ルーキー山﨑が優勝!米澤も実力を示しインカレ初制覇

レスリング

  4日間の熱戦もついに最終日となった。3日目に引き続き行われた男子フリースタイル。4日目に出場選手全員が残った57キロ級からは、岩澤侃(スポ1=秋田商)が自身も目標に掲げていた3位入賞を果たした。また65キロ級では米澤圭(スポ2=秋田商)、74キロ級では山﨑弥十朗(スポ1=埼玉栄)が実力通りの優勝。初日と2日目に行われた男子グレコローマンスタイルと女子フリースタイルでは苦戦が続いた早大だが、男子フリースタイルでは本来の実力を出し切った。

 57キロ級では4回戦を勝ち進んだ藤川聖士(スポ4=埼玉栄)と岩澤による同門対決が行われた。お互いに手の内を知っている相手だけに、膠着(こうちゃく)状態が続いた。お互いが攻撃を仕掛けても切る、という展開の勝敗を分けたのはアクティブタイム。2-1という僅差で失点を最小限にとどめた岩澤が勝利した。岩澤は準決勝で敗退したものの「勝てない試合ではなかった」と試合内容については納得していない様子。「自分の間合で試合できるようにしていきたい」と今後に向けての抱負を語った。また吉村拓海(スポ1=埼玉栄)の4回戦は新人戦の決勝と同じ組み合わせでの対戦に。「自分からあまり攻めることができなかった」と反省の弁を述べた。65キロ級の米澤は5回戦までをすべてテクニカルフォール勝ち。しかし準決勝、決勝では後半に点数を追う厳しい展開となった。「思ったよりも自分が弱かった」と振り返った米澤。それでも実力差が現われる形で、決勝での勝利をもぎ取った。

後半に逆転し、米澤はインカレ初優勝

 明治杯全日本選抜選手権(明治杯)を優勝した多胡島伸佳(スポ4=秋田・明桜)は最後の全日本学生選手権(インカレ)を3位で終えた。準決勝で多胡島の前に立ちはだかったのは藤波勇飛(山梨学院大)であった。試合は藤波のバックポイント、ローリングポイントの4試合とあまり良くない立ち上がりから始まる。しかし終盤に多胡島が背後に回り、足首をつかみもはや追いつくかのように思えた。あと1回回すことができず、最後にバックポイントを許す形で4-7と敗戦。「最終的に自分の競技生活にプラスになるようにしていきたい」とこの負けを前向きにとらえているようだ。74キロ級ではルーキー山﨑が明治杯の決勝で敗れた奥井に勝利。試合序盤にとったタックルが効いた結果となった。その後も順調に勝ち進み、1年生ながら優勝を果たした。

山﨑は準々決勝で2連覇中の奥井と対戦

 秋には全日本学生グレコローマン選手権、内閣杯全日本大学選手権と団体戦を控えるレスリング部。「練習の見直し、やりたいレスリングの意志疎通をはかって底上げをしていきたい」(太田拓弥コーチ)。今試合、各スタイルことに明暗が分かれる結果となったのも事実。「東日本学生リーグでは悔しい思いをしたので、優勝を目指して頑張りたい」(山方隆之監督(平4人卒=福岡・築上西))。目標の優勝のためにもチームの底上げがどれだけできるかのカギがかかっている。

(記事 杉野利恵 写真 寺脇知佳、平松史帆)

結果

男子フリースタイル

▽57キロ級
青木祐聡(スポ4=岐阜・岐南工) 4回戦敗退
藤川 準々決勝敗退
伊藤奨(スポ3=長崎・島原) 準々決勝敗退 
橋本星良(人2=茨城・土浦日大) 4回戦敗退
岩澤 3位
吉村 4回戦敗退

▽65キロ級
米澤 優勝
▽70キロ級

多胡島 3位
▽74キロ級
山﨑 優勝
▽97キロ級
土赤耕陽(スポ4=山形商) 3回戦敗退

コメント

山方隆之監督(平4人卒=福岡・築上西)

――4日間の総括をお願いします

グレコローマンスタイルについては堀江(一馬、社4=富山・富岡商)の3位だけで終わって、女子が全員1回戦負けでした。初日2日目とちょっとやばいなという感じでしたが、3日目のフリースタイルから圭(米澤、スポ2=秋田商)と弥十朗(山﨑、スポ1=埼玉栄)が優勝してくれて、総括としてはまあ良かったほうではないのかなと思います。

