【連載】インカレ直前特集『Keep it Real』【第7回】稲井宏平副将×服部耕太郎×畠山陸

男子ソフトボール

 第7回は一二塁間を守る3人。プレーやチームの勝利に対し、強いこだわりを持つ稲井宏平副将(法4=埼玉・早大本庄)、服部耕太郎(スポ3=東京・本郷)、畠山陸(スポ3=高知・高知西)の3人に一年間の振り返りと全日本大学選手権(インカレ)への意気込みを伺った。

※この取材は8月22日に行われたものです。

「稲井さんはチームで一番声を出して一番引っ張ってくださる人でチームには欠かせない存在」(服部)

副将としてチームを支える稲井

――始めに他己紹介をお願いします

服部 我らが副将。稲井さんです。稲井さんはチームで一番声を出して一番引っ張ってくださる人でチームには欠かせない存在です。打撃ではパワフルなバッティングを見せてくれて守備でも全力で魅せてくれるのでインカレでも期待がかかります。

稲井 畠山はずっと1年からインカレに出てるということで、チームの中でも、斎藤(斎藤向陽、社3=群馬・新島学園)、稲垣(稲垣拓朗、スポ3=群馬・新島学園)、畠山とインカレを下級生のころから知っているという意味でも頼もしい存在かなと思っているのと、3年生として、自分のプレーだけでなく、周りを見ながらであったり、下級生の面倒を見るというところで、プレーの面でもそうですし、そうでないところでも頼もしい存在かなと思います。

畠山 スポーツ科学部3年の服部耕太郎です。彼のプレースタイルの一番の強みは守備かなと思うのですが、やっぱり、守備範囲が広くて、特にボールを取ってから投げるまでのスピードが一番かなっていうくらい早くて、自分は内野で二塁手と遊撃手を両方やっていたのですが、球がそれたり低い送球を投げても、確実にさばいてくれる。安心して一塁に投げられるというのが彼の強みです。私生活の面でいうと、最近車を購入したということで、部員の足になって自ら、「連れていくよ」と声をかけてくれる時もあれば、「連れて行ってください」って言われたら、「全然いいよ」って気軽に車に乗せてくれる素晴らしい心の持ち主です。

――稲井さんからみた3年生のお二人はどのような存在ですか

稲井 この2人に限らず、この2人の代は、スタメンで多く出ている代ということもあって、プレースタイルにすごくこだわりを持っているのだなと感じるように、自信を持ってプレーをしているというところが見ていて頼もしいと思います。3年生全体としてそうなのですが、この2人は、服部であれば自分のプレーのこだわりを人一倍持っていて、ただうまいだけでなく、もっと上を目指そうという向上心が人一倍感じられるのでそこがすごくいいと思います。畠山に関しては、3年生は自分のことだけを考えてプレーできる時期ではあると思うのですが、その中でも畠山は自分のことだけでなく、チームのために、今でいえばインカレで優勝するためには、日体大に勝つためには、IPU(環太平洋大)に勝つためには、ということを、経験などを踏まえたうえで、チーム全体のことを考えられるという点が畠山のいいところかなと思います。

――お二人からみた稲井さん、そして4年生はどのような存在でしょうか

畠山 僕から見た稲井さんは、稲井さんが、一番チームが勝つために目をチームに向けている人間の一人だと思っていて、まずはチームがインカレ優勝するためにどうするのかというところを考えていて、視野が広いというか、僕は最初自分のことしか考えてなかったのですが、稲井さんと話しているうちに、チームのことを考えて行動しているんだなということを感じて、僕もチームのことに目を向けられるようになったという面があるので、個人だけに目を向けるのではなく、チーム全体に目を向けて考えて行動する力がある人だと思います。

服部 4年生全体としては、3年生が試合に多く出ていて、その中でのびのびとやらせてもらうことができる要因かなと思います。4年生が支えてくれているおかげで、自分たちがプレーに集中できているのかなと思います。稲井さんに関しては、3年生が好き勝手やっている中でも締めてくれるし、自分から努力する姿勢を見せてくれるので、自分にとって参考になりますし、わからないことがあったら後輩でも関係なく聞きに来てくれるという点は非常に尊敬しています。稲井さん尊敬しています!

