目指すのは一丸となって戦うチーム

軟式庭球

 ことし最後の団体戦、東西六大学王座決定戦。関西の強豪・関大を相手に二番の永井里佳女子主将(スポ3=東京・文化学園大杉並)・草野絵美菜(教2=群馬・高崎健康福祉大高崎)組が惜しくも敗戦する。新チーム発足後、団体戦を常に全勝で勝ち進んできた女子部は最大の局面を迎えた。3番の杉脇麻侑子(スポ2=東京・文化学園大杉並)・佐々木聖花(スポ2=東京・文化学園大杉並)組がダブル後衛に対し粘りのテニスで一蹴。2015年を勝利で締めくくった。

 先陣を切るのは全日本学生選抜インドアでも優勝を飾った木村理沙(教2=徳島・脇町)・平久保安純(社2=和歌山信愛)組。木村理がストレートラリーにときおりセンターを狙った強打を織り交ぜ、相手後衛を翻弄(ほんろう)。平久保も緩急をつけたショットで相手の疲労を誘う。二人の後衛によって死角をつく陣形で関大を圧倒した。続いて登場した永井・草野組は関大の伸びるカットサーブに苦戦。拙攻に甘んじた返球を前衛に叩き込まれ小手に回る。サービスゲームでは互角の展開を繰り広げ、2ゲーム挽回するも、やはりレシーブゲームで取り切れず悔しい黒星を喫した。

ポイントを奪いガッツポーズをする草野

 「3番はミスせず安定したプレーで勝利をもたらす人が出なきゃいけない立場」(杉脇)。初めての勝負がかかる3番に不安もあったが、自分のプレーには自信を持ちコートに立つ。サウスポーの選手を据えたダブル後衛にコートの端から端まで走らされる杉脇。しかし、言葉通りミスなく丁寧にボールを繋ぐ。その忍耐力のあるテニスに、前衛の佐々木も応え一瞬の隙をつき飛び出しポイントを重ねる。ここ一番の強さを発揮し、関大を1で振り切った。

3番勝負を勝ち切った杉脇・佐々木組

 ことし最後の団体戦も白星で終え、上々の滑り出しを見せている女子部。この冬、力を入れるのは新チームの土台づくりだ。「後輩も先輩もテニス面では気兼ねなく言い合える環境をつくりたい」(杉脇)、「昨年主将と組んだペアで気兼ねなく言い合えたことが好成績につながったので、そのいい関係は新チームでも引き継いでいきたい」(永井)と、選手の一人一人がチームを思って一丸となれる体制を目指す。いまの技術力にさらに磨かれた総合力が加われば、女王・早大に敵はいない。来春、更なる飛躍を遂げた女子部の姿に期待が高まる。

(記事、写真 三佐川唯)

※掲載が遅れてしまい申し訳ありません。

結果

▽女子部

早稲田大学 優勝

早大○ 2-1 関大

木村理・平久保○ 4-2 西岡・賀川

永井・草野 ●2-4 佐々木・岡田

杉脇・佐々木 ○4-1 藤木・内藤

コメント

永井里佳女子主将(スポ3=東京・文化学園大杉並)

――ことし最後の団体戦でした

最後の団体戦でしたが、私と草野は組み始めたばかりということもあり、結果ももちろんですがこれからお互いに合わせていくために勝ち負けを意識しすぎず、内容にもこだわろうと話をしていました。それをチーム内でも話し合ってきたので、結果は負けてしまいましたが内容にはこだわれたと思います。

――ご自身の試合を振り返って

相手のサーブに上手く対処ができませんでした。切れるサーブは上手く返すことができたと思いますが、伸びてくるサーブでレシーブが崩されてしまったので、なかなかチャンスが作り出せずという感じです。サーブでは取れたのですがやはりレシーブになると相手のペースになってしまいましたね。

――いろいろ試したとおっしゃっていました

そうですね、私はいつもシュートボールでコースを絞ってしまうのでミドルを狙うことを意識しました。やはりバックが苦手な選手は多いので、もっと相手の嫌なところをつくテニスがしたいです。これはチーム全体の課題でもありますが、きれいなテニスの勝ち方ではなくて、もっと泥臭くというかもっと相手が嫌がるテニスというのを身につけられたらもう少し強くなれるんじゃないかなと思いました。

――試合後草野選手と話合った点は

後衛同士のラリー展開となった時に、相手前衛に先に出られてしまうことが多くありました。草野は強打の近いところの処理はとてもうまいのですが、ポーチボレーになかなか出ることができないということだったので、失敗してもいいから思い切りやってみようという話をしました。スマッシュも同様に甘く入ったロブは思い切って追ってみようという感じです。

――ことし一年間を振り返って

団体戦はインカレに向けて、自分でもやれるべきことはやってきたつもりでしたが決勝戦で負けてしまいました。その反省を生かしてきょねんよりも練習でも細かな課題を持って取り組めた1年でした。個人では、主将と組んでいて結構プレッシャーに感じたこともあったんですが、先輩後輩関係なく話し合ってきたことで一試合一試合乗り越えたと思っています。それを次の後輩と組む時も遠慮せずお互いに伝えたいことは伝えるよう、コミュニケーションをしっかり取ることを練習でも取り入れていきたいです。

杉脇麻侑子(スポ2=東京・文化学園大杉並)

――ことし最後の団体戦でした。意気込みは

勝たなければいけないという試合でしたが、いつも通りの佐々木と自分のプレーをしようと思っていました。まだまだ中身には課題がありましたが、勝ち切るということができたので良かったです。

――3番勝負は新チームになってから初めてですね

高校時代にもやったことはなかったんです。やはり3番はミスなく安定したプレーでチームに勝利をもたらすという感じですが、自分は強打を思い切り打つタイプではなくどちらかというと、ミスなく攻めるタイプなので合っているなと自信を持って試合に臨みました。緊張は特にしなかったんですけど、カットサーブを取れるかというところに不安はありました。

――ご自身の試合を振り返って

ダブル後衛はやるのは好きだったので、あまり自分が走らされることに苦しさは感じませんでした。逆にやりやすかったなと感じています。

――この冬伸ばしたいところは

サーブの強化です。結構、確率にこだわっていて入らないと次のプレーが不安なので取りあえず入れるというかたちになってしまいます。もう少し攻撃のサーブを磨きたいです。

――ことし一年間を振り返って

きょねんインカレ団体戦2位ということもあって自分もプレッシャーがあるなか、ことしは一年生と組むことになりました。自分よりもペアの上原の方が先輩と組むことになって緊張しているだろうし、やり辛い面もあったと思うので結果は気にせず楽しくやることを意識していました。それで逆にのびのびプレーすることができて、それが結果につながったかなと思っています。

――上原選手に刺激を受けることもありましたか

はい、すごいメンタルが強くて(笑)。すごく堂々としているので、私もしっかりしなきゃ!といつも思っていました(笑)。

――春に向けてどのようなチームにしたいですか

自分たちの代が9人いて多いので、後輩が応援で盛り上げるとかではなく、自分たちが一番盛り上がってチームの雰囲気を良くしていきたいなと思います。また、部活なので上下関係とかは仕事やテニス面でも出てしまうと思いますが、技術面に関しては後輩にもたくさん意見を出してもらえて、みんなが気持ちよくテニスできるようなチームにしていきたいです。