『イケメンエース対決』は明大に軍配。意地を見せるも先勝を許す/明大1回戦

準硬式野球
1回戦
明大
早大
(早)●久郷、大津-吉田
♢(本塁打)吉田1号3ラン(9裏) ♢(二塁打)加藤(9裏)、高山(9裏)

 4月にしては少し肌寒い気候の中、早大は3つ目の勝ち点へ向け明大戦に臨んだ。早大は久郷太雅(創理4=静岡・沼津東)が、明大は高島泰都がそれぞれマウンドに上がる『イケメンエース対決』となったこの1回戦。早大打線が高島を捉えきれない中、久郷は粘投しながらも3回に2点、6回に1点を失ってしまう。その後さらに1点を加えられて迎えた9回、早大は吉田龍平主将(スポ4=東京・小山台)の3ランで1点差まで詰め寄ったものの、その後の好機を生かせず敗戦。関東地区大学選手権(関東大会)覇者の実力を見せつけられた。

早大先発の久郷(上、左)と明大先発の高島(下、右)

 久郷はこの日も初回から走者を得点圏に背負いながらの投球に。1、2回は持ち味の粘り強さでピンチをしのいだが、3回に2死二、三塁から相手4番・高桑一真に2点適時打を浴びてしまう。一方の打線は初回に中村康祐(教3=早稲田佐賀)の安打を皮切りに2死満塁の好機をつくるもあと1本が出せない。その後は調子を上げてきた高島を捉えられず、明大ペースで試合が進んでいった。

 粘投を続ける久郷を援護したい打線は5回、敵失と塚脇太陽(人3=千葉・市川)の安打で2死一、二塁の好機を迎える。ここで打席には立大戦で打率5割4分5厘と大活躍を見せた3番・関大輝(基理2=茨城・江戸川学園取手)。そのバットに大きな期待がかかったが、ここは見逃し三振に倒れてしまった。すると直後の6回、2死二塁から相手7番の当たりがフラフラとした浅い飛球に。これが右前にポトリと落ちて適時打となり、大きな1点が明大に入ってしまう。その後は6回に6番・加藤大(人4=大分上野丘)、7回に代打・竹本周平(人3=鳥取・米子東)が2死から安打を放ったが得点につなげることはできず。逆に9回には2番手の大津杜都(文構3=東京・宝仙学園)が無安打ながら1点を失い、さらにリードを広げられてしまった。

6回に不運な当たりで追加点を許し、悔しがる久郷

 それでも最後の攻撃、早大打線が意地を見せる。明大2番手の槻橋駿から先頭の鈴木涼馬(商4=東京・早実)が冷静に四球を選ぶと、加藤が右翼線に二塁打を放ち無死二、三塁と好機をつくる。ここで打者は立大戦で3戦連続無安打と苦しんでいた吉田主将。しかし、この日は先輩の中村大輔氏(平31商卒)のアドバイスなどをもとにフォームを変えており、これまでの吉田主将とは一味違った。3球目を振りぬくと、打球はぐんぐん伸びてなんと左越えの3ラン。土壇場で主将にふさわしい活躍を見せ、1点差に詰め寄った。さらに代打・高山幸汰(商3=佐賀西)の二塁打などで2死一、二塁と同点の好機をつくった早大。ここで打席には再び関が入る。今度こそは同点打を、と期待されたが、高々と打ち上げた飛球は二塁手の守備範囲に。素晴らしい攻撃を見せながらもあと一歩及ばなかった。

久々の当たりが本塁打となった吉田主将

 これで勝ち点獲得へ後がなくなった早大。次戦以降のカギを握るのは、2年生野手陣の奮起だろう。ここまで早大打線をけん引してきた3番の関や4番の須能浩太郎(商2=東京・早実)がこの試合では無安打。立大3回戦で2安打を放ち目覚め始めていた『眠れる獅子』渡部椋雅(社2=神奈川・桐光学園)も、この試合では『二度寝』してしまった。2回戦は清水佑樹(スポ2=早稲田佐賀)の先発が有力。同期の活躍で援護し、楽に投げさせてあげたいところだ。早大は前の2カードをいずれも2勝1敗で勝ち抜いてきているため、「1敗したが嫌なイメージはない」と高山が語るように心理的にはまだまだ追い込まれていない。最終回の良い雰囲気を次戦につなげ、まずは1勝1敗に持ち込みたい。

(記事 池田有輝、写真 金澤麻由、林夏帆、姉﨑珠有)

★連載「六大学の好敵手たち」第3回 全員が注目選手/明大

9回裏、マウンドに集まった明大ナイン

 今年度関東地区大学選手権(関東大会)を制し、東京六大学春季リーグ戦(春季リーグ戦)の優勝候補筆頭と目されていた明大。しかし開幕から2カード連続で勝ち点を落とし、現在優勝戦線からは後れをとってしまっている。

