全員野球で辛勝! 勝ち点獲得で優勝に王手/慶大3回戦

準硬式野球
TEAM
早大
慶大
(早)吉田、杉山、髙橋隆、大澤―阿部剛
◇(三塁打)阿部剛(5回裏)

 前日は劇的なサヨナラ勝利を挙げた早大。この日は、勝ち点獲得をかけて慶大との3回戦に臨んだ。中盤までは両校ともに好機を生かせず無得点のまま試合が進行したが、5回に早大が押し出し四球と阿部剛士(社3=神奈川・川和)の2点適時三塁打で3点を先制し、均衡を破る。その後、慶大も2点を返したが、早大が継投で逃げ切り辛勝。勝ち点を獲得し、優勝に王手をかけた。早大準硬式野球部は、26日に行なわれる立大3回戦で勝利すれば2019年秋以来、6季ぶり(2020年春は新型コロナウイルス感染拡大のため中止)の東京六大学リーグ戦優勝が決まる。

 序盤は、両校とも走者を出しながらも、得点につなげることができない。早大は初回、先頭の松永賢三(スポ3=東京・早実)が右前打で出塁する。その後、岡田和也(スポ3=東京・国学院久我山)が四球でつないだものの、4番・春名真平主将(教4=東京・早大学院)が併殺打に倒れて無得点に終わった。続く2回には、1死から久保嶋真也(社3=神奈川・桐蔭学園)の四球と中村文哉(法4=埼玉・早大本庄)の左前打で好機を作ったが、後続が倒れてこの回も無得点。さらに、早大は3回と4回にも先頭打者が出塁したものの、いずれの回も後続が続かず無得点に終わった。

 一方の早大先発・吉田悠平(スポ1=神奈川・川和)も、初回、2回といずれも先頭打者に出塁を許しピンチを招いたものの、要所をしっかりと締め、いずれの回も無失点でしのいだ。吉田は8月に行われた全日本大学選手権・準々決勝の慶大戦で先発し、慶大打線に打ち込まれており、今回の登板ではその借りを返した形になった。吉田の後を受けて3回からマウンドに上がった杉山恵琉(文構1=東京・早実)は、打たせて取る投球で慶大打線を寄せ付けず、2イニングをほぼ完璧に抑え、試合の流れを呼び込んだ。

好投し、試合の流れを呼び込んだ杉山

 試合が動いたのは5回。早大は、好投の杉山に代えて代打に渡邉真之介副将(社4=早稲田佐賀)を送る。すると、渡邉副将はフルカウントから四球を選び出塁に成功する。早大はこれを足がかりに、松永と岡田の安打で1死満塁とすると、4番・春名主将がフルカウントからの際どい球を冷静に見極めて押し出し四球をもぎとり、先制に成功する。なおも続く好機で、5番・阿部剛は初球からスクイズを試みる。しかし、これが空振りとなり三塁走者がタッチアウトに。2死二、三塁となってしまう。それでも、阿部剛は追い込まれてからの3球目を右翼へ弾き返す。相手右翼手が打球の目測を誤り、これが2点適時三塁打に。この回、早大は3点を先制した。

5回、2点適時三塁打を放った阿部剛

 しかし、慶大も粘りを見せる。先制した直後の5回裏、早大は髙橋隆之介(法4=東京・早実)をマウンドに送る。しかし、髙橋隆は先頭打者に四球を与えると、盗塁や内野安打で無死二、三塁のピンチを招く。内野ゴロの間に1点、犠飛で1点の計2点を失った髙橋隆だったが、後続の打者をしっかりと打ち取り、リードを保ったままマウンドを降りた。髙橋隆に代え、早大は7回からエース・大澤龍登(文構3=埼玉・星野)をマウンドに送り、逃げ切りを図る。大澤は、8回、9回と走者を背負ったが後続をしっかりと打ち取る。そして、最後は9回2死一塁の場面で相手走者をけん制球で誘い出してタッチアウトに。前日に続いて慶大に辛勝した早大は、早慶戦で勝ち点を獲得し、優勝に王手をかけた。

(記事、写真 渡邊悠太)

コメント

阿部剛士(社3=神奈川・川和)

――今日の試合を振り返っていかがですか

 先発の吉田(悠平、スポ1=神奈川・川和)が、1回、2回といずれの回も複数のランナーを背負いましたが、要所をしっかりと締めて無失点で抑えてくれたところが、チームとしてエンジンがかかったところかな、と。あとは、バッティングに関しては、相手ピッチャーの日比谷(元樹)が、土曜日に完璧に抑えられた相手だったので、しっかりと対策を練って打ち崩そう、という意気込みをもって試合に入りました。結果としては5回までは点を取れませんでしたが、投手戦かな、と思います。

――走者を背負う場面が続きましたが、そういった場面ではどういったことを考えてリードしていましたか

 できることを確実にやるのが大事になってくると思うので、一つ塁を進まれたとしても一つずつしっかりとアウトを取っていって、最後の最後は粘って粘って、ピッチャーを信頼して守り抜こうということで考えていました。

――今日は継投策でしたが、複数の投手をリードする難しさはありましたか

 何人もピッチャーをつぎ込むということは、調子の良いピッチャーだったり悪いピッチャーだったりがすべて出てくるので、調子が悪いピッチャーを調子が悪いなりにどうやって他のピッチャーにつないでいくか、ということが難しさとしてあります。

――5回には決勝点となる適時三塁打を放ちましたが、どういった意識で打席に入りましたか

 春名さん(春名真平主将、教4=東京・早大学院)が押し出しで1点を取った場面だったので、本当はスクイズを決めて1点を取りたかったのですが、それを失敗してしまったので何がなんでもバットに当ててやろうという気持ちで考えていました。

――結果的には右翼手の頭を越える適時打になりましたが、打った感想はいかがですか

 ライトが目測を誤ったところはありましたが、結果的に決勝点を取ることができたので、それはすごくよかったと思います。

――今季はどういったシーズンになっていますか

 チームの勝利に貢献することができているとは考えています。バッティングについては状態が悪いところもあってあまり貢献できていませんが、できる仕事を一つひとつこなしていくのがキャッチャーの仕事、クリーンアップの仕事だと思うので、そこを意識してやっています。

――26日の立大戦は優勝決定戦になります。意気込みをお願いします

 自分が入部してからまだ優勝したことがないので、絶対に優勝するんだ、という強い気持ちをもって取組んでいるので、絶対に勝とうと考えています。

 ※10月25日10時35分追記 選手のコメントを追加し、本文を加筆しました。