吉村、専門外のグレコローマンスタイルで優勝!

レスリング

 1日目に行われたフリースタイルでは優勝者が出なかった早大。2日目に行われたグレコローマンスタイル(グレコ)では、専門としていない吉村拓海(スポ1=埼玉栄)が逆転勝ちで優勝。また、宇井大和(スポ1=和歌山・新宮)は準決勝でフォール負けを喫し、3位に終わった。

 専門としていない選手が多いこともあり、苦戦を強いられた早大。グレコ59キロ級に出場した小田修一郎(スポ1=大阪・関大高)、橋本星良(人2=茨城・土浦日大)、グレコ98キロ級の松本直毅(スポ1=神奈川・横浜清陵総合)は1回戦敗退となってしまう。一方で、グレコ59キロ級では岩澤侃(スポ1=秋田商)と吉村が奮起。岩澤は3回戦まで進むも、第2ピリオド(P)で相手に背後を取られ、「気の緩みが出た」と振り返る逆転負けを喫した。一方の吉村は決勝まで勝ち上がる。第1Pでは慣れない組手から自身が注意を受け、2点ビハインドで終える。「吉川航平主将(社4=秋田商)が的確なアドバイスをくれて、対処できた」(吉村)。試合時間残り40秒で相手を返し、逆転勝ち。最近2位が続いていただけにうれしい優勝となった。

優勝の喜びをチームメイトに向けて表す吉村

 グレコ66キロ級での出場となった宇井。2回戦、3回戦では何度も投げ技を決め、テクニカルフォール勝ちで順当に勝ち進む。準決勝でも投げ技で4点を取り、8-5とリードした状態で試合を進める。しかし、相手に投げ技を決められてからフィールの体勢に持ち込まれてしまう。審判がマットをたたき、フォール負けが確定。「勝っている状況での戦い方がまだ分かっていないなと痛感した」と課題を口にした。

投げ技を何度も決めた宇井

 東日本学生春季新人戦では述べ優勝が1人、表彰台に2人と少しばかり物足りない結果に。しかし吉村が2種目で表彰台に立つなどの収穫も見られた試合となった。次に待ち受けるのは、夏の大一番、全日本学生選手権。新人戦で好成績を残している選手たちにも期待がかかる。

(記事 杉野利恵、写真 太田萌枝)

※掲載が遅れて大変申し訳ありません

優勝した吉村

3位となった宇井

結果

グレコローマンスタイル

▽59キロ級

橋本 1回戦敗退

岩澤 3回戦敗退

小田 1回戦敗退

吉村 優勝

▽66キロ級

宇井 3位

▽98キロ級

松本 1回戦敗退

コメント

岩澤侃(スポ1=秋田商)

――今大会はどのような意気込みで臨みましたか

いままでの2大会はケガで出場していなくて、今回が大学初試合でした。グレコローマンスタイルは得意ではないのですが、同期の活躍もあり、負けないようにと思って臨みました。

――試合を振り返っていかがですか

1回戦ではいい動きができたかな、と思います。2回戦もその勢いで乗り切りました。3回戦で負けてしまった原因は、残り30秒くらいまでは勝っていたのですけど、気の緩みというか、逃げる気持ちが少し出てしまったからだと思います。そこで隙をつかれて負けてしまいました。

――大学デビュー戦でもあり、膝のケガからの復帰戦でもあった今大会ですが、膝の調子は試合中気になりましたか

試合では(痛みは)全然気にならないので大丈夫でした。

――3回戦の後半、息があがっているように見えました

膝をケガしている期間は走るトレーニングができませんでした。なので、スタミナが足りないな、というのはきのうから2日間試合をして感じました。

――この試合で得た課題・収穫は

勝てた試合であったり、自分が勝っている場面っていうのは自分の得意のパターンに当てはまっていて、それがうまくいって試合を進められたら勝てるんだな、と感じました。課題は、勝っているときのラスト1分だったり30秒だったりの攻め方や守り方の工夫が必要だと思いました。相手の距離感で戦ってしまうとペースを奪われてしまうので、勝っている場面でどれだけ自分のパターンで試合を運べるのか、というところですかね。

――全日本学生選手権(インカレ)に向けた意気込みをお聞かせください

インカレは4年生もいるので、自分は1年生だけど、怖気づくことなく思い切った試合をして、同期に追いつきたいと思います。

宇井大和(スポ1=和歌山・新宮)

――この大会へはどのような意気込みで臨まれましたか

フリースタイルとグレコローマンスタイルどちらにも出場が決まっていたので、フリースタイルでは入賞、グレコローマンスタイルでは優勝を目標にしていました。

――きょうの試合を振り返っていかがでしたか

準決勝は勝っていた状態で、相手の得意な状況に持ち込まれて向こうの得意な技でやられてしまいました。もったいなかったという気持ちしかないです。

――きのうは専門外のフリーで出場されましたが、グレコローマンの練習がフリーに生きた場面などはありましたか

きのうのフリーの相手もグレコローマンが専門だったんですよ。なのでどちらも専門はグレコなのにフリーで戦う形でした。グレコのようにどんどんくっついたりさしたりして、その中で足をかけるなど上下の動きを使ってみたのですが、あまりうまくとれませんでした。

――この大会を通して得た収穫と課題を教えてください

勝っている状況での戦い方がまだまだわかっていないなと痛感しました。思いっきり技をかけにいって、決まったところはよかったです。

――次のインカレ(全日本学生選手権大会)に向けての意気込みをお願いします

学生の大会では4月のJOC(ジュニアオリンピックカップ)と今回、両方とも3位できているので3位以上を目指せるように頑張りたいです。

吉村拓海(スポ1=埼玉栄)

――最近2位という試合が続いているなかでの優勝はいかがですか

きのうのフリースタイルも2位だったので、悔しかったです。グレコローマンスタイルで優勝とは思っていなかったのですが、気楽にやろうかなと思っていたらそれがうまくはまって優勝できました。

――フリースタイルでは長谷川敏宏選手(日体大)との決勝になりましたが、何か勝つための糸口などは見つかりましたか

東日本学生リーグ戦で勝ったのですがやり返されましたね。今回は相手も前回負けたということで、悔しかったと思います。今回自分のことを研究したりなど、他の試合を見ているかぎり調子も良さそうでした。自分は今回あまり調子が良くなくて、そのなかで勝ちたいなとは思っていましたが、相手が強くなってくると勝てなくなってくるので、体重調整をしっかりやるのと、また課題が見つかったので練習のなかで直していければまたすぐに勝てると思います。

――課題とはどういうものでしょうか

今回は全体的に足が動いていなくて、長谷川選手以外にも格下の選手相手に足を取られることが多かったので、足や低いタックルへの反応を課題として、やっていきたいと思います。

――グレコローマンスタイルの決勝のときに組手についての指示が飛んでいましたが、その点についてはいかがですか

グレコローマンの練習をほとんどしていなくて、全然できなくて、いろいろと全部できなかったです。そのなかで決勝では吉川航平主将(社4=秋田商)がついてくれて、1ピリオド目が終わったあとに的確なアドバイスをくれてそのなかで少し対処できて、最後はああいう形で優勝できました。

――次の試合に向けての意気込みをお願いします

次は国体予選となるのですが、フリースタイル61キロ級での、出場となります。予選から強い選手と当たるので、勝っても負けても次につながる試合ができればいいかなと思っています