【連載】天皇杯直前特集『Victory』 第1回 米澤圭×山﨑弥十朗×梅林太朗

レスリング

 各学年をプレーでけん引している米澤圭(スポ3=秋田商)、山﨑弥十朗(スポ2=埼玉栄)、梅林太朗(スポ1=東京・帝京)の3人。本来の実力を発揮できず苦しんだ時期もあったが、天皇杯全日本選手権(天皇杯)に向けて直近の大会でそれぞれ手応えをつかんでいる。天皇杯初制覇、そして将来の五輪出場も視野に入れる早大が誇る逸材3人に、互いのレスリングのことから私生活まで、幅広くお話を伺った。

※この取材は12月3日に行われたものです。

模索の一年

初対談となった梅林

――ではまず今期を振り返って、山﨑選手はJOCジュニアオリンピックカップ(JOC)4連覇から始まったシーズンでしたが、今シーズンはいかがでしたか

山﨑 今シーズンは4連覇を達成して、すごいいいスタートだったんですけど、そこからの減量の連続があって、ちょっと体調不良とかになってしまって、そこからちょっと不調になってしまった部分があったのと、あとはことしに入って、いつもと同じスタイルでは駄目だと思ったので、色々と創意工夫して変えてみたんですけど、やっぱ合わなくて。それもあったんで、今期は本当に今回のU23(U23世界選手権)まではちょっと不調だったっていうのが反省ですね。

――11月の内閣総理大臣杯全日本大学選手権(内閣杯)以降に、その反省点を改善する方法などは見つかったでしょうか

山﨑 内閣というよりも、今回のU23の方がすごい収穫が大きくて、やはり自分の中で攻めのスタイルというのをその大会で確立させたのかなとはすごい思いました。

――「団体戦でも勝たないと」とおっしゃっていましたが、今期の団体戦を振り返っていかがですか

山﨑 団体戦、結局勝たなきゃいけないところで勝てなかったので、その点ではやっぱりちょっと気持ち的にも、弱くなったというかちょっとまだ強くないのかなという感じはありました。

――米澤選手は今期1年を振り返って、残した成績や内容などいかがでしょうか

米澤 インカレ(全日本学生選手権)はまあ優勝できたんですけど、内容的には結構危ない場面がめっちゃ多くて、他の試合でも、この間の内閣でも、普通に多分いつも通りやってれば決勝とかもいけてたと思うんですけど、内容がもう初戦から全然駄目で、なんでだろうなと思ったら、自分も色々試行錯誤してレベルアップにつなげるために、色々自分なりに試してみたんですけど、それが自分に合わないというか。それで最近自分もU23で一回もう基本に戻って、初心に戻って自分の基礎のレスリングやってみようって思って。やった結果そっちの方が全然動きも調子もいいなって思ったんで。レベルアップに向けて他の新しいことにチャレンジしたんですけどそれが合わないっていうことで、そこはもう排除して自分の基礎を固めつつもっと違う、攻撃力あんまないのでもっと得点しっかり取れる攻撃力を身に付けていこうっていう改善点が見つかったんで、それが天皇杯前にできたのは良かったかなって思います。

――合わなかったスタイルというのはどういったスタイルですか

米澤 普通、基本的に自分今までは結構構え低めでやってたんですけど、構えを今までよりちょっと高めに設定して、そっからガンガン攻めていくというか、カウンター重視でちょっとやってみたんですけど、それが合わずに逆に足バンバン取られるようになっちゃったっていう。あと動きづらくなったっていう感じですね。

――では梅林選手、大学初年度のシーズンでしたが、いかがだったでしょうか

梅林 立ち上がり、自分としては最悪なスタートを切って、その後もなかなか思い通りの結果が残せなくて、伸び悩んだ時期もあったんですけど。コーチだったり先輩方の力を借りて内閣で2位にもなれたんですけど、正直このまんまこの一年終わってしまうかなって思ったときもあったんですけど、階級変更だったりあって70キロ級が自分の中で最後かなと思って全力出し切れたので、調子が戻ってきたのか自分がレベルアップしたのかは分からないですけど、いい調子で最後天皇杯を迎えられるかなっていう状態にいます。

