夏季オープン戦 8月17日 対帝京大C 早大・菅平グラウンド
昨年度の王者である帝京大Cを迎えた一戦。多くの観客が早大・菅平グラウンドに訪れた。前半から帝京大Cの圧力に押され先制点を許してしまう。早大Cも負けじと得点を重ね14ー14と両者譲らずに前半を終えた。続く後半は帝京大Cにトライを立て続けに奪われリードを許してしまう。それでも終盤にかけて巻き返し、26ー28の2点差に詰め寄った。ラストワンプレーの希望をS O 島田隼成(スポ1=福岡・修猷館)の右足に託したが、ボールは左に外れ最終スコア26ー28でノーサイドを迎えた。悔しい結果で終わったものの、粘り強いディフェンスやセットプレーの安定性が随所に光り、早大の成長を示す一戦となった。
SO吉岡麟太朗(スポ4=東京・本郷)のキックオフで始まった今試合。開始直後は蹴り合いがしばらく続き、お互いに慎重な姿勢を見せる。WTB山下一吹(教3=東京・早実)の好タックルで早大が流れを掴みかけるも、ハーフラインでペナルティを犯してしまい、帝京大Cの素早いリスタートから自陣深くまで攻め込まれる。その後相手FWの連続攻撃から前半3分に先制点を許してしまった。一方の早大は7分、PR前田麟太朗(スポ1=神奈川・桐蔭学園)が何度も力強いキャリーを見せ、敵陣深くまで攻め込むと、山下一とCTB藤井雄士(社1=北海道・札幌山の手)が起点を作り、SH糸瀬真周(スポ3=福岡・修猷館)の持ち出したボールに吉岡が反応。角度をつけて走り込みインゴールを叩き割った。FB田中大斗(教1=東京・早実)が左隅からの難しい角度のコンバージョンをきっちり決め7ー7と同点に追いつく。前半20分には糸瀬がハーフライン上のマイボールスクラムから素早く持ち出し、裏のスペースへのキックも駆使しながらビッグゲインを見せるなど、吉岡とともにハーフ団で何度もチャンスメイクをみせていた。続く前半32分には早大がジャッカルで相手のペナルティを誘い敵陣22mラインまで攻め込む。直後のラインアウトで吉岡からボールを受け取ったFL山本竜大(教3=東京・早実)が起点を作ると、最後にロングパスを受け取ったWTB杉野駿太(政経4=東京・早大学院)が相手ディフェンスを次々に抜き去りインゴールに飛び込んだ。田中のキックも決まり14ー7とリードする。このままリードを保ったまま試合を折り返すと思われたが、39分に帝京大Cの追加点を許してしまい、14ー14と同点で試合を折り返した。
続く後半は開始10分、早大がペナルティから自陣深くまで攻め込まれモールトライで勝ち越しを許してしまう。後半21分にも追加点を奪われ、14ー28と点差を広げられた。このまま帝京大に引き離される展開になると思われたが、前半32分に島田の好キックでエリアを回復すると、FL久我真之介(文構1=東京・早実)が相手ペナルティを誘い更にゴールラインまで迫る。山下が内側に切り込み起点を作ると数的有利ができた状態でLO折戸健介(法4=東京・早実)がインゴールに飛び込み、19ー28と点差を縮めた。ここから後半に途中出場したWTB山下恵士朗(スポ1=早稲田佐賀)が持ち前のランニングスキルで観客をどよめかせる。後半36分には相手ディフェンスを次々にかわしていきゴールラインに迫ると、内側に走り込んだSH渡邊晃樹(スポ1=神奈川・桐蔭学園)のトライを演出した。この山下のプレーには観客席で見守っていた部員たちも立ち上がりながら歓声を上げた。島田のキックも決まり26ー28と2点差まで詰めより、少ない残り時間に望みをかける。自らのミスが重なりピンチを招くも、粘り強いディフェンスでペナルティを誘い、ラストプレーで再びチャンスを手繰り寄せた。早大はショットを選択し、敵陣10mラインという決して簡単な場所からのキックではなかったものの、これまでの島田のキックの正確性から、選手も観客も島田の右足に希望を託す。しかし、ボールはポールの左側に逸れてしまい26ー28でノーサイドの笛が吹かれた。
惜しくも敗れてしまった早大だが、昨年の王者である帝京大を相手に成長を見せる一戦となった。素晴らしいタックルやビッグプレーも目立ち、選手たちがこの一戦に賭ける想いが伝わった。また春季大会でも強さを見せたスクラムも健在しており、帝京大Cを相手にもペナルティを獲得し、自信をつける内容にもなった。このCチームの奮闘は翌日に帝京大と戦うAチームの力になっただろう。秋の再戦に向けて更なる進化を見据える早大、これからの成長に目が離せない。
