいと思うので、結構楽しみです。あと2週間もないんですけど、2週間後、どんなこと考えているのかなって楽しみです。

――重圧よりも楽しみが強いのでしょうか

草野 もちろんしんどかった思い出もあるんですけど、それよりも勝って嬉しかった時の方が印象が強くて、もう一回その喜びが味わえるのかなっていうワクワクが大きいです。

――小山選手は初めてのインカレになりますが、インカレについてどんなイメージがありますか

小山 高校の大会とは違うと思います。高校では団体で3冠を取っているので、勝利への思いは他の人より持っていると思います。個人戦も大事ですが、団体を取ることに意味があると思うので、チームの一員として、もう1回日本一になりたいと思います。

――インカレは殲滅(せんめつ)戦ですが、その点に関しては特別な思いはありますか

草野 ワセダはメンバーが揃っているので、殲滅戦の方が楽ですね。勢いでこられると、もしかしたら、という場面がありますが、殲滅戦だったら、「負けてもまだ誰かが頑張ってくれる」と思えます。そう思えると、回してしまったら申し訳ないから頑張ろうって思えます。ことしは東インカレが点取り戦になってしまったので、インカレがこのチーム初めての殲滅戦になるのですが、そこがどうなるかなっていう感じです。

小山 高校では殲滅戦がなかったのですが、他大と比べても負ける気はしません。やっぱりインカレ独特の雰囲気があって、向かってこられるのかなとは思いますが。

――草野選手は意識する選手はいますか

草野 他大では特にはいないです。個人戦では、勝ち進んでいくと同士討ちになりますが、同じ学校の人には負けたくないと思います。

――ワセダの中で意識するペアはいますか。

草野 佐々木はチーム自体は違ったんですけど、地元が同じ小学校からの同期で、全国大会に行くメンバーとかでずっと一緒にやってきたので、一緒に頑張りたい気持ちもありますが、やっぱり負けたくないという思いもあります。でもすごく良い関係です。お互いに何かわからないことがあったら、解決の種を見つけてくれますし、いてくれるから頑張れるっていうのはあります。

――小山選手は憧れの平久保選手と対戦することもこれからあると思いますが、いかがですか

小山 さっきも試合してきたんですけど、やっぱり勝ちたいです。

――同じ後衛として参考にしているところはありますか

小山 同じ指導を受けてきたのですが、やはりサーブとストロークの器用さですね。安定感があります。

――木村(理沙、スポ3=徳島・脇町)・平久保組の印象はいかがですか

草野 やっぱりやる前には、今からやるんだと気合を入れていかないとダメですね。ダブル後衛なのでしんどいです。ラリーが続くし、ダブル後衛なのに攻撃的です。でもそんな中で点を取りに行かなくてはいけないと思うと、頑張らなきゃと思います。

――永井(里佳、スポ4=東京・文化学園大杉並)・上原(社2=群馬・高崎健康福祉大高崎)組や杉脇・佐々木組の印象はいかがですか

草野 杉脇佐々木は、高校の時からずっと組んでるし、ペアとしての完成度がすごく高いので、お互いがどこを取るか、ここに打てばフォロー入ってくれるとか、分かってやってるから、そこをどうやって崩していくか考えてやります。長く組んでるからその分、お互いを分かってやってるなと思います。

小山 隙がないと思います。そう簡単には打たせてくれないし、向こうが考えている以上にこっちも考えなくてはけないので。さすがです。

草野 里佳さんと上原はなんか楽しそうです(笑)。

一同(笑)

草野 なんか永井さんが上原をいじり倒してる。それで上原も反撃してて(笑)。でも試合になってスイッチが入るとしっかりやっているのでさすがだと思います。

――昨年に比べて上原選手が技術的に安定感が増した印象を受けます、同じ前衛の立場から見ていかがですか

草野 上原は小学校の時から一緒に練習とかしてきましたが、もともと結構センスがあると思います。いろいろできるし、私に無いものを結構持っているので、いいなーと思いながらずっと見てきました。でも勝負強いっていうのが一番の持ち味かなと思います。練習で調子が悪くても、試合になったらできたりとか。でもことしの試合あんまり見れてないんですよね、選手の練習に同行しなきゃいけなかったりとかで。

