シーズンの開幕戦となる第127回東京六大学リーグ戦が5月2日、3日と二日間にわたって早大所沢テニスコートで開催された。女子部は昨年度、同大会を1-2で敗北した明大にも3-0で快勝。5戦全勝し、インカレ女王の座奪還に向け好スタートを切った。
(記事 三佐川唯)
今季初となる団体戦。1日目は、法大、明大と激突した。1番手には永井里佳(スポ3=東京・文大杉並)・小泉友梨恵女子主将(社4=和歌山信愛)組が登場。早大は序盤から攻めの姿勢を貫く。相手のミスに付け込み第1ゲームを先取すると、小泉のボレーがさえわたった。1番手のつくった流れは2番手、3番手にも伝染。ストレートで法大を下した。2戦目となる明大戦では、2番手を務める小林奈央(スポ4=香川・尽誠学園)・佐々木聖花(スポ2=東京・文大杉並)組が貫録のテニスを見せる。小林がコーナーで鋭く弾むボールで相手を崩し、佐々木も見事なボレーコントロールで応戦。佐々木は4年生とのペアに緊張することもあると言うが「堂々とプレーしたい」(佐々木)と決意を固めたようだ。この日のメンバーのうち、小林、佐々木、加瀬祐佳(スポ4=東京・文大杉並)は日本代表ナショナルチームの合宿に参加。「俊敏性が付いて前に出るのが速くなった」(加瀬)とそれぞれが合宿の成果を発揮した。明大戦も3-0で勝利。優勝への道しるべをつくった。
(記事 和泉智也)
ボレーをコースに決める佐々木
迎えた大会2日目。前日の勢いで完全勝利を手にしたい早大は慶大との戦いに挑んだ。1番手が順調に白星を収め、2番手で登場した杉脇麻侑子(スポ2=東京・文大杉並)・上原由佳(社1=群馬・高崎健康福祉大高崎)ペア。3ゲーム先取し、このまま早大ペースの展開かと思われた。しかし、徐々にミスが増え始め、試合の流れをつくられるとファイナルに持ち込まれてしまう。隙のない相手のプレーに翻弄(ほんろう)され惜敗。「精神的に未熟なところが多かった」とルーキー・上原は戦いを振り返った。しかし迎えた3番手、永井里佳(スポ3=東京・文大杉並)・小泉友梨恵(社4=和歌山信愛)が終始落ち着いたプレーで、ストレート勝ちを果たし早大の威厳を見せ付ける。最終試合では、いずれのペアも持ち味を発揮。立大を寄せ付けないゲームを繰り広げ、圧倒的勝利をものにした。
トップストロークを打ち込む永井
太陽が照り付ける会場の中、笑顔でシーズン最初の大会でタイトルを手に入れた早大。「どちらの相手も向かってきた」(永井)と追われる立場ゆえの苦しみに耐えながら、順調な走りだしを見せた。
(記事 渡部歩美、写真 和泉智也)
結果
▽女子部
優勝
早大○ 3-0 法大
永井・小泉 ○5-0 大門・松本
小林・佐々木 ○5-0 中瀬(法大)・岡崎(東大)
加瀬・草野 ○5-2 菅澤・本間
早大 ○3-0 明大
永井・小泉○ 5-2 齊藤・吉村
小林・佐々木○ 5-1 西永・田島
加瀬・草野○ 5-0 高橋・小谷
早大○ 2-1 慶大
杉脇・上原 ●4-5 増子・熊林
小林・佐々木 ○5-0 大久保・高木
永井・小泉○ 5-2 山本・船津
早大○ 3-0 立大
杉脇・上原 ○5-4 井手・田野倉
小林・佐々木 ○5-4 中山・中田
永井・小泉○ 5-0 加藤・島田
コメント
▽1日目(5月2日)
小泉友梨恵女子主将(社4=和歌山信愛)
――本日(5月2日)を振り返っての感想をお願いします
先週個人戦があって、明大に優勝を取られてしまいました。やはり早大は向かって来られる立場なので、それ以上にこちらから向かっていくという事を意識しました。そこはできたと思います。
――今年度初となる団体戦でしたが、どのような意気込みで臨まれましたか
世代交代してからの目標はずっと一緒で一つ一つの細かい事をしっかりやっていくという事を意識しています。一年生も含めて、一人一人が役割をしっかりと果たす事はできていたと思います。なので、応援なども含めてあしたも継続していきたいと思います。
――ご自身のプレーはいかがでしたか