――東京都大学連盟秋季リーグ戦(秋季リーグ戦)と関東大学選手権(関カレ)を振り返っていかがでしたか

畠山 秋リーグに関してはチームの結果が5位で相当きつい結果になったなと思っていて、新チームになって、今まで試合に出ていなかった選手が多く出て勝負をしたわけですけど、それで5位ということで、このままでいいのかなと感じた秋リーグでした。個人としては自分の記憶にあるのは日体大戦で安打を2本打って、そのうちの1本がもう少しで本塁打になったって当たりだったと記憶しているのですが、もう少しで本塁打だったという悔しさが冬のトレーニングのモチベーションになったというか、その時に今やっているトレーニングを頑張れば、あそこで届かなかった本塁打に近づけると思いながら練習をしたので、秋の1打席が今につながっているのではないかなと思います。

服部 秋リーグと関カレどっちもチームとして、結果を残せなかったので、この代大丈夫かなと不安になったのですが、秋があったからこそ、チームが成長できたのかなと思います。

稲井 チームとしては、2人が今言った通りなのですが、幹部として、何をやってもうまくいかないということと考える力が全くなかったなという時期だったので、正直考えるにしてもどうすればいいのかわからないまま突き進んでその結果うまくいかず、すごく苦しい時期だったなと思いました。個人としては、レギュラーとしてずっと試合に出ていたわけではない自分がいて、最終学年として試合に出たいという気持ちと、副将として試合に出ていない自分がどのようにチームをまとめなければならないのかというところにすごく苦しんだ時期だったので、試合に出たい気持ちがある一方で、成績を残さなければ試合には出られない。その中で下手なりにチームをまとめなければならないというところで、試合に出ていれば発言の影響力が増していくのでその分、楽になったのかなと考えていたのですが、そういうわけにもいかなかったので、自分のプレーとチームでの在り方にすごく苦しめられたのかなと個人的には思います。

「もう少しで本塁打だったという悔しさが冬のトレーニングのモチベーションになった」(畠山)

質問に答える畠山

――冬の期間で重点的に取り組んだ練習はありますか

稲井 一番はやっぱり、トレーニングをしようというところで、昨年度のインカレを踏まえての反省でもあったのですが、インカレで3位になりました。つまりベスト4に残りました。その中で一番体が小さかったのは早稲田だったので、この冬でフィジカルを強くして3日で5試合戦い抜く体力もそうですし、スイング、投げる力、走る力どれをとっても全てにおいてパワーアップしようと考えていて、そうなってくると既存の練習後のトレーニングだけでは足りないというところで、まずみんなでトレーニングということと向き合うためにボールに触らずずっとグラウンドでできるトレーニングを行っていました。その中で、昨年まではトレーニングは個人任せだったのですがそれだとチームとしての取り組みにムラが出てしまうので、班編成を作って、OBやプロのトレーナーの方のお力をお借りして、メニューを改変して、質としてもそうですし、量を確保できるような期間にしていました。

畠山 本当にトレーニングという部分に力を入れていて、チーム全体で体が小さくパワーがないということは認識していていたのですが、トレーニングはきつくて逃げたくなるようなこともあったのですが、稲井さんをはじめ、幹部の方々がトレーニングに対してモチベーションが下がらないような工夫をしてくれたなと感じていて、例えばマンネリ化しないように同じトレーニングでも楽しさを持たせるなどの工夫があって、トレーニングを続けられた部分があったと思います。4年生がきついトレーニングから逃げずに徹底して、トレーニングするぞという空気を作ってくれたからこそ、春以降でその結果が出たと思うので、今だからこそきついトレーニングを最後まで仕切ってくださった4年生には感謝しています。

服部 畠山と被る部分もあるのですが、稲井さん中心に、トレーニングにおいてもなぜこのトレーニングをするのかということをしっかりと分かりやすく説明していただいたので、嫌になることなく、最後までやりきることができました。それで更に結果もついてきたので4年生には感謝しかないです。

稲井 ありがとうございます!(笑)。

「(春の試合は)悔しさしか残らなかった」(服部)

