きょねんの気象条件とは打って変わり、雲一つない青空が広がった白子。絶好のコンディションのなか関東学生春季リーグ戦（リーグ戦）が行われた。女子部は、最終戦で難敵・日体大と対戦。１番手の小林奈央（スポ３＝香川・尽誠学園）・大槻麗主将（スポ４＝広島翔洋）組がタイブレークの末に敗れると、そこから巻き返すことは出来ず。今季、団体戦三冠を目標に掲げて挑んだものの、その初戦となるリーグ戦で優勝にあと一歩届かなかった。
全勝で臨んだ日体大戦。１番手はナショナルチームに属す実力者である小林・大槻組が登場した。ロブの打ち合いとなった１ゲーム目を取った早大はその後も流れに乗る。大槻のコートを縦横無人に駆け巡りながら繰り出すボレーで相手を翻弄。相手後衛の動きからコースを即座に判断し、球筋にラケットを差し出す。更に、チャンスボールを確実に仕留める決定力を武器にポイントを重ねていく。ゲームカウントを３－１として、このまま流れに乗るかと思った第５セット。しかし、早大は１ポイントも取れずに第５セットを落とす。
大槻主将のボレーは大学トップクラス
その後は一進一退の攻防を繰り返し、タイブレークに突入。「秋のリーグ戦も日体大に負けていたので、絶対にリベンジしたかった」（大槻）。その言葉通り、取られても取り返す熱のこもったテニスを見せる。体力が奪われるなか、頼りになったのは両者の異なるサーブだ。小林の相手から逃げる軌道を描くスライスサーブと、大槻のコート中央を射抜く高速サーブは日体大に的を絞らせなかった。しかし、小林のストロークが定まらない。「調子が悪くて、どこに打つか迷った結果。もっと割り切って打てば良かった」（小林）と唇を噛んだ。５－５まで持ち込んだが、「判断ミスがあった」と大槻が悔やんだように最後に粘り切れなかった。１番手が敗れた早大は、２番手のルーキー平久保安純（社１＝和歌山信愛女短大付）も惜敗。３番手加瀬祐佳（スポ３＝東京・文大杉並）・脇田愛（社４＝岡山・就実）組が一矢報いるも、日体大へのリベンジはかなわなかった。
力を出し切れなかった小林
「悔しいということしかない」と声を絞り出した大槻。それでも、最後まで後続の選手たちに声援を送り続けた。試合後、団体戦に出場したメンバーは涙ながらに悔しさをあらわにしたが、それは新たな決意の表れでもある。大槻は、「なんとしてでも全日本大学王座決定戦（王座）では日体大に借りを返します」と、静かにそして力強く話した。主将の悔し涙は多くのチームメイトの心に刻まれたはずだ。悔し涙をうれし涙へ――。約１カ月後に開催される王座こそ、歓喜の輪をつくる。
（記事、写真 和泉智也）
結果
▽女子部
早稲田大学 ○3-0 東京経済大学
小林・大槻 ○5-1 石倉・中西
平久保 ○4-2 中西
加瀬・脇田 ○5-0 大川・鹿島
早稲田大学 ○3-0 東京女子体育大学
小林・大槻 ○5-2 恒益・高杉
平久保 ○4-0 那須
加瀬・脇田 ○5-3 花野・古川
早稲田大学 ○3-0 立教大学
小林・大槻 ○5-2 島田・高坂
平久保 ○4-1 上野
加瀬・脇田 ○5-2 中山・田野倉
早稲田大学 ○2ｰ1 日本女子体育大学
小林･大槻 ○5ｰ1 手塚･三宅
平久保 ○4ｰ3 大月
加瀬･脇田 ●3ｰ5 七尾･石田
早稲田大学 ●1ｰ2 日本体育大学
小林･大槻 ●4ｰ5 奥村･黒木
平久保 ●2ｰ4 中野
加瀬･脇田 ○5ｰ3 植田･佐藤
コメント
大槻麗主将（スポ４＝広島翔洋）
――リーグ戦を総括して
悔しいという事しかありません。
――ご自身の調子は
このリーグ戦に向けて、ピークを合わせてコンディションを作ってこれたので、体の調子はケガもありましたが、うまく調整できたと思っています。
――小林選手とのコンビネーションは
個人戦は違うペアで組んでいましたが、このリーグ戦のなかだけでも話し合って上げていけた思います。二人で一本取ったプレーもありました 。
――カギとなったセットは
３－１リードからの第５セットを簡単にあげてしまったことです。ここで流れが変わってしまいました。ファイナルで５－５になったときの判断ミスも痛かったです。
――主将として、チーム状況はいかがですか
昨年度は、団体を全て取ったりしていたので、みんながプレッシャーに思っていたかもしれません。でも、１年生もたくさん入ってくれたので、元気良くということを意識して、またインカレに向けて、チーム作りはしていきたいと思います。
――カギを握る選手はいますか
一年生の杉脇麻侑子（スポ１＝東京・文大杉並）と佐々木聖花（スポ１＝東京・文大杉並）は、高校時代から実績がありますし、今回メンバーに入った平久保も小林とナショナルチームに入っています。レギュラー陣以外の層の厚さは早大の強みです。
――今季の抱負をお願いします
なんとしてでも、日体大に王座とインカレで借りを返すということだけです。
小林奈央（スポ３＝香川・尽誠学園）
――リーグ戦を総括して
調子が二日間とも良くなかったが、そのなかで決勝戦まで勝ち上がれました。でも、決勝で自分の力を一番発揮できなかったので悔しいです。
――日体大戦で、勝ちきれなかった要因は
ゲームカウント３－１になってからの第５セットで、１ポイントも取れずに相手に取られてしまったので、そこから流れが悪くなってしまった。
――タイブレークはいかがでしたか
調子が悪くて、相手前衛も気になっていて、どこに打とうか迷ってしまいました。もっと割り切っていけば良かったです 。
――王座に向けて、どのように練習していきたいですか
調子が悪いなかでも、勝ちきれるテニスを学んでいきたいです。
――今季の抱負をお願いします
王座とインカレで優勝することです。