【連載】第71回全日本大学選手権直前特集『夢舞台』第2回 加藤大×鈴木涼馬×関大輝

準硬式野球

 今回は、加藤大(人4=大分上野丘)、鈴木涼馬(商4=東京・早実)、関大輝(基理2=茨城・江戸川学園取手)の外野手仲良し三人が登場。全日本大学選手権(全日)への思いを語る。打線のキーとなる三人の活躍が、チームに与える影響は大きい。好成績を残し、夢の全国制覇なるか!

※この取材は8月1日に行われたものです。

「立ち直れなかったです(笑)」(関)

勉強を教えるのが好きだという関

――東京六大学春季リーグ戦(春季リーグ戦)の振り返りからお伺いします。リーグ連覇を懸けて戦った最終カードの法大戦について振り返っていかがでしょうか

鈴木 2連勝で優勝という状況でした。自分たちとしては、挑戦者というか、攻めるしかない、という思いで臨んだ結果があのようなかたち(優勝)という結果になりました。今振り返ると、いい雰囲気だったと思います。

――法大1回戦は、6回まで得点ができず、その後も1点差の展開が続くなど苦しい戦いだったと思いますが

鈴木  結構苦しい展開でしたが、正直負ける気はしていませんでした。ビハインドでも、いける気が自分個人としてはしていました。

加藤  むしろ想像通りの試合で。(相手先発が好投手の)西村(勇輝、2年)だったので、勝って3-2、2-1だろうなと思っていました。どうせビハインドで、ワンチャンスなのだろうと思っていて、想像通りの試合だったので。りょま(鈴木涼馬、以下略)が言っていた通り、負ける気がしなかったというか、そんなに慌てることなく。負けたら仕方ないくらいの思いだったので、あまり気負ってはいなかったと思います。

  たしかに、耐えるしかない感じでしたよね。とりあえず耐えて、チャンスを待つという。

――優勝が決まり、全日本出場予選会があったと思います。1次トーナメントでは、東洋大に1点差で敗北を喫しました。あの試合の後のチームの雰囲気はいかがでしたか

鈴木  正直力負けというか。完全に打てなかったという試合でした。なので、雰囲気が悪くなるというよりは、次に向けて、という感じでしたね。

加藤  特に後悔なく。力負けだな(笑)、という感じだったので。もう開き直って頑張れたかな、と思います。

鈴木  どうですか、関くん(笑)。(この試合は、関のタイムリー失策が決勝点となってしまった)

  これはもう…。落ち込むに落ち込みました(笑)。

加藤、鈴木  (笑)。

  人生のどん底みたいな感じでしたね…。自分のエラーで負けたので。

――すぐに2次トーナメントがありましたが、立ち直るきっかけなどはありましたか

  立ち直れなかったです(笑)。

加藤、鈴木  (笑)。

――立ち直ることのできないまま2次トーナメントに臨んだということでしょうか

  いや、でも、試合の前は切り替えていこうと思って。自分としては、あの東洋戦は、自分のエラーもありましたが、それよりも打てなかったことが後悔したポイントでした。エラーは置いておいて、打とうと思いました(笑)。

――2次トーナメントの自治医科大戦では、劣勢の展開で試合が進んでいきました。負けたら全日には行けないという状況での試合でしたが、その時のベンチの雰囲気などはいかがでしたか

鈴木  トーナメントで、1回負けたら終わりで。勝つしかありませんでした。その日はメンバーに1年生の鷲田(拓未、スポ1=東京・日大高)が入っていて、結構フレッシュというか新しい気持ちで試合に臨みました。

加藤  初回先制されて、個人的には結構ビビッてしまって。なめていた訳ではありませんが、次戦を見ての試合だった中で、あのような展開になって。「これで終わるのかなー」と思うと少しビビッてしまって。正直少し浮いたような感じでした。あの試合は途中交代をこの春初めて経験して。最後の最後でビビッてしまったかな、というのが今の反省です。めっちゃ代わってね。それこそ幸汰(高山幸汰、商3=佐賀西)とか篠(原大成、教2=大阪・早稲田摂陵)とかね。後輩たちが本当によくやってくれたというのが、感謝しているところですね。

