TEAM | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | |||||
高崎健康福祉大 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | |||||||
早大 | 3 | 1 | 1 | 1 | 0 | 3 | 0× | 9 | |||||||
(早)〇大澤、岡田―阿部剛 ◇(二塁打)岡田(4回裏)、塩尻(6回裏)◇(本塁打)塩尻(3回裏1号ソロ)、市川(6回裏1号ソロ) |
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新体制移行から約3カ月。早大準硬は、今年度の初陣となる関東地区大学選手権(関東大会)を迎えた。2回戦からの出場となった早大の初戦の相手は高崎健康福祉大。昨年の全日本出場予選会(全日予選)時には接戦を強いられたが、この日は投打がかみ合う試合となった。打線は1回に幸先よく3点を先制し、その後も着実に得点を追加。投げては昨年の高崎健康福祉大戦で完投した大澤龍登(文構3=埼玉・星野)が6回無失点に抑えると、岡田和也(スポ3=東京・国学院久我山)が7回を締め、コールド勝ち。日本体育大戦との3回戦に進出した。
前日の雨の影響で試合会場と開始時間が急遽変更となったこの試合。早大にとっては慣れ親しんだホーム・東伏見での戦いとなった。試合は初回から早大打線が動きを見せる。四球と相手のエラーで1死一、三塁とすると松永賢三(スポ3=東京・早実)の一ゴロの間に1点を先制。さらに、村上翔祐(商3=東京・早実)と渡邉真之介副将(社4=早稲田佐賀)が安打で続き2点を追加する。相手のミスを見逃さず、初回からリードを確保した。打線はこの後も手を緩めない。2回に犠飛で1点を追加すると、3回には塩尻真生(文2=東京・早実)、6回には市川諒汰郎(社3=早稲田佐賀)が公式戦初となる本塁打。塩尻と市川はさらに適時打も放つなど、打線は6回までに9点を積み重ねた。
3回に特大の公式戦初本塁打を放った塩尻
打線の頑張りに投手陣も応える。昨年の全日予選での完投勝利以来の対戦となった大澤はこの日も相手打線を翻弄(ほんろう)。落ち着いた投球で4回まで無安打に抑えた。5回には先頭打者に初安打を許すと、連打と送りバントで1死一、二塁のピンチを迎える。大量失点につながる恐れもあったが、大澤はここでも動じなかった。「芯を外すことだけを意識」して投球を続けると、久保嶋真也(社3=神奈川・桐蔭学園)の好守もあり、2アウトに。四球を挟んで満塁となったが、相手を3球で追い込むと最後は空振り三振。ピンチをしのぎ、普段は冷静な大澤から思わずガッツポーズが飛び出した。続く6回を三者凡退に抑え、無失点でマウンドを降りると、7回は指名打者制を解除した岡田が登板。安打を許すも、すぐに併殺に仕留め、9-0での完封コールド勝ちを収めた。
5回のピンチを空振り三振で乗り切った大澤
攻守ともに持ち味を存分に発揮した。打線は5回を除き、毎回の得点。つながる打線の中では2本塁打を含む4本の長打も飛び出し、得点を重ねていった。一方の守りでは、投手陣が無失点に抑え続ければ、野手陣は堅実な守備で盛り立てる。「早稲田らしい」全員野球を体現し、関東大会の1回戦、そして今年度の初戦を快勝で飾った。早大は次戦となる16日の3回戦では日本体育大と対戦。勝ち抜いていけば、4回戦、準々決勝、準決勝、決勝へと駒を進めることとなる。関東ナンバーワンを目指す道のりはまだまだ続く。
※記事中の学年は新年度のものです。
(記事、写真 横山勝興)
コメント
春名真平主将(教4=東京・早大学院)
――今日の試合を振り返っていかがですか
初戦ということで選手のみんなも緊張していた中でエラーもなく、ホームランも出て、しっかり早稲田らしい勝ち方ができたのかなと思います。
――チーム全体でどのような気持ちを持って今日の試合に臨みましたか
去年のチームに比べて確立したレギュラーが少ないので、全員で挑んでいくような形で初戦に臨みました。
――特に良かったと感じた部分は
