鷲田副将の満塁弾！　慶大に連勝／慶大２回戦

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　ここまで３連勝と勢いに乗る早大。この日は、勝ち点獲得が懸かる慶大２回戦に臨んだ。早大は両校無得点で迎えた４回、鷲田拓未副将（スポ４＝神奈川・日大高）の満塁本塁打で４点を先制すると、７回には代打・山浦秀斗（スポ４＝埼玉・早大本庄）の内野安打を足掛かりに追加点を挙げた。先発の高橋隆之介（法３＝東京・早実）は、雨中の投球となったが７回２失点と好投。慶大に連勝し、早慶戦で勝ち点を獲得した。

好投した高橋隆

　この日の早大の先発は高橋隆。「とにかく腕を振ることだけを考えていた」という高橋隆は、３回までは１人の走者も許さない完璧な立ち上がりを見せる。中盤以降は雨脚が強まり、ピンチを招く場面もあったが、テンポの良い投球で慶大打線を相手に７回２失点と好投し、チームに流れをもたらした。

　高橋隆の好投に応えたい打線は４回、１死から川原崚（商４＝東京・早実）が安打を放つと、岡田和也（スポ２＝東京・国学院久我山）が安打、久保嶋真也（社２＝神奈川・桐蔭学園）が四球でつなぎ、１死満塁とする。ここで打席に入ったのは、前日の慶大１回戦でチームの全打点を稼ぐ活躍を見せた鷲田副将。外野フライでも１点が入るこの場面、「『なんとか１点を』ということを考えて打席に入った」という鷲田副将の打球は、左中間への大飛球となる。打球がフェンスを越えると、選手たちが歓喜の声を上げた。先制の満塁本塁打。鷲田副将が前日に引き続いて大仕事をやってのけた。

４回、先制の満塁本塁打を放った鷲田副将

　その後、６回に２点を失い２点差とされて迎えた７回、好投していた高橋隆に代えて山浦が代打に送られる。山浦は起用に応え、内野安打で出塁すると、山浦の代走・吉松武竜（スポ４＝早稲田佐賀）の盗塁、新井健太主将（商４＝東京・早大学院）の犠打で１死三塁の好機を作る。すると、続く渡辺真之介（社３＝早稲田佐賀）の打席で、相手投手が暴投。三塁走者・吉松が生還し、貴重な追加点を挙げた。そして、８回以降は安在悠真副将（人４＝早稲田佐賀）が慶大の反撃を封じ、そのまま試合終了。慶大との対戦成績を２勝とし、勝ち点を獲得した。

７回、内野安打を放ち追加点のきっかけを作った山浦

　「日替わりでヒーロー、活躍する選手が出てきているのは良いチームの証拠」（鷲田副将）。立大戦では久保嶋が、慶大戦では鷲田副将が連勝に大きく貢献した。２人はいずれも下位打線に座っているが、下位打線からでも得点を期待できるところに今年の早大の強みがある。次戦の相手は関東地区大学選手権で敗れた法大。厳しい試合になることが予想されるが、優勝が現実味を帯びてきたいま、絶対に負けられない相手だ。立大、慶大に連勝した勢いそのままに、全員野球で勝利をつかみたい。

（記事、写真　渡邊悠太）

コメント

新井健太主将（商４＝東京・早大学院）

――今日の試合を振り返っていかがですか

　昨日と同じく緊迫したゲームになり、試合に出ている側としてはすごく緊張した、大変な試合だったのですが、やはり鷲田（鷲田拓未副将、スポ４＝神奈川・日大高）の満塁ホームランが大きかったかなと思います。

――雨の中での試合になることが予想されましたが、チームとして気を付ける点などは話していましたか

　ボールが滑るところですとか、足元が滑るところを注意しようという話はしていました。ただ、雨が降ってもいつも通り、同じように野球をするだけなので、そういったところはあまり気にせずにやろう、とは思っていました。

――慶大に連勝となり、優勝も見えてきましたが、そちらについてはいかがですか

　立大、慶大と、連続で２連勝することができ、良い流れできているかなとは思いますが、次が法大ということで、（法大は）関東大会（関東地区大学選手権）で負けている相手でもありますし、力のある相手なので、気を緩めずに「早稲田の野球」をして勝てるようにしていきたいと思っています。

