第3回に登場するのは篠原洸一(人4=埼玉・早大本庄)、岡本元喜(商3=早稲田渋谷シンガポール)、齋藤向陽(社1=群馬・新島学)の3人だ。出場機会が限られる中でも自分の役割をしっかり果たしチームに貢献してきた3人。リーグ戦の振り返りや全日本大学選手権(インカレ)への意気込みについてお話を伺った。
※この取材は8月31日に行われたものです。
「結構素直なチーム」(篠原)
今年のチームの印象を語る篠原
――まずソフトボールに直接関係は無いのですが、五輪について、見ていた競技や印象に残っていたシーンなどがあれば教えてください
篠原 ソフトボールと野球は結構見ていました。自分がやっている競技というのもありますし、興味があったので、ほとんど毎試合見たと思います。
岡本 卓球ですね。卓球の決勝で勝った後の、水谷(隼)が伊藤美誠ちゃんによけられたシーンが一番好きでしたね(笑)。
齋藤 僕はサッカーを見ていました。家に帰ったときにちょうどいい時間にやっていたので見やすかったです。
岡本 帰ってきたらもうやってないですもんね。
篠原 いやそうなんだよ。あ、開会式と閉会式は見ました。
――ここからは春季リーグについてお伺いします。まず、東京都大学連盟春季リーグ戦(春季リーグ)とその他の練習試合を振り返って収穫や課題があれば教えてください
篠原 春リーグでは僕は学連という立場でチーム運営に携わっていて、その中で4月ごろは緊急事態宣言が出てなくてリーグ戦をやっていたんですが、僕たちが2試合目で1試合目の試合運営を早稲田がやるとなったときに、人数が少なすぎてノーアップで試合に臨んだぐらいバタバタしていたというのが良い思い出というか悪い思い出というか、一つ印象として残っています。その後、中大戦の後に緊急事態宣言が出て、そこから5月の末までやれなくて、その後僕はたまたま調子が良くて試合に出ちゃったんですけど、そこで打てなくて終わっちゃったっていう、運営も大変だったし、1カ月休んでから調子良くなって試合に出ても打てなくて、いろいろ大変な気持ちで終わった感じの春リーグでした。
齋藤 僕は1年なので、大学に入って最初の公式戦で、練習試合もほとんど無かったため最初の試合だったので、結構緊張したのを覚えています。代打で出たのがメインで、あとはサードで2試合とか、レベルの高い相手には出ませんでしたが、一応スタメンだったときもありました。春リーグは大学に入って最初の試合だったので、今後試合に出られるようにアピールしようと思っていました。代打で出たときもそこそこ打てたので、個人的には良かったかなと思います。でもスタメンで出た試合ではちょっと守備で不安定なところがあったので、そこを踏まえて今練習しています。
――ある程度満足できたシーズンだったという感じでしょうか
齋藤 そうですね。
岡本 僕も春リーグや練習試合では代打とか打撃がメインでした。出させてもらう理由としてはたぶんスイングスピードが速いからとか、フィジカルがあるので当たれば飛ぶみたいなところがあって、それで当たれば面白いやつと思ってもらって出してもらえるというのが多かったのですが、いざ試合になるとショボい打球ばかり打ってしまっていました。その当時チームで「1から10のバッティングがあるよ」というのがあって、1の打撃はバントで、10がフルスイングで、その間のスイングをやれば良いんじゃないかという話がありました。日体大戦で出させてもらったとき、変化球を多く投げる相手ピッチャーに対して「バスターで行ってみろ」と監督に言われたのですが、僕は0か10しかできない人なので、5をやれと言われてもちょっと分からなくて、低目の球に三球三振してしまって。そこから5のバッティングってなんだろうって迷走して行った時期になります。
――あまりバスターは合わなかったのでしょうか
岡本 そうですね。バットがここにあるせいでボールが見えなくなっちゃって。今は普通に打っています。
――篠原さんと岡本さんにお聞きします。4年生が抜けてメンバーが昨年から大きく変わったと思いますが、何かチームとして大きく変化したところはありますか。また今年のチームにはどのような特徴があると見ていらっしゃいますか