  自分はその試合からDHだったので、ベンチにいたのですが、ベンチの雰囲気は最悪でした(笑)。

鈴木  確かに(笑)。

  もうやばい、という感じでした。その中でも、チャンスの時には盛り上がることができたのが、逆転することのできた要因だったと思います。

――勝てば全日出場の決まる専修大戦では、大勝することができました

鈴木  そうですね。自治医科からの1週間で、(前の試合で)やはり打てなかったので、バッティングの練習をしてきました。それが結果に結び付いたと思います。

加藤  そうですね。よく分からないのですが、チームの雰囲気的にも自治医科であのようになって引き締まった中で、法政の2戦目と同じような「失うものは何もないから頑張ろう」という雰囲気をつくることができました。りょまが言ったように、練習とかもそうですが、そういった雰囲気の中で臨めたことが大きいと思います。

  自分はその試合からスタメンを外れて…(笑)。でも、去年の清瀬(清瀬杯全日本大学選抜大会)でも途中からスタメンを外されて、一人だけずっと落ち込んでいたので、そういうことはないように。自分なりに切り替えて臨みました。

――この一年で成長できた点ということですね

  そうですね。成長できました(笑)。めちゃめちゃ落ち込んでいましたけど(笑)。酷かったですよね、前日。ライン見て。

加藤  まぁ、しゃーない(笑)。

鈴木  そうなるよ(笑)。

  外すんだーと思いながら(笑)。たしかにリーグ戦で頑張っていただけに、悔しい思いはしました。打席は何も覚えていないくらい体は硬かったです(笑)。

加藤  でも打ったよね、レフトに。

  打ちました。

鈴木  泣いてたもんな。

  りょまさんが悪いんですよあれは(笑)。

――関選手は、下級生ながらレギュラーとして活躍されています。そのことについてはどのように感じられていますか

  そうですね、去年から出していただいている分、後輩ではありますが、チームに貢献しなくてはと思っています。また、クリーンアップを打たせていただいているので、自分のバッティングで勝利に導くことができたらと思っています。先輩方が優しいので、そんなに後輩感を出さなくてもよくて。いい環境でやらせていただいているので、そこは伸び伸びと(やらせてもらっています)。去年から出していただいているので、ちゃんと引っ張っていかなければいけないなと思いながらやっています。

――同じ2年生には、主力として活躍されている方も多くいます。それについてはいかがでしょうか

  須能(浩太郎、商2=東京・早実)であったり、渡部(椋雅、商2=神奈川・桐光学園)であったり、チームの中心となっている選手が多いので、素直にうれしいです。

――ご自身の守備面についてはどのように感じられていますか

  痛いところですね(笑)。リーグ戦では、エラーっぽいものが全部ヒットになってくれて(笑)。なので、少しモチベーションはあったのですが、最後の最後でやってしまったな、と思います。