――きょうは組み合わせとしては多胡島伸佳選手(スポ4=秋田・明桜)と藤波勇飛選手(山梨学院大)、山﨑選手と奥井眞生選手(国士館大)といった組み合わせの試合がありましたが、いかがでしたか

まず弥十朗については明治杯全日本選抜選手権の決勝で奥井に負けたというのがあったので、勝つためにということで非常に練習もしたと思います。気持ち的にも負けん気が強い子なので気持ちも十分に入っていたことが結果に出たのかなと思います。ただがむしゃらに行くのではなく、勝負所というものを試合の流れのなかで分かったなかでの勝ちなので、練習の成果も出たのかなと思いました。多胡島については、藤波が勝負所とは分かっていたのでどういう試合をしてくれるのかなというのはありましたが、ちょっと前半に点を取られすぎたというのがありました。後半にバックポイントを取って、得意のアンクルで追いつくというのが、多胡島の持っている得意のパターンでポイントを取ったので、負けはしましたが多胡島の持っているものは出せたのかなと思います。

――57キロ級に関しては全員がきのうの試合を勝ちあがり、そのなかで岩澤侃選手(スポ1=秋田商)が3位ということでしょうがいかがでしたか

57キロ級は早大のなかでも1番人数の多い階級なので、1年生から4年生までいますが全員が2日目に残ったことは評価でいるのかなと思います。なかでも橋本星良(人2=茨城・土浦日大)については、負けた試合は実力差がありました。星良の悪い所は改善していかないといけないとは思いますが、少しずつ改善できていたのかなと思います。あとは気持ちの面で自分だけ負けたくないというのがあったと思うので、部内の競争意識は相乗効果として出たのかなと思います。

――橋本選手が勝利して、57キロ級に流れを引き込んだように思えましたが、いかがでしたか

やはり、スポーツ推薦で入ってきたものと受験で入ってきたものとの間で、星良は受験で入ってきて高校での成績もそこまではないですが、同じ練習についてきています。そのなかで勝ったとなると、負けられないと思わなきゃいけませんしね。それが早大のレスリング部の良い所でもあると思います。

――今大会で監督から見て1番頑張ったと思う選手は誰でしょうか

星良かな。結果だけでなく、いつもの練習の成果が一番現われていたのではないかと思います。でもみんな全員頑張ってくれていたと思います。

――秋には団体戦がありますが、団体戦に向けての抱負をお願いします。

団体戦といっても、個人戦の結果の積み上げの結果での団体戦なのですが、東日本学生リーグ戦(リーグ戦)の時とは違って、勝つという責任を果たすという点では難しい団体戦だと思います。リーグ戦で優勝できなかった悔しさをどれだけ悔しいとおもって練習に取り組んできたかの成果だと思うので、優勝目指して頑張りたいと思います。

太田拓弥コーチ

――4日間振り返っていただいていかがですか

初日、2日目はグレコローマンスタイル(グレコローマン)が3位1人だけ、2日目の女子が1回戦負けという結果で、フリースタイル大丈夫かなとけっこう心配しました。きのう、特に57キロ級は全員が3回戦を突破してよく残ってくれましたし、きょうも弥十朗(山﨑、スポ1=埼玉栄)と米澤圭(スポ2=秋田商)の優勝しましたし、多胡島(伸佳、スポ4=秋田・明桜)も準決勝で破れはしましたが次こうやれば勝てるのではないかというところで、11月の内閣杯全日本大学選手権(内閣杯)に向けて勝てる計算が立った試合になりました。あと1年生の岩澤(侃、スポ1=秋田商)、拓海(吉村、スポ1=埼玉栄)、この2人もよく頑張ってくれていたと思います。ただ新しい動きを身につけていかないと、さらに上というのは少し厳しくなってくるので後期の課題として頑張らせていきたいとは思います。

――山﨑選手は準々決勝で奥井眞生選手(国士舘大)と対戦されましたが

すごく気合いも入っていましたし、最後に相手の攻撃をしっかり防いでいたので、先制攻撃が生きたなとも思いますし、最後の最後まで気を抜くことがなかったのが、勝因ではないかなと思います。今後対戦しても必ず1点差の勝負になると思うので、接戦でもものにできるように、もっともっと差をつけられるように、していきたいです。米澤が優勝したくらいのレベルに持って行かないとまだまだ五輪は遠いと思うので、もっともっと経験させていきたいなと思います。