打撃でもちろんホームランが出たことは良かったのですが、特にピッチャー陣が良いので、0点で抑えてエラーもなかったところで良さが出ていたのかなと思います。
――チーム全体の攻撃、守備の調子は
このチームが始まって最初の時期は勝てない試合が続いていましたが、関東大会直前の練習試合あたりで全員がかなり調子を上げてきて、ちょうどこの公式戦に良い状態で来てくれていると思います。
――前日に試合会場と時間が急遽変更となりましたが影響は
普段の練習で使っている東伏見に変更になったので、選手もそこまで焦ることはなかったと思います。第3試合から第2試合に変更になりましたが、普段使い慣れているグラウンドでうまく対応できていたのかなと思います。
――3回戦はどのような試合にしていきたいですか
強い相手になると思うので、今日のように守って打ち勝つことを目指していきたいと思います。
大澤龍登(文構3=埼玉・星野)
――今日の試合を振り返っていかがですか
去年の夏に対戦した時と同じように苦しい展開になるかなと思っていましたが、打者が先に点を取ってくれたので、そこまで苦しい展開もなく投げることができました。大事な初戦でしたがしっかり勝ち切れたので、良かったと思います。
――昨夏に完投勝利を挙げて以来の高崎健康福祉大との対決ということで、特別な意識はありましたか
前回対戦した時と野手は変わっていないという話だったので、嫌なイメージを持たれているのかなと感じていました。それをプラスに捉えて、強気で挑めたと思います。
――結果の面でも今日は5回を除いてノーヒットピッチングとなりました。どのように感じていますか
最初からキャッチャーの阿部(剛士、社3=神奈川・川和)とは配球がすごく合っている自信があって、その中ではっきりボールを投げ切れたので、それがテンポの良いピッチングにつながったと思います。守備に助けてもらったプレーもありましたが、流れをつかんでいく中で、はっきりと投げ切れたことが良かったと思います。
――5回のピンチにはどのような気持ちで臨みましたか
自分の気持ちのギアを上げたこともありますが、守備も良かったので「どこに打たせても捕ってくれる」と思って(バットの)芯を外すことだけを意識しました。打たせて捕りたいという気持ちの中で守備を信用してバッターに向かっていけたと思います。
――ピンチをしのいだ後にはガッツポーズも飛び出していました
意識はしないで勝手に出たガッツポーズでした。あまりガッツポーズを出すタイプではないのですが、あそこでは勝手に出たので珍しかったと思います。
――次戦への意気込みをお願いします
序盤をテンポ良く抑えられたことで今回チームに流れを引き寄せられたと思っているので、次回登板の予定は分かりませんが、自分の中での立ち上がりを意識して少しでも勝利に貢献したいです。
塩尻真生(文2=東京・早実)
――今日の試合を振り返っていかがですか
関東大会の初戦ということもあって緊張感がありましたが、先輩たちも和やかな雰囲気で接してくれていますし、大澤さんもゲームをつくってくれたので、いい形でゲームを進められたと思います。
――今日の試合で意識していたことは
7番ということもあって気負い過ぎず、自分のバッティングができればいいなと思いながら打席に立っていました。
――3回には本塁打を放ちましたが、どのような気持ちで臨んでいましたか
1打席目でうまくやられてしまったので、しっかり強い打球を打ちたいと思っていました。それまでに点数を取れていたので、追加点を取る気持ちで自分のスイングをすることを心がけていました。
――本塁打を放った後にはガッツポーズをされていましたが、その時の心境は
素直にうれしかったですね。1打席目に三振を取られていることもありましたし、自分のバッティングができてうれしかったです。単純にホームランが打てたうれしさもありました。
――最終打席でも二塁打を放って3打数2安打となりましたが、打撃の調子は
ここ最近の練習試合でも調子は上がってきていて、右にも左にも打てているかなと思っています。
――最後に3回戦への意気込みをお願いします
チームの雰囲気もいい感じですし、自分の調子も上がってきているので、自分らしいバッティングをしながらチームに貢献できるようにプレーしていきたいと思います。