最初に登場するのはチームの核として活躍する、松下直矢(スポ4=京都・南陽)、山内壮起(スポ4=千葉・成田国際)、澤優輝(人3=東京・国学院久我山)のバッテリー3人だ。新型コロナウイルスの影響で例年通りには活動できなかった今シーズンだが、全国大学選抜男子ソフトボール選手権大会(インカレ代替大会)を前にチームは一丸となっている。その中で打倒日体大に燃える3人にお話を伺った。
※この取材は10月17日に行われたものです。
「率直にすごい楽しかった」(澤)
和やかな表情で取材に応じる澤
――東京都大学ソフトボール連盟秋季リーグ戦(リーグ戦)を振り返ると、どのような試合になりましたか
松下 個人的には、あまり思うようにいかなかったかなと思っています。自分が投げたところ(学習院大戦、日体大戦)、特に日体大相手には、相手がどうこうというよりかは、自分の投球が思うようにできなかったという部分が大きかったです。その部分では、全国大学選抜男子ソフトボール選手権大会(インカレ代替大会)に向けて、すごく収穫がある試合には正直ならなかったのかなと思っています。そういう意味では、個人としてはベスト(な試合)ではなかったなと思っています。
澤 久々の公式戦だったので、率直にすごい楽しかったというのが僕の感想です。結果はいつもの公式戦と比べると打っていないと思うのですが、一つ試合することができた喜びが僕の中では大きかったので、次につなげていければいいかなと思ったリーグ戦でした。
山内 個人としてもチームとしても、(コロナ禍のため)ずっと練習できていなかったなかで試合に入りましたが、思ったよりもやりたいことができたリーグ戦だったのではないかと思っています。自分としても新しくチャレンジした配球が上手くいった面も見えましたし、チームとしての戦い方のようなものは、練習していないわりに見えたリーグ戦だったのではないかと思っています。
――投手陣のお二人に伺っていきます。リーグ戦を迎えるにあたってのご自身の状態はいかがでしたか
松下 いつも通りだったと思います。新型コロナウイルスの影響で練習できなかった期間もありましたが、それによっての具体的な影響は、自分の中ではあまり感じませんでした。
山内 さっきも言ったことになるのですが、練習の期間が短かった、調整の期間が短かった割には、試合をつくれたというか、いいかたちで課題も収穫も出たリーグ戦だったのかなと思っています。
――澤選手にお聞きしていきます。ボールを受けてみて、投手のお二人の状態をどのように感じましたか
澤 山内さんに関しては、国士館大戦で7回完投してもらって、練習していない中ではありましたが、完全に相手を圧倒する投球ができていました。その点では心配する点は全くなく、次のインカレ代替大会でもしっかり抑えてくれるという信頼もあるので、久々の試合だったからというのは特に感じなかったです。松下さんに関しても、日体大戦で初めて先発という場を踏んで、ナイターという不慣れな環境ではありましたが、走者を出しながらも5回を最終的には3点でまとめてくれたので、一つ新しいリーグ戦になったのではないかと思っています。
――それでは個別にお聞きしていきます。まず、松下選手にお聞きしていくのですが、先発した日体大戦を通して、得た収穫と課題を教えていただきたいです
松下 収穫は、球種が増えて、それを試してみた中で、一つ使えそうだな、という球種を見つけたことです。課題は、早稲田としては格上だとは思いたくないですが、自分個人としては格上の相手に対しての投球として、まだまだびびってしまうところがあって、自分が思った通りの投球がなかなかできなかったところは課題かなと思っています。
――通用すると感じた球種を具体的に教えていただいてもよろしいですか
松下 (投球の)タイミングを変えるクイックです。投球の動きのスピードを変えて(速くして)、打者のタイミングをずらすような球種です。
――続いて山内選手に伺います。昨年までと配球で変えた点はありますか
山内 去年の全日本大学選手権(インカレ)では、日体大相手にドロップ中心の投球を意識して、それである程度手ごたえを得たところもあったのですが、今回のリーグ戦では、僕も球種が増えたところもあったので、それを使うために、配球を変えながらやっていました。
――国士舘大戦では、「スタミナが課題」とおっしゃっていましたが、スタミナは戻ってきましたか
山内 あの日は暑かったというのがあったので。インカレ代替大会がどうなるかはわかりませんが、自分としては一日2試合先発する準備はしなくてはいけないと思っています。(インカレ代替大会までに)予定されている練習試合があるので、そこで長いイニング投げるということをやっておきたいと思っています。
