進化する応援で選手に力を

応援

 昨秋、70年ぶりの東京六大学リーグ戦(リーグ戦)最下位という屈辱を味わったワセダ。悔しい思いをしたのは、野球部だけではない。毎試合神宮球場へ赴き、声援を送り続けた応援部も、この春の捲土重来(けんどちょうらい)に燃えていた。

 この日は立大1回戦が行われた。「最初からクライマックスの応援でいこう」と渡邊友希代表委員主将(政経4=静岡・沼津東)が話すように、気合い十分で臨んだ部員たち。定番の『大進撃』や『スパークリングマーチ』などを披露しながら、ワセダナインの背中を押す。また、それに加えてこの春からは守備中にも『紺碧の空』を歌っての応援を始めた。守備中はドラム以外の楽器を使うことはできないが、その場にいる誰もが歌える第一応援歌は会場に一体感を生む。ほかにも、『ツーストライクコール』や、リーダー、チアリーダーズだけでなく吹奏楽団も観客の方へ振り向き、カラーアクションパネルを用いてのコールを行うなど、曲を演奏ができない中でも楽しめる工夫がいたるところに見られた。

『コンバットマーチ』を披露するリーダー

 試合は0-0のまま7回表を迎える。先制したのは立大だった。ピンチを迎えた投手・小島和哉主将(スポ4=埼玉・浦和学院)に向かって『ダイナマイトマーチ』を何度も歌い続けると、小島はその回を1失点に食い止める。今度はワセダの攻撃だ。1点ビハインドの中、通常であれば打者が塁に出た好機の時に披露されるとっておきの応援曲『コンバットマーチ』が流れ始める。観客の応援を集め選手に送り出す動作のある『コンバットマーチ』の思いが届いたのか、吉澤一翔(社2=大阪桐蔭)が安打を放つと、続く加藤雅樹(社3=東京・早実)や岸本朋也副将(スポ4=大阪・関大北陽)らにより念願の初得点が生まれた。その後、8回に1点を失い1-2で試合は負けてしまったものの、会場の雰囲気は決して悪いものではなかった。

校歌の指揮をする渡邊

 今年度の目標は『一人一つ』だ。その言葉通り、どの部員も個性を持ちながら全力で選手を応援している。守備中、コールとコールの間にも、チアリーダーズが声を張りながら「頑張れ!」と口々に叫んでいるのを何度も耳にした。個々の強い気持ちが集まっているからこそ、応援部の応援には力があるのだ。しかし、ワセダを盛り上げることができるのは、何も部員だけというわけではない。応援したい、その気持ちさえあれば、神宮球場へ足を運ぶだけでいつでもその仲間に入れてもらえるのだ。得点時に肩を組み『紺碧の空』を歌う楽しさは、実際にやるほか味わうことはできない。どうだろう、あの球場特有の空気を感じたくなってきたのではないだろうか。応援部は、いつでもあなたを待っている。

(記事、写真 今山和々子)

コメント

渡邊友希代表委員主将(政経4=静岡・沼津東)

――きょうは開幕戦でしたがどのような気持ちで臨みましたか

昨年度やはり苦い思いをしたので、それを払しょくできるように、一番最初がクライマックスくらいの応援をしようと心がけました。

――1-2という結果を受けていかがですか

1点差で負けてしまったというのは、あと少し応援で流れをちょっとでも変えられればもしかしたらもう1点入っていたかもしれないという、応援にとって一番悔しい負け方なんです。その一番悔しい負け方をきょうしてしまったことは反省して、あした以降は逆にそのもう1点を応援の力でワセダが出して勝てるように、切り替えてやっていきたいです。

――この春から新しく始めた応援はありますか

守備中にも『紺碧の空』を歌うということを新しく始めました。やっぱり、早大生が一番歌えるのが『紺碧の空』という考えがあって、守備中のピンチのときとかにやることによってお客さんの声も引き出せて、選手の後押しになるかと思って始めました。

――応援に来たファンに向けてコメントお願いします

応援に来てくださってありがとうございました。まだ勝ち点を落としたわけではないので、あしたあさってと立教戦は続くので、自分たちと一緒に応援して、必ず優勝への一歩を踏み出せるように頑張っていきたいと思うので、今後ともよろしくお願いします。

――あすに向けての意気込みをお願いします

きょう苦い思いをした分、それを伸びしろだと考えて、あしたはきょう以上によい応援をして、(応援にきた)みなさんと一緒に『紺碧の空』を歌いたいと思います。ぜひとも時間がある方は球場にお越しください!