――大学に入って団体戦も始まったと思います。団体戦は得意な印象がありますがいかがでしょうか

梅林 個人戦しか高校時代出たことなかったので、初めてだった部分もあって、その2、3週間前のJOCで自分の中ではスランプだったかなっていう思いもあってリーグ戦(東日本学生リーグ戦)前、練習も全然思い通りいかなかったんですけど。多胡島コーチ(伸佳、平29スポ卒=秋田・明桜)が「1年生だから気負わず、1年生でその試合が決まるような試合だったらもうワセダは負けだ」って言ってくれて、のびのびやらしていただいてすごい戦いやすいチームだったので。団体戦が得意なのか、それともワセダがいいチームだったのかはどっちもあるかもしれないです。

――米澤選手と山﨑選手は先ほどU23のお話もありましたが、海外遠征を通じて得た収穫などはどういったところでしょうか

山﨑 やっぱ海外遠征で一番得るものとしてはレスリング的な部分での地域でのスタイルの違いっていうのがすごい収穫で。国によってそのレスリングっていう文化とか、スタイルとか違うので、その部分に関してはすごい勉強になりました。例えばアメリカだったらサポーター、ケアとかトレーナーの多さとかも全然違いますし、そういう部分においても日本じゃ、負けてないんですけど最新技術を取り入れたりしてて、「あ、こういうのまねすればいいんだ」とか思いますし、食文化でも食べてる物が、「あ、俺こんな甘い物食べてるけどみんな肉とか食べてんだ」っていうので体の出来の違いっていうのはやっぱ食からなんだなっていうのを思い知ったり。レスリング的な部分でも、「あ、この選手はこういう攻め方をして勝ってるけど、あれ、この決勝いった選手は違うスタイルで決勝いってて、個々にいろんな独特な強さがあるんだな」っていうのを感じたりして。そういう部分では今回の遠征ですごい得るものが大きかったなと思います。

米澤 レスリングスタイルがもう完全に日本人とは全く違うなって思いましたね。自分が負けた敗因でも、レスリングスタイルがかみ合わずにどんどん空回りして結果的にテクニカルフォール負けしちゃったんですけど。日本人はなんか自分にとってすごいやりやすいんですよね。自分結構、最初組手とかで自分の流れをつくっていくタイプなんですけど、日本人結構素直なんで、「あ、こうしたらこうする、あ、こうしたらこうくるな」みたいの大体もう頭でなんか分かっちゃうんですよ。でも外国人選手はもう「俺はこう」みたいな、いい意味でわがままなんで、もうずっとこうされてもこうみたいな、ずっとそれ突き通してくるんで自分的には「はぁ、やりずれえわ」みたいな感じでもうどうしよどうしよって言ってるうちにもう負けちゃったんで、いい意味でやっぱレスリングのわがままさは結構必要なのかなっていうのを感じましたね。

――ことしのチーム全体を振り返っての雰囲気などの印象はどういった感じでしたか

梅林 僕は3学年が元々できあがったところに入った側なので、雰囲気としては、僕としてはすごいやりやすくて、けじめあってみんな楽しむとこ楽しんで、真剣にやるとこは真剣にやってっていうメリハリがいいチームかなって個人的には思っていて。他の大学より人数少ない分団結力あって、まぁそれはいい部分でも悪い部分でも多分あると思うんですけど、いいチームだなと僕は思います。

米澤 別に悪いとは思わないですけど、なんですかね。

山﨑 雰囲気というか特出したものがないですよね。普通ですね。

米澤 まぁ、スタンダード。別にそんな変わったという雰囲気はそんなないですね。

――海外から新しくコーチが来たりしましたが、そういった面でもそんなに変わりはないですか

山﨑 あれは変わった。

米澤 あれはだいぶなんか変わりましたよね。

梅林 あれこそ異文化ですよね。

米澤 あれはちょっと異質すぎた。

山﨑 プラスになったのかなとは思います。

――では次はお互いのプレーについて。梅林選手から見て先輩お二人のプレーでどこがすごいと思いますか

梅林 圭さんは一言で言うと柔らかいレスリングされるんですけど。

山﨑 お、きれいに言ったねえ。

梅林 僕としてはやりづらいんですけど、先ほど言われたカウンターであったり、相手の動きがすごい読めてるんで、僕も取れたと思っても全然まだ取れてなかったりして。やじゅさん(山﨑)はどっちかって言うと力強いって感じで、技もあるんですけどやっぱり一つ一つの技に対しての力強さがあって、二人とも全然違うタイプなんですけど、まあやっていてどっちも嫌です(笑)。

