持つ力を発揮できず慶大に敗北 リーグ戦に向けても糧にしたい一戦となった

弓道

 今年の早慶戦(慶応義塾大学定期戦)は早大東伏見弓道場でのホーム開催となった。下級生を積極的に組み込んだチーム編成で、慶大と相対する。しかし一立目から差を広げられ続ける展開となり、追いつくことができない。控え選手を3人出場させるなど、何とか流れを引き寄せようとするが、慶大有利の形勢を変えることはできないまま試合を終えることに。結果としても早大115中-慶大135中と、20中の差を付けられての敗北となった。

 後攻となった早大。壱ノ立に公式戦初出場の家田翔平(基理2=早稲田佐賀)を落前に入れるなど、新しい戦力を組み込む一方で、弐ノ立には実績のある2,3年生を並べた。しかし、早大は序盤から苦しい状況に追い込まれてしまう。慶大の壱ノ立が一立目で12中を出す中で、早大は10中と物足りない的中数だった。弐ノ立は全員が3中で12中を挙げるものの差を縮めることはできず、全体で2中差となる。続く二立目では慶大の立が二つとも的中を伸ばす中、早大は沢田潤一郎(文4=神奈川・南)を投入した壱ノ立が1本増やしたのみで、全体の的中差も5中にまで広がってしまった。

公式戦初出場初スタメンの家田

 何とか差を縮めていきたい早大は、太田雄野(文2=東京・国学院)を弐ノ立に入れ立て直しを図る。しかし、壱ノ立でも弐ノ立でも的中数を上げることができない中で、慶大の弐ノ立は15中を出しさらに差を広げられていく。4立目では壱ノ立で東海枝航平主将(スポ4=埼玉・県浦和)、弐ノ立で神山勝冴(創理2=東京・早大学院)と太田が皆中し、どちらの立もこの日最高の12中と13中を出す。ところが慶大はさらにこれを上回る的中で、早大が追いすがるための隙も見せない。5立目は弐ノ立がやや的中を落とし、結局慶大との的中差を一本も縮めることができないまま、115中-135中で敗戦が決まった。チームとしては悔しい、今年の早慶戦を終えることとなった。

太田は途中出場で結果を残した

 一度慶大有利の展開を作ってしまい、その後早大が追いつくための隙を見せなかった慶大の強さもあったが、早大としてはそれぞれの選手が自分の力を十分に発揮できなかったことが敗戦の一つの要因だと考えられる。2中以下が複数出てしまう立も散見され、チーム内最高的中は東海枝主将と神山の17中だった。的中率で見ると8割5分となる。的中率9割以上を出せる選手が何人もいる早大としては、やはり物足りない結果であったと言えるだろう。今後同じような形式で戦っていく大会としては、リーグ戦がやってくる。早大が所属する1部リーグの強豪校の中で、どれだけ自分たちの力を思うように発揮できるかが重要になるはずだ。この早慶戦の経験を糧に、いかにチームを強化できるかがカギになるだろう。

(記事、写真 新井沙奈)

※掲載が遅くなり申し訳ありません

結果

【壱ノ立】

大前 佐藤我音(先理2=東京・早実) 4射1中

   沢田 8射4中

   平山侑紀(政経4=東京・早大学院) 8射6中

弐的 小熊悠人(政経4=東京・早大学院) 20射14中

落前 家田 20射14中

落  東海枝 20射17中

【弐ノ立】

大前 竹宇治雄介(政経3=東京・早実) 20射14中

弐的 神山 20射17中

落前 河野誠也(人2=埼玉・県浦和) 8射4中

   太田 12射9中

落  宮﨑滉巳(社3=埼玉・県浦和) 20射15中

●早大115中-慶大135中

コメント

家田翔平(基理2=早稲田佐賀)

――今日の射の振り返りをお願いします

 自分の課題である弓手の張りは意識してやってこれたので、そこは達成できたかなと思います。逆にいつもは自信があった馬手の方が離れ方が理想の離れ方ではなく、欲を出した離し方になってしまったので、そこは日々の練習から意識し直さないといけないところだなと思いました。

――試合に出場するのは初めてだと思いますが、気持ち的にはどうでしたか

 正直めちゃめちゃ緊張しました。これからたくさん試合に出て、緊張感に慣れていきたいと思います。

――次につながる収穫はありましたか

 いろいろと課題が見つかって、どれも普段の練習から直していけるところなので、今までは矢数をかけるだけというような意識あったのですが、これからは質も大事にしていきたいと思います。

――これからに向けて意気込みをお願いします

 2年生入部なので、即戦力になれるように頑張ろうと思います。

太田

――今日の試合の振り返りをお願いします

 最初の4本は結構緊張したのですが、引いている途中に先輩からコメントをいただいたりして、いくらか緊張が落ち着きました。5本目以降は割と気楽に引けたかなと思います。

――途中出場ということでしたが、どのような準備をして臨みましたか

 付け矢の的中や先輩の様子から見て、途中で出される可能性はあるなと思っていたので、適度に巻き藁に行って体を鈍らせないようにしていました。公式戦の出場が初めてで、しかも早慶戦という大事な試合だったので、気持ちの面ではだいぶ緊張していて。あまり緊張を抑えられるような感じではなかったのですが、周りの人と話をするなどして少し落ち着きました。

――今日の射について良かったところと悪かったところは具体的にどこでしたか

 数字の面では、12本引いて9本当たって的中率が75%なので、良かったと思います。ただ、普段の練習でできていることができなかったりということが結構多かったので、試合なのでそういうこともあるのかなとは思いますが、そこがこれからの課題かなと思います。

――今後の意気込みをお願いします

 リーグ戦は昨年出られなかったので、今年は出たいと思うので、頑張りたいと思います。