――続いて澤選手にお聞きしています。リーグ戦の打撃の状態を振り返るといかがでしたか
澤 全体的に悪くはなかったというのはあるのですが、ずっと4番を打たせてもらっていて、その中で早稲田の4番は、1、2番の小技の人たちがつくったチャンスを返すという役割があります。ですが、チャンスで何回か凡退してしまったことがあるので、つくってもらったチャンスで100%(走者を)返せるように、今は得点圏打率にこだわってやっています。普段のリーグ戦の方が打っていたという印象は正直あって、僕としては打率8割あたりを目標にしてやっているので、アウトにならない打席を目指せればなと思っています。
――先ほども少し話がありましたが、慶大戦などでの好機での凡退に関して、打席において力みなどはありましたか
澤 慶応も(早稲田を)意識してやっていることは、前々からわかっていたので、正直力みはありました。そこで力む自分も悪いのですが、今年のインカレ代替大会は圧倒する、というくらいの打席をしたいと思ってやっています。日体大の小山玲央投手(4年)を打ち崩すというのが僕の最終的な目標なのですが、どんな投手が来ても全打席安打を打つ、というくらいの勢いでやれればと思っています。
――日体大戦などでは、ワンバウンドを弾いた際に、相手の判断も良く、進塁される場面も目立ったと思うのですが、ブロッキングで強化されている点はありますか
澤 うちの投手は他のチームの投手に比べて、ドロップなど低めの球で勝負することが多いので、そこを弾いているようでは捕手としては駄目だと思います。投手が絶対的な安心感をもって、低めの球をワンバウンドで投げられるように、これから練習する必要があると思っていますし、インカレ代替大会でも無失策、無捕逸でいければなと思っています。/p>
特技に隠された秘密・・・
家電について詳しく語る松下
――ここから少しプライベートに関する質問をしていきたいと思います。それぞれの選手の他己紹介をお願いします。最初は山内選手の紹介をお願いします。
松下 一言でいうと真面目かなと思います。何事もちゃんとやるというか、当たり前か(笑)。自分が怠惰な人間なので、(自分は)抜いてしまうところが多々あります。いつも山内にいろいろと怒られるので、ちゃんとしているな、という感じです。
澤 とにかく器用だなという風に思います。あ、でもソフトボールの話じゃないか
一同 (笑)。
澤 器用だし、プライベートあんまりわからないんですよね(笑)。まぁ、とにかく器用と書いておいてください(笑)。
――それでは松下選手の紹介をお願いします
山内 怠惰。
松下 自分で言うたやん、それ
山内 でも書かれると俺がすごい悪い人間みたいな感じになっちゃう(笑)。
松下 大丈夫大丈夫、自分で言うたんで。
山内 できるのであれば、2時間くらい説教したいと思っていますが、チーム内の立ち位置的にもソフトボール以外でも周りにいじられて笑わせてくれる立ち位置ではあるので、一人いてくれれば同期としても助かるのかなというところはフォローとして言っておきます(笑)。
――澤選手はいかがですか
澤 とにかくひたすら4年生の同期の方に、説教されたりいじられたりしているイメージしかないですね。プライベートに関してもソフトボールに関しても常々いろいろなことを言われている中、しっかり毎日耐えながらやっているので、その辺の強さはすごいなと思ってます。普通あれだけ言われたらケロッと次の日練習に来れないだろうというときもあるので(笑)。
――では澤選手の紹介をお願いします。
澤 澤が僕のプライベートのことわからないと言っているのと一緒で、僕もあまりわからないのですが、最近小手指に引っ越しました。僕も遠距離通学組の仲間だと思っていたので、ちょっと寂しいですね。
――最近引っ越されたのですか
澤 はい、今年の8月ですね。引っ越してあと1年完全燃焼したろ、ということでこっち(小手指)に来ました。
―元々は神奈川県にお住まいだったと伺ったのですが
澤 はい、でも長くて遠いので。来年主将をやることがもう決まったので、誰よりもグラウンドにいる時間を長くするとか、そういったものも後輩は見ているのかなと思って、そういった姿勢を見せられればなとか、いろいろな思いから、ラスト1年はこっちかなと思って決めました。
――松下選手からは
松下 完璧な人間という感じです。まだ3年生で最上級生ではないですが、満票で主将に決まったということもありますし、プレーにおいても中心人物です。ライベートなことはわかりませんが、完璧な生活を送っていることは想像できます(笑)。
