力見せつけ全学連覇!いざ去年の雪辱果たす舞台へ

男子ラクロス
1Q 2Q 3Q 4Q
早大
東北大
▽得点者
小林大2、青木俊、半場、清水、岡田

 12月1日、『学生日本一』を賭けた戦いが駒沢オリンピック公園陸上競技場で行われた。決勝の相手は東北大学。数ある大学の中で、全日本大学選手権(インカレ)の決勝まで駒を進めた二校による戦いは、意外にも一方的な展開となる。早大がAT小林大祐(社3=東京・早稲田)のゴールで先制すると、その後も攻守の歯車が噛み合い、次々とリードを広げていく。隙の無い盤石な試合運びを見せた早大が6-1で勝利を収め、2年連続で『大学日本一』に輝いた。

 決勝戦の舞台とあって、序盤は固い入りになるかと思われたが、予想に反して早くから試合が動く。「今まで以上にゴールに対する貪欲さが自分の中にあった」と話すAT青木俊汰主将(法4=東京・早大学院)が圧倒的な個人技でゴールを決めるなど、早大は第1クオーター(Q)開始早々に2点を奪うことに成功する。2点のリードで試合を有利に進めることが可能となった早大は落ち着いたポゼッションにより試合を支配する。「ディフェンスは、運動量を上げようということにフォーカスした」とDF青木秀斗副将(人4=東京・城北)。1週間前の準決勝から守備の修正を図った結果、この日は1on1ディフェンスとカバーリングの動きが光り、相手に好機を作らせず、守っては無失点で第1Qを終える。

貴重な追加点を挙げ喜ぶ半場

 第2Q以降も試合の主導権を握ったのは早大。大会最優秀選手に選ばれたFO鈴木雄大(社4=東京・国立)がフェイスオフを何度も奪うことに成功すると、その流れから順調に得点を重ねていき、第3Qを終えた時点で5-0と東北大を圧倒した。最終第4Qではこの試合で激しいマークを受け、「チームにとって流れが良かったのに対して自分にとっては厳しい時間が続いていた」と語ったAT岡田康平(教4=東京・早実)にも得点が生まれ、さらにリードを広げる。その後は相手の攻撃を受ける場面が続いたものの、反撃を1点に抑え、6-1で試合終了のホイッスル。早大は2年連続で『学生日本一』の称号を手にした。

 得点直後の岡田。珍しくガッツポーズが見られた

 「後悔しないように戦うことが一番大きな軸になる」(青木俊)。『全日本選手権優勝』を達成するために、あと一勝というところまでたどり着いた早大男子ラクロス部・RedBats。今までの試合とは異なり、社会人チーム相手には厳しい試合を強いられることが予想される。しかし、今日の試合で見せたような集中したプレーを出せれば、勝機は見えてくるはずだ。去年、涙を飲んだ悔しさを晴らすには今度こそ同じ舞台で勝利を掴むしかない。12月15日、江戸川区陸上競技場で歓喜の『WAVE』が起きることを願っている。

(記事 加藤敦、写真 中島和哉、大島悠希)

2年連続でインカレを制した!

☆鈴木が最優秀選手に選ばれた!

選手紹介で観客の歓声に応える鈴木

 早大の誇るフェイスオファーが最優秀選手に選ばれた。この日も勝負強さが光り、フェイスオフで高い勝率を挙げた。鈴木は「周りの人たちのおかげ」とコメント。嬉しい発表となった。

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コメント

AT青木俊汰主将(法4=東京・早大学院)

――今の気持ちを教えてください

きょうここで勝つことが全然想像できなくて、シーズン通しても苦しかったので、1試合1試合を全力で戦うことだけを全力でやって来たので、うれしい気持ちと、ホッとした気持ちと、まだあまり実感がないような感じでいます。

――前回の試合・全日本学生選手権準決勝では、試合の出来にあまり納得されていないというお話もありました。それから1週間、どのような準備をされてきましたか

前回の試合は慣れない環境ということもあり、難しい試合ではあったので、そんなに悲観的にならず、切り替えて。しっかり結果はついて来てるから、しっかり準備しようという話をしていました。きょうも初めてこういう舞台でプレーする人が多かったので、(そういう舞台に)慣れるためにも、佐賀での経験があったので、きょうは落ち着いてできたと思います。