鈴木  いいところでね(笑)。

  そうですね。大事なところで。

加藤  でも、それも含めて出しているので。大丈夫大丈夫。

――鈴木選手にとっては、初めてレギュラーとして過ごしたシーズンだったと思いますが

鈴木  正直、開幕前に思い描いていたような活躍はできませんでした。個人としてはそうでしたが、チームとしては優勝することができたので、そこは良かったと思います。

――法大戦前の対談でご自身もお話しされていたように、今季は打撃があまり振るいませんでした

鈴木  それはもう結果として出てしまっていたので、もう仕方ないと思って。守備も頑張ろう、と思ってやっていました。守備はある程度良かったので、良かったと思います。

――中軸を任されることも多かったと思いますが、長打へのこだわりはありますか

鈴木  そうですね、自分のアピールポイントは長打だと思っているので。それがこのリーグ戦では1本くらいしか出せなかったので、これからの自分に期待したいです。

――以前肩を痛めていたというお話しを伺いましたが、肩に不安があるのでしょうか

鈴木  高校からずっと痛くて。大学から3年間ずっと投げていなかったので。今も練習では投げていないのですが、試合に出ればやるしかないので。

――そんな中でも、他の選手から安定した守備が魅力だといわれていますが

鈴木  棚から牡丹餅というか(笑)。思っていたキャラではないかたちで貢献できているかなと思います。

――加藤選手は、今季野手に再転向されて臨んだシーズンでした

加藤  僕は3年春など、シーズンを通したという経験があったので、去年よりは落ち着いて試合に臨むことができたと思います。緊張はありましたが、去年とは違い準備をしっかりすることができたと思います。

――精神的に成長されたということですね

加藤  そうですねー(笑)。

鈴木  してないです(笑)。

一同  (笑)。

――去年の秋は苦しいシーズンだったと思いますが

加藤  でも、元々けがをしてピッチャーに挑戦したということだったので。仕方なかったのかなと思います。自分の中でも、あのようになった以上は自分のけがの治療などにまわして、あとは応援をする、というかたちでした。自分としては、ピッチャーはチャレンジだったので、仕方ないかなというくらいで(笑)。治療に専念しました。

――昨秋、試合に出られない時間で成長できた部分はありますか

加藤  自分個人としては、野手とピッチャーというのは、気持ちの面ではそんなに変わっていなくて。どのようにしてチームに貢献するかという手段であり、方法の違いなので。精神的には少し余裕を持ってできるようになったということは、プレーにも変化が出ていると思います。視野が広がったりだとか。そういう面で、精神的にも技能としても少しずつ上がってきているのかなと感じています。

――昨年けがをしていた部分への不安などは、今季ありましたか

加藤  今季というか、復帰した直後の年末付近はありました。うまく振れなかったりだとか。合宿付近から良くなったと思っていたら、けがをしてしまったりという感じだったので。不安はありましたが、試合に出ているので。そこは不安に感じるというよりは、準備の面で、しっかりとケアするだとか、人より長めにアップをするなど、ケアするということにより慎重になりましたね。

――加藤選手は守備範囲の広さが魅力の選手だと思います。その点についてはいかがですか

加藤  魅力というか、そこ(守備でのミス)は絶対にやってはいけないポイントだと思っているので。春もノーエラーでいけたということは大きかったと思います。それこそ、ライトの関が(守備力に)少し不安がある中で守っていて、それをカバーすることも僕の役目だと思っていて。そういう意味では、りょまがしっかり守ってくれたことは大きいですね。りょまも僕らとしては分からない状況の中、リーグ戦に入りました。その中で、あそこまでやってくれたことは、僕の負担的にも非常に軽くなりました。ほんとに助かりましたね。

――外野手全体についてお伺いします。皆さんはどのような雰囲気で練習されていますか

鈴木  雰囲気ですか(笑)。楽しいよね。

加藤  めちゃめちゃ楽しい(笑)。

  楽しいです(笑)。

加藤  一番明るいんじゃないかな。外野は唯一幹部がいなくて。良くも悪くも一番元気にやっているんじゃないかな(笑)。

  AもBも別れないので。

加藤  夏とかは別れるのですが、ノックなどは一緒に練習するので。雰囲気良くやれているかなと思っていますね。

――外野手リーダーはいらっしゃいますか

加藤  俺。あとは、竹下(直輝、スポ4=東京・小山台)がやっているかな。

――外野手リーダーとして気を付けていることは

加藤  人数が多いので。外野手リーダーだからといって俺らが全て評価するわけではないのですが、外野のメンバーにはできるだけ上に来てほしいという気持ちが他のメンバーよりはあります。そういう気持ちもあって、時には厳しく言うこともありますし、頑張ってほしいときには頑張ってほしいという気持ちがあります。何に注意しているというわけでもないのですが、僕的には、より愛情を持ってできているかなと。それは僕だけではなく、4年生はみんな思っていることだと思います。特に外野は人数も少ないので、たくさん話して、雰囲気良くやっているかなと思います。