――自粛期間はどのように過ごされていましたか、はまったことがあれば教えてください
山内 前半は就活でいっぱいいっぱいだったので、暇でエントリーシート書くという生活でした。自分は家ではトレーニングはしないので、強いて言うならちょっとラジオ聴くことにはまりました。夜にラジオたくさん聴いていました。
――どの番組を聴いていましたか
山内 いろいろ聴くのですが、芸人さんのラジオをよく聴いていました。自粛期間以降は、(ラジオを)垂れ流しで寝ていて、前半の20分くらいしか聴いていなかったりするのですが、すごい面白いなと思ってラジオ聴いています。
澤 早めに家探しをし始めて、いろいろな物件をネットで探しながら、こんなものが欲しい、あんなものが欲しいといろいろ考えながら、8月の一人暮らしに向けて準備を始めていたという段階でした。グラウンドの方には、一番早くて6月から公共交通機関を使わない人が練習できる、というのがあったので、僕は家から車を運転して(グラウンドに)来ていました。結構早めに練習できていた方だったので、必然的に車を運転する期間が長かったな、という自粛期間でしたね。片道1時間半くらいかかるので、一人で車の中でいろいろ考えながらドライブするのが楽しかったなと思います。
松下 自粛期間は何もしていないですね。部でLINE通話をつないでトレーニングするというのがあって、それをやっていたのと、自主練習していいよ、となった時に練習をするくらいでした。就活でも案の定、同期に厳しく言われて言われていたので、結構大変でした(笑)。
――続いても松下選手に伺っていきます。HPのアピールポイントの欄に、「家電に詳しい」と書いてあったのですが、詳しくお話を聞かせていただきたいです
松下 はい、もちろんです。炊飯器についてなのですが、炊飯器壊れたことありますか?
一同 ないですね...
松下 僕の一人暮らししている家の炊飯器が壊れてしまったのですが、炊飯器にはマイコンとIHヒーターという違いがあるんですよ。マイコンは、釜の下にある熱するやつを使って、下から炊きたてるんですね。一方で、IH炊飯ジャーは、釜自体を全体的に温めるんですね。だから、一般的にはIH炊飯器の方がおいしくご飯が炊ける、一粒一粒が際立つんですね。 話が少し変わるのですが、高速炊飯という機能を使ったことありますか? 2合炊きだったら2合炊きの線のところまで水を入れて炊くと思うのですが、2合というラインのちょっと上、多めに水を入れるんですよ。そうしないと、高速炊飯で時間が短いので、米が固く炊き上がってしまうんですよ。なので、少し(水を)多めにするとおいしく炊き上がるのですが、そのあんばいが少し難しいですね。家電に詳しい僕でも、一度固く炊き上げてしまったことがあって、自分に怒りを覚えましたね。と、話したところで実はアピールポイントではないんですよ。
一同 (驚き)。
松下 実はホームページ作ったやつがふざけて、いろいろいじくって、プロフィールを改ざんしたんですよ。あれ全て真っ赤な嘘です(笑)。この前たまたま炊飯器を買ったので、その時の話を今したんですよ。そしたら結構盛り上がる話になりましたね。
澤 めっちゃ(部内で)いじられてましたね。でも、びっくりしました、こんなに喋れるんだって。僕は、あれ(ホームページの情報)適当だと思っていました。
松下 いや、家電に詳しいのは適当だよ。あれ本当に適当ですよ。
澤 僕、炊飯器の話は適当だと思ってましたよ。
松下 炊飯器壊れてて良かった(笑)。壊れてなかったら、すぐ嘘だって言ってましたよ。
――続いて澤選手に伺っていきます。ホームページの特技に、百人一首とあったのですが、これは小さい頃にやられていたのですか
澤 百人一首は小学生の頃に担任の先生が好きで、毎日朝学活の時間かなんかに毎日していて、それが僕の百人一首との出会いです。(当時は)小学校3年生くらいだったのですが、かるたがすごい楽しいなと思って、神奈川県大会かなんかに出て、多分ベスト8くらいに行きました。今でも百首全部言えますし、去年はマネジャーさん(近藤夏紀氏、令2教卒)が強いという話を伺っていたのですが、対戦できなかったので今年は誰かを蹴散らしたいなと思っています。
――山内選手に伺いたいのですが、ホームページに朝起きてから分単位で行動することが得意、と書いてあったのですが、具体的にどのように行動されていますか
