チアリーダーズ・BIG BEARSが年に一度主役となる舞台、チアリーディングステージ(チアステ)。ことしで32回目を迎えるこのステージで、チアリーダーズは1年間の集大成を披露。会場を埋め尽くす観客を美麗なパフォーマンスで魅了し、大成功を収めた。
「1年間ありがとうございます、という意味合いも込めて」(小野由莉、教4=東京・早実)、『year』をことしのチアステのテーマに掲げたチアリーダーズ。全編を通して、各月ごとのイメージを様々なパフォーマンスで表した。1年の始まりである1月をテーマにした曲では、総勢61名による華やかな演技を行う。続く2、3曲目はダンスナンバー。普段のチアリーディングとは異なる形で、バレンタインデーや春の訪れを表現した。この後は学年ごとに分かれた曲が2つ。4年生が『4月』を、2、3年生が『5月』をそれぞれ担当。そして第1部最後となる『6月』は、ジューンブライドをモチーフとした幸福感溢れるものであった。
4年間の感謝の気持ちを込めて、3パートが壇上で集った
第2部に移ると、観客のボルテージはさらに高まっていく。まずはWaseda University Cheerleadersの頭文字を取った『W』、『U』、『C』の3チームにそれぞれ分かれ、『7月』から『9月』の演技を行った。次の『10月』では、東京六大学応援団連盟に所属するチアリーディング部も大隈講堂に集結。リーグ戦にちなんだパフォーマンスが繰り広げられる。リーダー幹部3人も加わった応援曲ステージで『紺碧の空』や『ワセダ必勝応援曲メドレー』が流れると、会場の盛り上がりは最高潮に。圧巻だったのは、各大学の4年生によるスタンツ。ステージには六大学の衣装が入り乱れ、美しくも力強い演技だった。この盛り上がりを保ったまま、チアステは大詰めへと向かう。チアリーダーズの1年間の活動を振り返るスライドショーが終わると、最後を飾る『12月』を披露。クリスマスを祝福し、途中で部員がサンタクロースの衣装をまとって現れるなど、楽しげな演技であった。これにより全てのプログラムは終了したが拍手は鳴りやまず、再び幕が開ける。アンコールでは、学年順で次々と舞台にチアリーダーズが姿を現す。4年生は後輩達に迎えられる形でステージに登場し、この日最高の笑顔を見せた。
最後まで笑顔を絶やさないチアリーダーズBIG BEARS
今回のチアステにより、チアリーダーズ4年生の活動はほとんど終了する。精神面や技術面でチームを支えていた最上級生がいなくなってしまうことは、大きな痛手である。しかし、田部井希予(文4=東京・下北沢成徳)が「下級生が今後につながる技をしていた」と語るように、若きチアリーダーズたちはBIG BEARSの誇りを受け継ぎ、さらに進化したパフォーマンスを見せてくれることだろう。
(記事 落合修平、写真 川口真由)
コメント
高田祐未(法4=東京・早実)
――きょうのパフォーマンスを振り返って
何よりもいろんな人に支えられてるなっていうのを実感したステージで、見ていてくださっている方々もそうですし、特に4年生なので3年生、2年生、1年生の下級生とできて良かったなと思わせてくれたので、本当にこのメンバーでこのステージができて本当に良かったなと思います。
――1年で一度のステージ発表ですが、どのような意気込みで臨まれましたか
とにかく1年の集大成を、とステージをやってきました。1年を通して支えてきてくださった方々が来てくださることが多いので、その方たちに感謝の気持ちを込めて演技をするというか、いままでの感謝の気持ちの分、1年間分を楽しんでもらえるステージを作りたいと思っていました。
――今回のステージに向けて一番力を入れた点や苦労した点は
チーム全体では、時間的に後の方に全体の流れが出来上がるという感じで、結構詰め詰めのスケジュールでここ1週間、2週間くらいはオフがないまま、ずっと詰め詰めでやってきました。それは多分4年生は最後だから頑張れるというところがあったと思うんですけど、下級生はつらかったかなと。個人的には六大学の4年生で作る演技を担当していたので、それをとにかく完成させたいという気持ちでした。4年生は六大学(の他の4年生)が集まるので日中とかは練習ができなくて、基本的には全部朝練習をしていました。朝練習が授業などで人がそろわない中でも、絶対に成功の演技を作りたいという気持ちで毎日やっていました。
――4年生のみのステージの際には特に大きな拍手が送られていたように聞こえましたが、4年間を一緒に過ごした仲間とのパフォーマンスはどうでしたか