――同じ外野手の中で、今後伸びそうな選手はどなたでしょうか

鈴木  結構下級生はみんなうまいですね。僕たちが1、2年生のころよりうまいと感じています。その中でも自分個人としては、岡島(辰義、政経2=東京・国際基督教大高)ですね。守備もうまいですし、体は小さいですが、身体能力は高いなと感じています。

加藤  俺はリーダー的なポジションだから、あんまり誰とは言いたくないんだけど・・・(笑)。ほんとにみんなうまくて。ちゃんと練習を頑張っていて、それこそ3年でも出ていない選手には期待していますし、1、2年生でも鷲田みたいに出てくる選手もいるので。そういう選手がもっとどんどん出てくれば俺らも脅かされてチームも上がってくるかなと思います。俺は名前はいいかな(笑)。

  自分は同期だったら高岸(知輝、文構2=埼玉・早大本庄)ですね。ポテンシャルは同期の外野手の中では一番あると思います。全然真面目にやればAに来られるのではないかな、という(笑)。

加藤、鈴木 (笑)。

  それくらいの能力があると思います。あいつが自分たちの代では出てくると思うので、期待したいですね。1年生だったら、和田(耕太朗、政経1=東京・東葛飾)というバッティングがいい選手ですね。期待しています。

――話が出てしまったのですが、注目の1年生はいますか

加藤  鷲田とか、注目とかじゃないもんな。

鈴木  もうね。すでに(笑)。

一同  (笑)。

  自分からいきます! 自分は後輩なので、渋谷(隆太、商1=茨城・江戸川学園取手)に期待したいと思います。

鈴木  あー。

  ピッチャーです。

鈴木  いいなぁ。

加藤  せこいなぁ。

  (笑)。

  新人戦(木村杯新人戦)で投げたのですが、自らマウンドを降りてしまったということがあったので、早くけがを治して、秋リーグ(秋季リーグ戦)で(ベンチに)入って来てくれればな、と思います。

――関選手が準硬式野球部に誘ったのでしょうか

  そうですね、誘いました。自分たちの代からエースでした。あいつのおかげで勝てていた部分も大きかったので。

――プライベートでも交流はありますか

  めちゃめちゃ仲がいいです。高校の時からずっと一緒にいました。めちゃめちゃ仲いいです。たぶん(笑)。

一同  (笑)。

鈴木  和田かなぁ。

  和田いいですよね、やっぱり。

鈴木  和田っていう1年生の外野手がいて。守備もうまいですし、体も大きいです。あと、性格も可愛いというか(笑)。後輩として可愛い感じですね。注目ですね。

加藤  ・・・。あいつだ。注目は山浦(秀人、スポ1=埼玉・早大本庄)。

鈴木、関  あー。

加藤  なんか、プレーというよりは、すごく声を出していたりだとか。今は1年生はプレーというよりは、(練習の)準備などの(をする) 段階で。すごくテキパキと頑張ってくれています。あのような選手は今ではなくても、学年が上がっていった時に、プレーだけではなく、精神的な部分でも支えてくれそうだなと思います。

――関選手は、大学入学後初めての後輩だと思います。先輩となったことで心境の変化などはありましたか

  心境は・・・。

加藤  ないだろ(笑)。

  まだまだ後輩という感じですね(笑)。

一同  (笑)。

  (後輩感が)全然抜けないですね(笑)。あ、でも、今の4年生が引退したら、その時はちょっとは自覚が出てくるかなと思います(笑)。上級生になったら。今は甘えっきりなので(笑)。

「僕は意外と神経質」(加藤)

