全日本大学選手権(インカレ)2日目、早大はベスト8入りを懸けた試合に臨んだ。相手は東京医療保健大。関東大学女子リーグ戦(リーグ戦)で2部から1部昇格を成し遂げた、いま勢いに乗っているチームだ。試合は序盤に早大が守備からリズムをつかむと、選手たちもそれぞれの持ち味を出したプレーを見せ流れを渡さない。そのまま追いつかれることなくトータルスコア67-51で準々決勝へ駒を進めた。
果敢なドライブからシュートを放つ関根
意地のぶつかり合いとなった一戦。先制点こそ早大が奪うものの、東京医療保健大も譲ることなく試合が進む。開始6分経たずにチームファウルが5つになるなど苦しい時間帯が続くも、終了間際にG本橋菜子(スポ2=東京・明星学園)がスリーポイントシュートを沈めると、続けざまにF関根彩乃(スポ2=千葉・昭和学院)も得点。20-14と6点リードで第1クォーター(Q)を終えた。第2Q、リバウンドをしっかりと取り優位に立つと、要所でG中村和泉(社1=山口・慶進)がスリーポイントシュートを決め追いすがる相手に対して少しずつ点差を離していく。また、G森仁美主将(スポ4=大阪薫英女学院)が「ディフェンスでカバーできた」と振り返るように、きょうの早大はディフェンスで相手の攻撃の芽を摘み取り、そのリズムを攻撃へとつなげた。その後も安定した試合運びを見せると、最後は本橋がブザービーターを披露し、38-27で前半を折り返す。
エンドが変わった後半第3Q,連続得点を取られるも直後に森主将がスリーポイントシュート。傾きかけた流れを引き戻すと、関根が積極的にドライブを仕掛け相手のファールを誘う。終盤にはF本多真美(スポ4=愛知・桜花学園)がバスケットカウントを沈め相手を突き放した。迎えた最終第4Q、リバウンドからC桂葵(社3=愛知・桜花学園)が追加点を挙げると、中村がきょう2本目のスリーポイントシュートを決めるなど効果的に得点を積み重ねてゆく。東京医療保健大も必死の反撃をするが力及ばずにエンドアップ。67-51で2回戦突破を果たした。
中村の武器は決定率の高いスリーポイントシュートだ
きょうの試合では相手のプレーを見極め、しっかりと対応できたことが白星へとつながった。これは一発勝負のトーナメントでは勝利の必須条件だ。次の相手は拓大。リーグ戦では1勝1敗と互角の戦いをしており、優勝を目指す早大にとって最初の山場といえるだろう。だが、ここで立ち止まるわけにはいかない。『王座奪還』に向けチーム一丸となり、頂へと駆け上がる。
(記事 角田望、写真 宮西祐香子)
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インカレ初戦を危なげなく突破/第65回全日本大学選手権(11/20)
第65回全日本大学選手権 | ||||
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早大 | 67 | 20-14 18-13 19-16 10-8 |
51 | 東京医療保健大 |
【スターティングファイブ】 G 本橋 菜子(スポ2=東京・明星学園) G 森 仁美(スポ4=大阪薫英女学院) F 根岸 夢(スポ2=東京成徳大) F 本多 真実(スポ4=愛知・桜花学園) C 桂 葵(社3=愛知・桜花学園) |
結果
○早大67-51東京医療保健大
コメント
G森仁美主将(スポ4=大阪薫英女学院)
――前半はロースコアの展開となりましたが
前半はお互いにディフェンスで踏ん張っていて我慢の時間帯が続いたんですけど、自分たちのオフェンスが重くて、なかなかうまいこと攻めることができなかったですね。そこをディフェンスでカバーできたことが10点差に続いたのかなと思います。
――スリーポイントシュートを決められていましたが、狙っていましたか
ハーフタイムに監督から「力が入りすぎ」とアドバイスをもらったので、思い切って打ったら入りました。
――チームの雰囲気はどうですか
きのうはあまり良くなかったんですけど、きょうは修正することができて、試合に出た人がみんな自分の役割を果たすことができたので、全員で勝ち取った勝利なので雰囲気はすごくいいなと思います。
――あしたにつながる収穫はありましたか
1年生はインカレは初経験なんですが、試合に出た二人とも試合に絡むことができたことは大きな収穫かなと思います。
――拓大戦、どのようなことを注意して臨みたいですか
拓大はすごく粘ってくるチームなので、私たちもルーズボールとかリバウンドとか目の前にあるボールを一生懸命追って、拓大にだけは負けないようにしたいです。
F本多真実(スポ4=愛知・桜花学園)
――きょうの試合を振り返っていかがでしたか
ディフェンスでアジャストしてきた通りにしっかり守れたので、ディフェンスから流れが作れたのかなと思います。
――第1Qはオフェンスが重かった印象を受けたのですが
