13点ビハインドから逆転勝利! 明大との接戦制す

米式蹴球

ROOTS BOWL 6月9日 アミノバイタルフィールド

TEAM 1Q 2Q 3Q 4Q TOTAL
早大 BIG BEARS 0 7 6 7 20
明大 GRIFFINS 10 3 6 19

 アメリカンフットボール部ルーツ校である早大BIG BEARSと明大GRIFFINSの創部90周年を記念したROOTS BOWLが開催された。試合序盤、早大は13点を先取される展開に。それでも第2クォーター(Q)にRB長内一航(文構2=東京・早実)のタッチダウン(TD)、第3QではWR江野彩雅(創理4=神奈川・川和)のTDで同点に追いつく。第4QにRB味岡海斗(法4=東京・早実)のTDで勝ち越しに成功すると、終盤に1点差に追い上げられたものの逃げ切った。20―19で見事に早大が接戦をものにした。

決勝TDを決めたRB味岡

 早大レシーブで試合開始。QB船橋怜(政経3=東京・早大学院)からWR高橋晟希(商4=東京・早大学院)、WR角井春樹(文構4=東京・早大学院)へのパスで1stダウンを2回更新し、敵陣に侵入する。しかし次のプレーでRB安藤慶太郎(社3=東京・早大学院)がファンブルし、攻撃権を失う。ディフェンスでは約20ヤードのパスで自陣中央に押し込まれると、明大のランプレーに苦戦。レッドゾーンに侵入されると、最後はFGで先制を許した。反撃したい早大はRB安藤のランで1stダウンを更新するが、続くランでRB長内がファンブル。明大にリカバーされ再びターンオーバーとなってしまう。早大はパスプレーでレッドゾーンまで進まれると、TDランを決められリードを10点に広げられる。第2Qに入っても明大のパスオフェンスに対応できず、ロングドライブの末FGで失点し、0―13に。次のディフェンスではDL工藤航世(文4=埼玉・栄東)のロスタックルもあり、初めて明大のオフェンスをスリーアンドアウトに抑えると、WR角井の好パントリターンで敵陣30ヤードからの攻撃に。続くプレーでQB船橋からスクリーンパスを受けたRB長内がそのままエンドゾーンまで駆け上がりTD。その後はDB鈴木晴貴副将(基理4=神奈川・鎌倉学園)とLB原康介(法3=東京・早大学院)がロスタックルを見せるなど、無失点に抑える。7―13の6点ビハインドで前半を折り返した。

TDを決め、ほえるRB長内

 早大のキックで後半が開始した。明大の好キックオフリターンで自陣からのディフェンスとなるが、スリーアンドアウトで攻撃に移る。この攻撃では無得点だったものの、再びすぐに攻撃権を得る。ランとパスを織り交ぜたオフェンスで着実に前進し、敵陣内へ。ここでフェイクプレーからロールアウトしたQB八木義仁副将(政経4=東京・早大学院)が、ワイドオープンになったWR江野へパス。ボールを受けたWR江野が同点のTDを決めた。流れに乗った早大は、OL陣の奮闘もありランを中心としたオフェンスで明大を押し込む。RB陣が入れ替わりでヤードを稼ぎ、敵陣2ヤードまで到達。最後もRB味岡がサイドラインを駆け上がる勝ち越しのTDを決め、7点リードとなった。この試合初めてリードした状況で迎えたディフェンスでは、DB塚田隼也(商4=東京・早大学院)がインターセプトに成功。敵陣25ヤードからのオフェンスとなり、完全にモメンタムを掴んだと思われたが、スナップの際に痛恨のファンブルをしてしまう。早大ディフェンスは4thダウンまで持っていくが、ギャンブルで明大にロングパスを通されてしまい、自陣2ヤードからのディフェンスを強いられる。試合残り1分を切ったところでTDランを成功され、1点差に迫られる。ここで明大はPAT(ポイントアフタータッチダウン)でプレーを選択し、決められると逆転される状況に。このプレーで明大の選手がパスを弾くと、空中に舞ったボールをDB堀口拓馬(法4=東京・早大学院)がキャッチ。明大のPATは失敗に終わり、早大のリードは守られた。早大はニーダウンで時計を進め、試合は20―19で終了した。

同点TDを決めたWR江野

インターセプトに成功し、リターンするDB塚田

 序盤に13点差をつけられたが、冷静なフットボールで逆転に成功。試合終盤に追い上げられるも守り切り、昨年の春季オープン戦、リーグ戦で敗れた相手にリベンジを果たした。次戦は東海大との対戦となる。春季オープン戦最後の試合を勝利で飾り、鍛錬の夏を迎えたい。

(記事 沼澤泰平、写真 田島凜星、富澤奈央、丸山勝央)

コメント

髙岡勝監督(平4人卒、静岡・聖光学院)

――本日の試合を振り返っていかがですか

 きわどい試合でしたが、集中を切らさなかったのが良かったと思います。

――攻守ともに苦しい試合の入りとなりましたが、どのように修正しましたか

 オフェンスがパーソナルなミスを連発していましたし、ディフェンスもなかなかアジャストできていませんでした。途中から相手のスピードやプレーの感覚が分かってきたので、なんとか前半持てました。

――後半に逆転しましたが、選手たちのプレーはいかがでしたか

 最後のツーミニッツで本来ならボールを維持しながら時間を費やすところをファンブルしていますし、ディフェンスで縦を抜かれることも防げたと思うので、もう一度やってはいけないことを明確にして、次につなげたいと思います。

――昨年、春季オープン戦とリーグ戦で敗れた明大に勝利しましたが、そこに関しては

 今日は紙一重の試合だったので勝てたことは非常にうれしいですが、明治さんの実力もしっかり分かったので、秋のリーグ戦も改めてしっかり確認して臨みたいと思います。

ーー東海大戦への意気込みをお願いします

 東海大さんの春の戦績が良いということで、我々はフレッシュなメンバーで臨みますが、先日の駒澤戦のようにスタンダードが高くないので、この2週間でしっかり練習して臨みたいと思います。

DB塚田隼也(商4=東京・早大学院)

――ディフェンス陣として、どのようなテーマを持って今日の試合に臨みましたか

 「執念」というのを、この春掲げて試合に臨んでいます。関大戦は前半リードする展開の中で後半に追いつかれてしまっていて、やはりチームとして執念が足りていなかったと思うので、今日の試合では明治よりも執念を持って勝ちを取りに行く事を意識して試合に臨みました。

――序盤明治のオフェンスに苦戦していた中で、第2Q中盤以降は効果的なディフェンスが随所にみられるようになりました。どのように立て直しを図りましたか

 今日はメンタルエラーというか、いつもだったら止まっているところでも止まれていなくて落ち着きが無かったので、「いつも通りやっていることをやろう」と声をかけて修正しました。

――第4Qのインターセプトの際に考えていたことを教えて下さい

 明治の押せ押せムードだったので、それを断ち切ろうと考えていたところであのプレーが出ました。ゲームの流れの中でも良かったかなと思います。

――ディフェンス陣の今日の戦いぶりはいかがでしたか

 勝ち切れたという点については良かったですが、最後ギリギリの展開にしてしまい、日本一を目指す上でああいった甘さは良くないので、これからも頑張りたいと思います。

――東海大戦への意気込みをお願いします

 前回駒澤大に負けてしまっているので、東海大に勝てるように頑張ります。