白鴎大にあと一歩及ばず惜敗 チームは大きな成長見せた

男子バスケットボール

 ベンチから「まだいける」と声が上がる。残り2分で12点ビハインド。F星川堅信(スポ3=京都・洛南)がスリーポイントを決めて9点差、G堀陽稀(スポ1=京都・東山)がリバウンドをタップでねじ込んで7点差。最後まで懸命にゴールを狙う。しかし、すぐに白鴎大に決め返され、点差が縮まらない。あと一歩のところまで追い詰めるが、最後は白鴎大に逃げ切られ、惜敗した。

 第1クオーター(Q)はG堀陽稀(スポ1=京都・東山)のバスケットカウントで幕を開ける上々の滑り出しを見せた。高さのある白鴎インサイド陣に対しては、F石坂悠月(スポ2=東京・国学院久我山)がシュートブロックやポストプレーで体をぶつけながらバスケットカウントを奪うなど攻守で奮闘した。白鴎大にオフェンスリバウンドをつながれて流れが悪くなる場面もあったが、堀もリバウンドでシュートを決めて、やり返した。13−15の拮抗(きっこう)した展開で第1Qを終える。第2Qは開始から早大が5連続得点を決め、試合を優位に進めた。白鴎大のゾーンディフェンスに対しても「パスをつなぐ練習はしてきた」(堀)と、危なげなく突破していく。F小野功稀(社2=新潟・開志国際)とG高田和幸(商1=京都・洛南)が終盤に3本のスリーポイントを沈めて引き離そうとするが、白鴎大も2本のスリーポイントを決め返す。32−30と早大がわずか2点リードして前半を終えた。

相手を交わしてシュートを打つ小野

 第3Q開始直後、インサイドを支えてきた石坂が3つ目のファウルでベンチに下がった。白鴎大はこの隙に身長差を突いたリバウンドで逆転するが、すぐに小野の2連続得点で早大が再び逆転する。ここから僅差のリードを奪い合う展開が続いた。両チームとも勝負所で粘り強くディフェンスをして、第3Qは11−11の同点。早大が2点リードを守り抜いて最終第4Qへ。早大は堀のドライブや星川のスリーポイントで得点するが、白鴎大もすぐに決め返し、一進一退で試合が進む。しかし残り5分、石坂がファウルアウトした直後に、白鴎大がスリーポイントを決め、均衡が崩れた。さらに、石坂を欠いたこともあり、白鴎大の留学生選手がゴール下で高さを発揮して、連続で得点を決め、12点差まで開いた。ここから星川のスリーポイントや堀のリバウンドで7点差まで詰め寄る場面もあったが、これ以上の点差を埋めることはできず、敗戦した。

スリーポイントを打つ星川

 「この2試合を通して徐々にリバウンドとディフェンスのところは締まってきて、本当に成長してると実感しています」とG土家大輝(スポ4=福岡大大濠)。残り5分のところまで白鴎大と戦えたことはチームの自信にもつながるはずだ。一方で、堀と土家が話しているように、試合終盤での体力面には課題が残った。次戦は、この週末の3連戦最後の相手・国士舘大と対戦する。ここまで関東大学リーグ戦8連敗の早大にとって、「絶対に落としてはいけない」(土家)試合だ。

(記事 落合俊、写真 権藤彩乃)

第98回関東大学リーグ戦 9月3日(vs白鴎大)
   1Q 2Q 3Q 4Q 合計

早大

13 19 11 15 58
白鴎大 15 15 11 27 68

◇早大スターティングメンバー◇
G#5 堀陽稀(スポ1=京都・東山)

G#7 堀田尚秀(スポ1=京都・東山)

G#12 土家大輝(スポ4=福岡大大濠)

F#13 星川堅信(スポ3=京都・洛南)

F#77 石坂悠月(スポ2=東京・国学院久我山)

コメント

土家大輝(スポ4=福岡大大濠)

