【連載】六大学野球秋季リーグ戦応援対談【第二回】学生誘導対策補佐編 小野泰助×高梨泰成×武田彩加

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 第二回に登場するのは、今年度後期の学生誘導対策補佐を務める小野泰助(文3=群馬・沼田)、高梨泰成(商3=東京・攻玉社)、武田彩加(文構3=岡山・岡山朝日)の3名。下級生が積極的に企画を行う学生誘導対策部門で今季、実際に活動を行っている3名での対談を実施し、集客活動の今を伺った。

※この取材は10月22日に行われたものです。

前期から一緒の3人

お互いの好きなところについて話す3人

――自己紹介をお願いします。

小野 早稲田大学応援部リーダー3年、文学部3年で学生誘導対策補佐を務めております、小野泰助と申します。よろしくお願いします。

高梨 早稲田大学応援部吹奏楽団3年、商学部3年の高梨泰成と申します。よろしくお願いします。

武田 早稲田大学応援部チアリーダーズ3年、文化構想学部3年の武田彩加です。よろしくお願いします。

――お互いに普段から交流はありますか

小野 やっぱり部門で一緒に仕事や企画を進めていく上でどうしても一緒にいる時間は多くなるので、部室で遅くまで話すこともよくあります。そこで交流は自然と多くなるかなと思いますね。

高梨 コロナの状況がようやく良くなってきたので、小野と初めて一緒に飲みに行きました。真っ赤な小野の顔が見られました(笑)。

武田 補佐の3年生だけではなくて、執行委員の4年生の方と部門会議の後に玉城さん(玉城大基学生誘導対策責任者、基理4=沖縄・昭和薬科大付)が「飲みに行こう」と誘ってくださって、部門で飲みに行くことはあります。

小野 玉城さんの飲みに対する熱はすごいです。

――お互いの好きなところ、直してほしいところはありますか

小野 難しい(笑)。

高梨 じゃあ小野から(笑)。

小野 2人ともやっぱりよく考えていて。

武田 抽象的(笑)。

高梨 絞り出した感が(笑)。

小野 ちゃんと自分のやることに責任をもって進めていっているし、高梨だったらバンド、武田だったらチアリーダーズとして、学対(学生誘導対策部門)の中でも自分が所属しているパートの特性を生かして何かできないか考えているようにいつも話して思っています。

高梨 恥ずかしい(笑)。

小野 情熱を持っていていいなと思います。ちょっと絞り出した感が…(笑)。

武田 自分で言わないでそれ(笑)。

高梨 言ったら終わりだよ(笑)。

小野 直してほしいところは…。

武田 悩んでくれるのうれしいね。

小野 思いつかないですね。思いついたら言います。

高梨 小野は、言い方悪いですが、威張ったりしないところがいいなと思います。話していても自分の意地を押し通そうとするのではなくて、穏やかに話し合ってくれるところが同期としてやりやすいところかなと思います。吹奏楽団は春に新歓でスプリングコンサートという大きめの演奏をしたのですが、武田はその時に裏方をとりまとめる担当をしてくれて、12月の定期演奏会でも同じ役割をしてくれます。

武田 裏方めっちゃ好きなんですよ。

高梨 すごく吹奏楽団のことを取り組んでいてくれたりして、チアリーダーズの中で一番そこ(裏方)への情熱が深いというと言いすぎかもしれませんが、そういう風に考えてくれているのが嬉しいなと思います。

小野 裏方よくやっているイメージ。

武田 好きなんだよね。

高梨 直してほしいところか…。直してほしいことではないんですけど、小野は口下手なところが面白いです(笑)。

武田 面白いんだ(笑)。

高梨 先日、早稲田祭のスタッフの方に『ワセラジ』という企画に出演させていただいて、そこで一緒に収録したのですが、小野がすごく受け答えが真面目過ぎて、一緒に出演したチアリーダーズ3年の鹿野(透子、教育3=神奈川・横浜共立学園)が「〇〇だよね」とリアクション振りをしたら、「なるほど!」と(笑)。

武田 話し広がらないやつ(笑)。

高梨 それで逆に全体が和んで収録が面白くなりました。そこが面白いですね。

武田 この2人は、後期は学生誘導対策補佐をしていますが、前期は応援企画補佐で一緒に仕事をしていて、2人とも長年の付き合いではないけどすごく仕事とかもやりやすくて、めっちゃ話しやすいです。小野は本当に誠実よね。

高梨 意見がないわけではないけど、取り入れてくれる感じが。

武田 学対部門もめちゃくちゃ引っ張ってくれていて、でもみんなの意見をちゃんと平等に聞きながらも自分の意見を言ってくれるので、すごくありがたい存在です。

小野 いやいや、そんな。

武田 照れてる?

