激戦を戦い抜き慶大に勝利 果たした昨年の雪辱

弓道男子

慶應義塾大学定期戦 8月11日 慶大志正弓道場

 連日の酷暑の中、早慶戦(慶應義塾大学定期戦)が慶大志正弓道場で行われた。昨年は20中差で敗北を喫した早大。今年は下級生を積極的に組み込み試合に臨んだ。両者一歩も譲らない展開となるが、二立目で慶大に差をつけられてしまう。巻き返しを図りたい早大は控え選手3名を起用し、試合の流れをつかみとることに成功する。四立目で的中数を一気に伸ばし、このまま早大の勝利かと思われたが、慶大も黙ってはおらず。早大120中-慶大120中となり、勝負の行方は同中競射で決まることとなり、結果、早大12中-慶大11中で伝統の一戦を勝利でおさめた。

 早大は壱ノ立に浅井啓真(法1=東京・早大学院)と佐藤蒼(教1=東京・早大学院)、弐ノ立には繁田舟蔵(基理1=東京・早大学院)の1年生3名を出場させるなど、新しい戦力を積極的に組み込み、慶大と相対した。一立目は両校ともに安定した的中をみせ、早大は23中、慶大は24中。わずか1本差となり、伝統の一戦らしい立ち上がりとなった。しかし、続く二立目でその差は大きく開く。慶大の壱ノ立が13中を叩き出した一方で、早大は11中。弐ノ立も10中、慶大との差は4本と苦しい状況となった。何とか流れを引き寄せたい早大は、三立目から壱ノ立の落前に佐藤我音(先理3=東京・早実)を起用。結果合計14中としたが、弐ノ立は的中数を上げることはできず。慶大との差を一本縮めるに留まった。

 

この日、早大最多的中の19中を出した佐藤蒼

 四立目からは弐ノ立に竹宇治雄介(政経4=東京・早実)と宮﨑滉巳主将(社4=埼玉・県浦和)が出場。ここで、早大らしい勝ちへの粘り強さが光った。壱ノ立で寺師大輔(スポ2=愛知・東海)、佐藤蒼、弐ノ立で家田翔平(基理3=早稲田佐賀)、竹宇治、市橋健成(教2=早稲田佐賀)が皆中。どちらの立もこの日の最高的中数となる14中と15中を出した。慶大との差は2本と、逆転に成功する。このままリードを保ち、早大の勝利かと思われたが、五立目で2本の差を追いつかれ勝負は同中競射で決定することとなった。

 

行射前に円陣を組む選手たち

 緊迫した空気感の中、同中競射が始まった。先攻の早大は壱ノ立で全員が皆中。試合の主導権は一気に早大のものとなった。慶大の壱ノ立は6中。弐ノ立で一気に差を広げ、勝利を確実なものとしたかったが、宮﨑が皆中したものの合計4中となり、最後まで結果は読めない、拮抗した試合になった。全員が緊張した心意気で見守る中、慶大弐ノ立は5中。結果、早大12中-慶大11中で見事勝利をつかみとった。最後までどちらが勝利するのか読めなかった本試合。8月22日から神戸でおこなわれるインカレ(全日本学生弓道選手権大会)でも、早大らしさを全開で見せつけてほしい。

(記事、写真 富澤奈央、林田怜空)

 

結果

壱ノ立

大前 寺師 20射17中

弐的 浅井 20射16中

落前 李政珉(政経3=中国・コンコルディアインターナショナルスクール上海) 8射3中

   佐藤我音 12射9中

落  佐藤蒼 20射19中

弐ノ立

大前 家田 20射17中

弐的 繁田 12射6中

   竹宇治 8射7中

落前 市橋 20射14中

落  河野誠也(人3=埼玉・県浦和) 12射7中

   宮﨑 8射5中

早大120中-慶大120中

 

競射結果

壱ノ立

大前 寺師 〇〇

弐的 浅井 〇〇

落前 佐藤我音 〇〇

落  佐藤蒼 〇〇

弐ノ立

大前 家田 〇✕

弐的 竹宇治 ✕✕

落前 市橋 〇✕

落  宮﨑 〇〇

〇早大12中-慶大11中

 

コメント

浅井啓真(法1=東京・早大学院)

どのようなことを目標にして試合に臨みましたか。

――3中は切らないというところを目標として引いていました。なので、15中を目標としていましたが、1回皆中を出すことができた結果、16中とすることが出来たので良かったです。

安定した的中を見せていましたが、ご自身の射を振り返っていかがでしたか

――自分がやるべきことを意識して、とりあえず全部引き切ろうと決めていたので、それがで たことが今日の目標達成にもつながりました。全体としてみて良かったかなと思います。

競射となり緊迫した雰囲気になりましたが、プレッシャーは感じていましたか

――そもそも最初からずっと緊張しっぱなしでした(笑)。ただ、最後の方は緊張が薄れていって自分の射が出来ていたなかで競射になったことで、少し緊張はしましたが、自分がやるべきことをやり切る、自分を信じるというのを意識してなんとか乗り切ることが出来ました。

今後の大会に向けて、意気込みをお願いいたします

――僕は(インカレの)メンバーではないのですが、その後のメンバーに今選んでいただいたので、そこでしっかり活躍できるように頑張っていきたいと思います。

 

佐藤我音(先理3=東京・早実)

どのようなことをテーマに試合に臨みましたか

――当てればいいな、と。途中からの出場だったので、最低3中を切らないように取り組みました。

途中交代として出場することを告げられた時はどのように感じましたか

――交代で入ることが今季結構多かったので、それなりに慣れた感じで(行射に)入ることができました。

ご自身の射を振り返ってみていかがでしたか

――的中的にはそれほどいいわけではないのですが、ただ、ここ1週間調子が悪かった中にしては悪くないかな、と感じています。引き続き直していければなと思います。

行射中意識していたことはありますか

――引きが小さくなってしまう傾向にあるので、そこを意識していきたいです。