篠原 昨年は澤(優輝主将、人4=東京・国学院久我山)と安孫子(徹、スポ3=東京・昭和)以外は僕たちの1個上の先輩が試合に出ていて、それ以外は2枚目というかたちでした。その先輩方が抜けたのが11月の代替大会(全日本大学選抜選手権)が終わった後だったので、いきなり冬になって3月くらいまで緊急事態宣言の影響で全体練習ができず、ほとんど3月に入ってから急にチームが動き出したなという感じがありました。そのタイミングで向陽だったり稲垣(拓朗、スポ1=群馬・新島学園)だったり畠山(陸、スポ1=高知西)という、スポーツ推薦や自己推薦の子たちが入ってきてくれて、今まで3月に1年生が来るというのが無かったので不思議な感覚でした。僕たちもまだふわふわしていた段階でこのチームが始まったという感覚があって、そのまま春リーグに突入してしまって、(格下の)中大に3-1という不甲斐ない結果になってしまいました。その試合後に高杉さん(高杉聡監督、平10人卒=群馬・前橋育英)と木村さん(木村秀雄コーチ、平8理工卒=山口・柳井)に「4年生が悪い」、「澤に頼るな」ということを言われて、その後4年生だけで話し合って「一人一人もっと考えて動こう」という話になり、そこからチームが良い方向に進んで行ったのかなという気はしています。僕個人としては「チーム一声を出してうるさくしてくれ」というのを言われていて、つらいときでも何でもいいから声を出すことでチームに何か貢献できればいいなと思ってやっている状態です。チームは前よりは明るくなったのかなという印象があって、中大戦の微妙な勝ち方というか、試合には勝ったのですが良くない試合内容があってから、チームとして変わったきっかけになったのかなと思います。
今年のチームの特徴は、僕たち(4年生)の代が4人しかいないので、下級生が試合に出ることが多く、チーム自体は若いのかなと思います。結構フレッシュな面々が試合に出ていて、僕がいた4年間の中で一番元気があるのかなという気はしています。やるとなったらやるし、やらないとなったらやらないというか、オンとオフもしっかりしているし、とりあえずみんなトライするし、結構素直なチームだという気がしています。
岡本 また中大の話になるのですが、中大戦の後「今まで4年生が引っ張ってくれていたけど、3年生ももっと前に出て行こう」という話になりました。昨年だと4年生が10人くらいいて4年生が引っ張ってくれていましたが、今年は4人しかいなくて、4人だけだと引っ張りきれないことがあるかもしれないというところがあって、3年生もどんどん前に出て一緒に引っ張っていこうという感じになったので、そこが一つ変わったところかなと思います。
――3年生の中でそういった話し合いがあったのでしょうか
岡本 「色出していけ」みたいな。僕らの学年はいつもふざけていて、「監督やコーチに怒られるまでとりあえずふざけていよう」と言っていて。さっき篠さんが言っていた元気というのは僕以外が騒いで元気にしてくれているという感じですね。
13:57
――齋藤さんにお聞きします。今年の早稲田の印象や、早稲田に入る前の印象と実際入ってからの違いなどがあれば教えてください
齋藤 入る前の印象は、僕は高校からずっとソフトをやっていて、競技人口が少ない世界なのでこの大学にこの先輩がいるというのが他のチームであっても分かるのですが、早稲田はソフトで高校から知っている人があまりいなくて、でも割と実績を残しているので、なんでなんだろうなというか、不思議なチームだなと思っていました。なので、特に印象も無かったです。よくわからなかったです。入ってからは、そもそも高校と大学の違いかも知れないのですが、みんなパワーがあるし、練習の一個一個たとえばノックが終わったらフィードバックして問題点を出して、みたいなところが今まで無かったのでそこが大学に入ってから良いなと思っています。
――篠原選手にお聞きします。今まで試合に出場することがあまりなかったと思いますが、ベンチワークではどういったことを意識していますか
篠原 僕は1年生のころはベンチにすら入れなかった人間で、ベンチの外で一人太鼓をたたいて応援していたというところから始まりました。2年生のときは紺碧隊長という応援団長のような役割をしていて、3年生のときはコロナで試合が無くなって騒げなくはなりましたけど同じような役割をしていました。特にこの4年間変わらずやっていることと言ったら、チームを盛り上げることを常に優先というか、ベンチにいるときは盛り上げよう、バッター陣や、もっと言えば試合に出ている人間が自分たちのリズムでプレーできるような声かけや盛り上げ方をやっていこうと思っていました。あとは4年もやっていたらなんとなくこの辺で代打があるのかなというのは分かるので、そこに向けて合間合間に準備をして、という感じです。
――声かけするタイミングや方法のコツや意識していることはありますか