――では先輩のお二人から見て梅林選手のプレーはいかがですか

山﨑 やってて多分やりやすい人とやりにくい人がはっきり分かれるタイプなんですよね。

梅林 そうですよね。

山﨑 やりやすい人には多分ものすごいやりやすいんですよ。でも自分みたいにもう結構、力とかそういう勢いでいく選手に対しては多分すごい十分やりにくいんですよ。すごいテクニカルな、圭さんみたいな感じの人だと多分やりやすいのかなぁとはやってて思いますね。

――この1年で何か梅林選手の変化などは感じましたか

米澤 ちょっと恥ずかしいし、ちょっと怖いよな(笑)。少しずつやっぱ大学生とか多胡島コーチとかと練習することによって、大学生のレスリングに体が順応してきたというか。高校生とかだとやっぱ大学生のうまさで点数取られたりするところとかも結構やっぱあるんで、その面でただタックル入って飛び込むだけだとすぐカウンターとかバック回られちゃうとかは高校生すぐ上がってからだとやっぱあるんですけど、まあ1年まだ経ってないですけど、入ってきてそれなりの環境にもまれて結構それなりに対応できるようになったんじゃないかなっていう感じですかね。

――梅林選手自身はこの1年でご自身のどこがプレー面で成長したと思いますか

梅林 多分中学、高校からやってることはそんな変わらないと思うんですけど、毎日多胡島コーチだったり圭さん、駿さん(伊藤、スポ3=京都・網野)、やじゅさんといった全日本クラスの選手と毎日スパーリングやることで、まあ少しずつ体が反応できたりしてきたのかなって思う部分はあるんですけど、でもやっぱ差は全然あるので。少しずつその差を埋めれたらいいなとは思います。

――スタミナには自信があるとおっしゃっていましたが、それはどこで、いつ身に付いたものなのでしょうか

梅林 いやー自分でも良く分かんないんですけど、6分間動き続けるっていう。練習時間だいたい2時間ぐらいあるじゃないですか。まあそれに比べたら6分なんか本当にちっぽけなもので。その試合のためだけに要は練習してるわけじゃないですか、ずーっと何日も。そこで出し切るっていうことをやらないと後で後悔するんですよ、負けたときとかだったり、自分が出し切れなかったら。だから出し切ることが僕にとってその最後まで攻め続けるであったり、動き続けるっていうのにつながってるのかなっていうのは思います。

――ではまたチームのことについて。米澤選手は来年チームをけん引する立場になると思いますが、目指すチーム像などはありますか

米澤 自分的には、まあレスリングを俺結構楽しくやってもらえればって感じなんですよね。ガチガチに緊張して、まあ強くなるために練習するのももちろんなんですけど、せっかく大学入ってみんな集まってるんで、みんなで楽しくやんないと4年間なんかもったいない気がするなっていう。4年間あっという間なので。でも楽しくやりつつ、やっぱちょっと厳しいこともやんないと勝てないんで。そこをうまくポジティブな声掛けとかしていって、明るい雰囲気でやっていけたらなっていうのが、まあ俺の憧れだったワセダなんでそこを自分たち4年生とか3年生も含めてうまいことやっていけたらいいかなって思ってますね。楽しくやりたいですね。

――来年は弟さんも入学されますが、そのことについてはいかがですか

米澤 あー。

山﨑 情報がもう流れてる(笑)。

梅林 早いですね。

米澤 まぁ一応同じ階級っていうのもあるんですけど、別にそんな特に感情はなんもないですけど。

一同 (笑)。

米澤 別に普通にチームの一員としてお互い切磋琢磨(せっさたくま)して頑張っていきたいなっていう、ただそれだけですね。そんな特別な気持ちじゃないです(笑)。

――早大を選んだのは米澤選手の影響があるという感じですか

米澤 まあ。あとは多分あいつも俺が楽しい感じでレスリングやってるのを見て、あー楽しくやりたいな、みたいに思って来てると思うので、まぁそうですね、ちょっと俺のまねして来たって感じですね。高校から。