春のリーグ戦を振り返る服部

――東京都大学連盟春季リーグ戦(春季リーグ戦)、全日本総合選手権大会(全総)東京都予選会を振り返っていかがでしょうか

畠山 チームで振り返った時に冬のトレーニングの結果がしっかり出たというのが春リーグだと思って、トレーニングの結果、スイングスピードやボールを遠くに飛ばす力がチーム全体でしっかりと底上げできたので、春リーグは打力がすごく上がったなと感じていて、単打だった打球が長打に、長打だった打球がそのまま伸びて本塁打になったり、チーム全体として冬のトレーニングの結果が実を結んで、収穫があった時期だと思います。個人としては、自分自身トレーニングのおかげで、打撃にパンチ力がついて、本塁打が打てたり、スイングスピードが上がって強い打球が打てて、打率が上がったり、成長を感じることができました。全総予選関しては、春リーグと一転して、打撃でも守備でもチームに迷惑をかけてしまったという印象で、打撃も三振にが増えて全然安打が打てなかったのが本当に悔しく思います。守備に関しても、強い打球をエラーしてしまうことが多くて、自分がチームの核となって、結果を出さないといけないという立場の中で、そういうプレーが出てしまってチームに申し訳ないなというのが全総予選でした。

服部 春リーグとしては大量得点を取ろうというチームの方針でしっかりと一、二試合目しっかりと大量得点で勝てたということができて、まず安心したなというのが最初で、あれだけ冬にトレーニングを積んで結果出なかったらやめてやろうかなと思ったのですが(笑)。点が取れてよかったと思いました。でもいい投手になってくると点が取れないというところがあったので新たな課題が見つかったなという感じです。個人としては、打撃でチームに貢献できてなかったので、悔しさしか残らなかったです。それでまたトレーニングを増やしたのですがまだまだですね。

稲井 チームとしてひとまずホッとしたなという印象で、去年二次予選まで回ったという経験があるので、それだけは絶対嫌だなという気持ちはありましたし、やってきたことが間違いではなかったんだなということが証明されたリーグになったと思います。一番印象に残っているのは国士舘大戦で畠山が大坪優也(4年)から打った左中間への本塁打と最終戦の中央大戦で斎藤向陽が場外本塁打を打ったのですが、二人とも長打力のある打者ではあるのですが、畠山が大坪といういい投手から甘い球を左中間にあれだけの強い打球を飛ばせるようになったというのは正直去年まではなかったことなので、この冬のトレーニングの成果が出たと感じますし、斎藤に関してもリーグ自体は苦しんでいたと思うのですが、あれだけ小柄な選手が人一倍頑張って、国士館大グラウンドの場外に柵越えで飛ばせるようになったというところで成長を感じとれたことと、いい投手になった時に三振が増えてきて、インカレまでの課題と冬の成果が明確に分かった期間だと思います。個人としては、国士舘大、日体大戦以外は数字としては、そこそこ打てるようになった。ただ、国士舘大、日体大といったいい投手になった時に、勝負にならなかったというように、個人としては、力不足を感じたので、日本一を取るという部分でもそうですし、最後自分が活躍して終わりたいと再認識させられた期間だったと思います。

――1年間の中でターニングポイントになった試合はありますか

畠山 自分にとってターニングポイントになった試合は秋リーグの日体大戦だと思っていて、日体大戦でもう少しで本塁打だった打球を打って、それが悔しくてトレーニングを積んだので、春リーグで相手は変わるのですが好投手から本塁打を打てたというところで、秋リーグの悔しさで冬のきついトレーニングを耐えられて結果を残せたと思うので、自分のターニングポイントになった試合は秋リーグの日体大戦です。

服部 自分は関カレの国際武道大戦でコールド負けしたのですが、そこからモチベーションが上がったかなと思っています。去年勝ったチームなので、今年も行けるだろうと思っていたのですが何もできずにコールド負けしてしまったので、焦りが芽生え始めて冬のトレーニングをしっかりやるきっかけになったかなと思います。

稲井 東日本大学選手権(東日本インカレ)の国際武道大戦を挙げたいと思います。去年関カレで負けて、それも稲垣が打たれて、全く打てずなすすべもなく負けた相手で、みんながどう感じていたかわからないのですが、東日本の組み合わせが出たときにやり返してやりたいなという気持ちがすごくあって、この試合に関してはバントとバスターというこの時期に取り組んでいたことだけで勝負をする。それで勝ったという冬からの成長を感じられた反面で、打つだけで全くかなわなかった国際武道大に対し、バントとバスターで勝ち切るというところでやっていること自体は間違いでなかったというところと今やっていることが完成した時に日本一取れるなと将来像まで見据えられた試合だったと思うし、今後のための自信につながった試合だったと思います。