小野 自分1人の意見よりもみんなが納得しないと最終的に上手くいかないとはいつも思っています。「俺が偉そう」みたいな感じがするけど、そんなに意識しているわけじゃないです(笑)。

武田 高梨も同じなんだよね。2人とも雰囲気が似ていて、高梨も普段は穏やかなんですけど、学対部門の時はすごく情熱を持っていて。

小野 そうだね。

武田 熱い会話が繰り広げられている気がする。

高梨 恥ずいな。

小野 前にLINEグループで高梨が別人になったんじゃないかってくらい長文を…。

武田 「これ高梨か?」みたいなね(笑)。

高梨 あれはちょっと語り過ぎちゃった感あるね。

小野 結構長文の…。

武田 1つの仕事に対してすごく責任をもってやっていて、ありがたいです。

高梨 恥ずかしいですよ(笑)。

武田 2人とも穏やかでいい人なんですけど、シャイボーイな感じはするんですよね。え、あんまり?

高梨 小野がゴリゴリのシャイボーイ。

武田 2人で飲みに行っていると聞いたんですけど、チアも誘ってほしい。

小野 はい。誘います。

一同 (笑)。

――学生誘導対策部門の紹介をお願いします

小野 学生誘導対策部門は一言で言うと、明治神宮野球場にお客さんを呼び込む部門です。応援部の中の広報とはまた違うんですけど、お客さんを神宮に呼び寄せて、もっと盛り上げるのを担当していますね。具体的にやっていることとしては、いろいろなサークルに声をかけたりとか、事前レクリエーションとかをやっています。事前レクリエーションでは、学生の皆さんに応援の方法を紹介したり、体育各部の方々と一緒に「こういう応援があるのでぜひ来てくださいね」と勧誘しています。あとはポスターを作って学外、学内に張ったりしています。他にもいろいろやっているんですけど、メインとしては明治神宮野球場にお客さんを呼び込むのが仕事ですね。

武田 明治神宮野球場に呼び込むのが目的だったんですけど、最近はサッカーやラグビーの応援もしていて、各種応援にも力を入れています。

小野 早稲田スポーツを盛り上げる役割も担っているかなと思いますね。特に今年の責任者の3人の方々の熱意がすごくて、体育各部が本当に好きな方なので。学生誘導対策部門からも体育各部や早慶戦を盛り上げていこうという感じですね。

高梨 あとは、来てくださったお客さんと部の橋渡し的なことをしていますね。学生誘導対策部門が主導で、入り口に来て下さったお客さんに挨拶をして、そこで「うち、早稲田に孫がいるんだよ」とおじいさんと話したりもしたんですけど、そういうふうに応援部自体を身近に感じてもらえるような橋渡しをして、なおかつ応援部の部員も、特に2年生以下が今までコロナもあってお客さんとの交流がなかったので、そういうのを生む機会を作っています。あとはお客さんに配るパンフレットだったりを作成しているのも学生誘導対策部門の仕事です。

――補佐の役割を教えてください

小野 基本的に応援部では責任者と補佐に分かれていて、4年生が責任者、3年生が補佐となっているんですけど、学生誘導対策部門では感覚としては補佐が企画を発案して責任者に提案して、OKが出たらそれを補佐が自分で進めていくことが多いかなと思います。学生誘導対策補佐としての役割というと、決まったものがあるわけではないという感じなんですけども、早稲田スポーツを盛り上げるような企画がいろいろあって、補佐がそれぞれの担当をもって、それを進めていくことをやっていますね。

高梨 補佐特有の役割というより、学生誘導対策部門に入って感じたのは、みんなでやっていこうというのが強いなと感じています。補佐のみで行っていることも、責任者の方も見てくれていると思いますし、一緒に進めているものは結構密に連絡を取り合うことも多くて、全体で推し進めている感覚がすごくあります。他の部門がやりにくいわけではないんですけど、すごくやりやすい雰囲気があるなと思います。