――今の思いを聞かせてください

チームとしての課題は明確で、リバウンドのところとディフェンスと自分たちのターンオーバーというところに限ると思います。この2試合を通して徐々にリバウンドとディフェンスのところは締まってきて、本当に成長してると実感しています。とりあえずは、明日の国士舘戦で勝つことです。絶対に落としてはいけないと思うので。もちろん8連敗して苦しい状況ではあるんですけど、ここで1つのチームになって戦わないといけないし、そのための準備を上級生として続けないといけないと思っています。

――前半は良い流れでした。何を話していましたか

とりあえずディフェンスとリバウンドのボックスアウトを徹底するというところです。オフェンスはある程度目を瞑って、点が取れなくてもいいから、ディフェンスにフォーカスしようとしていました。そこは遂行できたのかなと思うんですけど、やはり勝負所の残り5分のところで、体力的にも落ちていく中で徹底しきれなかったのが敗因だと思います。ただ、35分間白鴎大と戦えたのは成長だと思います。

――ハーフタイムではどんな話を

オフェンスは思い切りできていたので、ディフェンスを継続することを話し合っていました。

――後半、白鴎大のディフェンスにパスカットが続く場面がありました。パスの出しづらさなどは

ディフェンスでハードにしつこくやっている分、オフェンスでどうしても足が止まってしまうというのはありました。それが本当に課題で、そこでも点を取るための方法を考えなければいけなくて。今なら堅信のところで点を取らせたい中で、チームとしての共通認識がまだまだ薄いです。堅信にスクリーンをかけるとか、シューター陣にスクリーンをかけて打たせ続けるとかチームの強みを活かす方法を見つけていければ、オフェンスもある程度の完成度で戦っていけるので、そこの共通認識かなと思います。

――白鴎大のゾーンディフェンスに対しては

拓殖も同じようなプレスをしてきて。センターライン付近でごねてしまうと、相手もダブルチームを仕掛けてくるので、そこを早く通過するというのを意識してやっていました。

――先ほど上級生としてというお話がありました。具体的にはどのようにチームに関わっていくと考えていますか

今は僕と神田しかコートに立っていない中で、今日も第3Qで僕がターンオーバーを連発してゲームを壊してしまいました。もちろんそういうプレー面で引っ張るのはそうなんですけど、あとは姿勢や言葉で下級生をモチベートして、残り5分の場面で苦しいけど、もう一踏ん張りさせるというのは、4年生の言葉がけ1つで体現できると思います。それはコートに立っているとかベンチとか関係なく、自分がどの立場でも継続してやっていかないといけないです。

――国士舘大戦に向けて

この2日間を通してやってきたディフェンスとリバウンドのところを徹底できれば、間違いなく勝てる相手です。あとは自分たちが思いっきり、やってきたバスケットを体現すれば勝てると思うので、ゲームの入りからそういう姿勢を全面に出していければと思っています。

堀陽稀(スポ1=京都・東山)

――試合を終えて

4Qの途中までは我慢できていて、いい勝負ができていたので良かったのですが、最後まで我慢できずに、自分たちのターンオーバーで崩れてしまったのが残念だったかなと思います。

――今日の試合はどんな気持ちで臨んでいましたか

あまり考えずに、ただ頑張ろうと思っていました。

――ゾーンディフェンスをやってくる相手でしたが、攻めづらさなどはありましたか

相手がプレスをかけてきたときに、パスをつなぐ練習はしてきたのと、ハーフのゾーンディフェンスはあまりしてこなかったので、大丈夫でした。

――個人としても体格差のある相手とのマッチアップがありましたが、どうでしたか

相手は本当に体が強すぎたので、ウエイトをしていかないといけないと感じました。

――この試合においての個人的な課題は

前半に攻めすぎて、後半はバテてしまい、足が動かなくなってしまったので、長く出場するために体力をつけたいです。

――次戦に向けて

次は絶対勝たないといけない試合だと思うし、今日みたいに我慢して戦えば勝てる相手だと思うので、勝ちたいと思います。