【特集】応援部令和5年度新体制特集『一丸』【第二回】学生動員対策責任者編 井原遥斗×高梨泰成×大川原亜優

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 第二回に登場するのは、学生動員対策責任者の井原遥斗(教4=埼玉・熊谷)、高梨泰成(商4=東京・攻玉社)、大川原亜優(国教4=神奈川・希望ケ丘)。東京六大学野球リーグ戦(リーグ戦)を中心に集客活動に取り組む学生動員対策部門について、責任者としての意気込みとともに語っていただいた。

※この取材は2月3日に行われたものです。

学生「誘導」対策補佐から学生「動員」対策責任者へ

昨年度の活動を振り返る井原

――他己紹介をお願いします

高梨 対談が始まる前「責任者に誰がなると思った?」という話を3人でしていたんですけど、僕はリーダーの中だと井原がなりそうだと思っていまして。去年から神宮(明治神宮野球場)での熱が同期の中でも一層高かったですし、彼が後期に新人監督補佐をやっていた時も、どのパートの下級生にも優しく接していましたし、あまり押しつけがましくならないように振る舞っていて下級生想いなところがあるなと思っていました。なので、同じ役職でやることになって結構安心したんですけど、結構抜けているところもあります。熱意がすごいので、熱意がすごすぎて人に伝わっていなかったり、空回りしてしまう時もあります。

大川原 (笑)。

高梨 でも熱意ですごく引っ張ってくれるタイプなので、すごく信頼しています。

井原 恥ずかしい。

高梨 あと、お酒すごく好きなのに、すごく弱いです。

井原・大川原 (笑)。

高梨 一緒にお酒を飲みに行くと真っ赤な顔が見られるので、そこがすごく楽しいです。

井原 大川原は留学に行っていたので、他のチア(チアリーダーズ)の同期と比べると実際に関わった時間は少し短いんですけど、いわゆる「陽キャ」でノリで押し切るところがあって。コミュニケーション能力が高いので、学対の責任者になるだろうと個人的には思っていました。

大川原 (笑)。

井原 コミュニケーション能力が神宮で発揮されれば、お客さんがたくさん呼べるのではというところで大事な人です。あとは普段からほんわかした雰囲気なので、部門という組織として硬いイメージのところで硬くならずに緩衝剤、中和剤のような存在です。部門の中でも原動力、源になってくれていますね。

大川原 ありがとう~。高梨は私が留学に行っていたこともあって、あまり関わる機会がなくて、結構ふわふわしているイメージでした。

高梨 2連続で同じ雰囲気(笑)。

大川原 ふわふわしているイメージだったんですけど、一緒に部門で活動していく中で、意外と芯があってこだわりが強いところもあって、「結構熱い人なんだな」と思うことが最近は多いです。あとは応援中にドラムをたたいている姿がかっこいいですね。

井原 「ギャップ萌え」ってやつだね(笑)。

大川原 ギャップなんですよね。そこは褒めポイントだと思います。でも基本的には俯瞰している感じで、みんなのお兄さんという感じで見守ってくれているイメージがあります。

高梨 (笑)。恥ずかしい(笑)。

――最初に学生動員対策部門について説明してください

井原 部門の名前が表すように、一人でも多くの学生を神宮(明治神宮野球場)に呼ぶことが一番大きな役割になります。野球(東京六大学野球リーグ戦)応援が応援部の中でも一番大きな応援になるので、学生をいかにして一人でも多く呼ぶかが大事になります。早慶クラシコ(早慶サッカー定期戦)や早慶バレー(早慶バレーボール定期戦)などのその他の応援にも一人でも多くお客さんを呼ぶために、いろいろな企画を考えることが主たる仕事になります。

大川原 基本的には多くの方に来ていただくことが一番の仕事になりますが、応援活動以外にも私どもでイベントをやったりしていて、そういったところにも来ていただけたらうれしいので、力を入れていきたいと思います。