幼稚園の頃はサッカー少年だった加藤

――まず、皆さんが野球を始めたきっかけを教えてください

加藤 いつもは母校が甲子園に出ているのを見たのがきっかけと話すのですが、(実際は)幼稚園の時に通っていたサッカースクールをやめ、始めたのが野球でした。チームに入ったのは小2で、あまり記憶はないです。気づいたら始めていた感じでした。

 小さい頃から野球ゲ-ムをしていて、その流れで小学校1年生の時にリトルリ-グに入り、小学校2年生の時に少年野球を始めました。

鈴木 小学校3年生の時に斎藤佑樹さん(平23教卒=現北海道日本ハムファイターズ)が甲子園の決勝戦で登板している姿を見たのがきっかけです。その試合を見て野球をやってみたいと思って始めました。

――鈴木選手が早実高に入学したのもそれがきっかけですか

鈴木 そうですね。その試合がきっかけです。

――皆さんが準硬式野球部に入部したきっかけを教えてください

鈴木 まず、高校の先輩が多いことです。あとはみんなが部活と勉強をある程度両立させていることですね。

加藤 実は僕の先輩も結構この部に入っていました。それに、野球を続けながらも大学生活を楽しむことができるなと思って入部を決めました。

 最初硬式野球部にいたのですが、(基幹)理工学部の授業と両立が難しかったために続けることができませんでした。その時に高校の先輩に準硬式野球部があることを聞いて、入部を決めました。

――今までの野球人生で記憶に残っている選手や試合はありますか

 今、慶応大学(硬式野球部)でプレーしている木澤選手(尚文、3年)とは小学校の時の大会の決勝でよく対戦していました。小学生の頃から背が高くて、憧れていました。すごいピッチャ-だなと思っていましたね。

加藤 印象に残っている試合は高校3年生の大会ですね。第4試合だったのですが、雨で流れて開始が18時くらいになったんです。しかもその試合が延長戦になって、終わったのは21時くらいになりました。授業が終わった人たちも試合を見に来てくれて、僕の中では印象に残っている試合です。

鈴木 僕は高校3年生の夏にあった西東京予選の決勝戦が印象的ですね。(早実高が終盤に大逆転し、東海大菅生高を破り甲子園への切符を手にした試合)

――大学で好きな授業はありますか

鈴木 商学部の授業は実践的なものが多くてどれも楽しいです。マ-ケティングであったり会計であったり、全部の授業が面白いと思うな。ぜひ商学部の授業を取ってみてほしい。

加藤 なにその、「商学部なので」みたいな。

鈴木 やっぱり商学部は実践的なんですよ(笑)。

――鈴木選手はどのようなゼミに入られているのですか

鈴木 僕はマ-ケティングのゼミに入っています。

――ゼミではクイズ王と呼ばれているそうですが

選手一同 (笑)。

鈴木 クイズ王ですか(笑)。

加藤 クイズのアプリはまっていたよね。

鈴木 そうなんですよ。そのアプリにはまって、めちゃくちゃ強かったです。

 りょまさんってめちゃめちゃ頭いいですよね。全然見えないけど(笑)。

加藤 関は何か好きな授業あるでしょ。あんなにたくさん授業を取っているんだから。

 全部好きではないですよ(笑)。機械や航空に関する勉強をしていて、『物が何でできているのか』や『物が作られるために、壊れないための計算方法』のように、いろいろなことを学んでいます。まあ、身近に感じられる勉強ではありますね。「この物はこんな力がかかっているな」とか考えてしまいます。テストの直後だからかもしれないけど(笑)。

――テストはどうでしたか

 オフをたくさん頂いたので、さすがにできていると思います。頑張りました。

加藤 僕は人間科学部なのでどの授業も面白いです。中でも心理についての授業は面白い。特に行動心理とかね。考えすぎると人をそういう目で見てしまうから良くないのかもしれないけど。あとはスポ-ツ心理とかもあって、自分自身のメンタル的な部分を考えるようになりました。ぜひ後輩の皆さんも来てください。

――オフの日は何をして過ごしていますか

鈴木 あまり部活の人とは遊んでいないです。よく高校の友達とボ-リングとかダ-ツに行って、アクティブに過ごしていますね。

加藤 ジャイアンツが好きなので、野球観戦に行きます。今週も日曜日に見に行きますよ。

 僕はずっと中学生に勉強を教えています。

加藤 バイトで?