(記事 大林祐太、写真 瀧田彩音、細渕花夏、野崎真由季)
コメント
LO岡村圭悟ゲームキャプテン(スポ4=東京・本郷)
――今日のチームとしてのテーマを教えてください
今日のチームとしてのテーマはガッツセットで、一つの仕事で終わらずにすぐに二つ以上の仕事をしようというワークレートの部分を意識しました。
――帝京に離されかけた後、チームでどのようなことを話しましたか
コリジョンの部分では全然負けていないという感じだったので、本当に自分たちの今までやってきたことを忠実に100パーセント出し切るというコミュニケーション取りました。
――今日はチームとしてもDFが光っていたと思いますが、意識していたことは何ですか
早稲田としてハイプレッシャーのDFというのをテーマにしているので、もうそこをターゲットに全員でDFしようということを意識していました。
――最後に今後の意気込みをお願いします
個人としては明日のB戦もあるので、Cは負けてしまったのですが、このままA、Bと3タテできるように頑張りたいなと思います。
WTB山下恵士朗(スポ1=早稲田佐賀)
――今日のゲームコンセプトはなんですか
飛び込まずにしっかりと見て、タックルすることです。
――BKがグラウンドを大きく使う場面が多かったですが、アタックで意識したことはなんですか
コート全体を見て、空いてるスペースに仕掛けて敵を抜くことを意識しました。
――今日のBKのディフェンスについて感触はどうでしたか
セットアップの部分はできたと思いますが、接点での攻防は満足できていません。
――今後の意気込みを教えてください
自分のミスで得点されてしまった部分があったため、しっかりと改善してさらに上のカテゴリーを目指していきたいです。
LO多田陽道(商1=東京・早実)
――今日の個人のゲームコンセプトについて教えてください
セットプレーを安定させて相手を圧倒することを意識しました。
――何度もチームを救うDFが目立ちましたが、今日の個人としてのDFについて教えてください
自分は体が小さい選手だからこそDFで貢献しなければならないと思っていたので、そういった点では最後の場面などでゴールラインを割らせないことができなのは本当に良かったと思います。
――春の帝京大戦との違いを教えてください
春の帝京大戦では自分がスクラムに入ってペナルティを取られてしまったり、そのままトライを取られてしまう場面があったのですが、今日の試合はスクラムでペナルティを取ることができたように、自分としてもスクラムの成長を感じた試合でした。
――今後の意気込みについて教えてください
秋にもまた帝京大戦があるので、そこではしっかり勝ち切れるように準備していきたいと思います。
SH糸瀬真周(スポ3=福岡・修猷館)
――今試合の個人のコンセプトを教えてください
アタックでしっかり自分で仕掛けて、ディフェンスラインを崩していくのがコンセプトです。ディエンスもしっかり自分がコントロールして、アタック、ディエンスともに圧倒することを意識しました。
――その達成度としてはいかがでしたか
やっぱり後半でアタックのミスが多くて。アタック、ディフェンスともに爪が甘い部分があったかなと思うので、そこを修正したいです。
――チームのゲームメイクについて意識したことがあれば教えてください。
コリジョンでは負けてないというふうに思っていたので、早稲田のアタックとして、やっぱり速いテンポで順目順目に攻めて、しっかり体当てて前に出るっていう部分をゲームメイクとしては意識してました。
――アタックのスピード感が特徴的だったと思うんですけど、アタックで特に意識したことなどって何かありますか。
スピードの部分では他のハーフに負けられないと思っているので、ラックに寄るスピードであったり、周り見て自分で仕掛けるところは仕掛けたりっていうのを今後も意識して日々練習していきたいと思います 。
――今後の意気込みをお願いします
僅差で負けてしまったんですけど、こっから明日のB戦だったり、ジュニア選手権だったり、 帝京さんとやる機会はまだ多いと思うので、そこでしっかりやり返せるようにじゃないですけど、成長してもう1回リベンジしたいと思います。