井原 来てくれたらうれしいよね。

高梨 人を実際に呼ぶだけじゃなくて、事前レク(事前レクリエーション)など、早稲田スポーツがやっていることを知らない学生の人にも知ってもらう活動もしています。

――昨年度の学生誘導対策部門(学対)での活動を振り返って

井原 かなりエネルギッシュだったと思います。責任者の玉城さん(玉城大基氏、令5基理卒=沖縄・昭和薬科大付)、児玉さん(児玉わかな氏、令5法卒=埼玉・浦和一女)、山口さん(山口花夏氏、令5教卒=東京・新宿)がエネルギッシュな方だったので、自分たちもエネルギーを持って活動していました。

高梨 責任者のお三方が引っ張ってくださいました。一昨年よりできることがだいぶ広がったので、制限はありながらもお客さんと直に触れ合う機会があって、事前レクもできました。3年生になって自分の知らないことにたくさん触れることができて、応援部とお客さんの関わりを実感できた一年だったと思います。

大川原 一言でいうと本当に楽しかったです。一年間部活を離れていて帰ってきて「部活ってこんなに楽しいんだ」と思わせてくれた要因の一つにあるのが学対部門だったと思います。1個上のエネルギッシュな責任者の方々に鼓舞してもらえて、「ついてこい」と言うだけじゃなくて、私たちにもいろいろなことをやらせてくれて、いろいろな意見も聞いてくれて、自由に活動させてもらえたのがすごく楽しかったです。今年もその雰囲気でいきたいです。

――学生動員対策責任者になった経緯は

井原 少し天狗にはなるんですけど、他の同期より学対への熱があったと思っているので、「自分だったらいい学対にできるな」という自信は持っていました。実は第一志望は新人監督だったんですが、後から先輩に聞いたところ「学対だったら井原だよな」と言っていただけたので、自分の熱意が届いていて良かったです。

高梨 去年、初めてお客さんの近くで応援して、背中から聞こえるお客さんの声がすごく応援の力になっていることを実感しました。それで学生誘導対策補佐を志望しましたし、実際に補佐をやってみて、さらに色濃い体験ができたので、応援の場で選手の力になれますし、お客さんと応援する力にもなれると思ったので、責任者を志望させていただきました。

大川原 私が補佐を志望した理由が、多くの人に応援部の魅力、早稲田スポーツの魅力を知ってもらいたいと思ったのがきっかけで、元々イベントの運営が好きだったことでした。楽しそうだしやってみようと思って、実際にもとても楽しかったので、私が経験したこの楽しさを来年も残して1個下に伝えていきたいです。あと応援ってすごく楽しいじゃないですか。でも会場に来られる学生の方って少なくて、こんなに楽しいものがこの大学にはあるのに知らないのは本当にもったいないので、私はもっと皆さんを呼んで、皆さんに大学生活をエンジョイしてもらいたい気持ちが大きな原動力になっていますね。

――部門名が学生「誘導」対策部門から学生「動員」対策部門へと名称が変更になりました

大川原 元々、学生「誘導」というのが明治神宮野球場内で応援活動をする際に、お客さんと応援部が一緒に応援できるエリアに上手に誘導するのがメインの仕事だったんですけど、コロナでなくなってしまって。今私たちでやらせてもらっていることが集客なので、試合会場に動員する部門ということで名前が変更になりました。

井原 学生動員対策部門に変わったということでニュアンスが広くなったという意味もあるんですけど、自分たちの代でコロナ前の応援席が復活したらいいなと思いますし(※2019年度まで存在していた学生応援席が復活することが先日発表されました!)、復活したからには誘導もやっていくことになるので、今まで以上にパワーアップした認識でいます。

高梨 ほとんど大川原の言ってくれた通りです。井原が言ってくれたように、「誘導」から「動員」にはなりましたが、コロナ以前にやっていたお客さんを誘導して一緒に応援するということも、コロナからだんだん明けていくにあたって復活させていきたいと思っています。名前が変わっても「誘導」する部門でありますし、それだけではなくて会場にお客さんを「動員」する部門でもあるので、いろいろな意味でこの名前になったと思います。