――東日本インカレを振り返って全体的にはいかがでしたか

畠山 チームとしての話になるのですが、全総が終わって5月末から6月、7月と、稲井さんの話にもあった通り、バントバスターをチーム全体で取り組んできたのですが、1回戦と2回戦に関しては、しっかり結果出て、バントバスターを使って点を取ることが出来ました。その一方で、その次の国士舘相手になった時にそれがまだまだ通用しなかったことが東日本を振り返った時の印象で、まだバントバスターは未完成で、今のままでは勝てないと痛感しました。その時に国士舘戦の後にチームでミーティングして、ここからインカレまで残り2ヶ月、どうやってチームの点を取っていくのかを全員で話すことが出来て、もう一回課題とこれからどうしていくのかをチームで明確にできて、今やっているような取り組みにつながっていると思うので、そういった意味では、東日本は収穫もあれば、まだまだ足りなかった課題も見えた大会だったと思います。

服部 バンバス(バントバスター)を始めて、秋に勝てなかったチームに勝てたことでまずこのバンバスが間違っていなかったなと思えて、国士舘に負けたことでまだまだレベルが足りていないと思えた大会だったと思います。負けた後にチームでミーティングをして、チームとしてどう在りたいのかという方針が皆の中で固まってきたと思うので、この大会を活かしてインカレも勝ち進みたいなと思います。

稲井 個人的に、初戦の後くらいからずっと熱中症になっていて、最終日出られていないのでなんとも言えないところはあるのですが、大体2人が言ってくれた通りだと思います。あとは強化しないといけないところが明らかになった大会だったかなと思うので、今後のインカレまでの道筋を考える良い機会になった試合だったと思います。

――個人としてのプレースタイルの強みや課題はありますか

畠山 僕のプレースタイルの強みは、出塁率の高さかなと思います。バントバスターを始めてから、相手の内野手と駆け引きをしてどこにバントしたらセーフになるか、どこに打ったらセーフになるかを考えて取り組んでいて、チームからも自分が出塁することを求められているので、そこの期待に応えられるのが自分のプレースタイルの強みだと思います。

服部 自分の強みとしては、内野の色々なポジションを守れることかなと思っています。個人的にはファーストだけやっていたいのですが、チーム状況的にケガ人が出たら他に代わりが居ないところでセカンド、サード、たまにショートという感じでどこのポジションでも守れるので、それが強みかなと思います。課題としては打撃面で出塁率が上がってこないという点です。このチームとしては、出塁組とポイントゲッター組に分かれて、出塁組が出てポイントゲッター組が返すという感じでやっているので、その出塁ができなければ試合には出られないのでもっと出塁したいなと思います。

稲井 自分の強みは出塁率です。アウトにならないように、追い込まれてからも簡単に終わらなかったり、畠山と出方は違うかもしれないですが出塁がしっかり出来るというところが強みだと思っていて、その反面、弱みはやっぱり守備と、あとはもっと出塁率を上げられると思っています。守備に関してはインカレに通用する守備力には程遠くて、取れるべきアウトをしっかり拾ってあげることがチームにとっても、ピッチャーの稲垣にとってもすごく楽になることだと思うので、取れるアウトを確実に取れるようになることが課題かなと思います。打撃に関しては、今現在が出塁率4割ちょうどくらいなのですが、最低でもインカレを迎える頃までには5割欲しいと思っていて、そのためには今の出塁のポジションの要であるバスタープラスアルファで何か身につけなければならないと思うので、バントやフォアボールなど、そういった技術が確率出来れば5割に乗るのではないかと思います。

――インカレまで残り数週間となっていますがチームとしての強みや、この数週間で改善したい課題などはありますか

畠山 残り3週間を切っている中で、チームとしての強みは投手力と守備力だと思っていて、東日本でも稲垣中心にバッテリー陣がしっかり安定したピッチングで試合を作ってくれて、守備陣も取るアウトを取れているということが今のチームの強みだと思っています。ある程度は失点数が少ないというところで、何となく試合を組み立てる計算がたっていると思うので、そこにあとはどれだけ点を取れるかというところが残り3週間のチームの課題です。良いピッチャーからもどれだけ点を取れるかが本当にインカレで勝つために必要な課題だと思っていて、バッター陣が点を取れさえすれば絶対に勝てるチームだと思っているので、残り3週間でその課題をしっかり潰していきたいと思います。