 現在のチーム状況について、主将の千田京平は「関東大会が良すぎた分、春季リーグ戦に入って状態が落ちてきている」と話す。長期間にわたって好調を維持する難しさを感じているところだろう。だが、「まだ3カード全部連勝して勝ち点を取ればチャンスはある」と優勝を諦める気は毛頭ない様子。この「必死に勝利に食らいつく」姿勢が強さの秘訣なのかもしれない。

 そんな明大の注目選手は「全員」だという。関東大会でも毎試合違ったヒーローが誕生し、全員で勝ち上がっていった明大。春季リーグ戦でも一度波に乗せると止まらないだろう。1回戦は明大の持ち味である「守備から打線にうまくリズムをつなげる」野球をされてしまった早大。ここで波に乗せないよう、2回戦では攻撃から相手のリズムを崩していきたい。

(記事、写真 池田有輝)

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コメント

吉田龍平主将(スポ4=東京・小山台)

――今日の投手陣を振り返っていかがでしたか

先発の久郷(太雅、創理4=静岡・沼津東)は最近の調子の良さを引き続いて、今日も彼らしいいいピッチングをしてくれました。大津(杜都、文構3=東京・宝仙学園)も点は取られましたが、彼なりにまとめてくれたと思います。ピッチャーは本当によく投げてくれました。

――今日の攻撃を振り返っていかがでしたか

相手の先発の高島君(泰都)から点を取れなかったのが全てですね。特に初回のチャンス、ああいう場面でしっかり点を取ることをこの2回戦、3回戦でできればいいなと思います。

――本日は久々に当たりが出ました。調子などはいかがですか

最近あんまり良くはなかったので、開き直ってというか、この試合ではバッティングのフォームを自分の中では一気に変えてみました。引退された中村大輔さん(平31商卒)にもアドバイスを頂いたりしました。その結果先週の立大戦とは違ったかたちで試合に臨めたように思うのでそこは良かったです。

――あす以降への意気込みをお願いします

勝ち点を取るためには2連勝しかないので、なんとしても勝つという気持ちで臨みたいです。まだまだやっていけるという気持ちをみんな持っているので、最後の回のいい雰囲気の攻撃ができたことをいい意味で捉えて、明日から2連勝目指して頑張ります。

高山幸汰(商3=佐賀西)

――代打での出場が中心となっていますが、ベンチではどういった準備をされていますか

試合状況にもよるのですが、自分は試合の終盤に出ることが多いので、杉山さん(周平、教4=神奈川・山手学院)に(代打起用を)言われる前に自分から常にバットを振って準備しようと心がけています。

――きょうの試合では二塁打を打たれました。打席を振り返っていかがでしたか

あそこは絶対出塁しなければならない場面で、単打を狙っていこうと考えていました。その結果が外野の間を抜けるいい打球になったので、あしたもそういう意識でやっていきたいと思います。

――次戦に向けて一言お願いします

自分たちはここまで東大戦、立大戦共に2勝1敗で勝ってきているので、1敗しましたが嫌なイメージはありません。ここから2連勝できるように頑張っていきます。

竹本周平(人3=鳥取・米子東)

――久々の公式戦出場でしたが、どのような気持ちで臨みましたか

けが明けで、代打要員としてベンチに入ったと思うので、期待された役割の中で1本出せて安心しました。

――けがはどの部位だったのでしょうか

指をけがしていました。

――打席を振り返っていかがですか

ずっとベンチでデータを取っていて、その時から初球を振ろうと思っていたので狙い通り打つことができてよかったです。

――あす以降に向けて一言お願いします

2連勝するしかないので、また自分に出番があればそこでまた結果を残したいと思います。

明大主将・千田京平

――今年度のこれまでの戦いを振り返っていかがですか

関東大会(関東地区大学選手権)が良すぎた分、春季リーグ戦(東京六大学春季リーグ戦)に入って状態が落ちてきているのかなとは思います。そこでうまくやれるかどうかに本当の力が試されていると思うので、ここからまた頑張ります。

――今年のチームの強みはどういった部分でしょうか

今年の明治は投手が頑張ってくれていて、守備から打線にうまくリズムをつなげられるチームなので、そこが強みかなと思います。

――特に注目の選手などはいらっしゃいますか

いないですね。関東大会でも毎試合ヒーローが変わっていたので、全員が注目選手ですね。

――今後への意気込みをお願いします

2カード勝ち点を落としてしまいましたが、まだ3カード全部連勝して勝ち点を取ればチャンスはあるので、とにかく必死に勝利に食らいついて頑張ります。