――名称の変更については昨年度の責任者の方を中心に議論されたのでしょうか

井原 そうですね。玉城さんが監督の方などとお話しされて、承諾を得たので「動員」に変更になりました。

高梨 後期の補佐にも「『誘導』から名前を変えようと思うんだけど、どういう名前がいいだろうか」というお話があって。

井原 そうだったんだ。知らなかった。

高梨 そこで「名前変わるんだ」「どうしてなんだろう」という思いはあったんですけど、確かに僕らは「誘導」というものに触れてこなかったですし、僕たちからも案を出して、誰の案だったかは忘れてしまいましたが、最終的に「動員」という名前になりました。

井原 知らなかった。

高梨 変える時に僕らにも意見を募ってくれました。

最後の一年を見据えて

今年度の目標を語る高梨

――学対部門として今、取り組んでいることは何ですか

井原 4月のリーグ戦開幕や新学期に向けて一人でも多くの学生を神宮に呼ぶために、企画書を補佐と練っています。去年は、企画を出すタイミングが2月終盤や3月になってしまいました。4月にいざ企画を実行するときには不完全燃焼になってしまったので、昨年度より幾分早く企画を進めていて、100パーセント、120パーセントの力を出し切れるように、部門として企画を進めているところです。

大川原 私は競技スポーツセンターの方とお話をして、新入生をメインターゲットに応援という文化を広めることを主軸に活動をしています。実現するかは分かりませんが、新入生の方向けに事前レクリエーションなどを企画できたらいいなと思っていますし、野球の早慶戦だけでなく、いろいろな競技の試合に行ってほしいなと思います。これが大きなポイントになってくると思うので、それに向けてどうプロモーションしていくか検討しています。

高梨 販売できるかは分からないのですが、会場販売できる応援グッズや応援のガイドブックの作成を考えています。今の代で学生応援席を経験している人が誰もいないので、OBの方に経験談を聞きつつ、学生応援席のあり方について検討しています。

――学対部門としての今年度の目標はありますか

井原 自分は漢字一文字で表すと、「袖振り合うも他生の縁」の『縁』です。お客さんに球場に来てもらって、いろいろな人と企画を行って、人の協力があって学対部門が成り立ちます。応援してくれている人への感謝の気持ち、人との出会い、ご縁を忘れずにこの1年間、自分たち学対が中心となって人と関わり合って、その感謝を応援で恩返ししていきたいと思います。

大川原 私たちが毎年、一つの軸として持っているのが『満員御礼』です。それに加えて、野球以外の試合の会場に足を運んでもらうというのが大きな目標の一つです。お客さんが来てくださったら選手の方々も楽しいと感じると思いますし、お客さんもすごく盛り上がれるので、多くの人を動員することで早稲田全体を盛り上げていきたいなと思っています。

高梨 大川原と少し被っているのですが、コロナも明けてきて、早稲田スポーツ全体をみんなで応援するということができるようになってきているので、隔たりがあることを言い訳にせずに、全員で盛り上がれるような応援に貢献できればいいなと思います。

――井原さんは今年の目標を『縁』と表現されましたが、お2人は漢字一文字で今年の目標を表すとしたら何ですか 

高梨 こういう時、井原の『縁』に毎回頼ってしまいますね(笑)。

大川原 すごい分かる(笑)。

大川原 私は『栄』です。いろいろなものを栄えさせていきたいです。

高梨 難しいな…(笑)。2人にいい漢字を言われてしまったな(笑)。

井原 意外と降りてくると思うよ(笑)。

高梨 『熱』としたいと思います。応援も同じような熱気をもって、お客さんとも選手の方とも協力してできるようにしていきたいと思います。

井原・大川原 まさに学対を表している言葉だね。

――ご自身が目指す責任者の理想像は

井原 責任者として下級生を引っ張っていかないといけないと思っています。特に、リーダーの学対部門の責任者という立場から応援席をリードする存在として、自分の神宮に対する思い、応援に対する思い、応援席にいらっしゃるお客さんに対する思いを全て自分の熱い思いでリードしたいです。責任者が一番率先して情熱でリードするというのが自分の責任者像ですね。