 バイトではないのですが。お金をもらっていないので。

加藤 ばかじゃん。

 でも、生徒の成績が伸びるから教えたくなるんです。きょうもこれから教えに行きますよ。いつも4時まで単語テストやランニング表を作っていたりします。

加藤 オフ何しているのかと思ったら。

 ずっと教えていますよ。あとは高校の友達と遊んでいます。

――バイトは何かしていますか

 僕は中学生に教えるのでたまにお小遣いをもらっていて。あとは高校生に家庭教師のバイトをしています。

加藤 めっちゃ勉強教えるじゃん。

 教えるのは好きなので。教師には絶対にならないですが(笑)。

――鈴木選手や関選手はプロ野球を見ますか

加藤 りょまはMLBが好きだよね。

鈴木 でも最近はプロ野球も見ますよ。

 僕はテレビで野球中継は見ないのですが、巨人戦を見に行くことはあります。今年加入した丸(佳浩)選手が好きなので。

――高校野球は見ますか

 今年は後輩が出場するので見る予定ですが、いつもはあまり見ないですね。習志野高校(千葉)の角田勇斗選手(遊撃手)、超有望株なんです。

――母校の江戸川取手高校(茨城)がベスト16までいきましたが

 めちゃくちゃうれしいです。30年ぶりということで。

加藤 そうなの!

 そうなんですよ。自分たちが10年ぶりにベスト32だったんです。今年は平成元年以来ということで、令和元年に決めてくれましたね。

加藤 僕はプロ野球一筋なので、あまり興味がないです。

鈴木 僕もいつもは高校野球を見ないのですが、この間久しぶりに母校の早稲田実業の試合を見に行きました。今年は大学生最後なので、甲子園に見に行きたいなと思って。特に見たい学校はないのですが、雰囲気が好きなので。

加藤 え、いつ行くの?

鈴木 オフ1日使って日帰りで行こうかなみたいな(笑)。

加藤 へ-、いってらっしゃい。

――最近あったうれしかったことはなんですか

 テストが無事に終わったことです。

加藤 最近何かあったかな。

鈴木 一緒にバーベキューしたじゃん。

加藤 そうだ! りょまとバーベキューしたのが楽しかった。うれしかった。その時は5人くらいだったので、今度は同期でババーベキューをするのが楽しみですね。うちの代は飲みやイベントが結構あって、それを楽しみに練習を頑張る感じですね。

 うちの学年は何もないですね。去年は学年のイベントが何もなくて。

加藤 時代だよね。

 仲良くないわけではないのですが、みんなでは遊ばないですね。今年の3月に「さすがにやばい」ってなって、学年でご飯を食べに行きました(笑)。でも本当に何もしないですね。1年生と3年生、4年生は仲が良いのですが。

加藤 2年生世代がそうなんだよ。

――仲が良い選手は誰ですか

 篠原とはよく一緒に帰りますね。高岸とはたまにゴルフとか行きます。

鈴木 仲が良い人って難しいな。

――試合前日はどのように過ごしていますか

鈴木 いつも通りですね。

加藤 僕は意外と神経質なので、予定は何も入れないで家にいます。試合当日の朝食のルーティンもあって、同じものを食べたりとか、同じ飲み物飲んだりとか。リ-グ戦始まって調子よかった日と同じ朝食にしちゃったりします。あとはアンダ-シャツとかも調子がよかった日と同じものを着たりします。春リ-グは100円ロ-ソンで売っている100円サンドイッチのイチゴジャム味とオレンジジュ-スでした。ずっとそれ。