小野 やっぱり責任者と補佐の距離が近い。

武田 近いね。

小野 責任者と補佐がチーム全員で協力していこうという感じが他の応援部の部門とちょっと違う特徴かなと思いますね。

高梨 進捗とか熱意がダイレクトに伝わってきますね。

熱き学生誘導対策部門の中で

学生誘導対策責任者について語る3人

――先ほど事前レクリエーションのお話がありましたが、他に取り組まれていることは

小野 先日「応援部応援団」というLINEのオープンチャットを立ち上げました。今までTwitterなどでも広報活動はしていたんですけど、本当に応援部が好きで見ていてくれている人に対してもう少しコアな情報や出演情報をなるべく細かく部員の声を交えながら届けられる場を作らせてもらいました。

高梨 今は早慶戦に向かっての活動が多いです。さっきの事前レクリエーションもそうですし、早稲田祭と同日開催ということで早稲田祭で早稲田大学にいらっしゃる方にも見ていただけるように早慶戦のパブリックビューイングを考えています。あとは早稲田にいる学生をバスで神宮に来てもらう企画も考えていて、早稲田祭に絡めた企画も多く行っています。

武田 自分がやっているのが「早慶食堂コラボメニュー企画」です。早稲田の応援部と慶應の應援指導部とVIVASEDAの方と生協の食堂の方でやっているのですが、早稲田と慶應で同じメニューを出して早慶戦の集客につなげられるようにしています。10月24日から11月2日まで早稲田では大隈ガーデンハウスと戸山キャンパスでお昼休みに「チーズチキンカツカレー」を販売します。早慶で売上を競っているので、皆さん食堂に来てください。

――なぜ「チーズチキンカツカレー」なのでしょうか

武田 メニューを決めるのにも結構時間がかかったんですよ。結構安直なんですけど、「カツ」を早慶戦の「勝つ」にかけています。生協の食堂にもともと「カレー」と「カツカレー」はあると思うんですけど、「チーズチキンカツカレー」はおそらく初だと思うので、新しさも出るんじゃないかと思ってこのメニューに決めました。販売期間中に「カレー」と「カツカレー」は出さないそうなので、売上的にも売れてほしいところです。あとはカツカレーの上に旗を立てる予定で、表面が早稲田の校旗、裏面が慶應の塾旗を模したデザインになるので、楽しみにしていてほしいです。

小野 お子様ランチのイメージですね。

――コロナによる制約で苦労されていることはありますか

高梨 グッズ販売ができないのが苦しいですね。コロナ前は応援部などで作ったグッズを明治神宮野球場で直接お客さんに販売したりしていて、その流れでお客さんとの関わりを持てて、一緒のグッズで応援するムーブメントができていたと聞いていました。3年ぶりに内外応援が復活しますが、それでもグッズ販売はできないそうなので、学生対策補佐としても責任者としてもグッズ販売まで戻すことができたら今までの学生誘導対策部門に戻ってお客さんとの関わりが復活するところだったので、今年の残念なポイントですね。来年復活したらいいなと思います。

小野 あとは応援部全体に関わる話なんですけど、学生の方々と一緒に事前レクリエーションをするときに積極的に声出しを促せないところですね。神宮球場でも観客の発声が禁止されているので、こちらとしてはなるべく盛り上がった雰囲気を作りたいんですけど、制約の中で難しい部分を感じています。代替案としてハリセンや手拍子を叩いてもらっています。

武田 お2人が言ってくれたことが全てなんですけど、学生誘導対策部門がそもそも神宮に人を呼んだり、早稲田の町を巻き込んで早稲田スポーツを盛り上げたりしていく部門であるところで、そもそも試合がないと応援もできなければ観客の方すら呼び込めない状況なので、学生誘導対策部門の本質の部分がコロナによって少し実現できないのが辛いです。なので今はもし無観客だったり試合がない時は広報部門と連携を取ってSNSでの活動をしたり、さっき言った食堂コラボメニューもそうですが、観客の方々とは直接触れ合わないながらも少しでも早慶戦をはじめとあとしてさまざまなスポーツの魅力を伝えられるような工夫をしています。