最近自分のプレーが思うようにできていませんでした。その中での試合という事でしたが、ペアと話し合ってしっかりと打って動くという攻撃的な試合をしたいという事でミスをしたとしても自分たちのやる事をしっかりとやっていこうという事を意識しました。だからこそ結果が付いてきたのかなと思います。
――ボレーの調子はいかがでしたか
きょうはさえていました。
――チームとても全勝でしたがいかがでしたか
普段からペア同士で話し合っていて、課題をしっかりと確認してからそれをつぶそうと言っています。なので、各ペアしっかりと話し合ってから入っていたので、やるべき事が明確だったと思います。だからこそ、取りこぼしがなかったと思います。
――今季キーマンになりそうな選手はいますか
やはり小林奈央(スポ4=香川・尽誠学園)と佐々木聖花(スポ2=東京・文大杉並)ですね。チームの中心としてやってくれるとは思いますが、そういった中心がいて自分たちもしっかりやろうという気持ちになっています。最も、誰かに頼るというよりも部員全員がしっかりとプレーする事が大切だと思うので、全員で団体戦に向かっていきたいと思います。
――あした(5月2日)への意気込みをお願いします
きょうは明大に勝てましたが、あしたの慶大、立大も強豪校です。きょう良い流れをつくる事ができたので、あしたも、応援もプレーも向かっていく事ができるようにしたいと思います。
加瀬祐佳(スポ4=東京・文大杉並)
――本日(5月2日)の総括をお願いします
初戦は体があまり動いていなかったので、普段しないようなミスをしてしまったのですが、二戦目はしっかりと気持ちを切り替えて体も動かせていけたので良かったです。
――プレー面で特に良かった点はありますか
最初から相手に向かっていく事ができました。ボールも深い所に入っていたので良かったと思います。競った時に急ぎすぎず展開する事ができたので良かったです。
――ストロークでかなり攻めている印象を受けました
どちらかと言うとロブが主体でしたが、打てる場面はしっかりと打っていけたので良かったです。
――今年度初となる団体戦でしたが、どのような意気込みで臨まれましたか
初めての団体戦で、今後インカレに向けても大事になってくると思っていたのでどの試合も向かっていこうという事を徹底してできたので良かったです。
――ついに最終学年を迎えましたね
今までは上級生に付いていこうという気持ちでやっていたのですが、ことしは4年生という事で後輩が付いてきてくれるような姿や行動を示していきたいと思っています。
――ナショナルチームの合宿はいかがでしたか
トレーニングがメインでした。なので、そのトレーニングをうまくテニスにつなげられるようにしたいです。
――具体的にはどのような練習をされましたか
打ち方というよりも体幹だったり、ダッシュやステップです。テニスもしますが、俊敏性だとかテニスにつながるような動きを練習しました。そのおかげで前に動くのが速くなったりしているので今後もどんどんやっていきたいと思います。
――あした(5月3日)への意気込みと今後の目標をお願いします
あしたはしっかりときょうのように向かっていって、みんなで全部勝てるように頑張りたいと思います。今季の目標は、インカレ団体優勝です。後は、個人的に世界選手権に出場にするので、そこで金メダルを取る事ができるように練習していきたいと思います。
佐々木聖花(スポ2=東京・文大杉並)
――本日(5月2日)を振り返っての感想をお願いします
新チームになって久々の団体戦でしたが、2年目になってペアの方も4年生なのでことしは大事な年になってくると思っています。試合は落ち着いて入れましたが、一個一個大事なプレーをしなくてはいけない時にミスをしてしまったので、あしたはもっと冷静かつ思い切りプレーしたいと思います。
――プレー面を振り返っていかがですか
抜かれる事もありましたが、それを生かしてここを抜かれたから次は打ってこないだろうとかどんどんプラスに考えていけたら良いかなと思いました。
――小林奈央(スポ4=香川・尽誠学園)選手とのペアはいかがですか