篠原 僕が2年生のころの内野陣は、僕が言わなくても内野同士、外野同士、内外野で声を掛け合っていて、あまり僕たちの声が届かないくらいだったんですが、昨年とか今年とかは急にしーんとなるタイミングがあって、それが個人的には怖くなるというか、不安になっちゃうので、声かけのタイミングはずっとですね。ずっとあほみたいに声出して、喉が枯れるまで声出しています。盛り上げる声や確認の声を状況に応じて使い分けているつもりです。意識しているのは、声かけがワンパターンにならないようにということです。ボキャブラリーを増やすというか、掛ける言葉が毎回同じにならないように考えてやっています。
――岡本選手と齋藤選手から見て、篠原選手の声かけはどのような印象ですか
岡本 さっき篠さんが言った「しーんとなる瞬間」というのは、ずるずる試合が続いているときや負けているときに結構多くて、そういうときに一番聞こえるのは篠さんの声ですね。そういうところで盛り上げてくれる人がいることでチームの波が変わってくると思うので、そういう面ではすごく助けられているなと思います。
齋藤 自分がプレーするときに力が入っていたりとか緊張しているときに、こうやって声出してくれてプレーヤーを励ましてくれるのはすごいありがたいと思いますし、100%に近い力が出せるんじゃないかなと思います。
――岡本選手にお聞きします。バッティングで意識していることはどのようなことですか
岡本 ちなみに何を考えてるように見えますか? 外から見てどういうバッティングですか?
齋藤 思いっきり振るっていう感じですかね(笑)。
篠原 狙っているやつはどこでも振る。
岡本 そんな感じです。狙っている球を張って、その球が来たら思いっきり振るみたいな。あまり考えたりするとごちゃごちゃしてしまうので、0か10かでやるほうが性に合うなと思います。狙い球を絞ってそれが来たら思いっきり振ることを考えてやっています。もうちょっと考えたほうが良いかもしれない(笑)。他に何か考えてもどうせこんがらがるので、だったら全力でスイングしていくほうが自分に合っているのかなと思っています。
――齋藤選手に伺います。高校のソフトと大学のソフトの違いはどのような点だと感じていますか
齋藤 まずはパワーが違うなと思います。僕は結構体が小さいですが、高校のころは意外とホームランを打ったりしていました。大学に入ってからはそもそも長打の数が明らかに減ったというのがあって、そこのパワーの違いというのは感じています。あとはボールの違いがあるので、守備が大変だなと思います。高校までは中身がコルクで外がゴムでできていてボールが跳ねるのに対して、大学で使う皮ボールは全然跳ねないので、高校のころとはやり方を変えて、試行錯誤しています。
「齋藤向陽の独特な空間がある」(篠原)
最近新たな一面を見せたという斎藤
――ここからはプライベートについてお聞きします。まず、お互いの他己紹介をお願いします
齋藤 まず篠さんはとりあえず面白いです。たとえば僕が初めて練習に参加したときに一番気さくに話しかけてくれました。この明るいキャラと見た目で、とにかく優しく声をかけてくれる先輩ですね。あとはバッティングの飛距離がすごいです。元喜さんは筋肉がすごいです。ほんとに筋トレは僕もちゃんとやろうと思っているんですが、尊敬しています。かつトレーニングジムでバイトをしていて、その熱量が違うなと思います。バッティングの飛距離が圧巻です。あと優しいです。
岡本 じゃあ次、僕らから向陽。最初は結構おとなしいのかなと思っていたのですが、最近ふざけ出しました。インスタでも筋トレのマスコット的な、筋トレを広めてくれる活動をしているみたいなので、意外とこういうおちゃらけた感じなんだと思いました。
篠原 向陽の方が稲垣よりも後から入ってきたのですが、稲垣からは「齋藤向陽はやばいやつ」だと前情報として聞いていました。最初しゃべったときは猫かぶってるのかなって感じで、実際その通りでした。齋藤向陽の独特の空間があるというか、うちのチームは独特の空間を持っているやつが多いんですが、その中でも齋藤向陽のプライベートゾーンがあって、そこにまだ入れていないのかなという気はしています。なんかふわふわしているよね。「何狙ってるのかな」という話をしていてもちゃんと打つし、だいたいそつなくこなすなと思っています。岡本元喜くんは、数少ない帰国子女の仲間です。1個下だしソフトボールを高いレベルでやってこなかったのに、パワーがあってすごく打つし足も速いし、フィジカルでなんとかなるんですが、ちょっとメンタルが…(笑)