服部 畠山が言ってないところだと、チームの強みは1、2、3番の出塁率の高さだと思います。3人で1点が取れる打線だと思っているのでそこが今シーズンの強みだと思います。改善するべきところは、先週くらいから改善しようとしているのですが、外野の守備力です。今までもポジションをミスって抜かれたり、二塁ランナーを刺せないこともあったので、そこを改善すればさらに守備力が増して、もっと点を取られないチームになるかなと思います。

稲井 強みとしては稲垣の投手力と、あともう一つは集中力かなと思います。去年のインカレの日体大戦とかを見てもらえば分かると思うのですが、全員がワンプレー、一球に集中した時の集中力、引き出されるプレーの質の高さは他のチームには絶対にないと思うので、そこをいかに作れるかというのをもちろん今練習の時からやっていますし、そうなった時の早稲田は本当にどこが来ても負ける気がしないくらい強いので、自信を持って良いかなと思います。改善すべきところは、普段通りに進められるかという技術力、初回の1から3番の3人で1点、4番荒川で勝負、3アウトしかない中でアウトにならずに一巡して最低でも初回に点を取る、ということを今はプランとして掲げているので、そこを実現できるか、チーム云々よりも出ている人間の技術力にかかっているので、どれだけ一打席に精度高く発揮できるかということが要かなと思います。

――一二塁間の連携で意識していることはありますか

服部 自分がファーストの時は畠山に任せっきりなので、自分が前に出たら畠山がベースに入ってくれるし、守備範囲広いので一二塁間任せていいしという感じです。自分がセカンドの時は稲井さんがファーストなのですが、頑張っていることは、稲井さんはスラップでも前に出てしまうので、自分が意識してファースト入ろうかなと思っています(笑)。

稲井 自分の場合は、守備力で比べると服部に劣る部分があるのはもちろんわかっているので、まず自分が何をしたいかを伝えて、例えばバント絶対に嫌だから前に行くことを伝えた時には、絶対に前で刺す。そこだけのミスは絶対に無いように。セカンドに広めに守ってもらうようにお願いしているので、お願いしたからこそ自分がやりたいと言ったことに関しては消極的にならず、エラーもないように守っています。

畠山 自分がセカンドで、ファーストに服部か稲井さんのどちらかが入ることが多いのですが、2人の守備のスタイルが全然違うので、それぞれの特徴を理解してセカンドを守ることは意識しています。どっちがファーストに入っても連携ミスが起こらないようにしています。

「後輩たちに勝ったところで見られる景色を見せてあげたい」(稲井)

笑顔で質問に答える3人

――インカレに向けての今のコンディションはいかがですか

畠山 体のコンディション自体はあまり良くなくて、数週間前に練習で腰を打って違和感があったり、肘が痛かったりで全力でプレーできていないので、まだまだコンディションを上げていけると思います。技術的なところに関しては、6月くらいから2ヶ月くらいあまり調子の波とかは無くて、感覚がしっかり体に染み付いているので、技術的なコンディションはあまり心配することはなくこのままインカレまでいけば問題無いかと思います。

服部 体のコンディション的には、夏休みの練習で疲れている部分も感じているのですが、体は動いているので大丈夫だと思います。技術的には、やっぱりまだ打撃の調子が上がってきていなくて、自分が調子いい時だと打てていた球がファウルになるということがあるので、そこはインカレまでに調整していきたいと思います。

稲井
体は特に問題ないのですが、インカレに望む上でのコンディションというところで、メンタルよりも技術が大事だと思っていて、技術があれば不安になることは無いと自分は思っているので、そのための練習量にこだわって、準備にこだわっていきたいと思います。

――インカレでキーマンだと思う選手はいますか

畠山 僕自身かなと思います。理由としては、自分がずっと出塁が求められていて、自分が出塁すればチームは点が取れると思っているので、インカレで出塁出来なかったらチームが勝てないと思うので、そういった意味でキーマンは自分かなと思います。

服部 自分としては小出(小出拓実、人3=東京・杉並)かなと思います。小出が1番バッターとしてやってきていて、このチームは初回に大量得点取ろうという目標を持っていて、小出が出るかどうかは重要なので、小出の一打席目に期待したいです。

