次に繋がる成果を得られた男子インカレに

ウエイトリフティング

 ウエイトリフティングの大学トップを決める全日本大学対抗選手権(インカレ)。スナッチ、C&J、トータルの各8位(男子)と各6位(女子)までに点数が与えられ、大学ごとに合計得点を競う団体戦である。今回埼玉を舞台に繰り広げれられた男子インカレは日本全国から10校が参加した。7月に開催された東日本大学対抗ウエイトリフティング選手権大会では総合3位であった早大は今回全国優勝をかけて臨んだ。結果男子は総合4位で終わったものの、それぞれが一年間の集大成を最大限に発揮した。

 1日目に出場した主将宮下一心(社4=石川・金沢学院)にとっては4年生として最後の試合であった。「セコンドの重量選択や周りの応援というところで順位というものはついてきた。周りに感謝したい」と述べたように個人として総合2位を獲得。主将としてチームの流れを作った。続く坂本拓夢(スポ4=愛知・名城大属)と西川和真(スポ3=石川・金沢学院)がそれぞれ総合7位と5位に位置づけ、インカレは折り返しを迎えた。

 チームのエース、佐藤康太朗(スポ4=宮城農業)の試技から始まった2日目。「自分の中で最高記録を残したいという思いがあった」と語るように、C&Jでは自身が持つ大学記録183㎏を大幅に超える日本記録である192㎏への挑戦を試みるも失敗。それでもスナッチ、C&J、総合順位の全てで堂々と首位に立ち会場を沸かせた。続く駒阪勇気(スポ3=和歌山・紀北工業)も総合で2位に位置づけ表彰台へ。2日目ラストを飾ったのは102㎏級の菊地力也(スポ1=茨城・磯原郷英)。C&Jでは3本の試技全てを成功させ、残す3日目へバトンを繋いだ。

表彰台に立つ佐藤

 大会最終日、「応援してくれている早稲田の皆さんにしっかり貢献できるように、恩返しできるように」と4年生として最後の大会に臨んだ柏木良太(スポ4=京都・鳥羽)。C&Jの2本目で失敗するも、更に重量を増加した3本目を着実に決め、総合優勝。2連覇を遂げた。続く西堅也(スポ4=茨城・高萩清松)も6本の試技を全て成功させ、総合3位として表彰台入り。選手全員が3日間全力を尽くし、大会は閉幕した。早大はチーム全体としては総合4位に終わった。優勝にこそ及ばなかったものの、内容の濃い大会となった。

試技を決める柏木

ガッツポーズを見せる西

 「結果的には4位だったが、各選手チームとして求められているものは結果として残してくれた」と主将宮下。これから来年のチームがどこを目指していけばいいのか、明確になったはずだ。次のインカレでは頂点に立てるよう、今後も男子ウエイトリフティング部の活躍に期待したい。

(記事 池上楓佳、写真 池上楓佳、髙田凜太郎、野中美結)

結果
61キロ級

宮下一心 スナッチ105キロ C&J135キロ トータル240キロ 2位

67キロ級

坂本拓夢 スナッチ108キロ C&J135キロ トータル243キロ 7位 西川和真 スナッチ111キロ C&J143キロ トータル254キロ 5位

73キロ級

佐藤康太朗 スナッチ135キロ C&J181キロ トータル316キロ 1位

81キロ級

駒坂勇気  スナッチ131キロ C&J163キロ トータル294キロ 2位

89キロ級

小山秀斗 スナッチ129キロ C&J159キロ トータル288キロ 7位

96キロ級

今瀬竜雅 スナッチ110キロ C&J145キロ  トータル255キロ 10位  

102キロ級

菊地力哉 スナッチ129キロ C&J173キロ トータル302キロ 4位

109キロ級

柏木良太 スナッチ150キロ C&J179キロ トータル329キロ 1位

コメント

佐藤康太郎(スポ4=宮城農業)

――最高学年としてこのインカレにはどのような気持ちで臨んでいましたか

 やはり優勝しなければならないというのはもちろんですが、それを超えて自分の中で最高記録を残したいという思いもありました。その二つの目標を一つの大会の中で達成しなければならないというのは結構なプレッシャーでしたが、ひとまず個人優勝はできたので良かったと思います。