大川原 私は情熱というものに加えて、部門内での関係をフラットにしたいと思います。そして、意見を出やすくして、出た意見をしっかりとくみ取れる責任者になりたいと思います。部門を2学年で運営している以上、下級生の力もすごく必要になってくるので、後輩のポテンシャルを抜群に生かせる部門にしていきたいと思っています。これは言葉を借りることになりますが、昨年度山口さんがおっしゃっていた「学対部門は責任者がプレーヤーになれる部門」というのは本当にその通りで、責任者だからといって我慢せずにやりたいことができる部門だと思います。姿勢で見せられるように、やりたいことは貪欲に取り組んでいきたいです。

高梨 最終的に来年の子たちに「去年の先輩、すごく盛り上げていたな、すごくエネルギッシュだったな」と思ってもらえるようにしたいです。一つ上の先輩たちのように、そう言ってもらえるように引っ張っていくのもそうですし、盛り上げていけるような一年にしていきたいと思います。

――応援部員として最後の一年となりますが、意気込みをお願いします 

井原  自分はコロナの世代とよく言われますが、それでもなお続けてきて最後の一年まで来たので、自分たちが大暴れしてコロナに打ち勝った代という後世に名を残せる代になりたいです。これから一年、自分たちが先駆者としていろいろなことにチャレンジして、早稲田大学応援部に確かな爪痕を残していきたいです。

大川原 私は『やりきる』ということを目標にしています。留学に行っていて抜けていた期間もありましたし、周りの方々に助けていただいた3年間だったので、何事にも全力で取り組んで、自分の中で後悔のないような年にしたいですし、自分が周りに恩返しできるような年にしていきたいです。

高梨 吹奏楽団に寄ってしまいますが、大学から音楽を初めて自分がやってきた楽器に愛着を持って、いろいろな演奏ができるようになってきたと思っています。最後の年に応援、演奏会を問わず、すべての活動で最高の演奏ができるようにして、後悔を残さずにこの部を卒業していきたいなと思います。

――最後に読者の皆さまへメッセージをお願いします

井原 一人でも多くの方に応援部の良さや応援の楽しさ、ひいては早稲田文化の良さというものを自分たちが全力でこの1年発信していきます。その良さを感じていただくべく、神宮や早稲田に来ていただけたらうれしいです。読んでくださる方のためにも、この一年頑張っていきたいと思います。

大川原 早稲田が好きな方が読者の方には多いと思うので、試合を見るだけではなく実際に足を運んでいただけたらうれしいです。あとは、可能でしたら状況を発信していただいて、もっと多くの層の方に応援というもの、早稲田というものを知っていただきたいです。一緒に盛り上げていきましょう!

高梨 「ぜひ応援に来てください!」という一言に尽きます。一緒に応援をして一緒に楽しんでくださることが一番うれしいです。この記事を読んでくださる方々もぜひ一緒に盛り上がっていきましょう!

――ありがとうございました!

(取材・編集 横山勝興、橋本聖)

◆井原遥斗(いはら・はると)

埼玉・熊谷高出身。教育学部4年。役職は学生動員対策責任者 兼 稲穂祭実行委員長。

◆高梨泰成(たかなし・たいせい)

東京・攻玉社高出身。商学部4年。役職は学生動員対策責任者 兼 大吹連理事。

◆大川原亜優(おおかわら・あゆ)

神奈川・希望ケ丘高出身。国際教養学部4年。役職は学生動員対策責任者 兼 記録編集責任者。