――法大戦まで１週間ありますが、チームとしてどういった調整をしていきたいですか

　特に大きく変えることはなく、来週、自分たちの持っている力を最大限に発揮できるようにコンディションを良くしていきたいと思います。

――法大戦の意気込みをお願いします

　次のカードで勝ち点を取れると優勝も見えてくると思うので、まずは土曜日の法大１回戦に照準を合わせて準備をしていきたいと思います。

鷲田拓未副将（スポ４＝神奈川・日大高）

――今日の試合を振り返っていかがですか

　今日の先発は高橋隆之介（法３＝東京・早実）でしたが、昨日の大沢（龍登、文構２＝埼玉・星野）に引き続いて良く投げてくれましたし、それに伴ってディフェンスも内、外野ともに非常に良くやってくれたので、雰囲気含め、基本的には自分たちのやりたいように、僕らのペースで、終始野球ができたのかなと思います。

――鷲田副将自身は昨日も活躍され、今日に向けて気持ちを切り替えることが難しかったかと思います。気持ちは切り替えられましたか

　１試合１試合やっていくだけなので、前の試合うんぬんというよりは、相手投手も変わってくるので、対ピッチャーでどういうふうに打っていくかということを考えているところではあるので、１試合１試合、１打席１打席という気持ちでやっています。

――４回の打席は１死満塁と先制のチャンスでしたが、どういった気持ちで打席に向かいましたか

　本当にみんなチャンスで僕のところに回してくれるので（笑）。（２回の）１打席目も同じようなチャンスの場面だったのですが潰してしまって点は取れていなかったのですが、４回の場面ではしっかりと外野まで飛ばせば犠牲フライで１点という場面だったので、それほど気負いすぎずに、「なんとか１点を」ということは考えて打席に入りました。

――４回の満塁本塁打の感想はいかがですか

　「抜けるかな」とは思いましたが、入るかどうかは分からなかったので、打球が入ってくれて、４点取ることができ、いつもああいったチャンスの場面で打順を回してくれて、僕がずっと潰してきて悔しい思いもしてきたので、最高のかたちで点を取ることができて、みんなに迎え入れてもらうのは本当に気分が良いな、と思いました。

――次週の対戦相手の法大は関東地区大学選手権（関東大会）でも対戦していますが、法大はどういったチームだと見ていますか

　正直、個々人の力はリーグ（東京六大学リーグ）の中なら頭一つ抜けているのかな、というのは実際に関東大会で対戦して感じていることではありますし、個人の技量としてもワンランク、ツーランク上の相手になりますし、１２０パーセントの力を出して勝てるかどうか、という相手なので、厳しい相手だとは思っています。

――法大戦への意気込みをお願いします

　立大戦、慶大戦と４連勝でチームの雰囲気も良いですし、日替わりでヒーロー、活躍する選手が出てきているのは良いチームの証拠だと思いますし、リーグを通じて、チームが成長できているなというのは肌で感じているので、この勢いをそのままに、法大戦でもぶつかっていければ、と思います。

高橋隆之介（法３＝東京・早実）

――今日の試合を振り返っていかがですか

　慶大に２連勝しなければならない、というところで自分が試合を作れたのは良かったと思います。

――好投した立大戦からどういった調整をしてきましたか

　中１週空いたので、そこで身体をリフレッシュして、平日の練習で調整をしました。

――雨が降っていましたが、どういったことを意識して投げていましたか

　試合中盤まではグラウンド状態は大丈夫だったので、とにかく腕を振ることだけを考えていました。６回、７回になったときには足元が緩くなってきたので、そこで球が浮いて打たれてしまったかなと思います。

――立ち上がり、３回までは完全、５回までは無安打でしたが、立ち上がりについてはいかがですか

　先日と同じ回答にはなりますが、後ろに安在さん（安在悠真副将、人４＝早稲田佐賀）がいるので、自分の全力で行けるところまで、ということだけを考えていました。

――６回、２点を失いましたが、２点で相手の攻撃を切れた要因はいかがですか

　守っている野手からの声やベンチからの声があり、強い気持ちを持たせてくれました。

――次週の法大戦が優勝へ向けてのヤマ場になると思います。意気込みをお願いします

　関東大会（関東地区大学選手権）で法大には１度敗れていますが、できるなら２連勝で、（第１戦で先発した）大沢（龍登、文構２＝埼玉・星野）と自分で勝ち星を２つ挙げたいと思います。