一同 (笑)。

山﨑 ああ高校もですよね。

――計量システムが変わりますが対策などはありますか

山﨑 食事の徹底、ですかね。

――日頃はどういった減量方法で減量されていますか

米澤 塩抜きだよな。

山﨑 そうですね、やっぱ減量は、最後はもう体の水分を抜いて落とす。それは前日計量だからできたことで、当日計量に変わってそれをやると体力の低下とかすごい大きいのでまずは私生活の食事の徹底。しっかりと体脂肪落とさないと、いざ当日計量で計量終わった後ヘロヘロのまま試合に出ることになっちゃうので、そこですかね。

米澤 対策というよりかはまあ普段の食生活とか体脂肪を落とすのが一番いいんじゃないかなっていう感じですかね。あとやっぱ多分体力勝負になるんで。

梅林 あーそうですね。

米澤 多分当日に計量して、もうそのまま試合やるって感じなので体力がものを言うことになってくると思いますね。

――競技を続けていく中での最終目標というのはどういったところでしょうか

山﨑 行けるとこまで行きたいよねっていうような感じですね。本音は。

梅林 そうですね。

米澤 最終目標というか、普通に自分とかまあみんな多分そうなのかなって思うんですけど、一般企業を探して就職させてもらって、そこでレスリングとかやらせてもらって、多分ワセダとかで練習しつつ、オリンピック目指して。最終的にはまあいいとこ就職できればいいかな。

一同 (笑)。

米澤 その先。

山﨑 その先ですね。

米澤 その先ですね。もうその先の人生の方が長いんで。

山﨑 まあできればオリンピック行きたいというのが本音っちゃ本音ですね。

梅林 やるからには目指したい場所ですよね。

――東京五輪ですか

山﨑 まあ東京五輪、その先、年齢的には全然いけるのでそこらへんを。

梅林 満足するまでやってって感じですよね。

――部内でも部外でもいいのですが、ライバルだと思っている選手はいますか

山﨑 ライバル。えー?

米澤 ライバル?

山﨑 ライバルと思ったことないから。

――目標の選手はいますか

山﨑 目標の選手もいないんだよな。

一同 (笑)。

米澤 自分のライバルはやっぱ自分自身って感じですかね。

一同 おおー。

山﨑 うわー取られたよー。今言おうかなと思ったけど恥ずかしくて言えなかった。

米澤 そこよ、もうそこ。詰めの甘さが出てるんだよ。

山﨑 滑ったらどうしようと思ってやめたらちょっと、やられたわー。

梅林 全部持ってかれましたね。

――梅林選手はどなたかいらっしゃいますか

米澤 これ早いもん勝ちだよ。

一同 (笑)。

米澤 回転寿司システム。

梅林 自分自身もそうなんですけど、目標とする選手ではやっぱ同じ階級の藤波選手(勇飛、山梨学院大)だったり多胡島選手は国内でもずば抜けてるんで、そこに挑める一番手にはいたいなっていう気持ちはあるので。ライバルとはまた違うんですけど、目標としています。

山﨑 おいー。ナナヨン(74キロ級)の人全員言うなよ。

一同 (笑)。

山﨑 じゃあ自分はー、米澤選手が憧れの選手。

一同 (笑)。

米澤 なに、じゃあって(笑)。言わされてる感。なんなん。うわ、うぜー(笑)。

梅林 とりあえず消去法で、みたいな。

米澤 すげーなんか、やらされてる感すげえな。

山﨑 やっぱキャップ憧れですね。

米澤 こいつそういう汚いときがあるんで。

梅林 ここはガツンと高谷さん(惣亮、ALSOK)を倒すと言ってもらえると。

山﨑 いや、もう米澤選手。

米澤 逃げたー。逃げたわそれは。

山﨑 やっぱり憧れであり。

米澤 この顔見て下さいよ。ゴミくずさがにじみ出てる。

山﨑 いやでも本当にレスリングに関しても学ぶべき点はいっぱいあるし、まねしてもまねできないようなスタイルなので。

梅林 わりとかけ離れてますよね。

山﨑 憧れの選手です。まあ私生活の部分もね、憧れですから。

米澤 どういうことやねん。もういきましょう、次。

一同 (笑)。

――試合の日に必ずやるルーティーンのようなものはありますか

山﨑 あー。

米澤 コーラばか飲みする。

――試合前に、ということですか

米澤 試合前日ですかね。漫画の『刃牙(バキ)』あるじゃないですか。あれ読んで、あーコーラいいのかな~と思ってやってる感じですね。

――他のお二方はいかがですか

山﨑 試合は比較的朝起きて、とりあえず音楽を爆音でかけて体目覚めさせて、試合前は一回寝るんですよ絶対。寝ることによってなんかすごい脳がスッキリするんですよ、目が覚めて。その二つですかね。