――いつも永井選手は上原選手のことすごく勝負強いと言ってますが

草野 でも里佳さんも強いですよ(笑)!シュートボールガンガン打ってこられると怖い!怖い!ってなりますよ。相手の前衛を殺しにいくんじゃないかって…(笑)。

一同 (笑)

小山 あのペアは自分と比べても舞台慣れしてるというか、どんな相手でも動じずに戦えるので、そこを見習っていきたいと思います。

――主将中心にチーム作りをしてきたと思うのですが、ここは他のチームに負けないぞというポイントはありますか

草野 やっぱり、昨年に優勝しているので、日本一を知っているというのは大きいと思います。昨年もマッチ握られてからの日本一だったので、苦しい状況から手にした日本一を知っているのは大きいと思います。だからこそ、全員が日本一を取りたいと思ってやれてるし、日本一に対する思いはみんな一緒だと思います。

小山 団結力があるところです。勝っている経験が多いと思うから、みんなが勝ち方や戦い方を知っているところです。

――お2人とも、自分自身の強みはどんなところだと思いますか

草野 佐々木はミスが少ないし、大事なところでポイントが取れるところ、上原は自分の周りが堅くて、スマッシュが追えるところが長所だと思うのですが、私は、そこの点では二人に劣ると思うんですけど、相手と勝負できるっていうのは自信を持っているところです。駆け引きして、相手の後衛としっかり勝負して、点取ってっていうところは負けたくないし、絶対負けないと思ってやってます。

小山 自分は競ってきた場面でも我慢強くプレーができるところです。

――ことし一年シーズン通して掲げてきた目標があれば教えてください

草野 団体で日本一もあるんですけど、個人的には個人戦もことしはやってやるという気持ちでやっています。

小山 怖いものはないので、一年生だから向かっていく立場でもあるし、先輩と組ませてもらっている分、勝たせてあげたいし、個人戦でも上位を目指していきたいなと思います。

草野 でも本当にインカレが楽しみなんです。あの雰囲気がすごい好きなんです。

――今話を聞いていて、草野選手を始め女子部の皆さんはメンタルが強いなと感じました

小山中でも里佳さんはやっぱり最強だと思います(笑)。

一同 (笑)

――小山選手はそのような先輩たちから刺激を受け、変わってきたところはありますか

小山 はい。今までは気持ちがダメになったらそれがプレーにも出てきて、さらに弱気になったりしてたんですけど、先輩の姿を見たり実際に言われることによって、強気になれます。

草野 小山はめっちゃネガティブです(笑)。「大丈夫〜?」みたいな(笑)。

一同 (笑)

小山 試合中も励ましてもらってすごい助けられます。

草野 私はポジティブなんですよ。それだけが取り柄です(笑)。

――最後にことしのインカレに向けての意気込みを教えてください

草野個人での目標は2日目に残ることです。私は2年連続初日で負けているので。昨年とかは団体戦の疲れとかもあったのですが、「え?」みたいなところで負けてしまったりしました。でも二日目に残ったらあとは勢いでいけるかなと思います。個人戦は勢いです。団体に関しては、私は昨年インカレの決勝で負けてしまったことが悔しくて。ことしは、絶対決勝で勝つことができて日本一を決められる選手になれるように1年やってきたので、頑張ります。

小山 自分も昨年はインハイの個人戦の決勝で負けたので、状況は違えどことしこそは一生懸命自分のプレーをして勝ちにこだわって頑張りたいです。

――ありがとうございました!

(取材・編集 吉澤奈生、中澤紅里、大島悠輔)

インカレでの活躍を誓って2人で笑顔

◆草野絵美菜(くさの・えみな)(※写真左)

1995年(平7)8月24日生まれ。身長160センチ。群馬・高崎健康福祉大高崎高出身。教育学部2年。普段から笑顔で試合を楽しんでいる姿が印象的な草野選手は、将来は先生になって子どもたちにソフトテニスを教えたいそうです。明るく優しい先生として、子どもたちから慕われている姿が目に浮かびますね!

◆小山舞(こやま・まい)(※写真右)

1998年(平10)3月12日生まれ。身長157センチ、和歌山信愛高出身。スポーツ科学部1年。一生懸命インタビューに答えようとしてくださる姿からはとても真面目な印象を受けました。先輩たちから「負けず嫌い」と称されるだけあって、時折覗かせる内に秘められた闘志は、さすが高校3冠を達成した選手だと感じました!