――米澤選手は準決勝、決勝も後半に逆転する展開となりました。

ちょっと堅かったですね。僕はこのインカレで夏合宿終わりくらいから一番米澤が強くなったなと思っていたので、もっと楽に勝つのではないかなと思いました。乙黒選手(圭祐、山梨学院大)だとか強い選手が棄権しているなかで、絶対に優勝しないといけないというプレッシャーで多少動きが悪くなったのかなと思う部分がありますが、自力の差が必ず後半に出ると思っていたので準決勝、決勝と先制されて厳しい展開だったので、力の差が証明される試合内容だったと思います。

――57キロ級はきのう「どこまでいけるか」とおっしゃられていましたが、実際にはどうでしたか

やっぱりもう1つ2つ勝って欲しかったですね。表彰台独占ではありませんが、まだまだあのレベルで勝ち切れる実力がないのが現われました。全員で力を合わせていけば、来年以降なんかも表彰台を独占できるメンバーがそろうのではないかと思います。57、65キロ級は比較的日本のレスリングのレベルが高い所なので、そのなかでよくやれたというのは1つの収穫だと思いますね。

――吉村拓海選手(スポ1=埼玉栄)にとっては長谷川敏裕選手(日体大)が鬼門になっていますね

お互いに手の内をしっているので、なかなか攻めあぐんでしまった試合でした。もう1つ何か新しい武器を片足タックルなり組手なり身につけないと、ロースコアの点かいになると思いますね。新しい武器を身につけなければいけないのかなと思いますね。

――秋の試合に向けて部としてどういった部分を強化していきたいでしょうか

特に今回表彰台や最終日に残れなかった者を底上げしないと内閣杯での優勝が見えてこないので、もう1回練習の見直し、各自がどういったレスリングをしたいのかというところの意志の疎通、あと10月の全日本大学グレコローマン選手権に向けて、グレコローマンスタイルを中心とした練習を行っていきたいですね。

――世界ジュニア選手権代表に選ばれた2人(吉村、山﨑)にはどのような試合をやってきてほしいですか

自分の持っているものをしっかりと出してほしいです。メダルなのか1回戦敗退なのか分かりませんが、とにかく試合を積んで経験を積んでもらいたいと思います。僕自身も何十年も前に世界ジュニア選手権に出たのですが、5位だったんですよ。1位と3位と僕が五輪でメダルを取りました。世界ジュニア選手権というのは登竜門的な大会の位置づけなので、その大会でメダル、もしくは入賞してほしいなとおもいます 。

吉川航平主将(社4=秋田商)

――個人として今大会の試合内容、結果はいかがでしたか

 グレコローマンスタイル、フリースタイル通して自分の形にはめることができず、結局今年度の課題である東日本学生リーグ戦とか明治杯全日本選抜選手権で出た課題を引きずってしまっていてあまり改善できなかったかなと思います。

――春先からの調子はいかがですか

 調子とかで判断したくないんですけど全く良くないというか自分の形にはめられてないというのは思います

――チーム全体として今大会の試合内容、結果はいかがでしたか

 1年生の山﨑(弥十朗、スポ1=埼玉栄)であったり2年生の米澤(圭、スポ2=秋田商)であったり下級生がすごく下から突き上げてくれました。僕達4年生も考えさせられるところがあって、でもその結果4年の藤川聖士(スポ4=埼玉栄)であったり青木(祐聡、スポ4=岐阜・岐南工)であったりとか今まであまり成績の残せなかった選手も今回入賞はできずとも次につながるような試合に全体通してなれたと思うのでそこがすごく良かったです

――秋の団体戦の目標をお願いします

 これから全日本大学グレコローマン選手権であったり内閣杯全日本大学選手権に向けてひとつひとつ課題点は見つかってるし、いいところも見つかったと思うので悪いところ改善しつついいところを伸ばせばタイトルも狙える立場にチームとしていると思うのでそこを突き詰めて行きたいです

多胡島伸佳(スポ4=秋田・明桜)

――今大会の目標はいかがでしたか

 優勝でした

――準決勝の相手は藤波勇飛選手(山梨学院大)でしたが戦略など考えて試合に望みましたか

 戦略が通用する相手じゃないっていうのは自分の中で思っていたので戦略とかではなく目の前の相手のアクションに対してちゃんと反応して自分の持っているものを出す、それだけ考えていました

