最後まで追い詰めたが、白鴎大に惜敗

女子バスケットボール

 いよいよ迎えた関東大学女子リーグ戦(リーグ戦)の最終日。前日と同じように前半は白鴎大に点差をつけられてしまうが、後半は怒涛の追い上げを見せる。第1クオーター(Q)終了時につけられた14点差は、第3Qで追いついた。一進一退の攻防を続けたが、最後は地力の差を見せつけられ、敗戦。しかしながら、最後まで諦めないプレーを見せ、最終戦を終えた。

 第1Qの出だしが不調だった。C中田珠未(スポ4=東京・明星学園)を中心に得点を重ねるが、うまく連携プレーができなかった。その間にファウルを重ねてしまい、この日もファウルが多い試合展開に。F細貝野乃花副将(スポ4=愛媛・聖カタリナ女)と高校時代のチームメイトである白鴎大の軸丸ひかる(4年)が大事な場面でシュートを決め、点差は開く一方だった。第1Qを10ー24で終えた。つづく第2Qはディフェンスから粘りを見せ、自分たちの流れに少しずつ持っていく。前日に決まらなかった細貝のスリーポイントも決まり、いいプレーが見え始めた。

得意のドライブで切り込む中田

 勝負の後半は、F内山未悠主将(社4=愛知・桜花学園)のガッツあるプレーを皮切りに、着々と点数を詰めていく。G船生晴香(スポ3=新潟・開志国際)がスリーポイントを2本決めると、第3Qラスト3分で、48ー50と2点差に。一気に早大のペースに持ち込んだ。そして、C中村美羽(社4=千葉・昭和学院)が確実にシュートを決め、ついに50ー50と同点に追いつく。そのまま逆転したい早大だったが、やはり白鴎大も黙っていない。Cシラ・ソハナ(3年)を中心に攻めたところ、中田がこの試合3回目のファウルをしてしまう。フリースローを沈め、結局4点ビハインドで第3Qを終えた。第4Qも攻守ともに必死なプレーを見せるが、なかなか点差は縮まらない。早大が流れに乗りたいところでいつも白鴎大に流れを引き戻すのは軸丸だった。最後は71ー78で試合を終え、白鴎大に対して悔しい2連敗となった。

チーム全員で戦った早大

 「負けたけど得たものが多い試合になった」(内山主将)。拓大と東京医療保健大に惨敗した早大だったが、きょうの試合はどちらに流れが傾いてもおかしくない試合だった。リーグ戦2位の白鴎大に対して、最後にこのような試合ができたことは全日本大学選手権(インカレ)に向けて好材料となるであろう。今季は5位で終えた早大。10月には6連敗を喫し、悔しいシーズンとなった。しかし、うつむいてはいられない。1ヶ月後に行われる大学バスケの頂点を決める試合・インカレに向けての戦いはもう始まっている。4年生にとって最後の試合は、勝って有終の美を飾りたい。

(記事、写真 瀧上恵利)

※掲載が遅くなり、申し訳ありません

関東大学女子リーグ戦
   1Q 2Q 3Q 4Q 合計

早大

10 19 21 21 71
白鴎大 24 16 14 24 78
◇早大スターティングメンバー◇
F#37 内山未悠主将(社4=愛知・桜花学園)
F#5 細貝野乃花副将(スポ4=愛媛・聖カタリナ女)
C#25 中村美羽(社4=千葉・昭和学院)
C#33 中田珠未(スポ4=東京・明星学園)
G#26 船生晴香(スポ3=新潟・開志国際)
最終結果

5位 7勝7敗

記念写真

個人賞

スリーポイント王 細貝野乃花(スポ4=愛媛・聖カタリナ女)

細貝

コメント

内山未悠主将(社4=愛知・桜花学園)

――リーグ戦最終戦となりましたが、きょうの試合を振り返っていかがですか

ここ2週間の中で、一番負けたけど得たものが多い試合となりました。連敗している中でベンチメンバーやスタッフが支えてくれて、課題を絞り出して40分間最後まで戦おうと思ってきょうの最終戦を迎えました。コートの中で戦っていると、いろんな人の思いが伝わってきて、まだまだこのチームは成長できるなと感じた1試合でした。リーグの結果だけ見ると惨敗しているし納得のいく結果ではありません。でもインカレに向けて自分たちのピークを持っていけたら、まだまだ戦えるんだなと感じました。