山内 自分は千葉から通っているので、電車の時間が毎回決まっているんですね。なので、そこから全部逆算して、起きる時間も決まっているんですよ、家出る何分前みたいに。家出るまでにやることも決めてるというか、必然的に決まってくるので、得意というかそういうのを無意識にやりたい人間なんです。電車の乗る車両とかもだいたい一緒ですし、方向音痴なので道変えると駅の中も迷ってしまうので、だいたい同じところを通ってみたいな(笑)。朝は得意というか、脳は寝ながらでも(体は)動いているという感じです。
「最後みんなで笑って終われるような大会にしたい」(山内)
インカレ代替大会に向けての熱い思いを語ってくれた山内
――最後にインカレ代替大会に向けての質問なのですが、現在の調子はいかがですか
松下 100%のうち50%くらいですかね。インカレに出たのは去年が初めてなので、去年と今年を通して言えることなのですが、夏前に調子を崩しがちで、(去年は)ドロップが落ちなくなって、総監督(吉村正総監督、昭44教卒)にご指導いただき良くなって、関大を抑えられました。今年も(調子を)合わせないといけないなと思っています。
――100%にするために、どのようなところを修正していきたいと考えていますか
松下 安定感ですかね。下半身がぐらつくというか、安定しないということが自分の投球の癖なので、そこを安定させていきたいです。早稲田は守備で流れをつくるチームなので、ストライクをポンポンと先行させていきたいです。
――続いて澤選手、お願いします
澤 僕も100%とすると80%くらいまでは来ているかなという感じです。残りの20%は打撃10%、守備10%だとすると、リーグ戦は正直状態が良くなかったので、それに比べて打撃であればスイングのキレを上げることはできていますし、守備に関しても、肩の調子も最近は良くなってきています。あとは細かいところを詰めて、100%に持っていけるように、20%を残りの2週間でそれぞれ上げていきたいです。
山内 自分は70%くらいですね。自分で感じている調子と試合の結果が伴わないことが多いので、あまり高く設定したくないのですが、本当に最近は(調子が)悪くないです。ここ何週間で最速を更新(115キロ)して、ボールも行っているし、動けているなというところもあります。あとは、試合勘が少し足りないところがあるので、練習試合の中で自分が手応えを感じているところが、相手チームにどれだけ通じるのかなということが確認できれば、修正点も見えてくると思います。
――秋季リーグ戦後に重点的に取り組んでいることはありますか
山内 自粛期間が明けてからなのですが、打者に投げる時にテーマを決めて投げることを捕手と話し合ってやっています。自分はドロップもライズボールも同じくらいの球速で投げることができて、球種が多いことが特長だと思っています。ある程度一つ一つの球種で勝負できるようになってきたところで、1試合の中でどの球種でも勝負できる配球を自在に操ることができればそれが強みになると思ったので、打者や実戦の中において、(投球の)組み立てを別人のように変えることを最近は意識しています。
――意識することで、自分の中で成長や変化を感じますか
山内 そうですね。最近だとドロップが良くて、今まではあまり続けて投げるほどの自信がなかったのですが、(ドロップを)続けて投げられるようになったりして、配球的にも幅が広がってきたのではないかと思っています。
――澤選手お願いします
澤 まず、打撃に関しては(スイングの)キレを出したいということが一番です。そのために、バットスイングのスピードを上げることはもちろんなのですが、その上げ方の一つとしてロングティーを意識してやっています。(ロングティーでは)トスされた球にバットを上からねじ込んで、バックスピンを掛けて飛ばすということを自分は意識しています。自分の中では大会前に状態を上げるための一つの練習として去年からすごく大切にしている練習なので、自分のフォームと状態を確認しながら、キレを出せるようにしています。守備に関しては、今年から遊撃手を守る先輩(石井智尋=スポ4・千葉敬愛)と、盗塁やピックオフの際の連携や送球面のことを意識して、リーグ戦が終わってから練習しています。守備については、練習をチームで録画しているのですが、それを画面録画して遊撃手の先輩と2人で、今の(二塁ベースへの)入りはどうだった、今の送球はどうだったということを確認しながらやっているところです。
――ソフトボールは塁間が狭いので、盗塁をアウトにすることは難しいと思うのですが、盗塁を防ぐために意識していることはありますか
澤 遊撃手が塁に入って、(すぐに)走者にタッチできるところに送球するということが(盗塁を防ぐために)一番大きなことだと思っています。僕がしっかりとベースの上に投げれば、あとは遊撃手の人がタッチするという感じなので、僕は決められたところに素早く投げることを意識しています。