 僕は、緊張はしないのですが、楽しみで寝られなくなります。修学旅行の前日みたいな。試合が楽しみで寝られないですね。

加藤 本当にそれやばいよ。バグってるもん。

 試合が好きなんですよ。本当に寝られないです。次の日試合なのに何もしていないのが嫌で、夜寝る前に素振りや筋トレをし始めたりします。

加藤 ピンチの時でも打球が自分のところに飛んできてほしいとか言うもんね。試合は好きだけど、そんなこと絶対に思わないもん。

 修学旅行の前とか眠れなくなりませんか? そんな感じです。

加藤 修学旅行の前でもちゃんと寝るよ。秒で寝るわ。

 そうですか(笑)。僕にとっては毎週修学旅行です。

――野球で目標にしている人はいますか

加藤 高校の時はずっとピッチャ-だったので、今は楽天でプレーをしている岸(孝之)選手でした。僕は巨人ファンなのですが、2008(平20)年の試合で岸選手にボコボコにされて、その試合からかっこいいと思うようになりましたね。グラブも岸モデルをオ-ダ-していました。

 丸選手ですかね。バッティングの感じが全体的に好きです。ちょっと真似してみたのですが全然うまくいかなくて、やめました。全然駄目でしたね。

鈴木 大谷翔平選手(米・ロサンゼルス・エンゼルス)で。

加藤 そこは(マイク・)トラウト選手(米・ロサンゼルス・エンゼルス)じゃなくていいの?

鈴木 みんな知ってるかな。マイク・トラウト選手って、中学生の頃からずっと好きなんです。ラインの背景画像にもしています。

「出場だけではなく優勝」(鈴木)

クイズと大リーグが好きな鈴木

――早大にとっては、5年振りの全日出場となります。皆さんがご入学されてからはもちろん初めてのことだと思いますが、現在の心境はいかがですか

鈴木  新チームが始まってからずっとそれだけを目標にしてきたので、率直にうれしいという気持ちと、あとは出場だけではなく優勝を目指しているので、そこへ向けて今後1カ月頑張っていきたいと思います。

加藤  コピペしたいくらい同じような気持ちだね(笑)。せっかく全日に出るのであれば、やはり優勝したいと思うので。そこは欲を出してもいい部分だと思っています。あと1カ月ないけれど。けがが怖いところですね。けがなく、全員でしっかりとやっていければ。(優勝も)できるんじゃないかな、と思っていますね!

  予選会で悔しい思いをしたので、これから8月になってようやく練習に出られるので。(※関選手は在籍する基幹理工学部の期末テストのために取材前1カ月ほど練習に参加していませんでした)。全日優勝へ向けて、今回は自分の力で優勝できるように。自分の力『も』含めて優勝できるように。がんばりたいと思います。

――初戦は愛知学院大ですが、印象などはありますか

一同  印象・・・(笑)。

加藤  知らん(笑)。

鈴木  地元校なので。

加藤  たしかにね!

鈴木  応援がすごいと思います。変なこと言っちゃった・・・(笑)。

加藤  たしかに。

  2回戦は・・・。

――北海道教大釧路校ですね

  あー。

鈴木  全日に出ている大学はどこも強いと思います。

――順当に勝ち上がれば、東洋大との再戦もありますが

加藤  絶対に勝ちたいですね。

――東洋大には、昨年も今年も大事な場面で負け続けている相手ですが

加藤  絶対勝ちたいですね。本当に。僕は昨年の負けた試合(全日出場を懸けた関東地区大学選手権準決勝)も今年の試合(全日予選会1次トーナメント)も出ていたので。変に意識をしたくはないですが、東洋大を倒して、かつ優勝することができれば。すごく気持ちのいいものなのかなと思うので、そこは少し気持ちも入るところですが。まぁ、頑張っていきたいですね。

  次は打ちたいです。

加藤  東洋(昨年の関東大会で負けたこと)とか知らんやろ?

