早大勢のメダルラッシュだ! 山倉の優勝をはじめ5個のメダルを獲得

レスリング

 東京体育館で開かれている明治杯全日本選抜選手権は3日目を迎えた。早大からは男子フリースタイル(FS)79キロ級の山倉孝介副将(スポ4=千葉・日体大柏)と山路健心(社2=和歌山北)、男子グレコローマンスタイル(GR)82キロ級の玉岡颯斗(スポ4=群馬・館林)と掛川零恩(社1=山口・豊浦)、GR97キロ級の北脇香(スポ2=山梨・韮崎工)、女子50キロ級の伊藤海(社3=京都・網野)が出場。結果は、山倉が優勝したほか、山路、玉岡、掛川、北脇も3位でメダルを獲得。伊藤は準々決勝で敗れ、4日目の3位決定戦に臨むことになった。

 山路は1回戦で北村公平(平26教卒=現京都八幡高教員)と対戦。なかなか攻撃の足掛かりをつくることができずリードを許すが、終盤に相手のバックを取って勝利した。準々決勝では山倉副将と対戦し、テクニカルフォールでの敗戦。その後、3位決定戦では太田晃暉(専大)と対戦し、冷静にポイントを重ねて11―0でテクニカルフォール勝ちした。

3位決定戦を戦う山路

 第1シードの山倉副将は、準々決勝で山路と対戦。山倉副将がさすがの強さを見せ、テクニカルフォールで勝負を決めた。続く準決勝では太田晃暉(専大)と対戦。着実に得点を重ねて7-0で勝利を収めた。決勝は、山田脩(日体大)との、日体大柏高同期対決に。試合開始1分で山倉副将が相手の足を取ることに成功すると、アンクルホールドで相手の体を連続で回転させ、テクニカルフォールで優勝を決めた。

決勝で得点を重ねる山倉副将

 玉岡は準々決勝を勝ち上がったが、準決勝で前田裕也(鳥取中央育英高職員)に1―5で敗戦する。その後、3位決定戦では堀北一咲望(日体大)と対戦。0―3と3点ビハインドで迎えた第2ピリオド。相手のパッシブで1点を取り、パーテールポジションからのスタートを選択するも、そこから得点を重ねることはできず。しかし、残り時間1分30秒となったところで投げ技を決めて4点を奪い、5―3で逆転勝利を収めた。

3位決定戦で勝利し、喜ぶ玉岡

 掛川も準々決勝を突破すると、準決勝では岡嶋勇也(警視庁第六機動隊)と対戦。連続でローリングを決められてテクニカルフォールフォールでの敗戦となった。その後、3位決定戦では大泉宗太郎(国士館大)と対戦し、積極的な攻めを見せ、2分14秒でテクニカルフォール勝ち。掛川も玉岡に続き3位入りを決めた。

3位決定戦で相手を投げる掛川

 前日に準決勝で敗れた北脇は、3位決定戦で加藤大翔(国士館大)と対戦。序盤からポイントの取り合いとなり、第1ピリオドを6ー6の同点で折り返す。第2ピリオドに入ると、パッシブで1点を失うが、その直後に2点を奪い返して8ー7とする。そして、そのまま逃げ切ることに成功し、3位に食い込んだ。

3位決定戦を戦う北脇

 伊藤は1回戦でテクニカルフォール勝ちを収めると、準々決勝では須崎優衣(令4スポ卒=現キッツ)とぶつかる。第1ピリオドに4点を先取され、その後も須崎の固い守りを崩すことができない。第2ピリオドでさらに2点を追加され、6-0で敗戦となった。伊藤は、4日目の3位決定戦に進むことが決定した。

準々決勝で須崎と対戦する伊藤

 「最低目標が優勝だったので、テクニカルフォールというかたちで試合を終わらせることができてひと安心」と試合後に語った山倉副将。2位に終わった全日本選手権の悔しさを力に変え、見事に全日本の頂点に立った。また、大会3日目は、山倉副将以外にも山路、玉岡、掛川、北脇の4人が銅メダルを獲得し、早大勢が躍動した1日となった。最終日の4日目は、伊藤が3位決定戦に臨むほか、FS61キロ級の藤田颯(スポ4=埼玉・花咲徳栄)と山口太一(スポ3=東京・自由ヶ丘学園)が出場を予定している。

表彰式に臨む山倉(左から2人目)と山路(左から3人目)

(記事、写真 齋藤汰朗)

結果

男子フリースタイル

▽79キロ級
山倉 優勝
山路 3位

男子グレコローマンスタイル

▽82キロ級
玉岡 3位
掛川 3位
▽97キロ級
北脇 3位

女子

▽50キロ級
伊藤 準々決勝敗退

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コメント

山倉孝介副将(スポ4=千葉・日体大柏)

――率直な感想をお願いします

 ホッとしました。今回も最低目標が優勝だったので、テクニカルフォールというかたちで試合を終わらせることができてひと安心です。

――決勝では持ち味を発揮することができましたか

 山田選手は高校時代から同級生でキャプテン副キャプテンという立場でずっと練習していた仲なので手の内をお互い分かっているのですが、インカレ(全日本学生選手権)で勝って内閣(全日本大学選手権)で負けて今回絶対リベンジを果たしたいと思っていたので、集中して自分がやろうと思っていたことを全部意識してできたことが勝てた理由かなと思います。

――ライバル相手に自分の良さを出せたということですね

 意地の張り合いというか、山田選手はグレコローマンも出ていてすごい疲れていると思うのですが、そんな中でフリースタイルも勝ち上がってきて、楽な相手ではないのですが、こうして勝てたことはすごくうれしかったです。

――同じ早大の山路選手も一緒に表彰台に上りましたが

 僕も山路も肘と膝をケガしていてお互い十分な練習をできないまま今大会を迎えたのですが、一発目に山路が早稲田大学のOBである北村選手と戦って、その後僕と戦ったのですが、北村選手の時も僕がイメージして考えていたことを山路に伝えて、山路が上がってきてくれれば僕の中でも次につなげられるように気分が高まるので、お互いにそこは共有して臨みました。

――今後の目標を教えてください

 僕はレスリングを続けるつもりはないのですが、今回の優勝で次のステップや次のステージに進んだ時にこの勝利がいい糧となって生かせると思います。