――実際の試合内容はいかがでしたか

 最初にまとめて点数を取られて本当は点数をやらないつもりだったんですけど相手のパターンだったので想定内でした。後半うまいこと取りには行ったんですけど、結果的に勝ちにつながらなかったっていうのが敗因ですね

――秋に向けての抱負を教えてください

 そんなに引きずるようなことでもないのでまだ試合もたくさん控えていますし、別に大学で競技が終わる訳では無いので最終的に自分の競技生活にプラスになるように引き続き練習して行ければなと思っています

藤川聖士(スポ4=埼玉栄)

――大学生活最後のインカレ(全日本学生選手権)となりましたが、感想はいかがですか

本当は勝ちたかったんですけど、いま出せる力は全部出せたと思います。

――きょうの試合を振り返って

初戦で連続でポイントを取られてしまって、一度心が折れそうになったんですが、1つずつやっていけばいいと思ったし周りからも声をかけてもらったので、気持ちを切らさず取り組めたのが良かったですね。次の、後輩の岩澤(侃、スポ1=秋田商)との対戦は、お互い手の内がわかっていて頭の中でコーションなどを考えてしまったのが敗因かなと思いますね。

――太田拓弥コーチに試合後など言われた言葉などはありますか

今回全体を通して、自分を信じていけと言っていただきました。

――今後の取り組みの目標はありますか

今後試合があるかどうかわかりませんが、悔いの残らないように取り組んでいきたいですね。後輩もみんな強いので、自分もチームを引っ張っていけるよう全体で練習していきたいです。

米澤圭(スポ2=秋田商)

――優勝おめでとうございます。感想はいかがですか

棄権の選手とか階級を上げてきた選手とかがいたんですけど、形として優勝できたのは良かったかなと思いますね。

――試合内容はご自身的にどう評価されますか

自分が思ったよりも弱かったので、もっと失点をなくすことができれば良かったです

――準決勝と決勝は失点スタートからの逆転でしたが気持ち的にはいかがでしたか

点数を取られてもまた取り返せばいいやと思っていて、気持ちを切り替えてどうやって取るかということを考えながらやって、それが上手くハマったので良かったですね。

――今後の目標を教えてください

今回優勝はしましたが、まだ全然自分より実力が上の強い選手たちはたくさんいるので、その人たちに勝てるように練習していきたいと思いますね。

伊藤奨(スポ3=長崎・島原)

――今大会への目標はいかがでしたか

 昨年も3位に入ったので3位に入ろうという気持ちで試合しようと思っていました。組み合わせが出た時点でベスト8で山梨学院大の小柳和也くんとやって勝たなきゃって、そこに勝つっていう目標で来たんですけど負けてしまって残念な結果でした。

――小柳選手との試合内容はいかがでしたか

 2点取られて1点取り返して、ロースコアの試合をやりたかったので自分の思い通りだったんですけど、2ラウンド目で取り返しに行こうとしたところを上手くすかされて入られてまた点差が離れてまた取りに行ったところを入られてという、ちょっと悪い流れになってしまったので、1ラウンド目のペースのまま2ラウンド目も行けばよかったかなと。そこは作戦が失敗かなと思います。

――以前から自分から取りに行く技が足りないとおっしゃっられていましたがその後はいかがですか

 自分より弱い相手だったら取れるんですけど、同じレベルかそれ以上になるとなかなかです。米澤(圭、スポ2=秋田商)だったら片足タックルがあるし、多胡島(伸佳、スポ4=秋田・明桜)さんだったらハイクラッチがあるんですけど僕にはまだまだそういうのがないのでそこの技が一つ身につけられたら今回も勝てる試合だったのかなという感じでしたね。

――秋の大会への抱負をお願いします

 内閣杯全日本選抜選手権と全日本大学グレコローマン選手権があるのでそこは個人戦でもあるんですけどチームの団体戦という要素も兼ねてるので、もちろん自分の勝利も為もあるんですけどチームに貢献できるように、今大会で目標も課題点も見つかったので、そこを改善して頑張りたいです

岩澤侃(スポ1=秋田商)