――学生誘導対策部門に入った理由を教えてください

小野 僕は前期に応援企画部門に入っていまして、神宮球場での応援が好きなので、そこに関われるのが楽しかったです。後期でも神宮での応援に関わりたいという思いがありました。学生誘導対策部門は神宮に人を呼ぶことがメインで、(神宮の応援に関わるという)目的を果たせると思ったので入りました。あとは学生誘導対策責任者の熱意がすごい部門でいろいろなことができるし、楽しい部門というイメージをずっと思っていたので、それがきっかけでした。

高梨 僕も小野と同じで応援がすごく好きで、前期に応援企画部門にいることができたので、今回は違う形で応援に関わろうと思いました。一番大きいのは、春の早慶戦で初めてお客さんと同じ側(外野席)で応援することができたことです。そのときに後ろからの熱をすごく背中で感じて、すごく楽しい感覚でしたし、学生誘導対策部門になったら違う形でも感じられるのかなと思って、学生誘導対策部門に入りたいなと思うようになりました。

武田 私も前期は応援企画部門に入っていたんですが、そのときは応援全体を作る立場だったので、もちろん観客の方の表情なども見えたんですが、どうしても「応援を作る側」に回ってしまっていて、後期は作った応援を観客の方がどう楽しんでくれているか感じたり、観客の方自体を身近に感じたくなったので、直接触れ合えるという意味で学生誘導対策部門は魅力的なのかなと思って入りました。あとは小野と高梨が申していましたが、自分の考えた企画を実行できるのが個人的には大きいですね。3年生が主体となって、自分がやりたいと思った企画に対して部のお金を使わせていただいて、慶應の方やVIVASEDAの方、生協の方も協力してくださるのがすごくありがたいです。入れてすごく良かったです。

――責任者3名の印象を教えてください

小野 リーダーの自分から。リーダーの玉城さんは人に対する情熱がすごくて、人とのつながりを本当に大事にしている方です。よく言われるのが、「挨拶だけは絶対に怠るな」ということです。挨拶が基本でそこから人とのコミュニケーションやつながりが生まれることを学生誘導対策部門以外の日常生活でも言われます。玉城さんがいろいろな体育各部の方と仲が良くて、それによって企画を実行されていますが、挨拶が基本でいろいろなものが生み出されているんじゃないかなと思っています。あとは玉城さんは本当に飲みに対する情熱がすごく高いです。飲みに命懸けているんじゃないかなと思います。

武田 すごいよね。

小野 めちゃくちゃお酒が強いです(笑)。

高梨 そこで交流を作ってるよね。

小野 交流の場ですね。

武田 学生誘導対策部門の信念に「下級生を飯に連れて行く」って書いてあって、実際に実行してくださっています。

高梨 今の執行委員の方で一番実行されているんじゃないかなと思います。本当にすごいです。

武田 私は学対に入る前の2年生や新人の頃に部活で悩んでいたことがあったんですけど、その時に玉城さんが声を掛けてくださって。

高梨 僕も同じだわ。

武田 他パートだし、当時は全然話したことなかったんですけど、「武田、飯行くぞ」「元気か?」「大丈夫か?」と聞いてくださって。その時すごくありがたかったですし、玉城さんの言葉が今の自分をつくってくれていると言っても過言ではないくらい応援部ではありがたい存在です。

高梨 自分は1年生の時にコロナの関係で9月入部で、楽器初心者から始めていて全く右も左も分からない中で3カ月後に定期演奏会ということもあってすごく混乱していたんですけど、リーダーの裏方として玉城さんが話しかけてくださったりしました。玉城さんは楽器にもすごく造詣が深いので、自分が楽器のことで分からなくなっているところで話しかけてくださったのが1年生の時から印象的です。そういった意味で2年前から下級生をよく見て話しかけてくださる人だと思っています。

武田 玉城さんピアノもできるらしいです。

一同 えぇー。

武田 バイオリンもできるらしいです。

一同 えぇー。

高梨 という話を本人にすると「あんまり広めないでくれ」って言われるので(笑)。

武田 ごめんなさい(笑)。

高梨 記事にすると広まっちゃう(笑)。

武田 確かに(笑)。

高梨 武田、高梨が漏らしたってなっちゃう(笑)。

武田 カットするか、小野が言ったことにするか(笑)。

小野 ちなみに三線も弾けるらしい。

武田 えぇー! そうなの? (小野が言ったということで)お願いします(笑)。

小野 何でもできる。

高梨 多才、何でもできるね。自分が言うことではありませんが、球場での太鼓もすごくお上手なんですよね。吹奏楽団としても非常に頼りになります。

武田 次の方(児玉わかな学生誘導対策責任者、法4=埼玉・浦和一女)いく?