同じチームで同じ学年でも、同期だけで組むということはそんなに多くないので、4年目にしてこのメンバーだけで演技を作るというのが新鮮な感じがしましたね。それをすごく応援してくれているのを感じたので、本当に4年間やってきて良かったなと思いました。
――下級生のパフォーマンスを見て感じたことは
練習中もなんですけど、日に日に下級生だけでの演技も精密さ、完成度がどんどん高くなっていって、技自体も上手になっていって、すごく頼もしいなというかこの子たちに来年のBIG BEARSを任せられるなという気持ちで見ていました。
――六大学の他の大学とコラボレーションたことについてはいかがでしょうか
とにかく人が多いので、BIG BEARSは61名なんですけど、六大学の4年生を全員集めると49人で、その約50人をみんな同期なので指示の仕方も難しいというかそういうところがありました。でもやっぱりそれぞれが4年生のプライドを持っているので、その4年生として絶対にこの技を、この演技を成功させるという気持ちをみんなから感じたので、このメンバーなら絶対に良い演技ができるなと自信を持って臨めました。
――実質のラストステージを終えられました。この4年間はどのような時間でしたか
濃かったです、すごく。一言で言うと。いろいろな思いを味わったなというか。応援部に入ってから涙もろくなったというかすごく感情を揺さぶられることがすごく多い4年間だったなと思って。悔しい、本当にすごく悔しいこともあれば、本当にうれしいというかここにいて良かったと本当に思ったときもありましたし。そういう意味でいろいろな感情を素直に出せる貴重な4年間だったと思います
――来年以降BIG BEARSを引っ張っていく後輩、今後も応援してくれるファンの方に一言お願いします
BIG BEARSは六大学の中でもその他のチアリーディング部の中でもすごく人数が多いことが強みで、きっとこれからもどんどん増えていくかなと思うので、人数の強みを生かしたチームにしていってもらいたいなと思います。応援してくれる皆さまには、人数が多いのでなるべく多くの子の顔を覚えていただけるとうれしいですね。
小野由莉(ステージ企画責任者)(教4=東京・早実)
――ステージを終えての感想をお願いします
もう、楽しかったです!ステージ企画の責任者に就かせてもらって良かったなという気持ちでいっぱいです。
――ことしのチアリーディングステージ(チアステ)は『year』がコンセプトでした
BIG BEARSは年間を通してすごくたくさんの活動があって、一つ一つの活動を振り返りつつみなさんに「1年間ありがとうございます」という意味合いも込めて、1年という意味の『year』にしました。
――『COLOR』をテーマにした昨年度と比べると「ありがとう」の意味合いが濃かったということでしょうか
すごくたくさんの人に支えられているので、下級生に対して感謝の気持ちも、もちろん私はありますし、そういった「4年間ありがとう」の気持ちを込めて演技しました。
――プログラムの『4月』では応援部の4年生で壇上に上がりましたが、その構成も小野さんが考えられたのですか
そうですね、私と曲を担当している者で考えました。やっぱり4年生の曲なので、チアの4年生だけではなくて他のパートの4年生にも感謝の気持ちはありますし、4年間一緒に頑張ってきたので、3パートでぜひ出てみたいなという話をして協力をお願いしました。
――『4月』で4年生のステージにしたのは、4月と4年生の4を掛けているのですか
若干かかっています(笑)。
――企画を練り始めたのはいつですか
2月からステージ部門としては動き出しました。テーマを決定したのは4月です。
――9カ月ほどかけて作り上げたステージが終わって舞台から見える光景はいかがでしたか
一生忘れたくないなと思って、もうアンコールの最後、緞帳が下りるとき上から下まで全部左右見渡して、一生忘れないように目に焼き付けました。
――昨年のチアステではサブステージプロデューサー(サブステ)を務められていたと思いますが、そのときの経験は今回どのように活かしましたか
昨年は反省点があったので、その反省点をことしは活かしてやりやすいように工夫はしたつもりです。
――これまで練ってきたステージがきょう終わりましたが、ご自身の企画に点数を付けるなら何点ですか
気持ち的には120点と言いたいです!(笑)みんなも楽しそうに演技してくれて、私も楽しかったので120点です!