――今大会どのような目標で臨まれましたか

 今大会の目標は3位です。それで12月の天皇杯全日本選手権(天皇杯)の資格を最低限取りたいという感じです。

――その目標をふまえて結果や試合内容に関していかがですか

 結果としては良かったんですけど、試合内容で準決勝がスコアでは僅差だったので勝てない試合でもなかったですし、結果だけじゃなくて内容をしっかり詰めていって、それを勝ちにつなげることをこれからやっていかないといけないです。

――藤川聖士選手(スポ4=埼玉栄)との試合がありましたが、戦う前の戦略や心境など聞かせてください

 いつも練習してる先輩なので手の内はお互いわかっていた中で、試合だからお互い思いっきりいこうと思っていたと思うんですけど、ポイントの取り合いにはならなくて均衡した感じになりました。それでも全力で先輩にぶつかろうという気持ちでした。

――今大会、苦戦した部分や見つかった課題などありますか

 勝った試合であったり自分で得点した場面は自分の間合いでレスリングが出来ていたんですけど、失点したり負けた試合では相手に密着されて自分の形ができなかったので、自分の間合いを試合の6分間で多く作れるかっていうのが課題だと思います。

――コーチや先輩からの試合前や試合中のアドバイスなどなにかありましたか

 やってきたことをやれと言われました

――これからの目標を教えてください

 同期で優勝したり他の大会でも入賞したりしてるし、先輩も1位を取っていて強い環境なのでその中でも埋もれることなく自分が頭一つ出る、抜け出すという意識を持って練習から取り組んでいきたいです。まず天皇杯で上位入賞や、東日本学生秋季新人戦でタイトルとって一つでもことし優勝できるようにしたいと思います。

山﨑弥十朗(スポ1=埼玉栄)

――優勝おめでとうございます。感想はいかがですか

自分は1年目からこのインカレ(全日本学生選手権)での優勝を狙っていたので、優勝できてとてもうれしいです。

――きょうの試合を振り返っていかがですか

自分がしっかり計画立てた通りに試合が運んだので、それは良かったんですけど、技術面でまだまだの部分があったので修正していきたいと思いますね。

――決勝や決勝以外でも苦戦した部分はありましたか

苦戦といいますか、もともと相手が全日本レベルの強い選手だったので、苦戦というよりは自分の中で結構順当にいったかなと。苦戦することは予想していたので。結果的に満足しています。

――明治杯(明治杯全日本選抜選手権)のときに対戦した奥井選手(眞生、国士館大)と当たりましたが、いかがでしたか

そうですね、最初に自分からタックル入って点が入ったのが大きくて、そこから試合展開的にはもう一回点取りたかったんですけど相手も強くてなかなか取れなくて。それでも勝てて良かったです。

――今後の目標や課題を教えてください

課題としては、もっと自分から、力だけではなくて相手の力を利用した技をしていきたいなと思いますね。目標はまずは世界ジュニア選手権があるのでそこでメダルを取って、ことしの最終目標は天皇杯(天皇杯全日本選手権)で優勝することです。

吉村拓海(スポ1=埼玉栄)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

自分から攻めることがあまりできなくて、相手の選手のタックルを警戒してしまってカウンター狙いになってしまったので、自分らしくはなかったですね。かと言ってカウンターもそこまで取れずに終わってしまいました。

――自分らしいスタイルというのは

もっと攻めるスタイルですね。今大会は全体的に攻めることができなかったので、また一からやり直したいなと思いました。

――新人戦(東日本学生春季新人戦)のときよりも内容的に良かったかなと思うのですが

やっぱりそんなに取らせないようにというか、前回のようにならないように自分も相手のことを研究したりしましたね。

――長谷川選手(敏裕、日体大)との試合で意識したことは

この大会で一番の勝負どころだなと思っていて、ここで勝てば上を目指せると思っていたので、一番意気込んで臨みました。

――大学初のインカレ(全日本学生選手権)の雰囲気の感想はありますか

特に緊張とかはなくて普通に試合に臨めたんですけど、一つ取りきるということがあまりできなかったので、そこは次の試合に向けて一つ一つ丁寧に取りきるということを心がけていきたいですね。

――太田拓弥コーチや先輩から試合後に掛けられた言葉は何かありましたか

コーチからは、自分らしくないな、と。もっとガツガツいけ、と言われましたね。

――今後の課題や目標を教えてください

長谷川選手にリベンジして大学で一番を取れるようになりたいのと、自分のスタイルを追求して完成させることが課題ですね。