高梨 あっ、ずっと玉城さんの話してた(笑)。言い方が良くないかもしれませんが、児玉さんはすごく話やすい方です。練習場で一緒に練習している身としても、気さくな方なので。バスパートといってバスクラリネットやサックスを主に演奏されていて、自分はパーカッションでやっている楽器は全然違うんですけど、バスパートがすごく仲がいいんですよ。たまにパート練習に自分が練習している時に行ったりすると学年問わず楽しそうに話されていて、自分も部門以外で話す時も同じ空気感で話してくださって、すごく親近感の湧く方です。あとは何より楽器を演奏されている姿がかっこいいですね。アンサンブルを有志でやったりするんですけど、かなり頻繫に参加されていて、新歓コンサートの時もかっこよく演奏されていました。バスクラリネットとかサックスって大きい楽器で児玉さんは少々小柄な方なんですけど、それをものともせずにすごくかっこいい演奏されているのが二面性を感じてかっこいいです。今だとポスターやハリセンを担当されています。

武田 早慶食堂コラボも担当してくださっています。旗のデザインを決める時に、私はあまりクリエイティブの人間ではなくてデザインは少し苦手なんですけど、児玉さんにお電話で相談させていただいたら、一回「めちゃくちゃいいね」と言ってくれて、そのあとアドバイスもしてくださいました。寄り添ってくれますし、頼りになる言葉をくださるので、本当に児玉さんが担当の方で良かったなと思いますし、すごく安心感があります。他パートから見ると、結構俯瞰(ふかん)で物事を見られている感じがします。

高梨 そんな感じする。

武田 早慶食堂コラボも担当してくださっています。旗のデザインを決める時に、私はあまりクリエイティブの人間ではなくてデザインは少し苦手なんですけど、児玉さんにお電話で相談させていただいたら、一回「めちゃくちゃいいね」と言ってくれて、そのあとアドバイスもしてくださいました。寄り添ってくれますし、頼りになる言葉をくださるので、本当に児玉さんが担当の方で良かったなと思いますし、すごく安心感があります。他パートから見ると、結構俯瞰(ふかん)で物事を見られている感じがします。山口さん(山口花夏学生誘導対策責任者、教4=東京・新宿)はチアリーダーズ一、アクティブでクリエイティブな方です。

高梨 間違いない。

小野 山口さんは本当にクリエイティブで、応援部内でデザインやグッズを作る「クリエイティ部」という部門のようなものを運営されている方なので、クリエイターとしてのパフォーマンスがすごいです。デザインをよく作ってくださっていて、ポスターや今年度の前期に神宮で配られたガイドブックのデザインを担当されていたんですけど、本当にプロが作ったんじゃないかっていうくらいのすごいクオリティのものをパッと作れちゃうすごい方です。

高梨 学対に入って一番驚いたのが、山口さんのクリエイティビティです。自分が言うのもおこがましいくらいデザインセンスもすごいです。あとはエネルギッシュです。

武田 しかも早いよね。

高梨 そうなんですよ。

武田 私がやったら1時間かかりそうなポスターがあっても、山口さんが「こんなの5分でできるじゃん!」と言っていたので驚きました。

高梨 責任者の方全員に共通して言えるんですけど、あんなにいろいろなことを手掛けているのに、進捗をこと細かに伝えてくださるのが本当に幅広さやパワーを感じます。

小野 スピード感があるよね、お三方とも。

高梨 そうだよね。

武田 確かに。

小野 例えば下級生が提案したり相談させていただくと、すぐにアドバイスをくださいますし、LINEも数分で返してくださいます。

高梨 本当だよね。

小野 下級生としても信頼できる、安心して相談できる、そういう方々ですね。

高梨 自分たちが見習わなきゃ。

小野 見習いたいお三方ですね。

武田 以前「私もポスターやってみたい」ってふと思ってしまって…

高梨 「思ってしまって」って(笑)。

武田 アドバイスをいただくために山口さんにお話を伺いに行ったことがあったんですけど、『Illustrator』を使って作っているので、それについてのアドバイスもいただいたんですが、「何よりもそれぞれ得意なことがあって、学生誘導対策部門は自分の好きな分野や得意な分野をそのまま生かせる部門だから、自分の好きを伸ばしていってね」という言葉をくださったんですよ。その時に学生誘導対策部門、応援部の本質を感じられたような気がして、感動してしまいました。お三方からありがたい言葉をよくいただきますね。

