応援で「ケイオウノミツクス」

応援

 シーズンを締めくくる決戦まで残り10日。春の早慶戦チケット販売が始まったこの日、慶大應援指導部を招いて早慶合同デモンストレーションが行われた。一足早い『早慶戦』には野球部の選手も出演し、熱い応援合戦で両校の誇りをぶつけ合った。

 まず始めに演奏されたのは『紺碧の空』と『若き血』。ここ数試合神宮球場でご無沙汰となっているとは言え、やはり名応援歌中の名応援歌。観客の士気は高まる。次に早慶戦90周年の際に早慶で作曲されたという『Blue Sky Waseda』を両校応援部合同で披露。この曲をリーグ戦で耳にすることはあるものの、早慶合同で演奏される機会は少ないため貴重な機会となった。続いて行われた応援合戦で先攻を務めたのは慶大應援指導部。「アウェーでのデモンストレーションをいかにホームにするか」と慶大應援指導部の青柳主将が語るように、力強いチャンスパターンメドレーとテクで早大生を魅了した。

アベノミクスにかけてうまい掛詞を披露した関口代表委員主将

 ここで早大野球部から東條航主将(文構4=神奈川・桐光学園)と大野大樹(社4=東京・早実)が駆け付け、あいさつの場が設けられた。伝統の一戦を来週末に控えた両選手は「ワセダの野球は一致団結する野球なので、観客のみなさんも一緒に戦ってください」(大野大)、「ことしのワセダは『一体感』がテーマ。選手、スタンドともに一体となって戦っていきましょう」(東條主将)と『一体感』を強調し、学生に神宮へ足を運ぶよう呼び掛けた。そして満を持して関口晃由代表委員主将(教4=東京・東洋)が登場する。おもむろにスケッチブックを取り出した関口は、「アベノミクスではなく『ケイオウノミツクス』!」と高らかに宣言。経済政策と早慶戦への意気込みをもじった知的なかましに歓声が起こった。学注の勢いそのままに、早大応援部はチャンスパターンメドレーを披露。最後は『第二の国歌』こと『都の西北』で締め、大盛況のうちにデモンストレーションは幕を閉じた。

熱い応援合戦を繰り広げた早大応援部と慶大應援指導部

 現在、早慶ともに野球部はなかなか勝ちきれない状況にある。「苦しいときにどれくらいパワーを与えられるかが応援部の仕事」(関口)――強いときだけ応援するのが応援部ではない。どのような状況にあろうとも『マインドパワー』を送り続ける。これが本来の応援部の姿である。大舞台までの日数も両手で数えられるようになってきた。幹部にとってはこれが最後の春の早慶戦。憧れのひのき舞台で輝く準備はできている。

(記事、写真 川口真由)

コメント

関口晃由代表委員主将(教4=東京・東洋)

――いよいよ早慶戦の季節です。今のお気持ちは?

早慶戦はワセダとケイオーだけ、他とは違うものだと思うので、それをできるというのをうれしく感じます。私自身、4年になって早慶戦の指揮台に立つというのが夢だったので楽しみです。

――きょうのデモンストレーションに向けてはいかがでしたか

きょうはケイオーも来ますし野球部も来てくださっているので、盛大にやりたいという気持ちでした。

――かましのケイオウノミツクスというのはいつ頃考えましたか

きょうの朝、電車で考えました(笑)。

――手応えは

良かったです(笑)。

――野球部の現状に関してはどのようにお考えですか

明大1回戦で勝って以来勝てていないので野球部も苦しいと思いますが、苦しいときにどれくらいパワーを与えられるかが私たちの仕事だと思っています。野球部は頑張ってくれるでしょうから、それに応えられるようにやりたいです。
――あさってから日吉、三田とアウェーで行われるデモンストレーションについてはどうでしょう

ケイオーの学生はワセダの学生ほど熱くないと思うので、そこをいかに盛り上げられるかだと思います(笑)。

――きょう早慶戦のチケット販売があって、学生も早慶戦の気分になってきていると思います。早大生、慶大生に向けてメッセージをお願いします。

春の早慶戦ということで、新歓を兼ねていらっしゃる方も多いと思います。ワセダだからこそ、ケイオーだからこそ心の底から楽しめるものだと思うので、自分が早大生、慶大生であるということを感じに来てほしいですね。

青柳勇希主将(慶大應援指導部4年)
――昨秋以来の早大でのデモンストレーションはいかがでしたか
やはりワセダの学生はケイオーの学生とは違って熱狂的だな、と。ちょっとうらやましい部分もありますけど(笑)。
――ケイオーの学生はそれほど熱狂的ではないのですか
冷静というかケイオーらしいというか(笑)。ワセダはスポーツに対して熱心という印象があります。
――アウェーだなと感じる部分はありましたか
アウェーではあるのですが、自分としてはアウェーをいかにホームにするかということが大切で。例えば早稲田大学に行って(デモンストレーションの)慶早戦をやるという、アウェーの地でもいかに応援をするか、ホームにするか。今回もホームにできたかどうかは分からないですけど、いかにホームにするか、自分の土俵に持ってくるかということが大切だと思います。
――次は日吉と三田での開催ですね
それはもう徹底的に打倒ワセダで(笑)。応援から、デモンストレーションからもう全て勝つつもりでいます。
――早大生に一言お願いします
絶対に打倒ワセダをするのですが、ワセダの人たちが(慶早戦に)来てくれることによって慶早戦も盛り上がると思うのでぜひ応援に来てください。でもやはり打倒ワセダはしますけど(笑)。
――早慶戦へ向けての意気込みをお願いします
今年は(慶早戦が)110周年ということできちんと勝ちたいですね。慶早戦の新たな1ページとしてケイオーの勝利ということにしたいと思います。