緊張する事もありますがそこで萎縮してミスとかをして悔しい負け方をしたくはないので、堂々とやっていけたら良いなと思います。
――2年目という事で気持ちの変化はありますか
きょねんのインカレで負けて、一番悔しい負け方をしたので、ことしこそインカレを取りたいと思います。
――ナショナルチームの合宿はいかがでしたか
技術もそうですが、体力面を中心にトレーニングをしました。体力面には不安があったので、それを生かして今後の試合につなげていけたらと思います。
――スタミナが課題という事でしたが一番の長所は何ですか
冷静さ、だと思います。(笑)
――あした(5月3日)への意気込みと今後の目標をお願いします
あしたは思い切りやる中でも丁寧さを持ってプレーする事です、今シーズンの目標はチームとしてはインカレで奪還するのと、インカレの個人できょねんは優勝を逃しているのでことしは優勝を目指して頑張りたいと思います。
▽2日目(5月3日)
永井里佳(スポ3=東京・文大杉並)
――優勝おめでとうございます。今季初の団体戦でした。目標や位置づけは
個人戦でうまくいかなくて、課題がたくさん見つかったんですけど、特に受けるテニスというのをしてしまっていたので、この団体戦は向かっていくテニスをしようということを目標にしていました。
――きょうの試合を振り返っていかがですか
きょうは相手に先にリードされていたんですが、先ほど言った目標を常に意識していたので、リードされても落ち着いてプレーできました。
――左右に振られても、粘って強いショットを返す姿が印象的でした
引かないでしっかり後衛と打ち合うという持ち味が出せたので、勝利につながったと思います。
――きょう特に意識したことは
どのボールでも相手に攻められたボールであっても受け身にならずに自分のボールで返球して、逆に相手を押し込むことですね。
――課題として見つかったことは
大事なサーブレシーブのサーブの確率が少し悪かったので、それを調整したいです。
――相手の印象は
どちらもワセダに向かってくるという印象が強かったです。
――次戦への意気込みをお願いします
次は春リーグ(関東学生春季リーグ)なのでインカレで日体大に負けたことをしっかり反省してその思いをリーグ戦でぶつけてしっかり優勝したいです。
上原由佳(社1=群馬・高崎健康福祉大高崎)
――今大会を終えての感想は
初めて1年生として大会に出させていただいて、伝統あるワセダの一員として試合に出れる有難さをすごく実感することができました。
――公式戦初めての出場になったと思いますが、どのような目標を立てて臨みましたか
今大会はチーム優勝、という目標があったので自分たちも全勝に向けてできることをやっていきたいなと思っていました。
――実際に目標達成できましたか
1試合負けてしまって、先輩たちと比べて技術的にも精神的にも自覚が足りなかったのかな、という部分は大きかったです。
――試合の中で緊張しましたか
緊張というものは全くしなくて、試合に出させてもらえることがうれしかったので楽しく試合をすることができました。
――慶大戦では逆転負けというかたちになってしまいましたが
どれだけリードしていても、どのチームも「打倒ワセダ」で向かってくるので、油断せず攻める気持ちだとかうまくいってるプレーを続けることが大切だと実感しました。
――2戦目ではその反省を生かすことができましたか
向かっていくということに関して一度失敗したので、どんな相手にもめげないで向かっていくという部分に関してはうまくいったかなと思います。
――今大会で生じた課題とは
技術面に関しては、いま改善しているところがあるので継続していきたいと考えているのと、あとは精神的に未熟なところが多いのでもう少し先輩たちと同じところに同じ気持ちで立てるように成長していきたいと思います。
――次の大会に向けての意気込みを
次の大会は規模も大きくなってくるので、また出場する機会があれば今度こそ全勝という目標を達成できるように一本一本打っていきたいです。