――積極的に攻撃を仕掛ける場面も多く見られました。ご自身の得点も含めて、どのように振り返っていますか

後悔したくないと思っていて、去年ここで試合させてもらって、すごいいい思い出になって、このために朝早く起きてラクロスしているのかと感じることができた試合だったので、きょう観客席見てもたくさんの人が応援してくれていて、その中で後悔したくないという気持ちが強く出たので、最初からどんどんゴールに強く向かってやっていこうかなと思っていたので、その結果点を取ることができて、今まで以上にゴールに対する貪欲さが自分の中であった試合かなと思います。

――次戦は早稲田での最後の試合になります。意気込みをお願いします

戦い方とか、色々プランを考えることはできると思うんですけど、どういう選択をするにしても、後悔しないように戦うことが一番大きな軸になるのかなと思うので、準備も含めて、しっかり後悔をしないことにフォーカスしてやっていきたいなと思います。

DF青木秀斗副将(人4=東京・城北)

――今の気持ちを教えてください

本当に素直に、ただただ嬉しいです。それだけです。

――前回の試合・全日本学生選手権準決勝では、満足いく出来ではなかったというお話もありました。それから1週間、どのような準備をされてきましたか

ディフェンスは、運動量を上げようということだけにフォーカスしたように感じます。運動量を上げて自分たちのやりたいことをやれば、必ず守れると信じてやって来た結果が、きょう1失点に抑えられたことだと思うので、とても良かったと思います。

――1失点に抑えました。きょうの試合振り返っていかがですか

勝本(G勝本勇人、社4=東京・早大学院)が結構止めてくれたのもあるんですけど、焦れず、自分たちのやりたいことをやって、相手のやりたいことをしっかり奪っていった結果、第3クオーターまで無失点で抑えられたので、ディフェンスとしては質の高いものだったのかなと思います。

――残る試合1試合です。どのように戦っていきたいですか

まず去年敗れた舞台ですし、先輩たちの思いも背負って戦うのはもちろん、学生代表として全学生の思いも背負わせていただいていると思っているので、その期待に恥じぬように、誇りを持って戦いたいと思います。

FO鈴木雄大(社4=東京・国立)

――今の気持ちを教えてください

2連覇という大きなタイトルの懸かった試合でプレッシャーもあったんですけど、とりあえず勝てて良かったなと思います。

――前回の試合から1週間、どのような準備をされて来ましたか

ここから実力をグンと伸ばすのは難しいかなと思っていたので、自分の持っている実力の中でパフォーマンスを上げられるように、うまく調整して来たかなと思います。

――最優秀選手に選ばれました

自分の実力ではなくて、一緒に練習してくれたメンバーであったり、支えてくれたスタッフであったり、そういう周りの人たちのおかげで、実力のない自分が実力以上のものを出すことができて、その結果として最優秀選手に選んでいただけたのかなと思います。

――フェイスオフを奪う場面が多かったと思います。きょうの試合振り返っていかがですか

数字的には結構勝率が高かったので、その点では良かったかなと思います。ですが2週間後のファルコンズ、もしくはスティーラーズ、そのどちらと戦いますが、どちらにも強いフェイスオファーがいるので、今からそこに目を向けて、明日、明後日からの練習でしっかり頑張っていきたいと思います。

――次が最後の試合になります。意気込みをお願いします

楽しみたいです。勝てていても負けていても、目の前のプレーを楽しんで、笑って引退できるように頑張ります。

A T岡田康平(教4=東京・早実)

――今のお気持ちを教えてください

日本一になれてとても嬉しいです。

――今日の試合を振り返ってみていかがですか

自身のプレーとしては今回全然ダメで、試合が終わってから反省の思いが強くあり、最初は素直に喜べなかったです。でも、試合が終わってからみんなと写真を撮ったりして喜びを共有したときに本当に日本一になってよかったと思いました。

――佐賀県で行われた全日本大学選手権大会準決勝から一週間ありましたが、どのような調整をしましたか

一週間しか期間がなかったので、相手の戦術の分析などももちろんですが、やることは明確に決まっていたのでとにかく自分のコンディションをしっかり整えることに専念しました。

――前半から厳しいマークを受けていましたが、ご自身で振り返ってみていかがでしたか

相手のディフェンスが激しかったというのもありますが、それよりも自分が思うような動きができなかったことを反省しています。また、相手の巧みなディフェンスに対してもう少し自分の良さを出せていたらよかったなと思いました。