――今も「自分の中の最高記録」とありましたが、C&Jでは自身が持つ大学記録を超えた日本記録へ挑戦されていました。その時の心情はどのようなものだったのでしょうか

 日本記録への挑戦は自主的なものではなく、「やらなければならないこと」だったのでひたすら怖かったですね。というのも、オリンピック出場のためにトータルで日本記録を出さざるを得なかったんです。狙っている記録を出さなければならないということは、ひたすら怖かったです。

――本日のコンディションはどうでしたでしょうか

 そうですね、前日きちんと眠れていたので。悪くはなかったと思います。

――これからも活躍の舞台は続いていくと思います。今後の目標や意気込みを教えてください。

 とりあえず今回の大会でパリオリンピックへの挑戦は途切れてしまったので、次はロサンゼルスオリンピックに向けて、今から卒業後までの間にトレーニングに励み、自分の弱点を克服していきたいと思います。

柏木良太(スポ4=京都・鳥羽)

――今日のコンディションはいかがでしたか

 この試合に賭けてきたので、良いコンディションで試合に臨めたと思います。

――スナッチでは途中から大会新記録を見据えて挑戦されていましたが、どのような心境で臨まれていましたか

 自分自身の自己新記録が去年の大会新の147キロだったのですが、それを3キロ上回る150キロで自分の自己新記録を更新する、という強い思いで、応援してくれている早稲田の皆さんにしっかり貢献できるように、恩返しできるように臨みました。

――スナッチ、トータルともに昨年出された大会記録を更新されて、再び大会新記録となりました。振り返っていかがですか

 もっともっと記録を伸ばしていこうと思ったのですが、思った以上にケガとかをしてしまって、記録が伸びなくてここまで来てしまって。でも最後自分の力を出し切れて非常に嬉しく思います。

――4年生として早大での大会は最後だったと思いますが、4年間を振り返っていかがですか

 いろんなことがあって、ケガがあったり、練習がきつかったりしたのですが、最後優勝、2連覇というかたちで終えられて、4年生のみんなも頑張ってくれて、結果的には非常に良かったと思います。

――後輩たちに伝えたいことはありますか

 とにかく楽しんでやってください!

――同期にメッセージをお願いします

 同期が本当にしんどい時もしっかり支えてくれて、力になったので、感謝の気持ちを伝えたいです。

宮下一心主将(社4=石川・金沢学院)

――4年生として大学最後の試合だったと思います。率直に今の心境を教えてください

特に自分たちの代は、全国でも優勝を狙えるような人たちが集まっていて、そういう期待もある中で4年間過ごしてきました。結果として4位でしたけど、全員がベストを尽くした結果なので、とても良い試合だったなと思います。

――個人では2位という結果に終わりましたが振り返ってみていかがですか

触った重量とか試合展開で見ると、もっとできた部分や悔いの残る部分はあります。そういった中でも、セコンドの重量選択や周りの応援というところで、順位というものはついてきたのかなと思うので、周りに感謝したいと思います。

――当日のコンディションはいかがでしたか

コンディションは良い方ではあったと思います。やはり最後の試合というところで、いつもと違う環境や気持ちがあり、そういうところでの取りこぼしみたいなところがある中で、最後のところとかは周りの応援があったからかなと思います。

――4位という結果に終わった中、来年以降優勝へ向けて戦う後輩たちへ何か残すことはありますか

今回、結果的には4位でしたけど、各選手チームとして求められているものは結果として残してくれました。そういった意味で、来年のチームとしてどこを目指していくかを明確にした上で、そこに向けてチームで頑張るというところを考えてほしいなと思います。

――早大での4年間はどういった4年間でしたか

特に主将として、同期も自分に比べて強い選手が多い中でなかなかうまくいかないこともありました。そういう中でみんながついてきてくれて、最後まで突き進むことができたので、とても良い4年間だったと思います。

――苦楽を共にしてきた同期へのメッセージは何かありますか

ありがとうというその一言に尽きます。