観客とのつながりを感じる日々

明治神宮野球場で応援活動に励む3人

――どのような時にやりがいを感じますか

高梨 たくさんあるな。

小野 なんでやりがいを感じる場面がたくさんあるかっていうと、多分学対部門が一番お客さんと直接関われるからだと思います。お客さんから直接生の言葉を頂ける機会が多いので、本当に面と向かって「ありがとう」とか「元気になれた」とか「いつも応援ありがとう」って言ってくれるお客さんだったり体育会の方々の声を聞けるので、それが本当にやりがいを感じる瞬間ですね。応援部の代表として聞ける仕事というか。

武田 分かる。

小野 神宮球場で先ほど申し上げた通り、内野席の観客の方々が入場されるところであいさつをさせていただいているんですけれども、その時にいろいろな方々から温かい言葉を掛けていただけるので、本当に活動の励みになりますね。

高梨 「応援してるよ」って言ってくださる方が多くて。応援部なのに応援されているっていう状態です。

小野  観客の皆さんの熱意をひしひしと感じられるから、こういう方々と一緒に応援部がリードして応援するんだっていう意気込みにもつながっている感じですね。

武田 春は入場の時だけだったんですけど、秋は退場の時にもお見送り人員って言ってお見送りさせていただくことができるようになって、まさに試合後なので、熱を持った観客の方々が来てくださって、負けてしまった時も「明日は絶対勝つよな」という言葉を掛けてくださったりとか、勝った時はもう一緒に喜んだりとかで、本当に実感しますね。

高梨 この前パンフレットを神宮に設置していて、そこで神宮のスタッフの方に話してもらったんですけど、六大学のパンフレットをそれぞれ全部置いていた箇所があって、そこで「早稲田のパンフレットが一番売れ行きいいよ」と言っていただいて。本当かは別に確認できていないんですけど、後期は自分たちでデザインした箇所も多かったので、それが本当にうれしかったですね。

武田 デザイン難しかったね。

高梨 その時に改めて山口さんのすごさを感じた(笑)。「こんなに時間掛けてるのに?」って(笑)。

武田 こうやって観客の方と触れ合うのも本当に楽しくてやりがいを感じますし、やっぱり自分たちが一つ一つ、一つ以上企画を持っているので、その自分の企画が実現された時、その自分の企画に対してお客さんから声をいただけた時は本当にうれしいですね。

小野 本当にありがたい立場に置かせていただいている補佐かなと思います。

高梨 何でもやらせてもらえるね。

――来年の学生対策部門に生かしてもらいたいことはありますか

小野 今年の責任者に対する「すごいな」っていう思いがまずかなり強いんですよね。

高梨 代が替わってどうなるかだよね。本当にお三方の熱意と技術で、すごく動かしていただいていると感じる部分が多いので。

小野 どっちかと言うと自分たちがその熱意をしっかり引き継いでいかなきゃなっていう使命感が強いですね。

高梨 人が替わってもこれくらい動けないと。後はコロナがもっと大丈夫になってきた時に、今までの踏襲だけじゃなくて、もっと踏み込んだことができるといいのかなと思ったりしていますね。結構漠然としているんですけど。

武田 全く一緒(笑)。

高梨 コロナで制限された結果、できなくなったことも多いですし、逆にさっき武田が挙げてくれたみたいに、無観客の状態でできることは何かっていう模索も前期の方が多くあったので、それをもっと生かして、触れ合えるようになった時に効果的なことができるといいのかなと思っています。

小野 学生誘導対策部門は技術であるとか、いつもやっていた内容を引き継ぐっていうよりはどれだけ情熱を共有できるかっていうところだと思うので、自分たちが学生誘導対策補佐をやった人間として、来年部を運営する立場になったら、学対部門の情熱をちゃんと部全体に共有する使命を持っているかなと思います。来年学対に関わらないとしても、そういう役割があるなと思っています。

