全日本大学王座決定戦（王座）から中１日空いて始まった早慶戦。男女共に快勝し、全日本大学対抗選手権（インカレ）へ向け弾みをつける結果となった。
男子部の１番手、飯沼鉄雄（教４＝千葉黎明）・小西健人（商３＝東京・早実）組は勝利をおさめ、続いて登場した川村虎大（スポ１＝茨城・土浦第一）・佐藤侑（社４＝東京・早実）組。団体戦初出場で緊張もあったという川村だが、それを感じさせない力強いシュートボールを打ち込み、1年生らしい勢いのあるプレーを見せる。佐藤は序盤点数を決めきれずミスも見られたが、後半から徐々に自分のペースを取り戻し、一進一退の攻防を繰り広げる。ゲームカウント３−３で迎えたその後のゲームも両者譲らない展開だったが、最後は粘り強さを見せ２ゲーム連取し白星を挙げた。実力のある１年生の内本隆文（スポ１＝大阪・上宮）・岩本修太（社１＝大阪・上宮）組や、船水颯人（スポ２＝宮城・東北）・星野慎平（スポ２＝奈良・高田商業）組、高倉悠輔（商３＝東京・早実）・井山裕太郎（基理３＝埼玉・松山）組も順調に勝利を収めた。５番手に登場した１年ペアの高橋圭介（基理１＝埼玉・松山）・田嶋皓介（社１＝長崎・西陵）組は序盤苦しい立ち上がりとなるが、冷静さを取り戻しゲームカウント５−２で勝利した。最後に登場した安藤優作（社２＝岐阜・中京）・松本倫旺（スポ１＝熊本・済々黌）組は大学王座決定戦の決勝で優勝を決められなかった悔しさを味わったペアだ。その悔しさを晴らすかのような強気のプレーをし、ワセダを完全試合で早慶戦３１連勝に導いた。
団体戦初出場ながら、勝利を手にした川村
女子部の１番は木村理沙（スポ３＝徳島・脇町）・平久保安純（社３＝和歌山信愛）組。試合全体を通して木村（理）が決め打ちにされるが動じることなく粘りのプレーで相手に流れを渡さない。平久保は前後左右巧みに相手を揺さぶり得点を重ねる。試合中盤の第５ゲームでは相手のカットサーブに対応しきれず、１ゲーム奪われる。しかし、「切り替えて、最初からという気持ちでやった」（木村）と、次のゲームでは気持ちを新たにし、５−１で勝利を収めた。続いて、永井里佳女子主将（スポ４＝東京・文化学園大杉並）・上原由佳（社２＝群馬・高崎健康福祉大高崎）組が２番に登場。王座でも優勝に貢献したこの組は、早慶戦でも自分たちのプレーを貫き通した。序盤は相手のミスも目立ち、得点を重ねる。しかし、均衡状態が続いた第５ゲームは相手の好プレーなどにもより奪われてしまう。次の第６ゲームは最初に３連続で得点を重ねるが、永井のミスによりデュースにもつれ込む展開に。そこで悪い流れを断ち切ったのは、上原のサイドラインギリギリをつくボレーだった。2人で支え合い、つかみ取った勝利だった。３番は杉脇麻侑子（スポ３＝東京・文化学園大杉並）・佐々木聖花（スポ３＝東京・文化学園大杉並）組。序盤は永井・上原組と同様、相手のミスにより２ゲームを連取する。第３ゲーム以降は長いラリーが続くも、丁寧なプレーでミスを最小限におさめ相手に得点を許さない。終わってみれば５−０。どのゲームも失点を２ポイント以下にとどめ、相手を寄せ付けない試合となった。全体を通して王座優勝の名に恥じることのない圧巻のプレーで慶大を下した。
粘りのテニスを見せる木村理
男子部はルーキーも多く出場して白星をつけ、早大の層の厚さを見せつけた。女子部は相手を圧倒する、自分たちらしいプレーを貫き通した。これから控えるインカレに向け、全員が一丸となって頂点を目指していく。
（記事 栗林桜子、中澤紅里、吉澤奈生 写真 吉澤奈生）
結果
▽男子部
○早大 ７－０ 慶大
○飯沼・小西(健) ５－３ 芳村・芳賀
○川村・佐藤 ５－４ 青山・松野
○内本・岩本 ５－２ 伊藤・野口
○船水・星野 ５－１ 尾崎・松本
○高倉・井山 ５－１ 川崎・竹田
○髙橋・田嶋 ５－２ 栗原・須藤
○安藤（優）・松本 ５－２新保・高柳
▽女子部
○早大 ３－０ 慶大
○木村（理）・平久保 ５－１ 黒見・秋本
○永井・上原 ５－１ 大久保・草野
○杉脇・佐々木 ５－０ 中井・山本
コメント
川村虎大 (スポ１＝茨城・土浦第一）
――今回は自身初の公式戦でしたか
団体戦では初の公式戦で、とても緊張しました。
ーー初めての団体公式戦ということで、試合を振り返ってみていかがですか
最初は調子が良かったのですが、徐々に相手に押されてきていたので、自己評価するならば今日の試合は５０点です。
ーー最後まで相手に食らいついていたように感じたのですが
そうですね。最後まであきらめないという気持ちでプレーしていました。
ーー４年生の先輩と組んでいましたが、声がけやアドバイスなどはありましたか