――試合前に聞く音楽はどういった音楽でしょうか

山﨑 いやもう、プレイリストが。シャッフル押すともう適当に流れるんで。

米澤 オタだろ、オタ。欅(けやき、欅坂46)オタだろ。

山﨑 いやー。でも意外にそんときに限って欅流れないんですよ。

米澤 あ、そうなん。

梅林 洋楽ばっかですかね。

山﨑 洋楽ばっか。こいつ(電子機器を見て)分かってないんですよ全く。

一同 (笑)。

米澤 せっかく緑にしたのに。

――梅林選手は何かありますか

梅林 自分は前日計量だったときはやっぱおなかいっぱい食べて、試合前四股踏んで。

山﨑 普通だなあ。

梅林 そうですね。構え低く意識して試合行くだけなんで。

――いつも通りということでしょうか

梅林 そうですね。

「共通点は、iFace」(米澤)

iFaceを見合わせる3人。学年間の風通しの良さが早大の特徴だ

――梅林選手はことし大学生になられましたが、高校と比べて日常生活で違うと感じる点はありますか

梅林 学校に行って、練習してという生活は変わらないので、電車乗って学校に行くというのが僕としては増えた点であると思うんですけど。でも電車の移動時間も、なんかのんびりできるじゃないですけど嫌いじゃないので。そんな苦ではないので。移動時間が長いぐらいで、中学、高校と寮だったので、そのぐらいしか変わった点はないので、いつも通りやってます。

――中学、高校のときに比べて自由な時間は増えたのではないでしょうか

梅林 増えたんですけど、今まであまり遊んだりしてこなかったので、それなりには先輩に教えてもらったり誘ってもらったりして行ったりするんですけど、根本的には休みの日とかも1日のんびりしているので特に変わったところはないかもしれないです。

――大学で面白い授業などはありましたか

梅林 『トップスポーツビジネスの最前線』は授業で、いろんな競技の方であったり会社の方が来て講義をしてくれるんですけど、その中で青山学院大学の競走部の原晋監督の話が面白かったです。

――履修の相談とか先輩方にされたりするのですか

梅林 そうですね。単位取りやすい授業とかを教えてもらったりはしてます。

――履修のときに皆さん、マイルストーンなど読んだりするのですか

山﨑 それが命ですね。

米澤 それがなかったら、やばいですね。

梅林 履修期間なんて、やじゅさんの部屋のマイルストーンにみんな集まります。

山﨑 あの500円で王様になれるから。

米澤 取り合いで、気付いたら部屋から消えてる、みたいな(笑)。

――代々、先輩方からおすすめの授業だとか聞いていたりするのでしょうか

米澤 そういうのありますね。結構聞いたりしますね。もうそれ見つけた瞬間、鬼クリック(笑)。

山﨑 あー選外みたいな(笑)。

米澤 だいたいそういうのに限って選外(笑)。一日グチグチ言ってます。

梅林 授業始まった日に選外と知るみたいな。

――梅林選手はお姉さんがレスリングをされていたと聞きましたが、兄弟でレスリングをされる方は多いのでしょうか

米澤 お兄ちゃんお姉ちゃんがやっているからやらされるというのが、弟の宿命じゃないですか。

梅林 姉が幼稚園でやってて、小さい子って最初マット運動とか遊び感覚で始めるんで、それで2歳3歳のときに。

米澤 俺だって体操教室って言われて連れていかれて、そしたらレスリングで、なんかやらされてた。

梅林 ほんとそんなもんですよ(笑)。気付いたらレスリングやってるようなもんですよ。

米澤 毎日泣きながら連れていかれて、気付いたら今に至る。

一同 (笑)。

――山﨑選手はどのようなきっかけでレスリングを始められましたか

山﨑 きっかけは友達に誘われて、って感じで兄弟、親、おじいちゃんおばあちゃん、誰1人格闘技やっていなかったんですよ。みんな細くてひょろ長いか、ちっちゃいですね。あれ、みたいな。自分は兄弟がやっているからという感覚あんまないですね。