岡本 豆腐っすね。
篠原 そう、豆腐メンタルなので、しょっちゅう僕が励ましてあげています。そういうところも僕はかわいいなと思っていて、趣味が合うし、話は合うのかな。僕がいなくなったら誰かしっかりメンタルケアをしてほしいなと思います。
岡本 篠さんですけど、本当に優しいですね。見た目から分かる優しさだと思うんですけど、たぶん優しく育てられてきて、その分みんなに優しくしてくれています。意外とこう見えて器用ですね。
篠原 いや、そんなことはないでしょ。
岡本 いや、みんな気づいてないだけで、投げた球の回転が綺麗だったり、打ったフライの回転が綺麗だったりするので。外面に惑わされず、繊細なところもあるということに、あと2週間で気づいていってほしいですね。僕の豆腐メンタルにも気づいてくれるし。
篠原 元喜は分かりやすい。
岡本 分かりやすい?
齋藤 あ、まあ、分かりますね。
岡本 分かるか(笑)。
――篠原選手にお聞きします。男子部のホームページ上で、アピールポイントに若白髪を挙げられていましたが、いつ頃からあるのでしょうか
篠原 今はもう無いんですが、いつ頃だろう、幼稚園のころからあって、大学1年までは生えていたんですよ。当時書くことが無くて、先輩が「まつげから白髪が生えている」と言っていて、そんなことでいいんだと思って、とりあえず何でも良いから書いておこうと思って書いたのが、若白髪です。
――岡本選手は、特技に米を食べること、好きな言葉にも米と答えられていますが、どのくらい食べられるのですか
岡本 入った当初は本当に3合とか。練習から帰ってきて米炊いて、親がレトルトとか缶詰を送ってくれるので、それで食べていました。お米の食べ方で一番おすすめなのが、サバの缶詰の、サバを食べて汁が残るじゃないですか。あそこにいっぱい栄養が含まれているんですよ。そこに生卵を落として溶いて、それを掛けるとめちゃめちゃうまいんですよ。今はもう年のせいか1合ちょっとくらいしか食べなくなりました。
――齋藤選手は、尊敬する人物に大隈重信先生と挙げられていましたが、具体的にはどのあたりを尊敬されているのでしょうか
齋藤 それを書いたときは、ちょっと受けを狙おうとしていました。みんなあまり見てくれてないですけど。この大学を作ってくれたことに感謝ですし、尊敬していますね。
「困ったときの岡本」
インカレへの意気込みを語る岡本
――ここからは今回の対談のテーマでもあるインカレについての質問です。まず初めにインカレの印象を教えてください
篠原 急に早稲田が強くなる印象はあります。僕が1年生のとき東日本大会(東日本大学選手権)がインカレの1カ月前くらいにあるんですが、それで2回戦で負けてしまって、4年生が「もう引退だな」という話をしていた中、インカレでは最終日まで残って、当時強かった国士舘大に延長で勝って。急にそんなに強くなるんだ、みたいに思いました。入ってからやはり「日体大、国士舘大には絶対に勝つ」ということを言っていて、本当に勝てる力を体感したのがその最初のインカレでした。その次の年も決勝まで行って、日体大に負けはしましたが、インカレで強くなるなというのはすごくあります。他の大学と比べて早稲田だけやたら強くなるという感じがします。
――覚醒するという感じですか
篠原 そうですね。なんでなのか分からないですけど。
齋藤 インカレは初めてなのであまり思い浮かぶことが無くて、分からないです。適度に緊張感を持って頑張りたいと思います。あとはこの大学に入ってからチーム数の多いトーナメントをやっていないので、そこがどうなるのかなという楽しみはあります。
岡本 独特の雰囲気があります。さっき言っていた早稲田が急に強くなるというのもそうですし、いつもと違う早稲田という意味でも独特だと思います。いつもの試合だとおとなしいけど、インカレだと紺碧隊という応援団を選手の中でやっていて、今年はコロナでできないですかね。でもいつもはやっていて、僕も1年生のとき紺碧隊に入って、篠さんが隊長をやっていたんですが、そうなるといつもお上品だった早稲田に急に爆発力が生まれるんですよね。西のチームにそういううるさい感じのチームが多いですが、そういう西のチームにも負けないのですごいなと思います。今年はそれができないですが、篠さんがきっと出してくれると言っているので、それに付いて行って盛り上げていきたいです。
――インカレでは日体大が最大のライバルになると思いますが、今年の日体大をどのようなチームだと思っていますか