佐藤さん（侑・社４＝東京・早実）はとても優しい先輩なので、とても声をかけてリードしてくださりましだ。ありがたかったです。
ーー相手にゲームを取られたあとは、切り替えてゲームを取り返していたように感じましたが
やられた分はやり返そうと思っていました。
ーーワセダに入学して、強い上級生の選手が多くいますが、どうですか
今まで憧れていた選手がいる場所なので、そこでやれているということは自分にとっても、大きいことです。ワセダに入って良かったなと感じています。
ーー今日の試合で課題などは見つかりましたか
前衛を攻めて崩した後の試合展開をどうしていくのかというのが課題だと感じました。また、相手から返ってくるボールの処理が上手くできないので、そういったところも改善しなければならないと思いました。
木村理沙（スポ３＝徳島・脇町）
――今日は早慶戦ということで、どんな気持ちで試合に入りましたか
今シーズン最初の方に怪我してしまって、選手としてプレーできないことが多くありました。今日は久々に出させてもらって緊張したんですけど、自分らしいプレーをしようと思って声を出したり、気迫のあるプレーをしようと思ってか入りました。
ーー久しぶりの団体戦ダブルスでしたが振り返ってみていかがですか。
基本的にはうまくいきました。だけど、細かいところでミスをして、ゲームポイントを１本で取りきれなかったので、そのミスを修正していきたいと思います。
ーー試合全体を通して木村選手にボールが集まることが多い印象を受けましたが、その点はどのように対応しましたか。
平久保と組むと自分のところにボールが来るのは前からなので慣れてきました。そこは割り切ってやるようにしています。
ーー相手のカットサーブで得点を与えてしまう場面が見られましたがどのように対応しましたか。
相手の右利きの選手が前に出ているのが見えたので足元の長いところに返そうという意識はありました。
ーー相手のカットサーブによって前に揺さぶられていましたが、その点は振り返ってみてどうですか
両方とも後衛なので前に出されて狙われることは多いんですけど、そこをしのいで前でボレーをする必要があると思いました。
ーー後半、相手に１セットをとられてしまいましたがどのように立て直しましたか
切り替えて、最初からという気持ちでやりました。
――次の試合は東日本インカレになります。意気込みを聞かせてください。
簡単にいかない試合が多いと思うんですけど、ペアと2人でしっかり自分たちらしいテニスができればそんな簡単に負けないと思うので、2人でしっかり頑張りたいと思います。
佐々木聖花（スポ３＝東京・文化学園大杉並）
――今日は早慶戦ということで、どのような気持ちで試合に臨みましたか
大学王座が終わったばっかりで、このままの勢いで戦っていきたいと思い、強い気持ちでいきました。
ーー試合全体を振り返ってみていかかですか
２－０で決まっていましたが、緊張していて全体的に硬いなって思っていました。でもその中でも、来たボールをしっかり止められたので良かったと思います。
ーーセットカウント５－０で相手に流れを渡さないゲームとなりました。
試合が終わってみて５－０だったんですけど、ラリーは長く続くし、お互い攻め合っているのでなかなかポイントさせてくれない中で自分たちからミスせずにポイントにつなげられたので良かったと思います。
ーー話は変わりますが、王座では決勝には出場機会がありませんでしたが、ご自身の試合を通して王座を振り返ってみていかがでしたか。
1日目は２－０で決まっていて神戸松蔭に負けてしまいました。チームが勝っても自分が負けてしまったので気持ち的にはよくありませんでした。いろんなことをやってくる相手に対してすごく勉強になり、インカレに向けてそれを糧にして頑張っていこうと思いました。
ーー今日の試合では王座で出てきた課題を克服してプレーすることはできましたか
王座の時とはサービスが違っていたのでその点はなかなか難しかったのですが、王座ではファーストが入らなかったので、その点では今日は4分の３で入れることができたので少しは改善できたと思います。
ーー早稲田の大将としてプレッシャーは感じていますか
３番というのは大事なところだし、１つ負けると自分たちに勝負がかかってくるのでプレッシャーはかかるんですけど、自分たちが引っ張っていけるように頑張っていきたいと思います。
ーー大将という立場で次回は東日本インカレに臨むことになると思うのですが、次回の試合に向けての意気込みを聞かせてください。
前回も優勝しているので連覇に向けてチーム一丸となって頑張っていきたいと思います。