稲井 自分は皆大事なので皆と言いたいところなのですが、荒川(荒川健祐主将、スポ4=神奈川・柏陽)と自分を挙げようと思います。スタメンの中で4年生2人だけになることが多くて、荒川はポイントゲッター、自分は出塁してつなぐという役割がはっきりしているので、4年生でしっかり結果を出して示せるかどうかというところが皆に向けての自信につながるし、引っ張らないといけないので、4年生が力を発揮出来ないと負けるくらいの気持ちと覚悟で挑みたいと思います。

――トーナメントが発表されましたが、何か感想はありますか

畠山 去年と似てるなとは思いました。やはり5試合戦う中で、2日目の2試合目とか、3日目で強い相手と当たると、こっちもコンディションがあまり良くない状態で戦うことになるので、そういった意味で2回戦、3回戦で日体大、IPUと戦えるのは、投手陣、野手陣共にベストコンディションで戦えると思うので、早めに当たって良かったかなと思います。

服部 最初見た時は率直にやばいなと思ったのですが、きついトーナメントだからこそやるべきことがはっきり見えたので、IPUに向けて準備しています。

稲井 自分は率直に楽しみだなと思います。日本一を取る上で倒さなければいけない相手が先に来てくれたので、東の日体と西のIPUというところで、すごくワクワクしていますし、この2つを取れれば個人としてもチームとしても波に乗れるところだと思うので、東西キングをしっかり食べて勢いをもらって日本一を取っちゃおうと思っているので、楽しみです。

――最後に、インカレに向けての意気込みをお願いします

畠山 ここ3ヶ月でバントバスターを自分は磨き上げてきたと思っているので、あとはインカレという舞台でそれを爆発させることが自分の役割なので、目標は出塁率8割を目指してチームが勝つために自分が結果を出したいと思います。自分がインカレで活躍出来るように、残り3週間、出来るだけのことはしっかり準備して富山に乗り込もうと思います。

服部 4年生となるべく長くソフトボールが出来るように、自分に与えられた役割をしっかりこなしてチームに貢献したいと思います。

稲井 チームとしては日本一のために出来る全ての準備をすることに尽きると思うので、そのために日々の練習のメニュー、どういったことを想定してどういったことを対策するか、練習を決める荒川と自分、主将、副将の脳みそにかかってると思うので、残り3週間今まで以上に頭を使ってやっていきます。個人としては、今までインカレで代打でしか出ていなかったり、悔しい思いをしてきたので、最初で最後のインカレでは無いですけど、ちゃんと試合に出られるのはこの代でしかないので、楽しみたいなと思います。やるからには日本一というのはずっとこのチームで掲げてきて、ここ10年取れていないので、後輩たちに勝ったところで見られる景色を見せてあげたいと思うので、日本一だけ考えて楽しみにしています。頑張ります!

――ありがとうございました!

(取材・編集 橋本聖、濱嶋彩加 写真 橋本聖、沼澤泰平)

三者三様の意気込みが分かった今回の対談。インカレでの活躍に期待です!

◆稲井宏平(いない・こうへい)(※写真中央)

2001(平13)年8月5日生まれ。175センチ、85キロ。埼玉・早大本庄高出身。 法学部4年。一塁手。座右の銘は「考動力」。昨年度主将の尾松さん(尾松大輝氏、令5政経卒)から言われた言葉で、普段の練習の際から、目的や理由を深く考えながら取り組めるよう意識しているそうです!

◆服部耕太郎(はっとり・こうたろう)(※写真右)

2001(平13)年4月4日生まれ。171センチ、68キロ。東京・本郷高出身。 スポーツ科学部3年。内野手。座右の銘は「一日一生」。中学時代の監督からいただいた言葉で、一日を一生だと思って集中して練習することを心掛けているとのことです!

◆畠山陸(はたけやま・りく)

2002(平14)年4月23日生まれ。165センチ、60キロ。高知・高知西高出身。 スポーツ科学部3年。内野手。座右の銘は「たっすいがは、いかん!」。高知の方言で「弱弱しいのはだめだ!」という意味で、弱気にならないようバッティンググローブにもこの言葉を入れているそうです!実家はなし園を営なまれており、色紙でも宣伝をしていました!