武田 まさにそうなんですけど、学対部門はもともと本当に早稲田の町の方であったり飲食店の方であったり、早稲田の学生やOB・OGはもちろんのこと早稲田に関係している全ての人を巻き込んでいきたい部門であるので、今後コロナがどうなったとしても、SNSとかも取り入れてはいきますが、やっぱり一番根本になるのは直接の関わりかなって思うので、どんな形であれ、必ず直接の関わりは持っていきながら、もっと人との関わりを大切にしながらやっていきたいと思います。

――早慶戦で観客の方々に協力してほしいことはありますか

高梨 それをまさにさっきまで話していて、実際の応援中はさっき小野が申していたように、扇動ができないので、事前レクリエーションとかで応援の方法を簡潔ながらも説明して、一緒にハリセンで、例えばコールとかでどのリズムでハリセンを叩いたらいいのかを伝えられたら盛り上がるのかなと思っていて。その場で合わせていただくのは難しいと思うんですけど、応援席が一体になれるようにするには、自分たちがやっていた応援をちょっと真似してみてもらえると同じ動きができて盛り上がるのかなと思います。

小野 学生誘導対策部門的なところでいうと、よく責任者がおっしゃっている話なんですけど、もし神宮にいらしていただける学生の方々は、ぜひもう一人友達を誘って来てほしいですね。みんながそれをやれば2倍、また誘ってくれれば3倍、4倍になっていくので、ぜひもう一人友達を誘って神宮に来てほしいって思います。

武田 いいこと言うね。

高梨 めちゃめちゃいいこと言う(笑)。

武田 私は入場時、退場時のあいさつを結構やっていて、その時に観客の方と話しているのはすごく楽しいんですけど、やっぱり話しかけてくださるのが一部の方って感じで。「おはようございます」みたいな一言を返すだけに今とどまってしまっていることが結構多いんですけど、こちら側としてはもっとどんどん話しかけていただいたり、こちら側としてもめちゃくちゃ話しかけに行かせていただくので、あまり私的には一言だけだと少し寂しい気持ちもしているので、もっともっと話したいですね。お忙しい中恐縮なんですが、もっと一瞬立ち止まって「今日の試合はこうでしたね」「明日もよろしくお願いします」みたいな感じで話せる関係になりたいなと思っているので、よろしければ足を止めて、話しかけていただきたいです。こちらからも話しかけます(笑)。

――最後になりますが、読者の方や観客の方々に向けて、メッセージをお願いします

小野 ベタになっちゃうんですけど、早慶戦は神宮に来てください。まずは来てほしいです。

高梨 来週の立明戦(※取材当時。10月29、30日に実施され、明治が2連勝したため、早稲田の優勝の可能性は消滅した。)次第ではあるんですけど、優勝の可能性はまだ全然残っていて、立教が1回でも勝ってくれればって感じなんですけど。なので、もし早慶戦が優勝決定戦になったら、昨年の秋と同様のかたちにはなるんですけど、応援もコロナから戻ってきて、絶対に盛り上がる試合になるので、まずは小野が言ってくれたように(神宮に)来てほしいというのと、来たら一緒に盛り上がって、楽しい応援ができたらいいなと思っています。

武田 早慶戦はもちろんなんですが、それ以外のサッカーであったりラグビーであったり、今後もまだまだ応援が続くと思いますので、早慶戦に限らずたくさんの方に見に来ていただけたら本当にうれしいです。私たちも応援に行くものは限られているんですが、限られている中でもできることをやって、皆さんと少しでも関わりを持てるように努力していきたいと思っていますので、もっと応援部を身近に感じながら一緒に応援していければと思っています。早稲田の町を盛り上げていきたいです。

――ありがとうございました!

(取材・編集 荒井結月、横松さくら、横山勝興)

◆小野泰助(おの・たいすけ)

群馬・沼田高出身。文学部3年。毎朝起床後すぐに冷水を浴びることを習慣にしているそうです!

◆高梨泰成(たかなし・たいせい)

東京・攻玉社高出身。商学部3年。マイブームは『チェンソーマン』のマンガとアニメを見ることで、オープニング曲の『KICK BACK』をリピートしているそうです!

◆武田彩加(たけだ・あやか)

岡山朝日高出身。文化構想学部3年。1人で何かをするのが好きで、最近では「焼肉トラジ」を満喫したり、散歩を楽しんでいるそうです!