篠原 今年は日体大の選手も昨年と比べるとスタメンの選手がほとんど入れ替わっていて、昨年までとは違った日体大だなと感じています。それでもピッチャーも良いですし、打線も倉見(育瑠)という主将を中心とした相変わらず良いチームだなと思います。それでも昨年や一昨年と比べると、今年のチームに対しては「まだまだ俺らやれるな」という感じがしています。
齋藤 日体大はとにかくミスが無いチームだなと思います。春リーグでの1試合とページシステムの1試合しか見ていないのですが、大学のソフトボール界で日体大が強いというのは知っていて、実際に見て、ピッチャーも良いですし、守備の連携もしっかりしていて、バッティングもミスでアウトになることがあまり無いと感じました。その分戦うときは自分たちのミスを少なくして、しっかり打って勝つ必要があると思いました。
岡本 全体的にパワーがあります。守備に関しては、外野の選手の送球がすごく強いです。二塁から絶対に還ってくるというのが早稲田のパターンなのですが、それが厳しかったりして、フィジカル面が全然違います。全員がベンチプレス100キロ以上みたいな(笑)。フィジカルも強くてちゃんと技術もある、怖い選手ばかりだという印象です。その上で結構抑えている稲垣や慶弥(佐藤慶弥、スポ2=静岡・飛龍)はすごいなと思いますね。逆に日体大とやっている選手を見て、「うちは誇らしいな」と思います。
――日体大を倒すために必要なことは何だと考えていらっしゃいますか
篠原 さっき向陽も言っていたように、ミスをどれだけ減らせるのかというのは、一つの鍵になると思います。うちのピッチャーも向こうのピッチャーが良いので、昨年や一昨年と比べるとあまり戦力差は無いのかなと感じていて、その中でいかにミスを減らせるかということが、勝敗を決める一番大きな要因かなと思います。
齋藤 僕もやはりミスを減らすことが重要だと思っています。それでやっと相手と同じ土俵に上がれると思っています。早稲田のピッチャーは今年良いので、頑張って抑えてくれると思うので、その上でしっかり打撃陣が点を取ってあげないと勝てないので、相手のピッチャーをいかに打ち崩すかということも重要だと思います。
岡本 やはりミスを減らすことが一番重要だと思います。そこにつながるのが集中力だと思うので、プレーする選手以外も常に集中して、声かけやベンチワークで、プレーする選手にいかに負担をかけずに回せるかで選手の疲労感や集中力が変わってくると思います。チーム一丸となって戦う意識を全員が持つというのが一番大事だと思います。
――日体大以外で警戒する大学や選手はありますか
篠原 福岡大学の海邉(和也)という、大学日本代表のピッチャーは順当に勝てば準々決勝で当たる相手で、たぶん今大学で一番のピッチャーだと思います。球が速いし、良いチェンジアップを投げるし、実業団の強いチームがボロ負けしているくらいなので、一つ目の山場がそこかなと思います。インカレを優勝するために、いかにその試合で打ち崩せるかが重要になると思います。
――インカレに向けての現在の調子と、インカレまでに克服したい課題はどういった点ですか
齋藤 最近バッティングの調子は良いです。守備では高校と違うボールなので、まだ始めて5カ月くらいで、少なからずエラーもあります。なるべく守備でエラーをしないように残りの期間で頑張っていきたいです。
岡本 僕はたぶんインカレに出るとしたら代打になると思うので、バッティングにフォーカスしていきたいです。練習ではまあまあ打てていたんですけど、昨日、一昨日と練習試合をして全然打てなくて、また豆腐メンタルになってしまっています。まずは自分がインカレに出ると思って、良いイメージで入れるように練習で調子を上げて、今週もまた練習試合があるので、もしチャンスをいただけるのであればそこで結果を残してやろうとは思いますね。そこでメンタル回復したいですね。
篠原 僕も春先はめちゃめちゃ調子が良くて、今はよろしくないんですけど、あと2週間だし、どこか変えて何か結果が変わるのかなという感じではあるので、今までやってきたことを信じてやるしかない状況です。あと2週間しかないですが、泣いても笑っても最後なので楽しくやるだけかなと思います。悔いのないように、インカレでチームがしっかり勝てるように何かしら貢献できればなと思っています。
――インカレ優勝に向けてのキーマンは誰だと考えていらっしゃいますか
岡本 挙がるのは澤さんじゃないですか?