――では最後に、4年間を共に過ごしてきた同期のみなさんに一言お願いします
16人という数ですごく多くて意見もまとまらなかったりぶつかったこともたくさんあったんですけど、やっぱり最終的には16人全員で団結するという力が私たちの学年はすごく強いので、いざというときにまとまるというか。そう言った力がチアステでも発揮できたんじゃないかなと思って。それもまた同期への感謝の気持ちでいっぱいです。
増井春奈(ステージ運営責任者)(教4=静岡・浜松学芸)
――ステージを終えての感想をお願いします
私は運営責任者だったのですが、自分の不手際があったり指示が出せなかったりステージ自体どう進むのか不安なところではあって、始まる前も不安と怖さしかなかったんですけど、直前で部員たちも熱気が上がってきて詰めてくれて何とかこう形にすることができて、当日は崩れるような大きな失敗もなく終えることができたので、結果的にはすごく良かったなと安心しています。
――ステージ運営責任者というのはステージのプロデユーサーのようなものでしょうか
ステージ部門には運営、企画、広報の3つがあって、私の運営部門では音響さんや照明さんと打ち合わせをしてステージを作るということと、あとはどのようにしてお客様を入れるかという座席を主に担当していて、どういう背景にしようかなとかどういうタイミングで曲を入れようかということを考えていました。
――この役職に就かれたきっかけというのは
1年生の頃からチアステを運営していく先輩方がすごく素敵だなと思っていて、チアがすごく好きなので4年生になったらチアに係わる役職に就きたいなと思って3年生のときに希望を出しました。
――3年生のときはチアステでサブステを務められたの思うのですが、その頃から来年は運営責任者を希望していたのですか
そうですね。やっぱりサブステをやったからには4年生でもステージ部門に係わりたいなと思っていて、でもやっぱり全体の進行とかを見る運営責任者に憧れていました。
――先ほど照明や背景を考えるとおっしゃっていましたが、今回工夫された照明、背景はありますか
本番流れたか分からないのですが、私はフィナーレの曲を担当してたので、そこで冬っぽい照明になったら良いなというのを希望に出したり、あとは音響だと休憩時間に流す音楽や客入れ、退場の音楽を全部意味があるものにしたいなと思っていたので、今回『year』がテーマで、『6月』で前半が終わって休憩だったので間の音楽で雨の歌を入れたりとか、あとみんなが聞いたことある曲で、でもあまり思い出さないというような曲を入れたいと思っていたので、結構自分で選んでBGMを作りました。
――ステージ運営責任者を1年間やっていく上で一番大変だったことは
それがまさにここ3日間ぐらいにまとまっていました(笑)。考えなければいけないことが多いということが大変でした。裏方のこともそうですし、座席のことやステージの進行のこととか、いろんな面からチアリーディングステージを見なければならないのがキャパシティーが大きくないと駄目だなと思って、自分でまだ足りない部分があって、それがこの3日間ぐらい辛かったです(笑)。
――その苦労を乗り越えてきょう見えた景色はいかがでしたか
そうですね…。本当にステージとして成り立つかが不安なぐらい不安だったのですが、やればできるというか、何とか頑張ればできるんだなというのが分かって、良かったなと思いました。
――最後に、4年間一緒に頑張ってきた同期の方への思いをお願いします
結構はちゃめちゃなんですけど(笑)、やるときにはやってくれるし、みんな個性豊かでおもしろかったので、一緒にやれて良かったです。
田部井希予(ステージ広報責任者)(文4=東京・下北沢成徳)
――きょうのステージにどのような気持ちで臨みましたか
きょねんまではステージ部門に関わっていなかったのですが、ことしになって広報責任者に抜てきしてもらいました。最初は勝手も分からず戸惑いがあったのですが、3年生の時にやっていた、行事での広告取りや部のSNSの更新などを先輩が評価してくれたことに誇りを感じていたので、頑張ってまいりました。
――きょうのパフォーマンスを全体像として振り返ってみていかがでしたか
人数がすごく多くて、仕切っている人の声が通らないなど練習中は大変でした。ですが4年前と比べて技術がすごく上がっていましたね。難しい技もできました。また、下級生が今後につながるような技をしており、そういった面でもチームとして有益だったと思います。
――自身のパフォーマンスを振り返っていかがでしたか
自分が決めたいと思っていた技は全て成功しましたね。特に、六大幹部スタンツでの慶大の冒頭部分、あそこで私は2.5人分を乗せていました。単純計算で100キロを超えるんですよね(笑)。練習で何度も失敗したことを思うとすごく不安だったのですが、たくさんのお客さんの前で最後に決めることができてうれしいです。
――きょうは他の五大学もステージに華を添えました
過去に六大学がそろわなかったこともあったのですが、ことしはそろってくれました。私たちが主催するイベントに六大学のつながりで参加してもらうというのは決して当たり前のことではないと思うので、本当に幸せです。
――きょうで応援部としての活動はほぼ終わりとなりましたが、4年間の活動を振り返っていただけますか
応援部に入って本当に良かったです。私は運動をした経験がほとんどなくて、大学で初めてチアをやろうと思いました。運動も全くできないし、踊りもけちょんけちょんだったのですが、4年間いろいろな先輩や同期、下級生に支えてもらったおかげでいまの私があります。これはきょうのステージで特に実感しましたね。本当に、応援部に入れて幸せでした。