――松下選手よろしくお願いします
松下 考えてみたのですが、正直なかったなと思います。自分は不器用なので、山内みたいに思ったことをすぐに体で表現できなくて、時間がかかって、前進後退を繰り返してしまう人間です。昨日良かったのに今日は駄目になるということが同じ球種でもあったりするので、いかに安定させるか、いかにベストを引き出すかというところを意識してやっています。自分は毎回課題が同じ(安定感を付けること)です。昨日の自分より今日は良くなったな、ではなくて、昨日の課題はまあまあできた、今日は同じ課題をやってみよう、まあまあできたということの繰り返しなので、ひたすら(同じ課題を)つぶそうね、でもなかなかできないね、ということをずっとやっています。
――澤選手にお聞きしたいのですが、日体大の小山玲央投手を打てる手応えはありますか
澤 手応えというと少しわからないのですが、僕としてはすごい楽しみという気持ちしかないです。去年も4番として決勝を戦って、一打席目に三振してしまい、それが原因で負けたと思っているので、今年は一年越しに借りを返すことができると思っています。一打席目にしっかりと打って、リベンジしたいなと思っています。向こうはラストシーズンで、もう対戦することがなくなります。今年のインカレ代替大会で小山投手と対戦できる喜びも感じているので、率直に一打席一打席が楽しみという感じですね。
――インカレ代替大会に向けての意気込みをお願いします
山内 今シーズンは、ほとんど試合がなくなってしまい、楽しみにしていた自分たちの代での試合が全然できなくて、すごくもどかしい思いをしてきました。ですが、最後に何かみんなで向かっていける目標ができて、自分も楽しみながら部活ができているので、最後みんなで笑って終われるような大会にしたいと思っています。負けたら自分は泣いてしまうので、(笑って終わるためには)勝たないといけないですし、去年とは自分的にも立場やチーム内で求められるものも変わっているので、後輩たちにも自分がエースとしてかっこいい背中を見せることができればいいなと思っています。
澤 全日本はすごい特別なものだと感じていて、富山のあのグラウンドで去年は本塁打3本打って、打率もしっかり5割を超えることができたので、(去年の)自分を超える成績を出したいということを一番に思っています。やはりあのグラウンドで打つということには特別なものを感じますし、やっている試合もすごく楽しいのです。その中で今年は、立命大や福岡大というエースが自分と同じ3年生の代(立命大・佐藤夏己、福岡大・海邉和也)のチームと対戦する可能性があります。2人とも日本代表に選ばれる素晴らしい投手ですし、ましてや決勝で小山玲央投手(日体大)と対戦できると考えたら楽しみでしかない、早く対戦したいなと思っています。お世話になった4年生とも試合できる最後の大会なので、頑張りたいと思います。
松下 山内が言ったように、最後は笑って終わりたいと思っています。個人として成績を残すことももちろん大事ですし、勝ちにこだわるということももちろん(大事)です。ですが、自分たちの代の最後(の大会)で、自分も含めて試合を楽しめるような、(終わった時に)この大会良かったね、とみんなで思えることが一番だと思っているので、そのような大会にしたいなと思っています。
――ありがとうございました!
(取材・編集 杉﨑智哉 写真 手代木慶)
昨年からバッテリーを組む3人。笑顔が絶えない対談となり、仲の良さや信頼が感じられました。
◆松下直矢(まつした・なおや)(※写真左)
1998(平10)年5月3日生まれ。175センチ63キロ。京都・南陽高出身。スポーツ科学部4年。投手。右投右打。同期の選手から毎日のように怒られているといういじられキャラの松下選手。4年生にとって最後の大会となるインカレ代替大会は、何としても笑顔で終わりたいと意気込んでいました!
◆山内壮起(やまうち・たけおき)(※写真中央)
1998(平10)年12月11日生まれ。172センチ64キロ。千葉・成田国際高出身。スポーツ科学部4年。投手。右投左打。3年生の澤選手と共にバッテリーを組み、チームを支えている山内選手。インカレ代替大会へかける思いを、とても丁寧にそして優しく語ってくださいました!
◆澤優輝(さわ・ゆうき)(※写真右)
2000(平12)年1月20日生まれ。182センチ82キロ。東京・国学院久我山高出身。人間科学部3年。捕手。右打右投。昨年のインカレでは打率5割越えを記録するなど、圧倒的な打力を誇る澤選手。自信に満ちあふれる姿がかっこいいです! インカレ代替大会では驚異の打率8割を目標に掲げます!