  知らないです。

加藤  知らんよな。だってまだ入部前だもんね。

――鈴木選手は何かありますか

鈴木  僕ですか? 同じです。

一同  (笑)。

――全日優勝へのキーマンを挙げるとするならはどなたですか

鈴木  …。杉山(周平、教4=神奈川・山手学院)。

加藤  おまえすごいな。俺も同じこと考えてた。

鈴木  後1カ月でどれくらい投げられるようになるかは分かりませんが、杉山が今まで監督補佐のような立場だった中で、全日では選手としてチームにどう貢献していくのか、ということが結構重要かなと思いますね。

加藤  僕は4番の須能かな。多分全日はいいピッチャーとの対戦になると思います。特に(トーナメントを勝ち)上がっていくと、点は(容易に)取れなくなるので。そういったところで、関もそうですが、特に4番の須能はリーグ戦でタイムリーが少なかったので。

  1割1分1厘ですもんね、得点圏(笑)。

加藤  そうそう。結局4番に集まるような打順を組んでいるので、そこで本当に。プレッシャーをかけるわけではないですが、キーマンという意味では、そういったところでの一打というのは大事になってくると思います。

  自分は…。

加藤  自分って言っとき(笑)。

  (笑)。りょまさんで。

一同  (笑)。

加藤  あのね、それもそう(笑)。

一同  (笑)。

  すごいバッターなので、開花してほしいな、と。

――それを受けていかがですか

鈴木  もう、やるしかないです。

――最後に全日への意気込みをお願いします

鈴木  野球人生最後の大舞台だという気持ちで自分としてはやるつもりです。秋リーグもあるのですが、これが最後だという気持ちで。優勝できればいいと思います。

加藤  コピペ(笑)。俺も本当に最後だから。最後にこういった大舞台に出られるというのはすごく幸せなことだと思うので。本当に気負わずに楽しんで。秋もありますが、こんなに大きなものは最後だと思うので。気負わず、楽しく。最後に笑顔で終わりたいと思いますね。

  自分は、これまで4年生に甘えっぱなしだったので、優勝というかたちで恩返しできればいいと思います。

――ありがとうございました!

(取材・編集 金澤麻由、小山亜美)

強打の外野手陣が稲穂打線をけん引します!

◆加藤大(かとう・だい)(※写真中央)

1997(平9)年11月3日生まれ。182センチ、75キロ。O型。大分上野丘高出身。人間科学部4年。外野手。右投右打。アサヒスーパードライが大好きな加藤選手。最近は就職活動の影響で極度の金欠に陥っているそうです。これを打開すべく、デリバリーのアルバイトに応募し続けていました。しかし、取材日の前日には、3連続でお祈りされていたのだとか。「就活より落ちるよこれ!」。そんな加藤大選手、この後某超有名ピザチェーンのデリバリーバイトに合格したそうです。おめでとうございます!

◆鈴木涼馬(すずき・りょうま)(※写真左)

1997(平9)年8月5日生まれ。179センチ、70キロ。B型。東京・早実高出身。商学部4年。外野手。右投右打。愛称はりょま。自宅に大きな卓球台があると噂の鈴木選手。中学時代は『エレベーターゲーム』にハマっていたそうです。最近は大好きなMLBだけではなく、高校野球や社会人野球も見るようになりました。試合とはあまり関係のないある理由で都市対抗野球の東芝戦の観戦に行ったところ面白かったそうです。ある理由って・・・? ちょっと言えません。

◆関大輝(せき・だいき)(※写真右)

1999(平11)年12月27日生まれ。175センチ、78キロ。A型。茨城・江戸川学園取手高出身。基幹理工学部2年。外野手。右投左打。最近うれしかったこととして、生徒さんの成績が5教科で100点以上伸びたことを教えてくれた関選手。温かいトマトは苦手ですが、冷たいトマトは好きだそうです。加藤選手がデリバリーするピザのトマトは無理そうですね。そんな関選手のグラブのカラーは、加藤選手と鈴木選手のグラブのカラーから選んだそうです。うれしそうに話してくれました!