――最後の2試合は、本当に気持ちが前面に出ている試合でした。ベンチではどのような声掛けをされていましたか

リバウンドとルーズボールがかぎになると話していました。ベンチからもずっと「リバウンド」という声を掛けてくれていて、タイムアウトの時に戻ったときもみんなが笑顔で送り出してくれました。本当にみんなで戦っているんだと感じることができました。だからこそ、その子たちの思いをコートで表現したかったなという悔しさがあります。

――リーグ戦2ヶ月間戦って見てご自身のプレーを振り返っていかがですか

得点をとるところやドライブをするところなど、求められていることができたことも、できなかったこともありました。でも4年生としてキャプテンとして、それだけではないんだなと感じた大会でした。もちろん得点をとるし、ディフェンスで体を張って守るし、声も掛けるのですが、それ以上にベンチの思いを汲み取ってコートで表現することだったり、見えないところでスタッフさんが動いてくださっていることを伝えたりとか、スタッツに残らないところでもっと自分が考えてみんなの思いを誰よりも表現しないとチームもまとまらないし、バラバラになってしまうと思いました。きっと今年がバスケ人生の最後なので、プレー面でももっと上手くなりたいと思うのですが、それ以上にそういう部分をインカレの中で表現して悔いなく終えたいと思います。

――最後にインカレに向けての目標を教えてください

狙える位置にいると思いますし、インカレは『日本一』を目指して戦います。このリーグが終わってからの1ヶ月は長いようで短い期間なので、準備不足にならないようにあしたから練習を始めていきます。自分たちが技術不足だったところがたくさんあったので、みんなと共有してどうやったら相手に勝てるかを考えて12月9日に全てをぶつけたいです。

細貝野乃花副将(スポ4=愛媛・聖カタリナ女)

――リーグ戦最終戦となりましたが、きょうの試合を振り返っていかがですか

自分たちが2ヶ月が徹底してきたリバウンドやディフェンスを全員で表現することができたと思います。中盤あまり良くなかったところでもみんなで切り替えて立て直すという点においてはコートに出ている人も出ていない人も一体感があって、全員で戦えたかなと思います。

――最後の2試合のご自身のプレーを振り返っていかがですか

(シュートが決まらなくて)ダメだったなとは思うのですが、シュートを打つのが自分の仕事なので…。そこはシュートは入っても入らなくても徹底して続けなきゃいけないと思っています。でもここ最近は自分のリズムでシュートを打たせてもらえませんでした。チームの流れの中でいいところにパスが来なかったり、ディフェンスが打たせたくないのでしっかりアジャストしてきたりして苦しい場面が多かったです。インカレでもしっかりアジャストしてくると思うので、どうやって戦っていくかインカレに向けて考えていくしかないと思っています。

――最後は高校の同級生である軸丸ひかる選手(4年)とマッチアップされていましたが、何か特別な思いはありますか

高校で三年間やってきて、何か気持ちの面で通じているところがあるなと感じますね(笑)。マッチアップしていても楽しかったです。最終的には勝ち負けがついてしまうのですが、それ以上に違うチームだけど同じコートで戦えることに何か意味があるのではないかなと思います。インカレでもう一回戦いたいです。次対戦するときはコテンパンに叩きのめしたいと思います。(笑)

――スリーポイント王に輝きました。今シーズンを振り返っていかがですか

2ヶ月間でシュートタッチの波がありました。正直最後の1ヶ月間はタッチが良かったとは言えませんでしたね。ピークには合わせられなかったです。リーグ戦は長期間だからそこが難しさではあるなと思います。インカレは5連戦になるので、ピークに合わせられるようにしていきたいです。修正できる部分はまだまだあると思いますし、スリーポイントが武器である分、ドライブもいきてくると思うので、もっと強みを生かしていきたいです。そこはあと1ヶ月あるので、頑張ります。

――最後にインカレに向けて目標を教えてください

2ヶ月間リーグ戦は個人的に長かったなと思います。悔しい思いはあるけど、自分たちはまだ試合ができるので、チームみんなの思いや応援してくれている方々への思いを忘れずにしたいです。自分たちが出せる最大の力をインカレに持っていけるように、チーム全員で再スタートしていけたらいいかなと思います。