――試合終盤での得点を振り返ってみていかがですか

本当に嬉しくて、自分自身あまりガッツポーズはしないのですが、今回(得点を)決めた瞬間は咄嗟にガッツポーズが出ました。チームにとって流れがよかったのに対して自分にとっては厳しい時間が続いていたので、本当に良かったです。

――次の試合であるラクロス全日本選手権大会への意気込みをお願いします

もちろん全学優勝によって素晴らしいことを達成したとは思うのですが、自分達が当初目指していた目標が「真の日本一を取る」ということだったので、相当厳しい戦いにはなると思いますが、可能性はゼロではないと思います。なので、その可能性が1%でもあればその1%を信じて全力で頑張りたいと思います。

MF半場涼介(スポ4=東京・東大和南)

――優勝した今の気持ちを教えてください

去年が強かった中で、今年も伝統をつなげることができた。そして歴史をつくれたということが一番うれしいです。皆で結果を出せたことが一番良かったです。

――きょうの全日本大学選手権決勝に向けてどのような準備をしてきましたか

自分は関東ファイナルでけがをしてしまい、復帰するのに時間がかかったのですが、自分が得点してチームに貢献する為にイメージを固めてきました。

――具体的にはどのようなイメージをしてきたのですか

最近広く取るオフェンスを取り入れていて、その中で自分の強みを生かす。自分はもらって走ることくらいしかできないので、間合いを取りながらゴールに向かう。脅威を見せながら打てる場面で打つのが自分のスタイルなので、きょうはそこで一つ得点を決めることができ、良かったです。

――攻撃の場面での起用が多いですが、その中できょうはどのような気持ちでフィールドに立ちましたか

試合前に俊汰(AT青木主将、法4・早大学院)から「グラウンドに立てることに感謝しよう」という話がありました。自分自身も、(これまで)多くの人の支えがありました。グラウンドに入る時に周りを見ながら、自分は周りに恵まれてるな。そして今を本当に楽しもうと思って、グラウンドへと入りました。

――チーム3点目となった、自身のゴールを振り返ってください

ポジショニングに常に拘っていて、自分が得点を取れるポジションを探しながら、動いていました。その中で自分のマークが一瞬外れた場面で、(パスを)俊汰が出してくれたので、自分の得意な縦振りのシュートを決めることができ、うれしかったです。

――次の全日本選手権決勝への意気込みをお願いします

クラブチームのどちらが勝ち上がってきても不足のない相手ですし、自分たちも4年間積み上げてきたものがあるので、それを全力でぶつけていって、個人としてもチームとしても最高の結果で終われるようにしたいです。

MF清水俊克(商4=東京・早大学院)

――大学日本一を達成することが出来ましたが、今の気持ちを教えてください

去年のチームが強く、「今年はダメなのではないか」と先輩から言われたりして、悔しい気持ちの中で臨んだ開幕戦で負けてしまったので、それを考えると嬉しいです。期待も受けていましたし、感謝の気持ちもありますが、嬉しいという気持ちが本当に大きいです。

――重要な場面で起用されることが多かったですが、どのような気持ちで試合に臨みましたか

ポジションがMFで試合中に三人のみ出場可能と出場時間は限られるのですが、出た時間は自分のプレーをしてチームに貢献しようという心意気で頑張りました。

――貴重な追加点となった得点について振り返ってください

相手のホットがいなかったのでいけました。練習でやっていたことをやれた結果かなと思います。

――全日本選手権決勝について意気込みをお願いします

去年も同じ舞台に来れた時、自分はスタンドにいたのですが、社会人の壁の厚さを痛感した試合だったので、先輩方の想いを背負って日本一になりたいです。

G勝本勇人(社4=東京・早大学院)

――試合を終えた今の気持ちをお願いします

こんな凄いグラウンドで、こんな凄い舞台で勝利することができて、本当に嬉しいです。

―前回の試合から1週間、どのような準備をされてきましたか

相手の対策を考えるのはもちろんなのですが、自分たちもまだ課題がたくさんあるので、そこを一つ一つ潰していくというのと、単純に目の前の一球一球に全力で取り組むことを意識しました。

――無失点で抑えられたご自身のプレーを振り返っていかがですか

普段からやっていたことが自分的には出せたので、よかったです。目の前の一球一球に集中できた結果だと思います。

――次戦が最後の試合になると思います。意気込みをお願いします。

去年、大差で負けてしまった舞台なので、そのリベンジを果たすというのと、今まで通り、一球一球に全力で取り組むのを意識してやっていきたいです。