――推しメンの話に移ろうと思います。まず部内で推しメンがいれば教えてください

米澤 じゃあ直毅(松本、スポ2=神奈川・横浜清陵総合)で。みんなにいじられてて、愛されていますね。特に齋藤(隼佑、スポ3=群馬・館林)とか。

梅林 なんだかんだで好きですよね。

米澤 なんだかんだみんなに愛されてるよ。

山﨑 じゃあ、圭さんにしておきます。

米澤 なんなの、もうなんか困ったら俺使えばいいみたいな。そういうところ良くない。

山﨑 星良さん(橋本、人3=茨城・土浦日大)ですね。この人変わってるなっていうのはありますね。

米澤 最近、やばいよね。

梅林 レスリングシューズはやばかったですよね。

米澤 久しぶりに伊藤奨さん(スポ4=長崎・島原)が練習に来たんですよ。で、あれ俺のシューズないと言い始めて。で、駿が星良に冗談で、「うわ星良、伊藤奨さんの靴履いてる」と言ったら、星良が「え、マジで」とか言って、本当に履いていて。駿も冗談で言ったはずが。

一同 (笑)。

梅林 監督(太田拓弥監督)も笑ってましたね。

米澤 本当に伊藤奨さんの靴を勝手に使ってて。それでほぼガチで伊藤奨さんにキレられて。あいつおもしれえな、やっぱなんか持ってるわみたいな。そういう面白いやつなんですよ。だから早くあいつに全日本出てもらって、この取材を受けてほしいです。本当に引き出しがいっぱいあるので。

――梅林選手は部内で推しメンなどいますか

梅林 本当に、みんな推しメンと言いたいですね。

山﨑 ベストを決めないと。

梅林 今回は4年生でキャプテンを1年間やってくれた伊藤奨さんですね。

――オフの日はどんなことをされていますか

米澤 普通に飲んで騒いだり、みたいな感じですかね、自分は。

山﨑 オフの日も授業あるんで。授業行ったら、もう半日以上終わってるんですよ。朝ここを8時に出て、帰ってくるの午後の4時なんで。

梅林 オフじゃないですもんね。

山﨑 オフじゃないですよ。だから、強いて言うなら飲むか、どこか行くという感じですね。

――オタク活動はされないのですか

山﨑 自分そんなしないんですよね。

米澤 お前、嘘だろ!

梅林 良く言いますよ(笑)。

山﨑 そんな活動は。大和(宇井、スポ2=和歌山・新宮)に誘われたときにだいたいやるって感じですかね。自分、握手会には行かないんですよ。そういうことはしないんですよ全く。

米澤 そういうことはしないって(笑)。

山﨑 ファンなんで、ただ単に音楽聞いたり、CD買ったりして経済効果というか社会貢献するわけですから。誰かにどっか行こうと言われたら、嫌じゃないんで行こうっていう感じですかね。これが健全な活動です。

米澤 大和を下に見てるという。

山﨑 いやいや違いますよ。僕はそこまではできない。

米澤 言い方悪い(笑)。

――推しメンがいれば教えてください

山﨑 うーん。迷うな。

米澤 ずーみんじゃないの。

山﨑 今泉佑唯さん(欅坂46)ですね。理由は雰囲気ですね。雰囲気がすごい、いい子だなという感じですね。雰囲気大切じゃないですか。雰囲気で、優しそうだなってとこがいいですよ。育ちいいなと思ったり。

――部内で乃木坂46とか欅坂46は流行っていますか

米澤 去年の4年生とか多かったんで、多分それに影響されたキッズたちが今残党として生き残っているんですよね。

――梅林選手は休日はどのように過ごされていますか

梅林 本当に寝ているのが多いんですけど、食べるの好きなんでおいしいもの食べに行ったりはするんですけど、ちょっとインカレで計量失格してから控えています。

米澤 ほんとか?フラペチーノやめてる?

梅林 やめてます。

米澤 ストーリーとかにあげてない?