篠原 いや、面白くない(笑)。やっぱりうちの齋藤向陽で。畠山陸というもう一人のスポ薦の人がケガをしていて、その代わりに齋藤向陽が守備で出ないといけないので。バッティングは良いし、守備も下手じゃないし全然うまいと思うので、そんなに気負わずに、1年生なんだから暴れ回ってほしいなと思っています。打順はたぶん8番とか打つので、チャンスで回ってくると思うので頑張って打ってほしいなと思います。
齋藤 右バッター全員ですかね。左バッターは今、セーフティバントやスラップなどの小技で出塁することを徹底してやってくれているので、右バッターが塁に出た左バッターをかえしてやれるように、右バッター全員が重要だと思っています。
岡本 昨日、一昨日の練習試合を見ると外野陣じゃないかなと思います。昨日は、インカレの2日目だったり決勝の想定だったと思うんですけど、一昨日も試合があってその疲労が残っている中での試合でした。そうなると足が動かなくて打ち取った当たりなのに、たしかに難しい打球ではあるんですが、取れなかったりするんですよね。そういう面では、早稲田は守備から流れを作っていくチームなので、疲労がたまっている中で足を一番動かさないといけない外野陣が重要になってくるのではないかなと思います。
――最後にインカレに向けての意気込みをお願いします
岡本 チームのベンチに目標シートがあって、そこにも書いてあるんですが、「困ったときの岡本」というのがあって。バッティングも守備も中の中みたいな感じなので、誰かに疲労やケガがあったときに「岡本おいで」という感じで呼ばれるように、困ったときにすぐ行けるように、ベンチの中でイメージを持って、一丸となって戦えるようにやっていければと思います。
齋藤 インカレという大会自体初めてだし、対戦する相手のこともよく分からないので、先入観無く臨みたいなと思います。
篠原 僕たちの代が始まってからこういう大きな大会はインカレが最初で最後になるので、もう最後だしやることをやって、泣いても笑っても本当に最後なので、優勝することしか考えてないという感じですかね。チームが苦しいときに僕が一本打てればいいなと思っています。
――ありがとうございました!
(取材・編集 玉置理沙子 写真 渡邊悠太 )
チームの雰囲気の良さが感じられる対談でした!
◆篠原洸一(しのはら・こういち)(※写真左)
2000(平12)年1月20日生まれ。170センチ82キロ。埼玉・早大本庄高出身。人間科学部4年。内野手。右投右打。試合に出られない中でもベンチワークでチームを常に盛り上げてきた篠原選手。今回が最後のインカレですが応援でチームを波にのせます!
◆齋藤向陽(さいとう・こうよう)(※写真中央)
2002(平14)年12月26日生まれ。166センチ64キロ。群馬・新島学園高出身。社会科学部1年。内野手。右投右打。最初はシャイだったものの最近は心を開き始めたという齋藤選手。1年生にしてのインカレ出場ですが、暴れまわってほしいという先輩の言葉通り、守備でも打撃でも活躍が期待されます!
◆岡本元喜(おかもと・げんき)(※写真)
2000(平12)年8月3日生まれ。174センチ80キロ。早稲田渋谷シンガポール高出身。商学部3年。内野手。右投右打。バッティングの飛距離では誰にも負けない岡本選手は、最近ではトレーニングジムでバイトをするほど筋肉への思いが熱いそうです。インカレではそのフルスイングでチームを勝利に導きます!