きのう同様少し重たいところはあったのですが、きょうは意識的にアップから取り組んだので、きのうよりは重くはなかったですが、改善の余地はまだまだありますね。
――ファウルが重なったのもそれが影響したのでしょうか
審判の笛にアジャストしきれてなかったというところが、自分自身もそうですし、全体としてもあったと思います。
――ここ2試合はまだ早大らしいバスケットが40分間継続してできていないと思うのですが
そうですね。まだできてないですね。でも、その中でもここまで勝ち切れているので。ここまでは出だしのところで自分たちらしさが出ていないので、今後は出だしからかっ飛ばしていけるゲーム展開にしていきたいですね。
――あしたからが正念場になると思います。意気込みをお願いします
拓大戦は気持ちの勝負になってくると思うので、リバウンドとかルーズボールといったところからしっかり勝ちたいと思います。
G本橋菜子(スポ2=東京・明星学園)
――きょうの試合を振り返っての感想をお願いします
チームで散々相手にアジャストしてきたんですけど、きのうはそれが全然できなくて。きょうの試合は、ちゃんと練習でアジャストしてきたことをやろうということで、ディフェンスで上手くできていたので、良かったなと思います。
――ディフェンスが良かったということですが、具体的にはどんなところが良かったのですか
相手のプレーは大体決まっていて、それに対してしっかり対応できていたというか、先回りして待っていたところを守れたので、良かったと思います。
――東京医療保健大との対戦は久々でしたが、どんな印象を受けましたか
ピックのところで1番が結構攻めてくるんですけど、アジャストしていると言ってもそこで何回か得点を取られたこともあったので。ピックの使い方とかはうまいと思います。
――ピリオドの終わりに残り時間を使って得点するのは、狙っているプレーなのですか
最後に残り時間が少なくなったときにガードとセンターでピックを使ってやるというのは、決まっています。
――あすの拓大戦に向けて、意気込みをお願いします
もう一回自分たちで整理して、拓大のプレーとかをイメージして。拓大に対しては何回もやってきているので、もう一回整理して、頑張りたいと思います。
F関根彩乃(教2=千葉・昭和学院)
―――きょうの試合を振り返ってみていかがですか
アジャストしてきた通りにディフェンスでやらせないことができて、そこからゲームを組み立てられたので、全体的に良かったと思います。
―――同じ関東の東京医療保健大との対戦でしたが、どういうイメージで試合に臨みましたか
基本的に動きが同じで、アジャストしてそれを守れば大丈夫とオーさん(萩原美樹子ヘッドコーチ、平17二文卒=福島・橘)から言われていたので、練習してきたことをちゃんとやって自分たちのペースを作っていこうとしました。
―――途中出場で流れを引き寄せるプレーをしましたが
肩を負傷していたんですけど復帰して、きのうの試合は消極的になっていたので、きょうは出してもらったら積極的に行こうとしました。
―――積極的にドライブも仕掛けていましたが
最初は怖さがあったんですけど、オーさんに「取れるから」と言われて、背中を押してもらってやってみたらできたので、そこから怖さがなくなって思い切りできました。
―――あしたの拓大戦への意気込みをお願いします
拓大は気持ちの部分がすごく強いので、自分たちも持ってる気持ちをしっかりコートで表現したいです。あときょうはディフェンスがすごく良くて、リバウンドを取れているときは流れがいいので、あしたもしっかりリバウンドを取りたいです。
G中村和泉(社1=山口・慶進)
――きょうの試合を振り返っていかがですか
東京医療保健大はピックが多くてそこを徹底的に練習でやってきたんですけど、きょうはディフェンスの部分でそこが成功していたのがすごいよかったと思います。
――ディフェンスがよかった要因は
こういうシチュエーションになったらこう守る、みたいなことをチームで決めて、それが完璧にできたなって思います。
――良い場面でスリーポイントシュートが決まっていましたが
練習ではいつもシュート打とうか打たないか迷ってしまって、そういうシュートはいつも入ってないので、もらって前があいていたら打とうと思っていたので良かったです。
――きょうは出場時間が多くありましたが意識したことは
相手のガードのドライブが速いのでそこでやられないように、とにかく出たらディフェンスを頑張って、シュートを打てるところで打つことを意識して臨みました。
――次戦は拓大が相手ですが、リーグ戦を通しての拓大の印象は
瀨﨑さん(理奈、拓大)と安間さん(志織、拓大)の二人のガードがゲームコントロールして作っているので、同じガードとしてオフェンスもディフェンスもやられないように、しっかり戦いたいと思います。
――あしたに向けて抱負をお願いします
出るチャンスがあったらしっかりディフェンスでまず粘って、自分のプレーをどんどん出していきたいと思います。