15年春以来となる完全優勝! 19安打の猛攻で慶大を下し、7季ぶりリーグ単独最多47度目の頂点に

野球
TEAM
早 大 12
慶 大
(早)宮城、越井、○鹿田、香西、安田、伊藤樹-印出
◇(二塁打)尾瀬、寺尾、前田健 (三塁打)なし (本塁打)小澤(4回)、尾瀬(5回)

 前日、早大の主砲・吉納翼副将(スポ4=愛知・東邦)の2本塁打4打点の活躍で快勝を収め、完全優勝に王手をかけた早大。勢いそのままに賜杯奪還を狙う早大は慶大に先制を許すが、すぐさま逆転すると、中押し、ダメ押しと鮮やかな波状攻撃で19安打12得点で圧倒。12ー2の大勝で2015年春以来となる完全優勝を果たし、東京六大学単独最多となる47度目のリーグ優勝を決めた。

 小雨の中、初回から『紺碧の空』が鳴り響くと、慶大の先発・竹内丈(2年)から先頭の尾瀬雄大(スポ3=東京・帝京)が中前安打で幸先良く出塁。しかし山縣秀(商4=東京・早大学院)が犠打で得点圏に進めるも、3番・吉納副将、4番・印出太一主将(スポ4=愛知・中京大中京)からは快音響かず、先制のチャンスも無得点に終わる。するとその裏、先発・宮城誇南(スポ2=埼玉・浦和学院)が水鳥遥貴(4年)に中前安打を放たれ、本間颯太朗(4年)の犠打でいきなりピンチを背負う。続く清原正吾(4年)に適時二塁打を浴び、先制を許した。

 しかし2回、田村康介(商3=東京・早大学院)の右前安打、小澤周平(スポ3=群馬・健大高崎)の中前安打で1死一、三塁のチャンスを演出。小澤が盗塁に失敗するも、その直後に中村敢晴(スポ4=福岡・筑陽学園)の三塁線を破る適時打ですぐさま追いつく。さらに宮城が左前安打で続き、尾瀬が右翼線への適時二塁打で逆転に成功した。

2回に適時打を放った尾瀬

 その後は宮城が走者を出しながらも要所を締める投球で3回1失点にまとめると、4回に3番手の木暮瞬哉(3年)から小澤が真ん中に入った甘い球を逃さず、高々と舞い上がった打球はそのままライトスタンドへ。打った瞬間それと分かる本塁打で貴重な追加点を挙げた。このまま逃げ切りたい早大だったが、なんとしても負けられない慶大は2番手の越井颯一郎(スポ2=千葉・木更津総合)から渡辺憩(1年)がセンター後方への本塁打で1点を返し、早大に食らいつく。

4回に本塁打を放った小澤

 雨足が強くなってきた5回、早大の勢いも増していく。尾瀬の本塁打を皮切りに吉納副将、印出主将、田村、寺尾拳聖(人2=長野佐久長聖)、小澤の5連打で慶大を一気に突き放す。打者一巡して再び尾瀬が左前適時打でこの回一挙6得点の猛攻をしかけ、試合を決定づけた。ここで雨が強まり、試合は早大の攻撃の途中で一時中断となる。ノーゲームかと思われたが、次第に雨は弱まり試合再開。5回からは鹿田泰生(商4=東京・早実)、香西一希(スポ2=福岡・九州国際大付)の継投リレーで8回まで無失点に抑える。

 9回の攻撃ではこの回から慶大のエース・外丸東眞(3年)が前日の先発登板に続けて連投。代打出場の前田健伸(商3=大阪桐蔭)が右翼線への強烈なライナーで二塁打を放つと、小澤の右前適時打、梅村大和(教4=東京・早実)の適時内野安打で追加点、さらに重盗で石郷岡大成(社3=東京・早実)が生還してダメ押しの3得点を挙げた。

 最終回の守備では安田虎汰郎(スポ1=東京・日大三)が登板し、テンポ良く2死を奪うと、最後は早大のエース・伊藤樹(スポ3=宮城・仙台育英)がマウンドに。本間に四球を許すが、最後は清原を三ゴロに打ち取って試合終了。昨秋の雪辱を見事晴らし、宿敵の目の前で完全優勝を決めた。

9回、最後の打者を抑えた伊藤樹

 同じ轍(てつ)は踏まなかった。昨秋、優勝の懸かった早慶戦では1回戦でサヨナラ勝ちを収めるも、そこから連敗。あと一歩のところで優勝を逃した早大にとって今回の賜杯奪還の喜びはひとしおだった。ゲームセットの瞬間、マウンドに集まる早大ナイン。7季ぶりの優勝に感極まり、うれし涙を流す選手も。リーグ戦を制し、これで全日本大学選手権への切符を手にした早大。伝統ある東京六大学の代表として5校の思いを胸に9年ぶりの日本一となるか。

優勝を決め、マウンドに集まる選手たち

(記事 丸山勝央、写真  本田里音)

※選手のコメントは後日掲載いたします。