攻守ともに力を見せつけ、29連覇達成

女子バスケットボール

 早慶戦、この言葉を聞けばどのスポーツでも名物であると分かるだろう。バスケットボールもその例外ではない。そんな早慶の間で繰り広げられる熱い戦いでもあり、歴史のある早慶戦がきょう開催された。ことしも勝利を掴み取り29連覇を果たそうと、早大は初めから全力で臨んだ。早大の攻めに勢いがあることは言うまでもないが、守備に関しても目を見張るものがあった。早大は終始相手に隙を見せることなく99−26で試合を終え、見事29連覇を達成した。

 第1クオーター(Q)開始早々先手を取った早大、C今仲杏奈(スポ3=大阪薫英女学院)による天晴れと言わんばかりの綺麗なフェイダウェイが決まる。先手を取っただけでは終わらないのが早大。直後の守備で24秒ルールにより、相手にシュートチャンスすら許さない硬い守りを見せた。その後の守りでも24秒ルールやダブルチームで相手のパスミスを誘発させカットの連続で観戦する人たちに暇を与えないほど見事に守った第1Qを18−7で終える。メンバーを大幅に変え主に3年生主体の構成となった第2Qでは、もちろん先手を取ったのは早大。さらに開始2分後にF萩尾千尋(スポ3=愛知・桜花学園)による後方へのノールックパスがC林靖子(社3=福井・足羽)に渡りゴール下でのシュートを決めた。流れるような連携で選手が勢いに乗っていることを感じたプレイであった。攻守両方において早大の勢いは止まらず43−14で前半終了。

最後の早慶戦を見事に戦った加藤

 後半になっても早大の攻守にわたる勢いづいたプレイは衰えることはなく、この第3Qで初めて相手に得点を許したのは7分後のことであった。その硬い守りの間攻めも相手を寄せ付けないプレイが続いた。開始2分後にG田村未来(スポ4=愛媛・聖カタリナ女)が相手のパスをカットしバックビハインドでドリブルを切り返し、フェイントを入れレイアップを決め得点した。このプレイでチームはもちろん、観客も勢い付けた。他にもG大西胡桃(スポ2=茨城・水戸第二)が相手の守備とのタイミングをうまく合わせダブルクラッチで得点を決めた。この第3Qで相手に許したのは4点という圧巻なディフェンスで70−18で終える。最終Qの第4Qになっても攻守ともに相手に遅れをとらない、早大の選手の厚みがうかがえた。守りは最終Qにもかかわらずダブルプレイを意識し、カットから得点に結びつける。残り6分半でG高田静(スポ2=山形市立商)が大西にスピードのあるロングパスを通し決まった得点は、見ているものを圧倒させる連携であった。残り3分半、今年の早慶戦が最後になる4年生5人が初めてコートにともに立つ短くも濃い時間であった。G中村和泉(社4=山口・慶進)の3ポイントシュートを始め、山田のダブルクラッチなど最後まで手を緩めない攻めを見せた。100点ゲームにはあと一歩及ばなかったが99−26と快勝を果たした。

持ち前のスピードで得点を奪う砂川

 4年生にとってことしで早慶戦が最後となるため思入れの強い一戦。これを制して連覇を果たせたことでまたさらにチーム間の団結は強くなったことだろう。秋に開催されるリーグ戦では、今試合のような攻守ともに見ているものを圧倒するようなプレイはもちろん、リアウンドやパスカットなどのチームを支える目立たないプレイも期待していいだろう。

(記事 鈴木直人)

第74回早慶定期戦 6月25日(vs慶大)
   1Q 2Q 3Q 4Q 合計

早大

18 25 45 29 99
慶大 26
◇早大スターティングメンバー◇
G#22 田村未来(スポ4=愛媛・聖カタリナ女)
F#10 萩尾千尋(スポ3=愛知・桜花学園)
F#7  加藤臨(スポ4=山形市立商)
C#24 今仲杏奈(スポ3=大阪薫英女学院)
G#17 中村和泉(社4=山口・慶進)

G山田桃子(教4=千葉・幕張総合)

――試合内容を振り返ってみていかがですか

今年の慶応さんは、早稲田のインサイドに対してタブルチームをしかけたりしてきて、初めから気合が違うことがベンチから見ていてもわかりました。早稲田ももちろん全力で、選手は交代しながらですが、出ている時間それぞれの良いところを出していけたんじゃないかと思います

――最後の早慶戦でしたが、特別な思いはありましたか

去年、一昨年と怪我続きで早慶戦に出ることができず、ベンチに座っていただけなので応援に来てくれた友達や両親に申し訳ない気持ちで一杯でした。今年こそは怪我をせず、絶対早慶戦に出て応援してきてくれた周りの人に元気にプレーしている姿を見せて感謝の気持ちを伝えたいと思っていたので、今までで一番思い入れの強い早慶戦でした。

――秋のリーグ戦に向けての目標をお願いします

トーナメント、新人戦で優勝を掴み取ることができなかった雪辱を晴らし、ぶっちぎってリーグ戦優勝を成し遂げたいです。個人的にももっと強くなってチームに貢献したいと思います。

――残り3分で4年生全員がコートに立つ場面がありましたが、どのようなお気持ちでしたか

四年生全員でコートに立って試合をするということはほぼ無いので、この機会をとにかく楽しもうという気持ちでした。普段練習を一緒にやってはいるので、やることはあまり変わらないですが、この仲間と四年生になった今日まで頑張ってきたんだなと考えると短くても貴重な時間だったと思います。

――Gとして自分のチームでの役割はどのように意識していましたか

インサイドを使うことと、ボールの動きを止めないことです。チームとしての取り組みでもあるし、私自身の課題でもあります。後はコートの中でも外でも選手が気持ちよくプレーできるようにたくさん褒めようと思っていました。

G阿部真紀子(スポ4=福島・磐城)

――試合内容を振り返ってみていかがですか

細かい課題はたくさんありましたが、一人ひとり思いきって、楽しんでプレーできたので良かったと思います。

――最後の早慶戦でしたが、特別な思いはありましたか

お世話になっている方や応援してくださる方に、感謝の気持ちも含め、自分が頑張ってきた姿を見せたかったので緊張しました。こんなに大勢の観客と大歓声の中でプレーできるのも人生で最後だと思うので、幸せでした。

――昨年に続いて100点ゲーム手前でしたが、お気持ちはいかがですか

最後は4年生5人で出たこともあり、100点に乗せて終わりたかったです。

――秋のリーグ戦に向けての目標をお願いします

春は本当に悔しい思いをしたので、この夏1日1日を大切にして課題を克服し、リーグ戦はチーム全員で戦って絶対に優勝したいです。

――ダブルプレーにより硬い守りでしたが、その分ファウルが重んだと思います。その点について課題はありますか

ファウルが多いことは春からずっとチームの課題なので、日頃の練習からファウルをしないでプレッシャーをかけることを意識しなければいけないと思います。

――残り3分で4年生全員がコートに立つ場面がありましたが、どのようなお気持ちですか

早慶戦ならではの盛り上がりの中で、このような機会を与えていただき、気持ちが高ぶりました。とても信頼できる同期なので安心感があったし、本当に楽しかったです。