梅林 本当に控えてます。

山﨑 一時期、スタバ(スターバックスコーヒー)しか出てこなかった。

米澤 スタバしか出てこないんですよ。女子力高め。

梅林 新作出たら、すぐに飲みに行ってましたもん。

山﨑 ピスタチオ、飲んだか?

梅林 修一郎さん(小田、スポ2=大阪・関大高)が連れて行ってくれました。

山﨑 おいしかった?

梅林 おいしかったです。

山﨑 おいしいらしいんですよ。俺の3大スタバに入るみたいなのを聞いて。

梅林 ほうじ茶フラペチーノの方がおいしかったです。でも1日に2回馬場の店の前を通るじゃないですか。あれも悪くないですか。あ、新しいの出てるって分かるじゃないですか。

米澤 馬場はちょっと確かに誘惑多すぎて、練習帰りとかに、ちょっと寄って帰るかみたいな。

山﨑 それせこいですよね。『田中(串カツ田中)』がある時点でもう自分駄目ですもん。3本ぐらいなら、まぁいいか、と。

――3人に何か共通点などはありますか

米澤 共通点は、あ、iFaceじゃない?でも俺はちょっと違うんだけど6Sなんだけど。

山﨑 でも同じじゃないですか。

米澤 なんかおしゃれ。かわいい。それぐらいですね。全く思い浮かばないですね。

――3人で遊びに行かれることはあるのでしょうか

米澤 遊びに行くとかないよね。他の学年とかあんま。

山﨑 あ、でも個人的にはちょいちょい。

梅林 別に仲が悪いわけじゃないですよ。

一同 (笑)。

米澤 ずっと一緒にいるんで、生活するにも何にしろ。なんかわざわざ遊びに行くという感じがないですね。帰ってもいるんですから。特別何かをして会おうっていう感じがないんですかね。

山﨑 だいたいそういう時ってみんな会えないから会おうとするんじゃないですか。

米澤 何か遊ぶ理由つくって会うじゃないですか。

山﨑 遊ぼうと思えば部屋で遊べますし。

梅林 共通の趣味があれば、一緒に行ったりはすると思うんですけど。

山﨑 共通がiFaceだもんな。そりゃ遊べないわ。

――山﨑選手は最近髪型を変えられました

米澤 きたー!(笑)。

梅林 見出しに書いていいですよ。

山﨑 そうなんですよ。パーマかけたんですよ。パーマかけて結構自分の中ではいい感じかなと思ってたら、思いの外誰もツッコんでくれなくて。ツッコまれたらツッコまれたで恥ずかしかったんですけど、ツッコまれないのが結構ショックっていうのが今回分かって。ツッコんでくれて逆に今ありがたいですね。悪くはないと思うんで。

米澤 俺は別にいいと思うんですけどね。パーマ否定派ではないんで。なんか最初俺も入学してパーマかけ始めて、みんな、え、みたいになって不評だったんですけど、だんだんそれがもうみんなに知れ渡っていってなんかパーマする人多くなってきて。最初航平さん(吉川前主将、平29社卒=現いなべ総合高教員)とかにパーマ駄目みたいなこと言われたんですよ。でもやり続けてたら、パーマ大丈夫みたいな感じになって、今ではみんなやり始めたんで。まあいいんじゃないですか。

――山﨑選手のレスリングシューズに『大和魂』と書いてありますが、何か意味などはありますか

山﨑 自分が小学校のときにやっていたレスリング教室が掲げていて、練習着、試合着にも全部『大和魂』というのが入っていて。大和魂って日本固有の精神なので、別に書いていても不思議ではないなと思ったので入れています。最近ちょっと恥ずかしくなって、入れるのやめようかなと思い始めて。

――山﨑選手は『弥十朗』と、たまに監督のインタビューでも『野獣らしく』とかけられる、格闘技に合う名前だと思うのですが、どのような由来なのでしょうか

山﨑 お兄ちゃんが隆一朗なんですよ。で、『朗』は多分おじいちゃんからきているんですよ。『朗』はそのまま残して、で、お父さんが「たつや(たつやの『や』が『弥』)」って名前なんですけど、その『弥』を取ると『弥朗』になるじゃないですか。それはさすがにまずいので、で『弥一朗』、『弥二朗』とか数字を入れていって、『十』入れたら、あ、『弥十朗』。いいじゃんとなってお父さんが付けて、お母さんはやばくねと言ったらしいんですけど、本当に適当じゃないですけど、そんな感じっていうのは聞いたことありますけど、本当かどうかは分からないです。

「会場を盛り上げられるような試合がしたい」(山﨑)

力強い口調で語る山﨑

――昨年の天皇杯とことしの明治杯全日本選抜選手権(明治杯)の試合を振り返ってみていかがですか

米澤 自分はずっと決勝で鴨居さん(正和、自衛隊)に同じような感じで負けているので、まあそろそろもうそのカベを超えなきゃいけないのかなっていう感じなんですけど、またなんか計量のやり方とか変わって、下からも強い選手がどんどん上がってきたりしているので、まずはしっかりいつも通り決勝行って、そこで相手誰が来ても倒しちゃおっかなという感じですね。頑張りたいです。

山﨑 自分も去年の天皇杯、ことしの明治杯どっちも高谷さんにやられてて、差は少しずつ縮まってきたような感じがするんですけど、あと一歩及ばずという感じなので、ここで一矢報いて、代表権取りたいなと思ってますね。足も触れるようになってだいぶ近付いたと思うので、会場を盛り上げられるような試合をしたいですね。

梅林 初めて立った舞台(明治杯)だったので、自分の位置がどのあたりなのか把握できました。やっぱあの大会にはみんな優勝を目指して出てくるんですけど、優勝者は1人しかいないじゃないですか。僕個人としては今度表彰台に上りたいなっていう気持ちはあるんですけど、周りは優勝を目指している人ばかりだったら、表彰台を目指している人とは思いが違うと思うので、一応優勝をちゃんと目指して、表彰台に上れたらいいなと思っています。

――天皇杯に向けて何か取り組んでいることはありますか

梅林 やるだけです。

米澤 いつも通りですね。普通に自分のレスリングをやるしかないので、いつも通りのレスリングをいかに試合で出せるかという感じですかね。

山﨑 U23で得たものが自分の攻めのスタイルだ、というのがさっき話した通りなんですけど、やっぱそのスタイルを貫き通していこうと思ったので、その最初として天皇杯にぶつけていきたいなと思います。それが作戦じゃないですけど、そういう気持ちでいきたいなと思っています。

梅林 階級を僕の場合は上げることになるんですけど、僕と一緒に上げた人もいれば、そのままの人もいるので、階級区分も変わってみんなが初めてなので、それにいかに合わせられるかだと思っています。自分にできることを全力で最後までやるという感じです。

――最後に天皇杯に向けての意気込みをお願いします

山﨑 意気込みとしてはまず優勝。その中でも内容にこだわるじゃないですけど、やはり見ていて楽しくて、みんなが「おお」とか騒げる、面白いと思えるような試合をしたいです。2-1とかなんにも変わり映えのないものではなくて、点数が動く、自分がきつくてもいいから展開がある試合にしたいです。

米澤 アグレッシブで。

梅林 格上の選手ばっかなので、いかにその選手の足元をすくえるか、全力で1試合1試合。目標は優勝ですけど、目の前の試合で全力を出し切ります。

――ありがとうございました!

(取材・編集 皆川真仁、杉野利恵)

アキラ100%をイメージしたポーズを見せてくださった気さくな3人

◆米澤圭(よねざわ・けい)(※写真中央)

男子フリースタイル65キロ級。秋田商高出身。スポーツ科学部3年。後輩二人と息の合ったトークを繰り広げてくださった米澤選手。熱く、そしてクレバーに、試行錯誤の1年でつかんだ成果を天皇杯で存分に発揮してください!

◆山﨑弥十朗(やまさき・やじゅうろう)(※写真左)

男子フリースタイル79キロ級。埼玉栄高出身。スポーツ科学部2年。色紙に書いてくださった『ゆいまーる』は沖縄県の方言で「助け合い」という意味だそうです。チームメートと一丸となって、念願の優勝を目指して頑張ってください!

◆梅林太朗(うめばやし・たろう)(※写真右)

男子フリースタイル74キロ級。東京・帝京高出身。スポーツ科学部1年。初めての対談でも堂々とした受け答えをしてくださった梅林選手。先輩二人を慕っているのがとても良く伝わってきました。色紙に記した言葉は『限界突破』。常に全力を出し尽くすそのスタイルで天皇杯に旋風を巻き起こします!